渡部春雅(オランダベース/ウォータスレイ)が参戦した名物レース「コッペンベルグクロス」。バロワーズ・グローウィ・ライオンズのルシンダ・ブラント(オランダ)とティボー・ネイス(ベルギー)が難コンディションのレースを制した。

名物のコッペンベルグ。この日は滑りやすいコンディションとなった photo:CorVos
UCIワールドカップとテレネット・スーパープレスティージュに並ぶ、シクロクロス3大シリーズの一戦「X2Oバットカームルス・トロフェー」が開幕。着順によるポイントではなく、フィニッシュタイムの累積で総合ランキングを決めるユニークな戦いであり、今年も11月1日のコッペンベルグクロスに始まり、元旦のGPスヴェンネイスを経て、2月15日のブリュッセル自由大学シクロクロスで閉幕する合計8戦が用意されている。
11月1日(土)に開催されたコッペンベルグクロスは、その名の通り春のクラシックレースでお馴染みの悪名高き石畳激坂コッペンベルグ(登坂距離500m/最大勾配22%)を組み込んだ名物レース。
コッペンベルグだけではなく、高低差の大きい丘陵区間の上り下りやキャンバーを含むベルギー屈指の難コースとして知られ、磨かれた石が連続するコッペンベルグはシクロクロスタイヤですら安定して走ることを拒む。トップ選手であればギリギリ乗車できるような急坂に、激しい凹凸の草地など、トップ勢が「シーズントップレベルのタフコース」と口を揃え、トップ10内でも大差が付くことが常。今年はウェットの泥レースとなり、スリップダウン頻発の難コンディションと化した。
渡部春雅が参戦した女子エリート:ブラントが19歳の追撃を振り切る
欧州CXレース連戦中の渡部春雅(オランダベース/ウォータスレイ)が参戦した女子レースでは、同大会3連覇中のフェム・ファンエンペル(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)がダッシュを決めたものの、病気からのリカバリーが完全ではなく1周目でリタイアしてしまう。これによってルシンダ・ブラント(オランダ、バロワーズ・グローウィ・ライオンズ)の優勝への道筋が開かれた。

ジェリーを引き離して勝利したルシンダ・ブラント(オランダ、バロワーズ・グローウィ・ライオンズ) photo:CorVos

ルシンダ・ブラント(オランダ、バロワーズ・グローウィ・ライオンズ)が今季ビッグレースで初勝利 photo:CorVos
スリッピーな泥コースをものともせず、持ち前のパワーで36歳の元世界女王が先頭を突き進む。後方集団から抜け出し、ブラントを追いかけることができたのは19歳のセリア・ジェリー(フランス、ASバイクレーシング)ただ一人。今年FDJスエズでプロデビューを飾り、ロード世界選手権の女子U23ロードレースで優勝した19歳は粘りの走りで追撃したものの、最終的に差を詰めることはできなかった。
「コッペンベルグは決して楽になることはない。セリアも本当に強かったし、新しい才能が出てくるのは素晴らしいこと。彼女がこれからも私たちにたくさんの挑戦を与えてくれることを願っている」とは、今季ビッグレース初優勝を挙げたブラント。好レースを演じたジェリーも「勝てなかったのは残念だけど、2位は嬉しい。テクニックは自分の方が優れていたけれど、空気圧が高すぎて最終ラップはペースを落としてしまった」と好感触を得ているようだ。
また、渡部はスタート直後のコッペンベルグで順位を上げたものの、最後はペースダウンして完走ならず。31位で厳しいレースを終えている。
男子エリート:今季初戦のネイスが圧勝

スタートの遅れを取り戻していくティボー・ネイス(ベルギー、バロワーズ・グローウィ・ライオンズ) photo:CorVos
男子エリートレースを席巻したのは今季初戦を迎えたティボー・ネイス(ベルギー、バロワーズ・グローウィ・ライオンズ)だった。欧州チャンピオンジャージを着るネイスは2周目には先頭に立ち、持ち前のスキルで泥コースを華麗に攻略。唯一追従したキャメロン・メイソン(イギリス、セブンレーシング)も徐々に水を空けられ、バリアに引っかかってジ・エンド。こうして後続を振り切ったネイスがフィニッシュラインまで逃げ切った。
ネイスにとっては2023年に続く2度目のコッペンベルグとなり、父スヴェンの9勝と合わせてファミリー合計11勝目をマーク。バロワーズ勢にとっては、今季限りでの引退表明を行なったラース・ファンデルハール(オランダ)の昨年制覇と併せて3連覇、さらにブラントとの男女エリート両制覇となった。

