ウィリエールの国内担当者キット北村さんが2025年後半を振り返るレポート。大阪万博イタリアパビリオンへの突然の展示依頼、台湾での新型フィランテSLR-ID2シークレット試乗会、ジャパンバイクショー初出展と、休む間もない2ヶ月間。12月には日本初の新型エアロバイクお披露目試乗会を開催し、2026年に向けた国際混成チームでのモニュメント挑戦という新展開も。激動の後半戦レポートをお届けしよう。



本物のトロフェオ・センツァフィーネを手にしたキット北村さん photo: Kitto Kitamura

2025年後半戦は、9月上旬の大阪万博内のイタリアフォーラムの展示から始まり、10月末に至るまでの2か月間は休み無く怒涛の出張が続きました。新車発表そして新車のレース投入も例年の7月ではなく10月末だった事もあり、新車のお披露目を市場に上手くリンクさせる事が出来なかった感がありました。(やはり新車発表の流れは、メディアキャンプを初夏にやって、ツール・ド・フランスでデビューして、デリバリー開始は秋から…と言うのが自然の流れ的に良いですね。)それでは後半戦のレポートは大阪万博のお話からスタートです!

試乗会&イベントレポート
9月 まさかの大阪万博デビュー、岡山と愛知での試乗会そしてミケのグレゴリーさん来日

イタリアパビリオン会議室、デュラエース組みのフィランテSLRを展示台に設置完了 photo: Kitto Kitamura

毎夏、段々と暑くなってきている事に危機感を持っていますが、今年は過去最高の暑さでした!元高校生物の教師であった私の趣味は、ベランダでの家庭菜園。今夏の野菜達への水やりの頻度が半端なかったです。7~9月があまりの暑さに休みの日に外出する事がほぼ無く、夏場の運動量がかなり減りました。(教育の現場でも学生の運動能力の低下の話をよく耳にします)コロナ禍前までは、7・8月は素潜りをしたり、空いた時間にさっとサイクリングしていたのに、この異常な暑さは中年のおっさんの運動能力の低下を招くと思います。そんな中、大阪市内は55年ぶりの万博で人・人・人でごった返していました。万博会場パビリオンで何時間も並んでいる長蛇の列をネットニュースで見て、私には全く御縁の無いイベントだと思っていました。

そんな折、ウィリエールから突然の指令が下りて来ました。『フィランテSLRをイタリアパビリオンに持って行ってくれ…。展示車両はデュラエースで組んでくれ…。搬入・搬出の指示はイタリアパビリオンの指示に従ってくれ!』この突然の申し出に困惑しました。オリンピックや万博のようなセキュリティーの高いイベントは、関係者からの依頼であったとしても、外部から内部に入るのは非常に手間がかかる事が多い事は過去に経験済み。試乗会出張の前後に搬入・搬出があるものだから余計に頭が痛かったです。

大阪市内のホテルでRCSスポーツのミケーレ・ナポリ社長らと合流、万博会場へ向けて出発 photo: Kitto Kitamura
イタリアナショナルチームのダビデ・カッサーニ監督とイタリアパビリオンでの晩餐会にて photo: Kitto Kitamura


F1レーサー時代から大ファンの片山右京氏とイタリアフォーラムで初対面 photo: Kitto Kitamura

2014年ジロ・デ・イタリア最終ステージで偶然出会った辻啓カメラマンと10年ぶりの再会 photo: Kitto Kitamura
サイクルスポーツ特派員時代から憧れの砂田弓弦カメラマンと晩餐会で乾杯 photo: Kitto Kitamura



実際に搬入・搬出に際して、まず大阪市内のホテルに宿泊しているRCSスポーツ(イタリアのレースイベントのオーガナイザー)のミケーレ・ナポリ社長とイタリアパビリオン関係者らと合流して、そこから会場へと向かったのですが、私のスタッフパスが入場するギリギリまで申請が通らず焦りました。またパビリオンの方が申請受理完了メールの送信先を間違えていたために私だけ関係者入口手前で足止めをくらい、工具類の持ち込みでセキュリティーに引っかかり、てんやわんやでした。会議室での展示車の展示台への設置は僅か10分で終わったのに、結局会社を出発してから戻ってくるまでに5時間を要しました。

またイタリアナショナルデーに際し、『イタリアの自転車経済、ジロ・デ・イタリアと競輪』等の話を中心としたフォーラムがイタリアパビリオン内の会議室で行われ、フォーラム後にイタリアの要人や日本のメディアとの晩餐会が行われました。

苦労する事が多かった万博での展示でしたが、イタリアナショナルチームのダビデ・カッサーニ監督やF1レーサー時代から大ファンの片山右京氏、初めて出会ったのはもう10年前(2014年当時、ジロ・デ・イタリアの最終ステージで偶然見かけた若者であった)辻啓カメラマン、サイクルスポーツ特派員時代からずっと憧れていた砂田弓弦カメラマン、日頃なかなかお会いする事が出来ない方々とお話し出来たので、万博の苦労が報われた気がします。

そして、役得でありましたが(マドンナ・デル・ギザッロ博物館にあったデコレーション用の小さなトロフェオ・センツァフィーネは手にした事があります。)本物のトロフェオ・センツァフィーネを手に出来た事は最高の体験でした。とにかくトロフィーが重くて、しっかりとした作りに驚愕しました。

岡山ウェーブバイクス総社店、スペシャルカラーのフィランテSLRユーザーが多数 photo: Kitto Kitamura
岡山サイクルZ、10周年記念の2日間試乗会で初心者ユーザーが多数来店 photo: Kitto Kitamura


名古屋カトーサイクル、様々なバイクがズラリと並ぶ店内 photo: Kitto Kitamura
ワタキ商工ニコー製作所、前回の雨から一転晴天で試乗会開催 photo: Kitto Kitamura



大阪万博の搬入と搬出の合間を縫って、岡山での試乗会です。まずはウェーブバイクス総社店さんでの試乗会です。昨年度の試乗会でウェーブバイクス所属のウィリエールライダーの多くがフィランテSLRにアップグレードされているので、今年度は静かな試乗会でした。岡山県にはウェーブバイクスさんを中心としたスペシャルカラーのフィランテSLRユーザーさんが沢山おられます。長年、出展・出場していた高梁ヒルクライム(現在休止中)の代わりのレースがあれば、岡山のウィリエールユーザーの皆さんと出場しようと思っています。総社市のウェーブバイクスさんから、岡山市のサイクルZさん(今年が10周年記念!)へ移動し、2日間試乗会を行いました。1日目、2日目共に沢山の初心者ユーザーが来店して頂き大変忙しくて嬉しかったです。

岡山県から帰阪し、慌てて大阪万博のイタリアパビリオンに展示車の回収に向かいました。展示車の回収を終え会社に展示車を下ろし、すぐさま愛知県へと向かいます。9月下旬のシルバーウィークは名古屋のカトーサイクルさんとワタキ商工ニコー製作所さん、そして1日空けてワイズロード府中多摩川店さんでの試乗会です。ハイエンドのMTBやグラベルバイクがズラリと並ぶカトーサイクルさん。MTB大好きな私、きっと大阪にカトーサイクルさんあれば毎週通っていますね。なかなか見る事の無いハイエンドのフロントサスペンションが天井に吊るされており、ウィリエールという看板を背負っていなければ、カトーサイクルさんでレーシングブランドのアメリカンMTBを買っていた事でしょう。

試乗会の方はと申しますとフィランテSLRとフィランテSLに乗られる方が多かったです。カトーサイクルさんでの試乗会を終えると、ワタキ商工ニコー製作所さんでの試乗会です。前回の試乗会では雨が降ったので今回は晴れて良かったです。10数年前のイタリアツアーの時には泳げなかった吉田店長が今や立派なトライアスリートに成長されている様を見て、日々の努力を怠っている自分に猛省です。新たに女性ユーザーがウィリエールファミリーに仲間入りしてくれました。ありがとうございます。

