オンリーがイネオス加入　ピクニックとの2027年までの契約を途中解除

イネオス・グレナディアーズがオスカー・オンリー（イギリス、ピクニック・ポストNL）の加入を発表した。23歳のオンリーは2025年のツール・ド・フランスで総合4位に入った、将来を嘱望されるオールラウンダーだ。

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「僕はゲラント（トーマス）やデイヴ（ブレイルスフォード）、そしてこのチームが世界の舞台で自転車競技を席巻し、イギリスで自転車競技を広めていく姿を見て育った。だからこそ、グレナディアーズと長期契約を結べたことを誇りに思っている。2027年にツール・ド・フランスがスコットランドをスタートする際に、イギリスのチームで走れるというのも大きな意味がある」とオンリーは加入の喜びと共に、その理由を語った。契約期間は「長期」とされるのみで、具体的な年数は公表されていない。

オンリーはピクニック・ポストNLと2027年まで契約を結んでおり、契約を途中解除しての加入となる。一部ではイネオスがピクニックに対し契約解除金を支払ったという報道もあるが、明らかにはされていない。

オンリーはイギリス出身で、デカトロンAG2Rラモンディアールとピクニック・ポストNLの育成チームを経て、2023年にプロデビュー。2年目の2024年は、ツアー・ダウンアンダーのウィランガヒルで争われたフィニッシュスプリントを制し、ワールドツアーでプロ初勝利を飾った。そして2025年はツール・ド・スイスで区間1勝と共に総合3位に入った。

2度目の出場となったツール・ド・フランスでは、徐々に順位を上げていき、総合4位でフィニッシュ。当時22歳だったこともあり、ピクニックとの契約期間中にもかかわらず、本人によれば「約15チーム」による争奪戦が行われた。そしてこの度、母国チームであるイネオスへの移籍が発表された。

レーシング・ディレクターのゲラント・トーマスは、「彼のレースの走り方や理解度は年齢を超えて成熟しており、まさに本物のレーサーだ。一緒に仕事ができるのが待ちきれない。彼の年齢を考えれば、まだまだ伸びしろは大きい」と評価。「私が走った中で最も強かったチームには、常に複数の才能ある総合系の選手がいた。いまの我々もまさにその状態だと感じている。どんなステージでも戦える強力な選択肢が揃っている。オスカーは我々のロースターを完璧に補完する存在だ」と、獲得理由を語った。

text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos