大阪の二色の浜でシクロクロス全日本選手権2025が開幕。初日は男女マスターズ選手権が開催され、各年代に新たな全日本マスターズチャンピオンたちが誕生した。全クラスのフォトレポートをお届けします。


二色の浜公園BLUE PARKをフルに使ったCXコースだ photo:Makoto AYANO

男子60-64

MM60-64スタート。ホールショットは三谷長生(ダランネーケ白山CX-NONDEMO) photo:Makoto AYANO

MM60-64 砂浜をランニングで独走する大原満(Aisan Cycling Club) photo:Makoto AYANO
深く沈む砂浜にランニングを強いられる選手たち photo:Makoto AYANO


シクロクロス全日本選手権の開幕を告げる第1レース、男子マスターズ60-64は3周で争われ、1周目から後続を大きく引き離して大原満(Aisan Cycling Club)が独走を開始。終始トップを走り続けた大原がMM60-64チャンピオンに輝いた。

「今年から60歳代になったので、絶対勝つんだという気持ちで走りました。昨年は直前に病気で欠場になってしまったので、とても悔しかったんです。でも、リベンジできて良かったです!今日のレースは最後まで自分を追い込んで走りました」と大原は満面の笑みでコメントした。

MM60-64優勝は大原満(Aisan Cycling Club) photo:Makoto AYANO



MM60-64表彰 優勝は大原満(Aisan Cycling Club) photo:Makoto AYANO



女子マスターズ

女子マスターズのスタート。ホールショットは西山みゆき photo:Makoto AYANO

女子マスターズ 先頭を行く渡辺佳織(AXIS) photo:Makoto AYANO

女子マスターズは1周目から渡辺佳織(AXIS)と堀川麻依(CycleShop Re Belle.)が抜け出す形で先頭争いを繰り広げ、2周目以降は渡辺が堀川を徐々に差をつけ、リードを守り抜いた渡辺がマスターズチャンピオンを獲得した。

「L1で走って3年。自身初の大きなタイトルが全日本マスターズでの勝利になりました。去年はこの会場で2位だった。砂は苦手。前回のネイチャーランドではビリになったことが悔しくて練習を重ねたんです。しんどかった。堀川さんが速くて、砂でしか勝負できないと思っていたから、踏んでいったんです。朝早起きしてローラー、8の字練習をコツコツやってきたんです。」と渡辺が笑顔でコメントした。

女子マスターズ優勝は渡辺佳織(AXIS) photo:Makoto AYANO

女子マスターズ表彰 優勝は渡辺佳織(AXIS) photo:Makoto AYANO



男子35-39

終盤に一気に追い上げたMM35-39の和田拓海(無所属) photo:Makoto AYANO

MM35-39は和田拓海(無所属)が優勝 photo:Makoto AYANO

海藤稜馬(Panasonic Racing)が1周目をトップ通過し、城島大樹(CycleShop Re Belle.)と和田拓海の順で先頭を追いかけていく展開。和田が前を走る海藤と城島を抜き去り、そのまま力強くペダルを踏み抜いた。和田がガッツポーズをしながらフィニッシュラインを越え、男子35-39のチャンピオンになった。

「序盤は2人に先行されていましたが、絶対に最後まで着いていってやろうと考えていました。そして狙っていた通りラストラップで追い抜くことができました。私はスロースタータータイプなので、最後に逆転することが多いんです。イメージ通りでした。来季からグラベルを始めようと思っていて、UCIグラベル世界選手権にも出たいと思っているんです。」

MM35-39表彰 優勝は和田拓海(無所属) photo:Makoto AYANO



男子40-44

MM40-44のスタート。ホールショットは佐川祐太(SNEL) photo:Makoto AYANO

スタートから先行して、自信を持って走った」という佐川祐太(SNEL)が1周目からハイペースを刻み、後続の斉藤和哉(シルクロード)と吉田真人(都製餡シクロクロスチーム)が追いかけていく展開になった。

5周で争われる事になったレースは、2周目以降も勢いが止まらない佐川が後続とのリード広げていく。佐川が圧勝し、悲願のマスターズチャンピオンとなった。

MM40−44をリードする佐川祐太(SNEL) photo:Makoto AYANO

MM40−44優勝は佐川祐太(SNEL) photo:Makoto AYANO

MM40−44表彰 優勝は佐川祐太(SNEL) photo:Makoto AYANO

「昨年の男子30-34で勝てなくて、そこから今回の全日本を意識してトレーニングをしてきました。ここ一ヶ月はプレッシャーを感じて寝れない日もありましたが、マスターズで日本一になれて最高です!」と、佐川は嬉し涙を浮かべながらコメントを残した。