ワイズロード府中多摩川店、多摩川サイクリングロード目の前の好立地 photo: Kitto Kitamura

名古屋2軒の試乗会を終えて、静岡経由でウィリエール新規ディーラーのワイズロード府中多摩川店さんでの試乗会に向かいます。ワイズロード府中多摩川店さんは、多摩川サイクリングロードが目の前で好立地。たまたま東京のもつ焼き屋で意気投合したのが御縁でウィリエールディーラーに。芸能界に身を置いていたという山木店長の面白い芸能界のお話に仕事の話そっちのけで興味津々。この魅力的な店長と腕利きのメカニックのナイスバランスなお店です。

ワイズロード府中多摩川店の試乗会を終えると、羽田空港へミケ社のグレゴリーGMをピックアップしに向かうのですが、香港に台風が直撃し香港→羽田便が欠航。グレゴリーGMは慌てて、半日遅れの香港→成田便に変更したために、急遽成田空港までお迎えに行く事となりました。

羽田便欠航のために来日初日の販売店訪問スケジュールを大きく変更せざるをえず、急遽、千葉県の販売店と千葉競輪場にお邪魔することにしました。2012年ロンドンオリンピックでインペリアーレと共に戦った細田雄一選手がお世話になったフリートバイク&トライアスロンさん。今度のロサンゼルスオリンピックに向けて佐藤姫夏選手とフィランテSLが現在お世話になっています。ずっとトライアスロン日本代表のメカニックをされている相田店長がフィランテSLとクレオスRDホイールを使用して頂いているので、ミケのホイールの使い心地を聞きにお邪魔しました。

日本のトライアスロン業界の話を終えて、千葉競輪場にお邪魔するついでに、Mr.チャンピオン:岩佐店長のいるフリーダムさんへ。ミケのホイールのマーケティングのヒントを頂きに伺いました。

フリートバイク&トライアスロン、ミケのグレゴリーGMとトライアスロン日本代表メカニック相田店長がミケホイール談義 photo: Kitto Kitamura
フリーダム、Mr.チャンピオン岩佐店長からミケホイールのマーケティングヒントを頂く photo: Kitto Kitamura


千葉競輪場ティップスタードーム、東京オリンピック日本代表中村妃智さんの案内でグレゴリーGMに最新ヴェロドロームを紹介 photo: Kitto Kitamura

そして、今日最後にしてメインの千葉競輪場のティップスタードーム訪問です。ミケはトラック製品が得意なブランドなので、日本の最新のヴェロドロームをグレゴリーGMに見せようと思いました。ヴェロドロームをガイドしてくれたのは、東京オリンピック日本代表の中村妃智さん。スペシャルカラーのフィランテSLRに乗る美人アスリートです。グレゴリーGMは伊豆のヴェロドローム以外にも、千葉に最新のヴェロドロームがある事に大変驚いていました。翌日、東京都内のスポーツバイクショップやトライアスロンショップなど4軒ほどハシゴして、羽田空港まで送り届け、グレゴリーGMはイタリアへと帰国して行きました。


10月 イタリア友達の娘の遊び相手から、長野試乗会とジャパンバイクショー出展、そして急遽台湾へ

イタリア美女2人と奈良公園で鹿と戯れ、ジョージアさんとイタリアグラベルイベント参戦を約束 photo: Kitto Kitamura
バイシクルクラブの山口編集長のトラブルを助けてくれたウィリエールストアのルカ店長 photo: Kitto Kitamura



グレゴリーGMを羽田空港まで送り届けたらダッシュで大阪に帰還。いつの間にか9月が10月となり今度は京都へと向かいます。ウィリエール友達のチクロメカニコ・プントロッソストアのルカ店長の娘:ジョージアさんと有名レストランの御令嬢:ジアーダさんをピックアップしに京都駅へ向かいました。

何故、イタリア友達の娘の遊び相手をすることになったのか?と言うと、『イタリアで開催された2023年グラベル世界選手権で、ウィリエールのレイブSLRで参戦したバイシクルクラブの山口編集長。彼のバイクが輸送中の衝撃で不具合が生じ、世界選手権会場近くのウィリエールストアのルカ店長に助けて頂いた。』という大きな借りがあるのでした。

