来季レッドブル・ボーラ・ハンスグローエへ移籍するレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)が2026年シーズンについて言及。ジロとツール出場の可能性について語った。



レッドブル・ボーラ・ハンスグローエへの移籍が決まっているレムコ・エヴェネプール(ベルギー) photo:CorVos

今季の移籍市場で最も大きなニュースのひとつがレムコ・エヴェネプール(ベルギー)のレッドブル・ボーラ・ハンスグローエへの移籍だ。2026年末まで残っていたスーダル・クイックステップとの契約を破棄し、より潤沢なチーム予算を持つ新天地での活躍を求めた。

そんなエヴェネプールが母国ベルギーメディアHet Laatste Nieuwsのインタビューに対し、ツール・ド・フランスの出場は「原則としてイエス」であることを前提に、2つのプランがあると説明。「1つ目はクラシックレースに集中し、2つ目はジロ・デ・イタリアに出場するプランだ。発表間近のコースを見た上でチーム内で検討し、フィジカル面やトレーニング面で何が現実的かを話し合って決める」と語った。

シーズン初戦は2月下旬に行われるステージレースのヴォルタ・アン・アルガルヴェかUAEツアーになる見込みだという。

2023年ジロでマリアローザを着用したレムコ・エヴェネプール(ベルギー) photo:CorVos

ジロ・デ・イタリアのコースプレゼンテーションは12月1日にローマで行われる予定。エヴェネプールの初出場となった2021年大会では、第17ステージの後にリタイアした。総合エースとして臨んだ2023年大会では、初日の個人タイムトライアルでジロ初の区間優勝を挙げ、第9ステージの個人TTで2勝目を飾ったものの、新型コロナウイルス陽性のため、マリアローザを着用したまま棄権している。

対して、すでにコース全貌が明らかとなっているツール・ド・フランスでエヴェネプールは、2024年に総合3位に入り、今年は体調不良のため第14ステージでレースを去った。2026年大会は個人TTが第3週の1つ(26km)のみとなり、代わりに開幕初日にチームTTが復活。またラルプデュエズが2日連続で組まれるなどクライマー向きのレイアウトで、本人が「少し異例で難しい」と語る通り、TTスペシャリストのエヴェネプールに有利とは言い難い。しかし本人は「それでも魅力的だ。きっとまた楽しいチャレンジになる」と前向きに捉えている。

シーズン終盤は、カナダのモントリオールで行われるロード世界選手権を予定し、達成すれば史上初の快挙となるTT4連覇を目指す。その前にGPケベックやGPモントリオールなどで調整し、ベストコンディションでアルカンシエル獲得に臨むという。

text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos