シクロクロスの世界王者であるマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)が、今季限りでシクロクロス活動から引退する可能性を示唆した。ライバルのワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)も驚きつつ理解を示している。

復帰戦で勝利し、そのまま連勝記録を更新しているマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク) photo:CorVos
出場するレースで連戦連勝。UCIシクロクロスワールドカップ第4戦ナミュールでの勝利を皮切りに、アントワープでの第5戦、コクサイデの第6戦、X2Oトロフェー第4戦と、ライバルのワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)を持ってしても今季シクロクロスでのマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)の勢いは止まるところを知らない。
しかし今話題となっているのが、アントワープの優勝後インタビューでオランダのAD紙に語ったシクロクロスからの引退示唆。「いつまでもシクロクロスを走り続けるつもりはない。いつかは終わりが来るものだ」と話したことだ。

華麗な砂捌きを披露するマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク) photo:CorVos
その理由として、ファンデルプールは「シクロクロスもロードも、最高の形でキャリアを終えたい」という思いを挙げる。2026年2月に母国オランダ、フルストで開催される世界選手権では自身8回目のシクロクロス世界タイトルを狙える状況にある。これはエリック・デフラミンクが保持する記録を超える快挙であり、ファンデルプールにとって最高の締めくくりとなり得る舞台。「フルストで世界チャンピオンになれたら、キャリア最高の状態でシクロクロスから離れるという選択肢を持つことになる」とも語っている。
同時に、年齢やモチベーション、身体的な負荷といった現実的な要素もこの選択肢にある。ファンデルプール自身は「シクロクロスは僕の大好きな競技
だ。大観衆の中を走るのは楽しいし、シクロクロスと共に育ってきた」とシクロクロスへの愛着を口にしつつも「冬季シーズンを丸ごと休めばロードレースシーズンに向けてより良い準備ができるかもしれない。もうシクロクロスで獲得すべき記録はもうあまり残っていない」とロードに専念する可能性を示唆している。

表彰台に登ったマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)とワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク) photo:CorVos
この発言に対し、長年最大のライバルとしてシクロクロス界を牽引してきたワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)も反応を示している。「最初に聞いたときは正直驚いた。でも、理解はできる」とファンアールトは語る。「彼はもうシクロクロスでやるべきことをすべてやり切っている。だからそう考えるようになっても不思議ではない」。
一方で、自身のスタンスについては明確だ。「僕はまだシクロクロスを走り続けたいと思っている」と、競技への意欲は衰えていないことも強調した。
text:So Isobe

出場するレースで連戦連勝。UCIシクロクロスワールドカップ第4戦ナミュールでの勝利を皮切りに、アントワープでの第5戦、コクサイデの第6戦、X2Oトロフェー第4戦と、ライバルのワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)を持ってしても今季シクロクロスでのマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)の勢いは止まるところを知らない。
しかし今話題となっているのが、アントワープの優勝後インタビューでオランダのAD紙に語ったシクロクロスからの引退示唆。「いつまでもシクロクロスを走り続けるつもりはない。いつかは終わりが来るものだ」と話したことだ。

その理由として、ファンデルプールは「シクロクロスもロードも、最高の形でキャリアを終えたい」という思いを挙げる。2026年2月に母国オランダ、フルストで開催される世界選手権では自身8回目のシクロクロス世界タイトルを狙える状況にある。これはエリック・デフラミンクが保持する記録を超える快挙であり、ファンデルプールにとって最高の締めくくりとなり得る舞台。「フルストで世界チャンピオンになれたら、キャリア最高の状態でシクロクロスから離れるという選択肢を持つことになる」とも語っている。
同時に、年齢やモチベーション、身体的な負荷といった現実的な要素もこの選択肢にある。ファンデルプール自身は「シクロクロスは僕の大好きな競技
だ。大観衆の中を走るのは楽しいし、シクロクロスと共に育ってきた」とシクロクロスへの愛着を口にしつつも「冬季シーズンを丸ごと休めばロードレースシーズンに向けてより良い準備ができるかもしれない。もうシクロクロスで獲得すべき記録はもうあまり残っていない」とロードに専念する可能性を示唆している。

この発言に対し、長年最大のライバルとしてシクロクロス界を牽引してきたワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)も反応を示している。「最初に聞いたときは正直驚いた。でも、理解はできる」とファンアールトは語る。「彼はもうシクロクロスでやるべきことをすべてやり切っている。だからそう考えるようになっても不思議ではない」。
一方で、自身のスタンスについては明確だ。「僕はまだシクロクロスを走り続けたいと思っている」と、競技への意欲は衰えていないことも強調した。
text:So Isobe
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