横風分断で飛び出したエヴェネプールが落車し、ともに先頭に立っていたヴィンゲゴーが脚を止めたボルタ・ア・カタルーニャ3日目。集団スプリントをドリアン・ゴドン(フランス、イネオス・グレナディアーズ)が制し、今大会2勝目を挙げた。



カタルーニャ3日めに臨むジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツXRG) photo:CorVos

スペイン北東部カタルーニャ州を巡るボルタ・ア・カタルーニャ(UCIワールドツアー)は3日目を迎えた。159.4kmのコースは、まず序盤に1級、2級山岳を立て続けに越え、その後もアップダウンが連続する。一方でコース後半の3級山岳の後は長い下りと平坦路が続くため、集団スプリントが有力視されるものの、展開予測の難しいレイアウトとなった。

3日連続の逃げとなったバティスト・ヴェストロフール(フランス、ロット・アンテルマルシェ)を含む逃げ集団は6名。プロ2年目の25歳であるヴェストロフールは、狙い通り最初の2つの山岳を先頭通過し、着用する山岳賞ジャージのリード拡大に成功した。逃げを追いかけるメイン集団では、残り66.8km地点で集団落車が発生。イヴォ・オリヴェイラ(ポルトガル、UAEチームエミレーツXRG)が何とか立ち上がり、レース復帰してフィニッシュした一方、チームメイトのジェイ・ヴァイン(オーストラリア)は即座にリタイアを選択。総合優勝を目指すジョアン・アルメイダ(ポルトガル)は、山岳決戦を前に重要なアシストを1人失うこととなった。

その後はレッドブル・ボーラ・ハンスグローエやヴィスマ・リースアバイクを中心に集団を牽引し、最後の3級山岳を越えて逃げを引き戻す。そしてその下りでは横風による集団分断(エシュロン)が発生。特にレッドブルは分断を狙うべくスピードを上げ、残り28.4km地点でレムコ・エヴェネプール(ベルギー、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)が飛び出した。

エシュロンで飛び出したエヴェネプールにヴィンゲゴーが追従 photo:CorVos

この虚を突く動きに反応できたのは、総合のライバルであるヨナス・ヴィンゲゴーハンセン(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク)ただ1人。総合優勝候補の筆頭である2名は、後続の集団を置き去りにする。エヴェネプールは先頭交代を求めたが、ヴィンゲゴーはこれを拒否。怒りを露わにしたエヴェネプールだったが、それでも構わず踏み続け、一時はプロトンとの差を30秒まで広げた。しかし残り6km地点では、先頭2名の後方に集団が迫っていた。

再びエヴェネプールが高出力で踏み始め、残り1km地点を通過。しかし直後のラウンドアバウトでエヴェネプールが単独で落車し、先頭に残されたヴィンゲゴーは「こんな状況でアドバンテージを得るのは嫌だったので集団を待った」とレース後に語った通り、踏みを緩め、勝負は集団スプリントに持ち込まれた。

そして軽量スプリンターやパンチャーらによるスプリントを、タイミングよく踏み込んだドリアン・ゴドン(フランス、イネオス・グレナディアーズ)が先着。初日スプリントを制し、総合リーダージャージを着るフランス王者が、今大会2勝目を手に入れた。

今季2勝目を飾ったドリアン・ゴドン(フランス、イネオス・グレナディアーズ) photo:CorVos

「前日は勝利を逃し(区間4位)、少し腹が立っていた。だから今日、もう一度勝ちたかった。レムコとヴィンゲゴーを捉えるべく、チーム全員が素晴らしい走りをしてくれた」と、ゴドンはレースを振り返った。

一方、落車したエヴェネプールに大きな怪我はなく、残り5km以内だったため救済措置が適用され、タイム的にトップ集団と同タイムフィニッシュとなった。レース後「ヴィンゲゴーとは良い協力関係を築けた」と皮肉を交えながら、「ラウンドアバウトで小さな穴にタイヤが取られ、落車してしまった」と落車理由を明かしている。

落車後、フィニッシュしたレムコ・エヴェネプール(ベルギー、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) photo:CorVos
ボルタ・ア・カタルーニャ2026第3ステージ
1位 ドリアン・ゴドン(フランス、イネオス・グレナディアーズ) 3:43:33
2位 イーサン・ヴァーノン(イギリス、NSNサイクリングチーム)
3位 ノア・ホッブス(イギリス、EFエデュケーション・イージーポスト)
4位 トーン・アールツ(ベルギー、ロット・アンテルマルシェ)
5位 アントン・チャーム(デンマーク、ウノエックス・モビリティ)
6位 トーマス・ピドコック(イギリス、ピナレロQ36.5プロサイクリング)
7位 ノア・イジドール(フランス、デカトロンCMA CGM)
8位 ダヴィデ・ピガンゾーリ(イタリア、ヴィスマ・リースアバイク)
9位 ミヒェル・ヘスマン(ドイツ、モビスター)
10位 マーク・スチュワート(イギリス、モダンアドベンチャープロサイクリング)
個人総合成績
1位 ドリアン・ゴドン(フランス、イネオス・グレナディアーズ) 11:29:50
2位 レムコ・エヴェネプール(ベルギー、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) +0:11
3位 トーマス・ピドコック(イギリス、ピナレロQ36.5プロサイクリング) +0:16
4位 ヨナス・ヴィンゲゴーハンセン(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク) +0:18
5位 ブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAEチームエミレーツXRG) +0:19
6位 アントン・チャーム(デンマーク、ウノエックス・モビリティ) +0:20
7位 リュディ・モラール(フランス、グルパマFDJユナイテッド)
8位 オスカー・オンリー(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)
9位 アントワーヌ・ロート(フランス、デカトロンCMA CGM)
10位 ジャイ・ヒンドレー(オーストラリア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)
その他の特別賞
ポイント賞 ドリアン・ゴドン(フランス、イネオス・グレナディアーズ)
山岳賞 バティスト・ヴェストロフール(フランス、ロット・アンテルマルシェ)
ヤングライダー賞 アントワーヌ・ロート(フランス、デカトロンCMA CGM)
チーム総合成績 イネオス・グレナディアーズ
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos

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