老舗タイヤブランドのTUFOが、新世代のチューブレスロードタイヤ「Comtura Prima」と、そのTTモデル「Comtura Prima TT」をリリースした。TUFOのテクノロジーが詰め込まれたハイエンドモデルをインプレッション。

TUFO Comtura Prima
老舗タイヤブランドとして知られるTUFOの次世代型ロードタイヤ"Comtura Prima"シリーズ。これまでクリンチャーやチューブラーのレースタイヤを生産してきた高い技術力で作り上げたチューブレスレディタイヤだ。
ラインアップはベーシックなオールラウンドモデルと、スピードに特化したTTモデルの2種類。今回はその2つを同時にテスト。まずはそれぞれの製品を紹介しよう。
ベーシックモデルのComtura Primaは新開発のコンパウンドが大きな特徴。トレッド部分にはGrip Silica Tread Compoundという配合を採用。ナノ構造シリカ処理のラバーを組み合わせることで、ウェット路面でも安心できる優れたグリップ力を実現した。

Comtura Primaの28Cは実測254g
ケーシング部分には「Liquid Rubber Compound」という素材が採用されている。液状ゴムとナノ構造シリカを組み合わせたコンパウンドで、低ヒステリシス特性を備えているという。ヒステリシスが低いということは、タイヤの変形と復元に伴うエネルギー損失が少ないことを意味し、ペダリング効率の向上に寄与する。
パンク防止層には「Puncture Barrier Vectran」が使用されている。Vectranは液晶ポリマー繊維で、優れた強度を持つとされる素材だ。この層が尖った物体の貫通や切り傷からタイヤを保護する。
タイヤのケーシングは210/375TPIという高密度な構造を採用している。3つのサイズ展開があり、25Cが220g、28Cが240g、32Cが265gという重量設定だ。カラーはブラックとベージュの2種類。価格は11,770円(税込)だ。

TUFO Comtura Prima TT
Comtura Prima TTは、ブランド史上最速を謳うレーシング特化型タイヤだ。28Cの幅でわずか205gという軽量性を誇り、低転がり抵抗による速さだけではなく、斜度の変化をものともしない走りの軽さを手に入れた。
コンパウンドはGrip Silica Tread Compound。Comtura Primaと同じテクノロジーだが、このコンパウンドも複数のバリエーションに分かれ、用途に合わせて改良が施されているとTUFOは説明しており、TTモデルにアレンジされた性能を備えていることが期待できる。また、トライスポーツによるとトレッドの厚みはわずか2mmとレース用として割り切った設計が施されているという。
カーカスには通常モデルと同じく「Liquid Rubber Compound」が使用されており、低ヒステリシス特性によるエネルギー伝達効率の高さが期待できる。ケーシングには400/665TPIという極めて高密度な構造が採用されている。これは通常のロードタイヤと比較して2倍近い密度で、しなやかさと強度を高次元で実現している。

Comtura Prima TTは218gが実測重量だ
パンク防止層は「Puncture Barrier Standard」という仕様だ。これはトレッド下にゴム層を追加することで、適度な防御力と良好な転がり抵抗を両立させている。価格は14,850円(税込)。
ーインプレッション

TUFO Comtura Prima

独特なパターンが刻まれている
今回、Comtura Prima 28CとComtura Prima TT 28Cの2モデルをテストしました。Comtura Primaで最初に受けた印象は「転がりが軽い」でした。実測重量から受ける想定よりも軽快で、転がり抵抗が優れていると感じられました。
ケーシングのしなやかさは標準的で、硬すぎもせず、柔軟性が際立つわけでもありません。程よい硬さがケーシングにはあり、走行中のタイヤの状態が手や体に伝わってくるため、適正な空気圧が判断しやすいです。体重59kgにとっては4.0〜4.2barあたりが最も快適で、この領域では転がりの良さとグリップのバランスが取れていると感じました。
適正な空気圧で乗っている時のコーナリングはタイヤ全体で路面を捉える感覚があります。直進時はケーシングの硬さによって接地面積が小さめに感じられるのですが、コーナリングやブレーキングで荷重をかけた時はケーシングが程よくしなるため、幅広の接地面でタイヤが踏ん張ってくれます。一方で、高圧にしてしまうと接地感が薄れ、ウェット路面ではやや不安を覚えました。

ファーストインプレッションは滑るような転がりとスピード維持のしやすさ
コンパウンドは路面を滑るように進んでいくタイプという印象がありました。これが直進時の速さに繋がり、コーナリング時はしっかりとグリップ力が顔を出します。ゴムが路面を捉えるような柔らかなコンパウンドではないため、ケーシングと一体となってグリップ力を発揮してくれます。
トレッド表面は薄く滑らかで、触った感じも硬い。しかし、路面のザラザラとしたフィーリングはカットしてくれるクッション性もあり、乗り心地も良好です。走行中にコンパウンドが小石を拾っている様子もなく、鋭利な小石でのパンクリスクも低そうです。

コンパウンドとケーシングどちらも機能してグリップを発揮する
Comtura Prima TTは、ベーシックモデルからの乗り換えでテストしました。ファーストインプレッションは、転がりが良いCmtura Primaからさらに転がってくれるタイヤでした。重量が軽いこともありますが、より薄く、よりしなやかなケーシングによってローハイトホイールを履いたような軽快さを感じられました。
高速域での転がりが特に印象的で、足を止めても、加速していくようなフィーリングがありました。同時にフルブレーキング時や急激な荷重変化でもケーシングは腰砕けせず、タイヤの形状を保持してくれたため、安心して攻めることができました。
通常モデルと異なると感じたのは、タイヤの接地感でした。通常モデルは小さな面で接地していたのに対して、TTモデルは広い接地範囲でグリップする感覚があります。同じ空気圧でも通常モデルより安心感が高く感じられました。

TUFO Comtura Prima TT

トレッドは薄めに作られている
空気圧に関しては通常モデルの28Cでは3.8〜4.2barあたりがスイートスポット。TTモデルの場合は通常モデルよりも気持ち高めに設定すると同等のライドフィールを得られました。ただ空気圧を少しだけ落としてケーシングの柔軟性を使いこなした方が感触が良かったです。
トレッドの傷つきにくさも特徴的だ。小石が転がっている舗装路でハードに使っているつもりでも、トレッドには傷がついておらずコンパウンド自体に耐久性を感じられる。ただトレッド、ケーシングともに薄いため、使用する際は扱いに気をつけたいもの。

TTモデルは高速域でもどこまでもスピードが伸びていく
総じてComtura Prima 28Cは、レースからトレーニングまで幅広く使えるオールラウンダーだ。これ一本でトレーニングからレースまでこなせるだろう。対してComtura Prima TT 28Cは、ヒルクライムやタイムトライアル、サーキットエンデューロのような路面が整備されたレースで真価を発揮する。重量を気にするヒルクライマーや、Jプロクラスの高速域を維持できるレーサーにピッタリだろう。

TTモデルは通常モデルよりもさらに軽快なタイヤとなっている
TUFO Comtura Prima
タイプ:チューブレスレディ
TPI:210/375
サイズ:25C(220g)、28C(240g)、32C(265g)
カラー:ブラック、ベージュ
価格:11,770円(税込)
TUFO Comtura Prima TT
タイプ:チューブレスレディ
TPI:400/665
サイズ:28C(205g)
カラー:ブラック
価格:14,850円(税込)

老舗タイヤブランドとして知られるTUFOの次世代型ロードタイヤ"Comtura Prima"シリーズ。これまでクリンチャーやチューブラーのレースタイヤを生産してきた高い技術力で作り上げたチューブレスレディタイヤだ。
ラインアップはベーシックなオールラウンドモデルと、スピードに特化したTTモデルの2種類。今回はその2つを同時にテスト。まずはそれぞれの製品を紹介しよう。
ベーシックモデルのComtura Primaは新開発のコンパウンドが大きな特徴。トレッド部分にはGrip Silica Tread Compoundという配合を採用。ナノ構造シリカ処理のラバーを組み合わせることで、ウェット路面でも安心できる優れたグリップ力を実現した。

ケーシング部分には「Liquid Rubber Compound」という素材が採用されている。液状ゴムとナノ構造シリカを組み合わせたコンパウンドで、低ヒステリシス特性を備えているという。ヒステリシスが低いということは、タイヤの変形と復元に伴うエネルギー損失が少ないことを意味し、ペダリング効率の向上に寄与する。
パンク防止層には「Puncture Barrier Vectran」が使用されている。Vectranは液晶ポリマー繊維で、優れた強度を持つとされる素材だ。この層が尖った物体の貫通や切り傷からタイヤを保護する。
タイヤのケーシングは210/375TPIという高密度な構造を採用している。3つのサイズ展開があり、25Cが220g、28Cが240g、32Cが265gという重量設定だ。カラーはブラックとベージュの2種類。価格は11,770円(税込)だ。