男子45-49

MM45-49スタート ホールショットは石川正道(CSJTT轍屋) photo:Makoto AYANO
独走に入った白石真悟(シマノドリンキング) photo:Makoto AYANO


45-49優勝 白石真悟(シマノドリンキング) photo:Makoto AYANO

2005年には大阪・堺浜での全日本選手権のエリートで3位表彰台に登った経験もある白石。関西クロスでは過去に2度シリーズチャンピオンにもなっている。しかし2008年にいったんはCX参戦を止めていた。

「2列目からスタートしてすぐに先頭に出ることができたんですが、なんとコースを間違えてしまい、大ロスしてからの追い上げでした。そこからは落ち着いて走りました。砂のレースは前で走ることにデメリットは何も無いので、とにかく前へ前へ、と走りました。シクロクロス、MTB、ロードあわせて4枚目のマスターズのナショナルジャージ獲得になりました。次は何の種目を狙おうかな?。自転車って楽しいですね!」

MM45-49表彰 優勝は白石真悟(シマノドリンキング) photo:Makoto AYANO



男子50-54

MM50-54 スタート ホールショットは杉原貴弘(チーム バケラッタ) photo:Makoto AYANO
序盤に落車して遅れた筧五郎(都製餡シクロクロスチーム) photo:Makoto AYANO


生田目修(イナーメ信濃山形&大幸ハーネス)が男子マスターズ50-54優勝 photo:Makoto AYANO

男子マスターズ50-54は生田目修(イナーメ信濃山形&大幸ハーネス)が序盤から圧倒的な独走力を見せて勝利。2020年に勝利して以来の悲願の勝利となった。

「5年前の勝利以来、毎年『勝てる』と言われながら2位が続いたんです。砂ではゴローさん(筧五郎)が強いと言われていたので、早めに抜け出して、彼の心を折ってやろうと思っていました。これからも連続して勝利を重ねられるよう頑張ってきたいと思います」と、生田目は5年ぶりの日本一を噛み締めていた。

男子マスターズ50-54優勝は生田目修(イナーメ信濃山形&大幸ハーネス) photo:Makoto AYANO



男子55-59

マスターズ55-59のスタート photo:Makoto AYANO
大きなリードを築いて独走を続けた藤井修(きゅうべえsports)だったが... photo:Makoto AYANO


MM55-59優勝は倉橋孝太郎(ベッキーシクロクロス) photo:Makoto AYANO

「大どんでん返し」に沸いたレースが男子マスターズ55-59。中盤以降、大きなリードを築いて独走を続けた関西クロスの人気者・藤井修(きゅうべえsports)だが、ラストラップに入ってから倉橋孝太郎(ベッキーシクロクロス)が猛追。最後には藤井を抜き去り、6秒差で逆転優勝。しかも「最後に脚が攣った」という藤井は、最終的に8位にまて転落してしまう。

「藤井さんに追いつくと思わなかったけど、声援がすごくて、力になって、追いつけました。最後の最後まで勝てるとは思っていなかったです。でも自分への声援が一番大きくて、それが後押しになって頑張れたんです。」

55-59表彰 優勝は倉橋孝太郎(ベッキーシクロクロス) photo:Makoto AYANO

MM55-59優勝の倉橋孝太郎(ベッキーシクロクロス)と仲間たち photo:Makoto AYANO



男子65-69

MM65-69 ランニングで順位を上げていく増田謙一(SHIDO-WORKS) photo:Makoto AYANO

男子65-69はイタリアでのシクロクロス・マスターズ世界選手権で銀メダルを獲得して、今季絶好調の増田謙一 (SHIDO WORKS)がスタートからハイペースで駆け抜け、1周目から後続からリードを奪っていく。

最終周回までハイペースで駆け抜けた増田が人差し指で一番を示すゴールポーズでフィニッシュラインを通過し、昨年に続きマスターズチャンピオンに輝いた。

MM65-69優勝は増田謙一(SHIDO-WORKS) photo:Makoto AYANO

MM65-69表彰 優勝は増田謙一(SHIDO-WORKS) photo:Makoto AYANO

今日もUCIの銀メダルを持ってきて、表彰式では日本チャンピオンジャージの下からそれを自慢気に出して喝采を浴びていた。

「もちろん勝たなければいけないレースでしたから、メカトラなどが無いように安全マージンをとって走りました。マスターズ世界選手権2位の反響が大きくて、走っている間中『世界のマスケン!』とあちこちで声援をいただいたのはちょっとプレッシャーでしたが、本当に嬉しかった」。


男子70-74

MM70-74 優勝は安西勉(RIDAIレーシング) photo:Makoto AYANO

レトロな東京理科大レーシングのジャージを着てマスターズ70-74に優勝したのは69歳の安西勉(RIDAIレーシング)。全日本マスターズは初めての出場で優勝。

「スタートからとにかく前に着いていこうと踏みました。シクロクロスは信州クロスの初期から出場していて、いったん中断したけど再び走り出しました。自転車歴で言うと50年の古株です」。

MM70-74表彰 優勝は安西勉(RIDAIレーシング) photo:Makoto AYANO



男子シングルスピード

男子シングルスピードがスタート 軽いギアでクルクル回す! photo:Makoto AYANO

腰山雅大(Wilde Bikes / 662CCC)と三宗広歩(TEAM TAMAGAWA)が競り合う photo:Makoto AYANO
男子シングルスピードで独走する腰山雅大(Wilde Bikes / 662CCC) photo:Makoto AYANO


男子シングルスピードは48名がスタートし、1周目から腰山雅大(Wilde Bikes / 662CCC)と三宗広歩(TEAM TAMAGAWA)、今井大悟(YAGI-TAI?)が先頭パックを形成し、レースを展開していく。

2周目に入ると腰山と三宗の2名の競り合いになり、重いギアを使用した腰山が直線区間やテクニカルな連続コーナーでリードを広げ、独走を開始。最後は2位の三宗と53秒をつけて、男子シングルスピードを制した。

「シングルスピードの部では一度勝ったことがあり、2度目の勝利になりますが、何よりも嬉しいのは地元関西での優勝で、関西シクロクロス主催のレースで勝ちたいという思いが強かったんです。みんなの前で勝てたのが本当に嬉しい。勝利の秘密はギア比。重いギアを速く回すことでした。ちなみにギア比は40✕17T、ちょっと重めでした。」

大会オルガナイザーのマリオさんも感極まって涙 photo:Makoto AYANO

男子シングルスピード表彰。優勝は腰山雅大(Wilde Bikes / 662CCC) photo:Makoto AYANO




女子シングルスピード

女子シングルスピードは山崎裕子(Champion System Japan Test Team)が唯一の参加で優勝 photo:Makoto AYANO

女子シングルスピードは山崎裕子(Champion System Japan Test Team)の1名のみの出走。男子シングルスピードと同時出走となり、男子にも負けないペースで駆け抜けていき、力強い走りで優勝した。

「本当は片岡さんと走りたかったのです。1人の出走で少し寂しかったですが、男子にも負けないように走りました。多くの方が声援を送ってくれて嬉しかったですし、そのおかげで最後まで全力で走ることができました!」と山崎は笑顔でコメントした。
男子35-39
1位 和田拓海 45:16.5
2位 海藤稜馬(Panasonic Racing) +0:19
3位 城島大樹(CycleShop Re Belle.) +1:42
男子40-44
1位 佐川祐太(SNEL) 45:31.7
2位 斉藤和哉(シルクロード) +1:25
3位 吉田真人(都製餡シクロクロスチーム) +1:42
男子45-49
1位 白石真悟(シマノドリンキング) 45:45.6
2位 井上耕治(Ino With Stoked Cycle) +0:18
3位 中里聡史(Gufo Cycle Works) +0:27
男子50-54
1位 生田目修(イナーメ信濃山形&大幸ハーネス) 46:45.1
2位 中市昌樹(GSJ-CX) +1:45
3位 松村孝一(RUOTE FITNESS) +1:58
男子55-59
1位 倉橋孝太郎(ベッキーシクロクロス 40:51.2
2位 川畑康武(Companio Kobe +0:06
3位 松本哲(グランデパール播磨) +0:07
男子60-64
1位 大原満(Aisan Cycling Club) 29:32.5
2位 中谷聡(HOKURIKU DOROTABOU) +1:07
3位 久馬逸志(今日も押しまs) +1:26
男子65-69
1位 増田謙一(SHIDO-WORKS) 30:54.3
2位 松井正通(CycleShop Re Belle.) +1:04
3位 久下弘樹(エキップ昴) +2:47
男子70-74
1位 安西勉(RIDAIレーシング) 39:10.3
2位 茅野利秀(スワコレーシングチーム) +3:34
3位 宮本光則(ダランネーケ白山CX) -1Lap
女子マスターズ
1位 渡辺佳織(AXIS) 31:53.2
2位 堀川麻依(CycleShop Re Belle. +0:17
3位 西山みゆき +2:14
男子SS
1位 腰山雅大(Wilde Bikes / 662CCC) 46:29.6
2位 三宗広歩(TEAM TAMAGAWA) +0:52
3位 今井大悟(YAGI-TAI?) +0:53
女子SS
1位 山崎裕子(Champion System Japan Test Team) 48:58.8
text:Michinari Takagi
photo:Makoto AYANO