カナダ開催のW杯最終戦を制したのはチャーリー・アルドリッジ(イギリス、キャノンデールファクトリーレーシング)とジェニー・リスヴェッズ(スウェーデン、キャニオン・CLLCTV XCO)。サマラ・マクスウェル (デカトロン・フォードレーシングチーム)がニュージーランドに初のW杯シリーズチャンピオンをもたらした。
世界屈指のトップ選手たちがしのぎを削るUCI MTBワールドカップ(W杯)は、先週のニューヨーク州レイク・プラシッドからカナダに移動。10月10-12の3日間、スノーリゾートとして知られるケベック州のモンサンタンヌで激しいシリーズを締めくくる最終第10戦が開催された。

コースを試走するヨランダ・ネフ(スイス、キャノンデールファクトリーレーシング) photo:UCI 
ヴィクトル・コレツキー(フランス、スペシャライズドファクトリーレーシング)は先週の落車ダメージで出走をキャンセル photo:UCI
女子エリート:世界女王リスヴェッズが歴史的大差で圧勝、マクスウェルがW杯総合優勝を達成
女子エリートレースの焦点は、今シーズン安定したパフォーマンスを披露してきたサマラ・マクスウェル (ニュージーランド、デカトロン・フォードレーシングチーム)がシリーズランキングを確定させられるかどうか。8位以上でフィニッシュすれば母国にとって歴史的な快挙となるが、ミスを犯せばジェニー・リスヴェッズ(スウェーデン、キャニオン・CLLCTV XCO)にも逆転総合優勝の可能性は残されていた。
レースは現役ラストレースとなったリンダ・インダーガンド(スイス、リヴ・ファクトリーレーシング)が得意のスタートダッシュで花を飾ったものの、最初の登坂区間に入るとリスヴェッズがするすると先頭に。スタートループを終える頃には既に、マクスウェルに対して30秒以上の大差がついていた。

3分半という大差で勝利したジェニー・リスヴェッズ(スウェーデン、キャニオン・CLLCTV XCO) photo:UCI

2位に食い込み、総合優勝を確定させたサマラ・マクスウェル (ニュージーランド、デカトロン・フォードレーシングチーム) photo:UCI
アルカンシエルを着るリスヴェッズは淡々とハイペースを刻み、マクスウェルが単独2番手、その背後ではイヴィ・リチャーズ(イギリス、トレックファクトリーレーシング・ピレリ)とシーナ・フライ(スイス、スペシャライズドファクトリーレーシング)が3番手パックを形成する。秋深まるモンサンタンで、その状況は最後まで崩れることが無かった。
実に3分半リードという、XCO史上最大のタイム差を付けたリスヴェッズが今季5回目のワールドカップ勝利を達成し、マクスウェルはニュージーランド出身の女子エリートライダーとして初めてUCIクロスカントリーワールドカップ総合優勝を成し遂げた。

最終戦を勝利で締め括ったジェニー・リスヴェッズ(スウェーデン、キャニオン・CLLCTV XCO) photo:UCI

ニュージーランド初のW杯総合優勝を達成したサマラ・マクスウェル (ニュージーランド、デカトロン・フォードレーシングチーム) photo:UCI
リスヴェッズは「言葉が出ないのは初めて。今日は流れに集中して走り、本当に素晴らしいコースだった。今年は本当に色々なことが起こった。シーズン終盤にかけてはとても好調で、世界選手権でも優勝できたが、まだまだ学ぶべきことがたくさんある。いっそうハングリー精神とこれからへの期待が高まっている」とコメントする。
また、大成功のシーズンを過ごしたマクスウェルは「アスリートとしてのプレッシャーを強く感じたシーズンだったけれど、結果的に今年は11レースで10回表彰台に立つという、信じられないほど素晴らしいシーズンになった。きちんと自分やコーチ、チーム、回復力を信じて、支えてくれる人たちに耳を傾けることが何よりも大切だった」と、涙ながらにコメント。摂食障害を改善するために一時競技活動を離れ、そのためにニュージーランド車連からパリ五輪メンバーに選考されず、スポーツ裁定の結果出場権を得て8位に入った苦労人が、大成功のシーズンを締め括っている。
男子エリート:スペシャライズドvsキャノンデール、アルドリッジがW杯初優勝
男子エリートレースは、シーズン序盤から圧倒的な強さを見せてきたスペシャライズド勢と、シーズン後半からその牙城を崩し始めたキャノンデールファクトリーレーシング勢による真っ向勝負という状況に。スペシャライズド勢は前週激しいクラッシュを喫したヴィクトル・コレツキー(フランス)を欠いたものの、既に総合優勝を決めているクリストファー・ブレヴィンス(アメリカ)らを中心にレースを構築した。