メイソンを突き放すティボー・ネイス(ベルギー、バロワーズ・グローウィ・ライオンズ) photo:CorVos

ティボー・ネイス(ベルギー、バロワーズ・グローウィ・ライオンズ)が今季初戦で勝利した photo:CorVos
「楽勝っぽく見えたかもしれないけれど、実際は本当に苦しいレースだったよ。ずっと全速力で走っていて、最後の20mでようやく力を抜くことができたんだ。まだテクニックは100%の状態じゃないけれど、フィジカルで差をつけることができたと思う」と語るネイスは、来週末に控える欧州選手権での連覇を見据えている。
「欧州選手権は砂コース。僕は砂スキルはあまり持っていないので、このコンディションでもタイトル防衛は正直難しいと思う。調子は良いけれど今日より難しいレースになることは間違いない。まだまだ身体をレースに慣らさないといけない」と気持ちを入れ直している。

UCIワールドカップとテレネット・スーパープレスティージュに並ぶ、シクロクロス3大シリーズの一戦「X2Oバットカームルス・トロフェー」が開幕。着順によるポイントではなく、フィニッシュタイムの累積で総合ランキングを決めるユニークな戦いであり、今年も11月1日のコッペンベルグクロスに始まり、元旦のGPスヴェンネイスを経て、2月15日のブリュッセル自由大学シクロクロスで閉幕する合計8戦が用意されている。
11月1日(土)に開催されたコッペンベルグクロスは、その名の通り春のクラシックレースでお馴染みの悪名高き石畳激坂コッペンベルグ(登坂距離500m/最大勾配22%)を組み込んだ名物レース。
コッペンベルグだけではなく、高低差の大きい丘陵区間の上り下りやキャンバーを含むベルギー屈指の難コースとして知られ、磨かれた石が連続するコッペンベルグはシクロクロスタイヤですら安定して走ることを拒む。トップ選手であればギリギリ乗車できるような急坂に、激しい凹凸の草地など、トップ勢が「シーズントップレベルのタフコース」と口を揃え、トップ10内でも大差が付くことが常。今年はウェットの泥レースとなり、スリップダウン頻発の難コンディションと化した。
渡部春雅が参戦した女子エリート:ブラントが19歳の追撃を振り切る
欧州CXレース連戦中の渡部春雅(オランダベース/ウォータスレイ)が参戦した女子レースでは、同大会3連覇中のフェム・ファンエンペル(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)がダッシュを決めたものの、病気からのリカバリーが完全ではなく1周目でリタイアしてしまう。これによってルシンダ・ブラント(オランダ、バロワーズ・グローウィ・ライオンズ)の優勝への道筋が開かれた。


スリッピーな泥コースをものともせず、持ち前のパワーで36歳の元世界女王が先頭を突き進む。後方集団から抜け出し、ブラントを追いかけることができたのは19歳のセリア・ジェリー(フランス、ASバイクレーシング)ただ一人。今年FDJスエズでプロデビューを飾り、ロード世界選手権の女子U23ロードレースで優勝した19歳は粘りの走りで追撃したものの、最終的に差を詰めることはできなかった。
「コッペンベルグは決して楽になることはない。セリアも本当に強かったし、新しい才能が出てくるのは素晴らしいこと。彼女がこれからも私たちにたくさんの挑戦を与えてくれることを願っている」とは、今季ビッグレース初優勝を挙げたブラント。好レースを演じたジェリーも「勝てなかったのは残念だけど、2位は嬉しい。テクニックは自分の方が優れていたけれど、空気圧が高すぎて最終ラップはペースを落としてしまった」と好感触を得ているようだ。
また、渡部はスタート直後のコッペンベルグで順位を上げたものの、最後はペースダウンして完走ならず。31位で厳しいレースを終えている。
男子エリート:今季初戦のネイスが圧勝

