欧州各国でシクロクロスのナショナル選手権が開催され、新チャンピオンが続々誕生。ベルギーとオランダでティボー・ネイスとティボール・デルフロッソがそれぞれ2連覇達成。「ミニ世界選」と言うべきオランダ女子ではルシンダ・ブラントが敗れ、セイリン・アルバラードが優勝を果たした。



1月第2週末、欧州各国でナショナル選手権が開催された(写真はベルギー選手権) photo:CorVos

欧州シクロクロスカレンダーはクリスマスから始まった年末年始の超過密レース期間を終え、タイトルが掛かった「選手権シーズン」に突入。世界選手権を3週間後に控えた1月10日・11日の2日間にかけて、各国でナショナルタイトルと1年間のチャンピオンジャージ着用権利を争うナショナル選手権が開催された。

母国開催の世界選手権を見据えるマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・プレミアテック)はナショナル選手権をスキップし、一方参戦予定だったワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)は怪我の療養中で不参加に。そんな中、シクロクロス大国ベルギーの男子エリートレースを掌握したのは、連覇がかかるティボー・ネイス(バロワーズ・フェルゼクリンゲン・ヘットプーツブーロー・ライオンズ)だった。

ベルギー男子エリート:ティボー・ネイス(バロワーズ・フェルゼクリンゲン・ヘットプーツブーロー・ライオンズ)が2連覇達成 photo:CorVos

オランダ男子エリート:ファンデルハールを破ったティボー・デルグロッソ(アルペシン・プレミアテック)が2連覇 photo:CorVos

中盤戦の登坂区間でマイケル・ファントーレンハウト(パウェルスサウゼン・アルテスインダストリーバウ)を千切って独走したものの、レース最終盤に追いついてきたエミル・フェルストリンヘ(クレラン・コレンドン)をフィニッシュ手前のパワー区間で辛くも押さえ込んで勝利。かつて父スヴェンが9回制している今大会で2年連続のチャンピオンに輝いた。

とてつもなく急で、長い直登担ぎ区間が登場したのは隣国オランダ選手権。男子エリートレースでは同じく連覇がかかるティボール・デルフロッソ(アルペシン・プレミアテック)とバロワーズのピム・ロンハールと今季限りで引退するラース・ファンデルハールが激しい勝負を繰り広げた。脚力で一枚上手だったデルフロッソが終始主導権を握ったものの、ミスやトラブルで中盤までロンハールと、終盤には一気に追い上げてきたファンデルハールとエキサイティングな攻防戦を繰り広げ、最後は3秒リードで2年連続優勝。ファンデルハールは2023年に続く4度目の制覇に一歩届かずも、全盛期を思わせる走りで大きくファンを沸かせた。

オランダ女子エリート:セイリン・アルバラード(フェニックス・プレミアテック)が2度目のタイトル獲得 photo:CorVos

オランダ女子エリート:ブラントとピーテルセを破って優勝したセイリン・アルバラード(フェニックス・プレミアテック) photo:CorVos

実質的なミニ・世界選手権とも言えるオランダの女子エリートレースでは番狂せが起きた。今季20戦17勝と圧倒的勝率を誇るルシンダ・ブラント(バロワーズ・フェルゼクリンゲン・ヘットプーツブーロー・ライオンズ)は序盤こそ順調に駒を進めたものの、担ぎ区間でペースを上げられず、フェニックス・プレミアテックのプック・ピーテルセとセイリン・アルバラードに引き離されてしまう。「寒さが苦手だし、タイヤ選択も良くなかった。先週(ゾンホーフェンでの)落車と関係あるかは分からないけど、今週はずっと調子が良くなかった」と振り返るブラントは2人から大きく遅れ、3位に甘んじることしかできなかった。

先頭交代しながらブラントを引き離したピーテルセとアルバラードだったが、ピーテルセが落車したことでリードを得たアルバラードがフィニッシュラインまで先行。エクザクトクロス優勝、2日後のW杯ゾンホーフェン優勝と、ここにきて調子を上げる元世界女王が自身2度目となるナショナルタイトルを獲得した。

スペイン男子エリート:フェリペ・オルツ(リドレーレーシングチーム)が8連覇 photo:CorVos

イギリス男子エリート:キャメロン・メイソン(セブンレーシング)が4度目のタイトル獲得 photo:CorVos
イタリア女子エリート:サラ・カサソラ(クレラン・コレンドン)がタイトル奪還 photo:CorVos



フランスでは今季ブレイク中のアマンディーヌ・フークネ(パウェルスサウゼン・アルテスインダストリーバウ)が、20歳にして現U23世界ロード女王のセリア・ジェリー(フランス)に破れる波乱。男子はトタルエネルジーのジョリス・デルボヴが制している。

また、スペインでは普段ベルギー/オランダと対等に渡り合っているフェリペ・オルツ(リドレーレーシングチーム)が8連覇。イタリアではサラ・カサソラ(クレラン・コレンドン)が1年ぶりに女子エリートタイトルを奪還し、男子エリートはフィリッポ・フォンタナが4年ぶり3度目の戴冠を果たしている。ドイツではプロ活動を終えたマルセル・マイセンが3年連続10回目のタイトルを獲得。スイスではケヴィン・クーン(ヘイゾマット・キューブ)が4度目のタイトル、イギリスでもキャメロン・メイソン(セブンレーシング)が4度目のタイトルを獲得している。
シクロクロス各国ナショナル選手権2026優勝者
ベルギー男子エリート ティボー・ネイス(バロワーズ・フェルゼクリンゲン・ヘットプーツブーロー・ライオンズ)
ベルギー女子エリート マリオン・ノーブルリブロール(クレラン・コレンドン)
オランダ男子エリート ティボー・デルグロッソ(アルペシン・プレミアテック)
オランダ女子エリート セイリン・アルバラード(フェニックス・プレミアテック)
イタリア男子エリート フィリッポ・フォンタナ
イタリア女子エリート サラ・カサソラ(クレラン・コレンドン)
フランス男子エリート ジョリス・デルボヴ(トタルエネルジー)
フランス女子エリート セリア・ジェリー(フランス)
ドイツ男子エリート マルセル・マイセン
スペイン男子エリート フェリペ・オルツ(リドレーレーシングチーム)
スイス男子エリート ケヴィン・クーン(ヘイゾマット・キューブ)
イギリス男子エリート キャメロン・メイソン(セブンレーシング)
text:So Isobe

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