Comtura Prima TTは、ブランド史上最速を謳うレーシング特化型タイヤだ。28Cの幅でわずか205gという軽量性を誇り、低転がり抵抗による速さだけではなく、斜度の変化をものともしない走りの軽さを手に入れた。
コンパウンドはGrip Silica Tread Compound。Comtura Primaと同じテクノロジーだが、このコンパウンドも複数のバリエーションに分かれ、用途に合わせて改良が施されているとTUFOは説明しており、TTモデルにアレンジされた性能を備えていることが期待できる。また、トライスポーツによるとトレッドの厚みはわずか2mmとレース用として割り切った設計が施されているという。
カーカスには通常モデルと同じく「Liquid Rubber Compound」が使用されており、低ヒステリシス特性によるエネルギー伝達効率の高さが期待できる。ケーシングには400/665TPIという極めて高密度な構造が採用されている。これは通常のロードタイヤと比較して2倍近い密度で、しなやかさと強度を高次元で実現している。

パンク防止層は「Puncture Barrier Standard」という仕様だ。これはトレッド下にゴム層を追加することで、適度な防御力と良好な転がり抵抗を両立させている。価格は14,850円(税込)。
ーインプレッション


今回、Comtura Prima 28CとComtura Prima TT 28Cの2モデルをテストしました。Comtura Primaで最初に受けた印象は「転がりが軽い」でした。実測重量から受ける想定よりも軽快で、転がり抵抗が優れていると感じられました。
ケーシングのしなやかさは標準的で、硬すぎもせず、柔軟性が際立つわけでもありません。程よい硬さがケーシングにはあり、走行中のタイヤの状態が手や体に伝わってくるため、適正な空気圧が判断しやすいです。体重59kgにとっては4.0〜4.2barあたりが最も快適で、この領域では転がりの良さとグリップのバランスが取れていると感じました。
適正な空気圧で乗っている時のコーナリングはタイヤ全体で路面を捉える感覚があります。直進時はケーシングの硬さによって接地面積が小さめに感じられるのですが、コーナリングやブレーキングで荷重をかけた時はケーシングが程よくしなるため、幅広の接地面でタイヤが踏ん張ってくれます。一方で、高圧にしてしまうと接地感が薄れ、ウェット路面ではやや不安を覚えました。

コンパウンドは路面を滑るように進んでいくタイプという印象がありました。これが直進時の速さに繋がり、コーナリング時はしっかりとグリップ力が顔を出します。ゴムが路面を捉えるような柔らかなコンパウンドではないため、ケーシングと一体となってグリップ力を発揮してくれます。
トレッド表面は薄く滑らかで、触った感じも硬い。しかし、路面のザラザラとしたフィーリングはカットしてくれるクッション性もあり、乗り心地も良好です。走行中にコンパウンドが小石を拾っている様子もなく、鋭利な小石でのパンクリスクも低そうです。

Comtura Prima TTは、ベーシックモデルからの乗り換えでテストしました。ファーストインプレッションは、転がりが良いCmtura Primaからさらに転がってくれるタイヤでした。重量が軽いこともありますが、より薄く、よりしなやかなケーシングによってローハイトホイールを履いたような軽快さを感じられました。
高速域での転がりが特に印象的で、足を止めても、加速していくようなフィーリングがありました。同時にフルブレーキング時や急激な荷重変化でもケーシングは腰砕けせず、タイヤの形状を保持してくれたため、安心して攻めることができました。
通常モデルと異なると感じたのは、タイヤの接地感でした。通常モデルは小さな面で接地していたのに対して、TTモデルは広い接地範囲でグリップする感覚があります。同じ空気圧でも通常モデルより安心感が高く感じられました。


空気圧に関しては通常モデルの28Cでは3.8〜4.2barあたりがスイートスポット。TTモデルの場合は通常モデルよりも気持ち高めに設定すると同等のライドフィールを得られました。ただ空気圧を少しだけ落としてケーシングの柔軟性を使いこなした方が感触が良かったです。
トレッドの傷つきにくさも特徴的だ。小石が転がっている舗装路でハードに使っているつもりでも、トレッドには傷がついておらずコンパウンド自体に耐久性を感じられる。ただトレッド、ケーシングともに薄いため、使用する際は扱いに気をつけたいもの。

総じてComtura Prima 28Cは、レースからトレーニングまで幅広く使えるオールラウンダーだ。これ一本でトレーニングからレースまでこなせるだろう。対してComtura Prima TT 28Cは、ヒルクライムやタイムトライアル、サーキットエンデューロのような路面が整備されたレースで真価を発揮する。重量を気にするヒルクライマーや、Jプロクラスの高速域を維持できるレーサーにピッタリだろう。

TUFO Comtura Prima
タイプ:チューブレスレディ
TPI:210/375
サイズ:25C(220g)、28C(240g)、32C(265g)
カラー:ブラック、ベージュ
価格:11,770円(税込)
TUFO Comtura Prima TT
タイプ:チューブレスレディ
TPI:400/665
サイズ:28C(205g)
カラー:ブラック
価格:14,850円(税込)
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