男子エリートレースを席巻したのは今季初戦を迎えたティボー・ネイス(ベルギー、バロワーズ・グローウィ・ライオンズ)だった。欧州チャンピオンジャージを着るネイスは2周目には先頭に立ち、持ち前のスキルで泥コースを華麗に攻略。唯一追従したキャメロン・メイソン(イギリス、セブンレーシング)も徐々に水を空けられ、バリアに引っかかってジ・エンド。こうして後続を振り切ったネイスがフィニッシュラインまで逃げ切った。
ネイスにとっては2023年に続く2度目のコッペンベルグとなり、父スヴェンの9勝と合わせてファミリー合計11勝目をマーク。バロワーズ勢にとっては、今季限りでの引退表明を行なったラース・ファンデルハール(オランダ)の昨年制覇と併せて3連覇、さらにブラントとの男女エリート両制覇となった。


「楽勝っぽく見えたかもしれないけれど、実際は本当に苦しいレースだったよ。ずっと全速力で走っていて、最後の20mでようやく力を抜くことができたんだ。まだテクニックは100%の状態じゃないけれど、フィジカルで差をつけることができたと思う」と語るネイスは、来週末に控える欧州選手権での連覇を見据えている。
「欧州選手権は砂コース。僕は砂スキルはあまり持っていないので、このコンディションでもタイトル防衛は正直難しいと思う。調子は良いけれど今日より難しいレースになることは間違いない。まだまだ身体をレースに慣らさないといけない」と気持ちを入れ直している。
X2Oトロフェー2025-2026第1戦 女子エリート結果
| 1位 | ルシンダ・ブラント(オランダ、バロワーズ・グローウィ・ライオンズ) | 46:01 |
| 2位 | セリア・ジェリー(フランス、ASバイクレーシング) | +0:19 |
| 3位 | サラ・カサソラ(イタリア、クレラン・コレンドン) | +1:23 |
| 4位 | エレーヌ・クラウツェル(フランス) | +1:45 |
| 5位 | インゲ・ファンデルヘイデン(オランダ、クレラン・コレンドン) | +2:18 |
| 6位 | アマンディーヌ・ミューラー(フランス) | +2:23 |
| 7位 | キオナ・クラッベ(ベルギー) | +3:09 |
| 8位 | アマンディーヌ・フークネ(フランス、アルケア・B&Bホテルズ) | +3:31 |
| 9位 | マノン・バッカー(オランダ、クレラン・コレンドン) | +3:51 |
| 10位 | デニセ・ベッツェマ(ベルギー、デクースター・バウプント) | +4:16 |
| 31位 | 渡部春雅(オランダベース/ウォータスレイ) |
X2Oトロフェー2025-2026第1戦 男子エリート結果
| 1位 | ティボー・ネイス(ベルギー、バロワーズ・グローウィ・ライオンズ) | 58:39 |
| 2位 | キャメロン・メイソン(イギリス、セブンレーシング) | +0:21 |
| 3位 | ピム・ロンハール(オランダ、バロワーズ・グローウィ・ライオンズ) | +1:44 |
| 4位 | ヴィクトール・ファンデプッテ(ベルギー、デスハフト・ヘンスCXチーム) | +1:54 |
| 5位 | トーン・アールツ(ベルギー、デスハフト・ヘンスCXチーム) | +2:03 |
| 6位 | ラース・ファンデルハール(オランダ、バロワーズ・グローウィ・ライオンズ) | +2:07 |
| 7位 | ヘルベン・クイペルス(ベルギー、シャルル・リエジョワ・ロースタリー) | +2:21 |
| 8位 | ヨリス・ニューウェンハイス(オランダ、リドレーレーシングチーム) | +2:38 |
| 9位 | ニルス・ファンデプッテ(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク) | +2:44 |
| 10位 | ワイツ・メーウセン(ベルギー、クレラン・コレンドン) | +2:48 |
text:So.Isobe
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