レースを引っ張るチャーリー・アルドリッジ(イギリス、キャノンデールファクトリーレーシング) photo:UCI

優勝争いに加わったマルティン・ヴィダウレ(チリ、スペシャライズドファクトリーレーシング)は2位 photo:UCI
スペシャライズドはブレヴィンスとマルティン・ヴィダウレ(チリ)、アドリアン・ボワシ(フランス)を、キャノンデールはチャーリー・アルドリッジ(イギリス)とルカ・マルタン(フランス)、シモン・アンドレイアッセン(デンマーク)を先頭グループに送り込む。マティス・アザロ(フランス、オリジンレーシングチーム)も含む7名がアタックと合流を繰り返しながら周回をこなしていった。
後半戦に入るにつれてレースを引っ張ったのはイギリス王者のアルドリッジ。全7周回中の6周目には先頭グループを3人にまで絞り込み、最終周回の登坂区間で最後まで食い下がっていたヴィダウレを引きちぎる。がむしゃらに踏み続けたイギリスチャンピオンが11秒差で自身初のW杯XCO優勝を掴み取った。

W杯初優勝を遂げたチャーリー・アルドリッジ(イギリス、キャノンデールファクトリーレーシング) photo:UCI

安定した強さで総合優勝を果たしたクリストファー・ブレヴィンス(アメリカ、スペシャライズドファクトリーレーシング) photo:UCI
「最高の形で一年を終えることができてとても嬉しいよ。登りの頂上に近づくにつれて、少し差が開いてきたのが分かったので最終ラップは全力でゴールを目指したんだ。最後の2周は全開。僕も足が攣りそうだったし、みんなも攣りそうだった。まさに消耗戦だった。今年は何度か勝利に手が届きそうで届かなかったので本当に嬉しい。こうして優勝できたのは信じられない気持ちだよ」と、レース後のインタビューで嬉しさを表現した。
世界屈指のトップ選手たちがしのぎを削るUCI MTBワールドカップ(W杯)は、先週のニューヨーク州レイク・プラシッドからカナダに移動。10月10-12の3日間、スノーリゾートとして知られるケベック州のモンサンタンヌで激しいシリーズを締めくくる最終第10戦が開催された。


女子エリート:世界女王リスヴェッズが歴史的大差で圧勝、マクスウェルがW杯総合優勝を達成
女子エリートレースの焦点は、今シーズン安定したパフォーマンスを披露してきたサマラ・マクスウェル (ニュージーランド、デカトロン・フォードレーシングチーム)がシリーズランキングを確定させられるかどうか。8位以上でフィニッシュすれば母国にとって歴史的な快挙となるが、ミスを犯せばジェニー・リスヴェッズ(スウェーデン、キャニオン・CLLCTV XCO)にも逆転総合優勝の可能性は残されていた。
レースは現役ラストレースとなったリンダ・インダーガンド(スイス、リヴ・ファクトリーレーシング)が得意のスタートダッシュで花を飾ったものの、最初の登坂区間に入るとリスヴェッズがするすると先頭に。スタートループを終える頃には既に、マクスウェルに対して30秒以上の大差がついていた。


アルカンシエルを着るリスヴェッズは淡々とハイペースを刻み、マクスウェルが単独2番手、その背後ではイヴィ・リチャーズ(イギリス、トレックファクトリーレーシング・ピレリ)とシーナ・フライ(スイス、スペシャライズドファクトリーレーシング)が3番手パックを形成する。秋深まるモンサンタンで、その状況は最後まで崩れることが無かった。
実に3分半リードという、XCO史上最大のタイム差を付けたリスヴェッズが今季5回目のワールドカップ勝利を達成し、マクスウェルはニュージーランド出身の女子エリートライダーとして初めてUCIクロスカントリーワールドカップ総合優勝を成し遂げた。


リスヴェッズは「言葉が出ないのは初めて。今日は流れに集中して走り、本当に素晴らしいコースだった。今年は本当に色々なことが起こった。シーズン終盤にかけてはとても好調で、世界選手権でも優勝できたが、まだまだ学ぶべきことがたくさんある。いっそうハングリー精神とこれからへの期待が高まっている」とコメントする。
また、大成功のシーズンを過ごしたマクスウェルは「アスリートとしてのプレッシャーを強く感じたシーズンだったけれど、結果的に今年は11レースで10回表彰台に立つという、信じられないほど素晴らしいシーズンになった。きちんと自分やコーチ、チーム、回復力を信じて、支えてくれる人たちに耳を傾けることが何よりも大切だった」と、涙ながらにコメント。摂食障害を改善するために一時競技活動を離れ、そのためにニュージーランド車連からパリ五輪メンバーに選考されず、スポーツ裁定の結果出場権を得て8位に入った苦労人が、大成功のシーズンを締め括っている。
男子エリート:スペシャライズドvsキャノンデール、アルドリッジがW杯初優勝
男子エリートレースは、シーズン序盤から圧倒的な強さを見せてきたスペシャライズド勢と、シーズン後半からその牙城を崩し始めたキャノンデールファクトリーレーシング勢による真っ向勝負という状況に。スペシャライズド勢は前週激しいクラッシュを喫したヴィクトル・コレツキー(フランス)を欠いたものの、既に総合優勝を決めているクリストファー・ブレヴィンス(アメリカ)らを中心にレースを構築した。


スペシャライズドはブレヴィンスとマルティン・ヴィダウレ(チリ)、アドリアン・ボワシ(フランス)を、キャノンデールはチャーリー・アルドリッジ(イギリス)とルカ・マルタン(フランス)、シモン・アンドレイアッセン(デンマーク)を先頭グループに送り込む。マティス・アザロ(フランス、オリジンレーシングチーム)も含む7名がアタックと合流を繰り返しながら周回をこなしていった。
後半戦に入るにつれてレースを引っ張ったのはイギリス王者のアルドリッジ。全7周回中の6周目には先頭グループを3人にまで絞り込み、最終周回の登坂区間で最後まで食い下がっていたヴィダウレを引きちぎる。がむしゃらに踏み続けたイギリスチャンピオンが11秒差で自身初のW杯XCO優勝を掴み取った。


「最高の形で一年を終えることができてとても嬉しいよ。登りの頂上に近づくにつれて、少し差が開いてきたのが分かったので最終ラップは全力でゴールを目指したんだ。最後の2周は全開。僕も足が攣りそうだったし、みんなも攣りそうだった。まさに消耗戦だった。今年は何度か勝利に手が届きそうで届かなかったので本当に嬉しい。こうして優勝できたのは信じられない気持ちだよ」と、レース後のインタビューで嬉しさを表現した。
UCI MTBワールドカップ2025 第10戦 XCO女子エリート結果
1位 | ジェニー・リスヴェッズ(スウェーデン、キャニオン・CLLCTV XCO) | 1:20:35 |
2位 | サマラ・マクスウェル (ニュージーランド、デカトロン・フォードレーシングチーム) | 1:24:05 |
3位 | イヴィ・リチャーズ(イギリス、トレックファクトリーレーシング・ピレリ) | 1:24:42 |
4位 | シーナ・フライ(スイス、スペシャライズドファクトリーレーシング) | 1:24:47 |
5位 | アレッサンドラ・ケラー(スイス、トムス・マクソン) | 1:25:40 |
UCI MTBワールドカップ2025 第10戦 XCO男子エリート結果
1位 | チャーリー・アルドリッジ(イギリス、キャノンデールファクトリーレーシング) | 1:21:41 |
2位 | マルティン・ヴィダウレ(チリ、スペシャライズドファクトリーレーシング) | 1:21:52 |
3位 | マティス・アザロ(フランス、オリジンレーシングチーム) | 1:22:01 |
4位 | アドリアン・ボワシ(フランス、スペシャライズドファクトリーレーシング) | 1:22:27 |
5位 | マルセル・グエリーニ(スイス、ビクシス・パフォーマンスレースチーム) | 1:22:38 |
text:So Isobe
photo:UCI
photo:UCI
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