ルカ店長の頼みでジョージアさん達の京都・奈良観光ガイドを引き受けました。ジョージアさんはさすがルカ店長の血筋を引いているサイクリストなので、今度イタリアのグラベルイベントを一緒に走る約束をし、キット北村のグランフォンド・ミラノ~サンレモも手伝ってくれるようです。イタリア美女2人と奈良公園にて鹿と戯れ、古民家レストランで日本料理を満喫しました。

上田市ヴェレーニョ、自転車店とアウトドアグッズショップおきび堂を併設するやり手経営 photo: Kitto Kitamura
ヴェレーニョ隣のおきび堂、美味しいコーヒーも飲めるアウトドアグッズショップ photo: Kitto Kitamura


長野市HIBIサイクル、日比店長のご先祖様に北村のご先祖様が仕えていた歴史的ご縁 photo: Kitto Kitamura
青梅市クロチェリスタ、オーラムとの合同試乗会でコンタドールのブランドと一緒になりました photo: Kitto Kitamura



楽しかった京都観光も終わり、足早に3連休で長野県・青梅試乗会へと向かいます。初日は上田市にあるヴェレーニョさんです。ヴェレーニョさんは自転車店の隣にアウトドアグッズショップ:おきび堂も経営されており、なかなかのやり手です。おきび堂では美味しいコーヒーも飲めますので、自転車店だけでなくアウトドアグッズショップにもぜひお立ち寄りください。

ヴェレーニョさんの試乗会を終えて、2日目は長野市のHIBIサイクルさんへ試乗会に向かいます。HIBIサイクルの日比店長とは奇妙な御縁があり、キット北村のご先祖様は岐阜の田舎侍でして遠い昔。日比店長のご先祖様にお仕えてしていたという歴史がございます。さて、HIBIサイクルさんの店舗は元々デイダウンバイシクルさんの店舗を引き継いだ形になっております。日比店長は若くて面白い店長さんなので、近所のママチャリに乗ったおばちゃんや初心者ユーザーさんにも安心なプロショップです。

3日目は青梅市のクロチェリスタさんで試乗会です。クロチェリスタの横井店長は現在カワイイ娘さんを溺愛しており、最近キット北村と遊んでくれません。クロチェリスタさんでの試乗会はオーラムのコザキトレーディングさんとの合同試乗会です。アルベルト・コンタドール選手が立ち上げたブランドで、今回実車を初めて見ました。ウィリエールと全く違うコンセプトと乗り味で大変勉強になりました。

有明GYM-EXは東京オリンピックゆかりの場所が多い photo: Kitto Kitamura
有明GYM-EXのジャパンバイクショーに初出展 photo: Kitto Kitamura


ウェイブワンオフィス訪問、ストラーデ・ビアンケ報告と2026年夏用極冷アーム&レッグカバー開発ミーティング photo: Kitto Kitamura
ワイズロード新宿本館、目をキラキラと輝かせてサイクリングライフの第一歩を聞く初心者ユーザー達 photo: Kitto Kitamura


ワイズロード新宿本館、日本で一番忙しいスポーツバイクショップで2日間試乗会 photo: Kitto Kitamura

3連休の試乗会を終えると、有明GYM-EXで開催されるジャパンバイクショーに初出展です。有明エリアには東京オリンピックゆかりの場所が多く、もしコロナ禍中で無ければ色んな競技の観戦に行けたのになぁ…と思い返しました。生きているうちに3度目の東京オリンピックの可能性は無いでしょうから、ロゴを背に記念撮影しておきました。今回は新しく入荷したグラベルバイクとMTBを展示。ジャパンバイクショーでは今までお会いする機会の無かった販売店さんとお話が出来て、大変有意義なビジネス展示会でした。サイクルモードの出展を控えて以来の久しぶりに大きな展示会への参加でした。

2日間のジャパンバイクショーの合間に、キット北村が大変お世話になっているウェイブワンさんのオフィスへ。ストラーデ・ビアンケのご報告と近年の酷暑に対抗する極冷のウェアとアーム&レッグカバーのアイディアのミーティングのためにお邪魔しました。日本だけでなくヨーロッパも今年は大変な暑さだったので、身体を冷やす機能が優れた物は必須。2026年に暑がりのキット北村用に夏用のアーム&レッグカバーを作ってもらう予定です。

