UCI(国際自転車競技連合)が2025年シーズンのUCIポイントランキングを最終更新し、男子個人でタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG)が5連覇を達成した。2位にはヴィンゲゴー、3位には今季16勝と大ブレイクのデルトロが入っている。



UCIが定めるレースカレンダーでは10月末で2025年シーズンが締めくくられ、11月に入りUCIは2025年シーズンのUCIランキングを発表した。ここでは個人ランキングを今シーズンの結果を振り返りながら紹介したい。

ポガチャルが圧巻の5連覇

イル・ロンバルディアの独走優勝でシーズンを締めくくったタデイ・ポガチャル(スロベニア) photo:CorVos

昨年から25pts多い11,680ptsを獲得し、2021年から5年連続で個人トップとなったのは、今季20勝を挙げたタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG)だ。UCIポイントの配点が大きいのは、モニュメント(5大クラシック)であるロンド・ファン・フラーンデレン(2年ぶり2度目)とリエージュ〜バストーニュ〜リエージュ(2年連続3度目)、そしてイル・ロンバルディア(5連覇)の優勝に与えられる各800pts。ストラーデ・ビアンケの優勝者に与えられる400ptsの倍という配点から、モニュメントの重要性がうかがえる。

もちろん2025年シーズンで最もUCIポイントを稼いだのは、区間4勝のうえで2年連続総合優勝に輝いたツール・ド・フランスだ。ポガチャルは山岳賞も受賞し、ポイント賞でも2位。さらに13ステージでトップ10に入った結果、ツールだけで3,765ptsに達し、これだけで年間ランキング9位相当のポイントとなる。

ちなみに1つのレースで最もポイントが高いのが、10月のロード世界選手権(RR)の900pts。ここでもポガチャルが連覇を果たした。

トップ5にUAEから3名がランクイン

ブエルタで総合優勝したヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク) photo:CorVos

個人ランキング2位は5,944.14ptsのヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク)。ツールは総合2位だったものの、自身初となるブエルタ・ア・エスパーニャの総合優勝で大きく加点。それでもポガチャルの約半分と、数字からも圧倒的な差が浮かび上がる。

そして3位に入ったのは、勝利数ではポガチャルを上回るペースで積み上げたイサーク・デルトロ(メキシコ、UAEチームエミレーツXRG)。プロ1年目だった2024年の3勝から、今季は18勝へと大幅に伸ばした。ジロ・デ・イタリアは未勝利ながら11日間にわたりマリア・ローザを着用。そして特筆すべきはシーズン後半で、特に9〜10月は15レースに出場して9勝と、21歳とは思えない強さを見せた。

今季18勝を飾ったイサーク・デルトロ(メキシコ、UAEチームエミレーツXRG) photo:CorVos

4位はマッズ・ピーダスン(デンマーク、リドル・トレック)。ジロに続いてブエルタでもポイント賞を制し、ワンデーレースとスプリントの両面で存在感を示した。5位はワールドツアーのステージレースを3大会連続で総合優勝し、ブエルタを総合2位で締めくくったジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツXRG)。トップ5にUAEが3名という圧巻の結果だ。

また昨年はパリ五輪2冠や世界選手権TT制覇などで2位に入ったレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)は、今年も世界選手権と欧州選手権のITTを制覇。一方でツール途中棄権もあり、6位でシーズンを終えている。
2025年UCIポイント個人ランキング 男子エリート
1位 タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG) 11680pts
2位 ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク) 5944.14pts
3位 イサーク・デルトロ(メキシコ、UAEチームエミレーツXRG) 5514pts
4位 マッズ・ピーダスン(デンマーク、リドル・トレック) 5074.45pts
5位 ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツXRG) 4331.07pts
6位 レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) 4118pts
7位 トーマス・ピドコック(イギリス、Q36.5プロサイクリング) 3904.38pts
8位 マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク) 3838pts
9位 オスカー・オンリー(イギリス、ピクニック・ポストNL) 2910pts
10位 ワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク) 2908pts
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos