キリロ・ツァレンコ(ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ)の個人総合優勝で幕を閉じた今年のツール・ド・九州。山岳賞の織田聖(マトリックスパワータグ)、トレーニーとしてシマノレーシングから出場した林原聖真らのコメントを紹介する。
個人総合優勝 キリロ・ツァレンコ「チームメイトが完璧な仕事で支えてくれた」

ツール・ド・九州2025 個人総合表彰式 photo:Satoru Kato
個人総合優勝したキリロ・ツァレンコは、第3ステージの10月13日が26歳の誕生日。新城幸也ら強力なチームメイトの支えもあって、たった4秒差を守り切った。

メイン集団を長時間引き続ける新城幸也の姿が多く見られた photo:Satoru Kato
「今年2枚目のリーダージャージ(4月のツアー・オブ・ハイナンで個人総合優勝)はとても素晴らしいことで嬉しい。今年は3日間通してとてもハードなステージが続いた。リーダージャージを着ていたからさらに大変だったと感じた。それでもチームメイトが3日間完璧な仕事をこなして支えてくれたおかげで最後までジャージを守り切ることが出来たと思う。

ソリューションテック・ヴィーニファンティーニはチーム総合優勝も獲得 photo:Satoru Kato
この優勝は生涯忘れられない勝利になるだろう。なぜなら今日は僕の誕生日だったからね。とてもスペシャルな日になった。次のレースはジャパンカップ。どんなレースになるかは分からないけれど、ベストを尽くすつもりだ」
山岳賞 織田聖「第1ステージで山岳賞のチャンスと感じた」

山岳賞 織田聖(マトリックスパワータグ) photo:Satoru Kato
初日の逃げ集団に乗って6回中4回の2級山岳先頭通過で山岳賞ジャージを獲得。翌日の第2ステージも逃げに出て1級山岳を獲り、山岳賞をほぼ確定させた織田聖。その第2ステージは一番集中していたと振り返る。
「初日はチームミーティングで逃げが出来たら誰か行ければと話していた。たまたま僕の目の前にいた選手が飛び出して行き、チームのメンバーがみんな後方にいたので自分で行くことにした。逃げに入ったら山岳賞を取ることがチームのオーダーだったので、その通りに動いた。1回目は新城雄大さん(キナンレーシングチーム)も山岳賞争いに加わっていたけれど、2回目以降はヴィクトリア・スポーツの選手だけが動いたので、これはチャンスと思った。

第1ステージ、山岳賞争いをするニコル・バレハ(ヴィクトリア・スポーツ・プロサイクリング)と織田聖(マトリックスパワータグ) photo:Satoru Kato
熊本の第2ステージで決めてしまいたかったので、一番集中した日だったと思う。うまく逃げに乗ったと言うよりはパワーで押し切った感じになったので、だいぶ消耗したけれど1回目で先頭を取れたので良かった。UCIレースでジャージを取るのはこれが初めてなのでとても嬉しい。

第2ステージ トマ・ボネ(トタルエネルジー)に続いて逃げる山岳賞ジャージの織田聖(マトリックスパワータグ) photo:Satoru Kato
このあとはジャパンカップクリテリウムに出場し、本格的なシクロクロスシーズンに入る。夏場のトレーニングで調子が上がってきたのでシーズンが楽しみ。まずは全日本選手権で確実に勝って、ワールドカップで昨年以上の結果を出したい」
林原聖真「とにかく力差を感じた3日間」

シマノレーシングのメンバーとしてツール・ド・九州に出場した林原聖真(写真左端) photo:Satoru Kato
9月のJプロツアー南魚沼ロードレースで優勝し、直後に滋賀県で行われた国民スポーツ大会のロードレースでも優勝した林原聖真。10月はシマノレーシングにトレーニーとして加入し、おおいたアーバンクラシック、ツール・ド・九州に出場した。初のUCIレース転戦をどう感じたのか?

登りの厳しい第2ステージは得意なコース photo:Satoru Kato
「コンディションが良く無いのか、自転車に馴染めなかったのか、まったく踏めなくてキツくて何も出来ない3日間になってしまった。昨日(熊本ステージ)はコース的に得意な方だったのでごまかせたというか若干は走れたと思うが、初日と第3ステージは短い時間の高出力がまったく出なくてダメだった。
UCIのステージレースはツール・ド・ラヴニールには出場したけれど他に経験がなく、ここまでレベルの高いレースは今まで走ったことが無かったので、コンディションが良くない中で余計にキツかった。勝負どころにはまったく絡めなかったし、トップ選手達が戦っているところさえも見えなかった。とにかく力の差を感じた3日間だった。

出走サインする林原聖真 photo:Satoru Kato 
最終日はカマキリになつかれる場面も photo:Satoru Kato
これまではチームとして動くと言うよりは個人でどうにかする感じだったけれど、シマノレーシングのトレーニーとして走ってチームとして動くことが基本になったので、それが大きな違いと感じた。国スポまでは調子が良く、自分ではまだ踏める状態だと思っていたけれど、踏めなかったのでコンディションの良い期間をもっと長く維持できるようにして、このレベルでも優勝争い出来るようになりたい」
text&photo:Satoru Kato
個人総合優勝 キリロ・ツァレンコ「チームメイトが完璧な仕事で支えてくれた」

個人総合優勝したキリロ・ツァレンコは、第3ステージの10月13日が26歳の誕生日。新城幸也ら強力なチームメイトの支えもあって、たった4秒差を守り切った。

「今年2枚目のリーダージャージ(4月のツアー・オブ・ハイナンで個人総合優勝)はとても素晴らしいことで嬉しい。今年は3日間通してとてもハードなステージが続いた。リーダージャージを着ていたからさらに大変だったと感じた。それでもチームメイトが3日間完璧な仕事をこなして支えてくれたおかげで最後までジャージを守り切ることが出来たと思う。

この優勝は生涯忘れられない勝利になるだろう。なぜなら今日は僕の誕生日だったからね。とてもスペシャルな日になった。次のレースはジャパンカップ。どんなレースになるかは分からないけれど、ベストを尽くすつもりだ」
山岳賞 織田聖「第1ステージで山岳賞のチャンスと感じた」

初日の逃げ集団に乗って6回中4回の2級山岳先頭通過で山岳賞ジャージを獲得。翌日の第2ステージも逃げに出て1級山岳を獲り、山岳賞をほぼ確定させた織田聖。その第2ステージは一番集中していたと振り返る。
「初日はチームミーティングで逃げが出来たら誰か行ければと話していた。たまたま僕の目の前にいた選手が飛び出して行き、チームのメンバーがみんな後方にいたので自分で行くことにした。逃げに入ったら山岳賞を取ることがチームのオーダーだったので、その通りに動いた。1回目は新城雄大さん(キナンレーシングチーム)も山岳賞争いに加わっていたけれど、2回目以降はヴィクトリア・スポーツの選手だけが動いたので、これはチャンスと思った。

熊本の第2ステージで決めてしまいたかったので、一番集中した日だったと思う。うまく逃げに乗ったと言うよりはパワーで押し切った感じになったので、だいぶ消耗したけれど1回目で先頭を取れたので良かった。UCIレースでジャージを取るのはこれが初めてなのでとても嬉しい。

このあとはジャパンカップクリテリウムに出場し、本格的なシクロクロスシーズンに入る。夏場のトレーニングで調子が上がってきたのでシーズンが楽しみ。まずは全日本選手権で確実に勝って、ワールドカップで昨年以上の結果を出したい」
林原聖真「とにかく力差を感じた3日間」

9月のJプロツアー南魚沼ロードレースで優勝し、直後に滋賀県で行われた国民スポーツ大会のロードレースでも優勝した林原聖真。10月はシマノレーシングにトレーニーとして加入し、おおいたアーバンクラシック、ツール・ド・九州に出場した。初のUCIレース転戦をどう感じたのか?

「コンディションが良く無いのか、自転車に馴染めなかったのか、まったく踏めなくてキツくて何も出来ない3日間になってしまった。昨日(熊本ステージ)はコース的に得意な方だったのでごまかせたというか若干は走れたと思うが、初日と第3ステージは短い時間の高出力がまったく出なくてダメだった。
UCIのステージレースはツール・ド・ラヴニールには出場したけれど他に経験がなく、ここまでレベルの高いレースは今まで走ったことが無かったので、コンディションが良くない中で余計にキツかった。勝負どころにはまったく絡めなかったし、トップ選手達が戦っているところさえも見えなかった。とにかく力の差を感じた3日間だった。


これまではチームとして動くと言うよりは個人でどうにかする感じだったけれど、シマノレーシングのトレーニーとして走ってチームとして動くことが基本になったので、それが大きな違いと感じた。国スポまでは調子が良く、自分ではまだ踏める状態だと思っていたけれど、踏めなかったのでコンディションの良い期間をもっと長く維持できるようにして、このレベルでも優勝争い出来るようになりたい」
text&photo:Satoru Kato
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