ジャパンバイクショーを終えると、ワイズロード新宿本館さんで2日間の試乗会を敢行。ちょっと天気が悪い時間帯もありましたが、2日間とも無事に試乗会が出来ました。試乗スペースの隣では、購入されたばかりのユーザー様にスポーツサイクルの丁寧な納車説明会が行われていました。沢山のお客様が説明会を聞かれている様を見て、さすが日本で一番忙しいスポーツバイクショップだと思いました。印象的だったのは沢山のお客様が目をキラキラと輝かされてサイクリングライフの第一歩の説明を聞かれていた事、キット北村そんな初心を忘れている事に気付かされました。

台中フィランテSLR-ID2弾丸ツアーが敢行されました photo: Kitto Kitamura
台中市内、元FSAエンジニアで15年来の友人スコット・スンのサポートカーでフィランテSLR-ID2を輸送 photo: Kitto Kitamura


台中サポートカー、フィランテSLR-ID2を沢山載せました photo: Kitto Kitamura
台湾サイクリングツアー会社のヤヌスさん、補給食を用意しサポートカーで伴走 photo: Kitto Kitamura


フィランテSLR-ID2を手に取り、新車でのサイクリングが始まる photo: Kitto Kitamura

試乗会を終えて東京からダッシュで帰還し、翌日には台湾へと飛びました。実は急遽、台中で新型エアロバイク:フィランテSLR-ID2の試乗が少人数だけ出来るという事で、突発的な弾丸ツアーに参加出来そうな方にだけ声をかけたんです。当初、私はこの弾丸ツアーに参加予定では無かったのですがサポートに向かう事にしました。

参加者はプントロッソ東京さん、HIBIサイクルさん、カンザキ上新庄店さんの3名と弊社メカニック1名の合計4名の日本人グループです。今回のリーダーはウィリエール台湾工場のスコット・スンさんでして、実は元FSAのエンジニアでキット北村の15年来の友人です。スコットさんと日本人グループ間での細かな意思疎通であったり、ライド中に迷子になったりした時に対応が困難である事が容易に考えられたので、私はスコットさんと日本人グループの引率サポートに徹していました。

台北から新幹線で台中までやってくると、試乗車のフィランテSLR-ID2とスコットさんのヴェルティカーレSLRを載せたサポートカーがやってきました。サポートカーを運転するサポートガイドはヤヌスさんで、台湾でのサイクリングツアー会社で働いています。ヤヌスさんは台中から日月潭まで運んでくれて、補給食を用意し参加者の後ろに付いてサポートカーを運転してくれました。サポートカーからフィランテSLR-ID2を下ろしていくと、参加者の皆さんはご機嫌でした。

新型エアロバイクはウィリエールのTTバイク:スーパーソニカSLRのデータを元に、徹底的に空力性能を向上させ、かつ現在のプロレース界でのトレンドである前乗りエアロポジションに対応したスーパーバイクです。もちろん登れるエアロバイクとしてのフィランテSLRの山岳での軽量さはそのままに、空力性能をかなり向上させたモデルになっています。

日月潭ライド開始、空力性能向上したフィランテSLR-ID2を試します photo: Kitto Kitamura

埔里観光酒廠、日月潭外周を外れ30分登った紹興酒酒蔵で記念撮影 photo: Kitto Kitamura
日本人グループは紹興酒ではなく軟膏タイプ湿布薬や香水をお土産に物色中 photo: Kitto Kitamura


日月潭ライド、2時間遅れでお昼御飯時間確保のため急いでペースを上げる photo: Kitto Kitamura
日月潭一周完走後に記念撮影 photo: Kitto Kitamura



10月中旬の台湾はずっと雨が降っていて悪天候を心配していましたが、さすが晴れ男のキット北村。曇り空で陽の光は望めませんでしたが、雨が降らなかったのはラッキーでした。フィランテSLR-ID2のサドル調整を終えて、いざ日月潭一周+紹興酒酒蔵ライドです。日月潭という湖の外周はサイクリングロードもありますが、どちらかと言えば2人乗り自転車やレンタルママチャリ向けのコースであったので、参加者一行はサイクリングロードのさらに外周にある車道を走りました。日月潭は観光地という事もあり結構車通りが多かったです。

日月潭を半分くらい走った所で、紹興酒酒蔵を目指し、日月潭外周を外れ山岳を登ります。30分ほど登ると埔里観光酒廠に到着。大きな紹興酒のモニュメントに自転車を立てかけ休憩。日本人グループはお土産を物色中なのですが、お酒ではなく軟膏タイプの湿布薬や香水をお土産にしていました。

酒蔵を後にし、日月潭一周を完遂するため再び湖の外周道路へと戻ります。景色が良い所で写真撮影するのに立ち止まってばかりだったので予定は大幅遅れ、お昼御飯の時間確保のため急いでペースをあげます。2時間遅れで何とか日月潭一周を終え、最後の記念撮影をしました。ウィリエールが変な時期に新車発表するものだから、メディアで詳細なインプレレポートが日本ではまだ行っておりません。来年早々にシクロワイアードスタッフを連れ、フィランテSLR-ID2の濃厚レポート作成にイタリアへと向かいますので乞うご期待です!

11月 9~10月と出張が多かったので、デスクワーク中心の1ヶ月

カンザキ上新庄店、スタッフ2名がフィランテ乗りで、お客様もフィランテユーザーが多い photo: Kitto Kitamura

11月中旬は例年であればワイズロード大試乗会とセオサイクルフェスティバルですが、ずっと出張続きだったので、弊社スタッフの12月上旬の出張とスイッチしてもらい大人しくしていました。そんな状況だったので11月は自宅から自転車で20分のカンザキ上新庄店さんでの試乗会のみでした。カンザキ上新庄店さんのスタッフさんは2人もフィランテに乗って頂いておりまして、必然的にカンザキ上新庄店さんのお客様もフィランテ乗りが多いです。ありがたや~。

12月 今年最後の出張はフィランテSLR-ID2のお披露目試乗会。関東はプントロッソ東京で!関西はワイズロード京都店で!

プントロッソ東京でフィランテSLR-ID2日本初お披露目試乗会 photo: Kitto Kitamura

10月下旬の台湾テストライドに使用されたフィランテSLR-ID2が11月下旬にようやく日本に届いたので、急遽プントロッソ東京で日本初のお披露目試乗会を行いました。お披露目試乗会は今注目の機能性高くてオシャレなサングラスやヘルメットで有名なスミスさんも来てくれました。スミスさんのカッコイイサングラスも気になりますが、既にプントロッソ東京のお客さんはハイエンドモデルに乗ってらっしゃる方が多いので、“フィランテSLR-ID2がお気に召されたのか?”とても気になりました。

今まで、ジオメトリーや乗り心地に関して、過去20年ウィリエールのどのモデルも同一線上に正常進化していった感があります。しかし、このフィランテSLR-ID2はフィランテと名が付いていますが、フィランテSLRやフィランテSLとは全くの別物(私は10月の台湾テストライドで乗らなかったので、12月になって初めて試乗しました)。

現在、世間は異形のエアロバイクが世間の注目を集めており、そのフィランテSLR-ID2のスタンダードな風貌からはフィランテSLRから大きく進化していないような印象を持っていましたが、乗ると良い意味で裏切られます。『ずば抜けて早い!さすが、フィランテSLR-ID2の広告の謳い文句がBE YOUR FASTEST!』

ウィリエール歴20年の私は、6台ほどウィリエールのモデルを乗り継いでいますが、どのモデルでもフレームMサイズ、ステム長は100mm、ハンドルバー幅は420mmを選んでいました。しかし、もし私がフィランテSLR-ID2を購入するとなると、フレームはMサイズなのは変わりませんが、ステム長110~120mm(今、ベストが110、120なのか?悩んでおります)、フレア形状のハンドルバー幅は390/420mmとなります。ウィリエールは今までセットバック15mmのシートポストがデフォルトでしたが、フィランテSLR-ID2に関してはセットバック0mmのシートマストがデフォルトになっています。

ジオメトリーに関して、近年流行りの前乗りポジションが基本設定となっていますので、歴代のウィリエールを乗り続けている方がフィランテSLR-ID2へと乗り換えされる際には、今までと同じだと思ってハンドルサイズを決めて発注してしまうと大失敗してしまうと思います。フィランテSLR-ID2ご購入の際には、新しいジオメトリーとシートポストのセットバック量を加味しながらサイジングする事を強くお勧めします。

フィランテSLRそしてフィランテSLR-ID2の比較、キット北村のマイベストバイク史上No.1はフィランテSLRなのはフィランテSLR-ID2を試乗した後も変わりませんが、一番速く走れるのは間違いなくフィランテSLR-ID2ですね。やはりグルパマFDJというフランス人選手の意見が大きく入ったのでしょうか?今までのウィリエールには無いテイストのバイクに仕上がっている気がします。

ワイズロード京都店で今年最後の試乗会、雨男山岡店長の予想通り生憎の雨 photo: Kitto Kitamura

12月下旬、クリスマス前に今年最後の試乗会をワイズロード京都店さんで行いました。そう言えば去年の最後の試乗会もワイズロード京都店さんでしたね。雨男を自称する京都店の山岡店長の予期した通り生憎の雨でした。雨雲が抜けるタイミングで試乗して頂きましたが、悪天候で試乗に来られる方は少なかったです。それでもスタッフさんがしっかりと乗り込んでくれましたので、ワイズロード京都店さんのSNSでフィランテSLR-ID2のインプレをご確認ください。

最後に・・・

2019年パリ~ルーベで大変お世話になったフランドルの仲間達、2026年のフランドル挑戦を待っている photo: Kitto Kitamura
モニュメントを制する旅メダルコレクション、色とりどりでそろそろ飾る額縁を用意しなければ photo: Kitto Kitamura



残念ながら2026年の台北ショーがまたしてもミラノ~サンレモに被るので、2026年もミラノ~サンレモへの挑戦はありません。しかし、シクロワイアード連載のおかげで、『モニュメントを制する旅』が読者の方々にかなり認知され、試乗会やイベントで私に声を掛けてくれる方が大変増えました。その中には、『グランフォンド・ミラノ~サンレモをお手伝いしたい!』と声をかけてくださる方もいて感謝感激。『モニュメントを制する旅』で知り合った世界中の友達もヨーロッパでの私の活動に協力したいと言ってくれています。グランフォンド・ミラノ~サンレモはチームとして出場しないと、ヘタレ北村の単独走では完走不可能です。『モニュメントを制する旅』で出会った世界中の友達とチームを組んで海外のイベントに参戦するという事は、今までコツコツと積み重ねた事が、5大モニュメント制覇というゴールに向かってようやく形を成してきたという事なので嬉しい事です。メダルコレクションも色とりどりで、そろそろメダルを飾る額縁を用意しなければと思います。

来年のモニュメントチャレンジはミラノ~サンレモではないものの、チームでの参戦という“最終章のミラノ~サンレモ”に向けた新たな局面を迎えます。日々の生活を含めて、初めてチームとしてヨーロッパで活動します。2026年のチーム員はヨーロッパ在住の日本人友達とドイツ人、オランダ人、イタリア人の混成になる予定です。フランドルには2019年のパリ~ルーベで大変お世話になった仲間達も待ってくれています。ワクワクしますね。

今年も忘年会は、広島学院中学・高等学校の同級生のお好み焼き・鉄板焼きマツケンです。あまりロードレースを知らないマツケンの家族やご友人達にも啓蒙活動を行い、今年は獺祭焼酎で乾杯!2026年からお好み焼き・鉄板焼きマツケンの松本君も、獺祭の桜井君と共にキット北村のヨーロッパでの活動を支援してくれるようです。2026年はマツケンの海鮮塩焼きそば、獺祭の酒粕アイスを食べて飛躍の年にしたいと思います。

それでは皆様良いお年をお迎えください…

広島学院同級生のお好み焼き・鉄板焼きマツケンで忘年会、2026年から松本君も獺祭の桜井君と共に北村のヨーロッパ活動を支援 photo: Kitto Kitamura


Report:Kitto Kitamura
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