新グラベル世界王者に輝いたのはフロリアン・フェルミールス(ベルギー)。序盤からアタックを仕掛け、追走グループを振り切ってラスト19kmを独走。2023年と2024年の銀メダルに続き、ついにアルカンシエルを獲得した。

トーマス・ピドコック(イギリス)らを先頭に180kmの男子エリートレースがスタート photo:CorVos
ロレーナ・ウィーベス(オランダ)が初タイトルを奪った女子エリートレースの翌10月12日、引き続きオランダは南リンブルフ州を舞台にUCIグラベル世界選手権で男子エリートレースが催された。
元シクロクロス世界チャンピオンでMTBの元世界王者・オリンピック2大会連覇を誇るトーマス・ピドコック(イギリス)や、第2回大会覇者のマテイ・モホリッチ(スロベニア)、2023年銅メダルのコナー・スウィフト(イギリス)といった強豪勢が顔を揃えたものの、この日は多数のクラシックハンターやシクロクロストップ選手を擁するベルギー勢がレースを掌握した。

先頭をひた走るフロリアン・フェルミールス(ベルギー)とフリッツ・ビエステルボス(オランダ) photo:CorVos

先頭を追いかけるマテイ・モホリッチ(スロベニア) photo:CorVos
マーストリヒトを目指す180kmコースで決定的な逃げを仕掛けたのは、後に独走フィニッシュすることになるフロリアン・フェルミールス(ベルギー)だった。「最初の10km地点でパンクしたけどすぐに復帰できた。良いタイミングだったので思い切って攻めることにした」と言うフェルミールスは残り120kmで抜け出し、ニルス・ポリッツ(ドイツ)を含む3名と共に4人逃げ。2分近いリードを稼いで先行したことが、この日の勝ちへと繋がった。
先頭グループからはポリッツがメカトラで、もう一人も脚が売り切れて脱落したものの、後半に入ってメイン集団が追走を企ててもなお先頭との差は縮まらない。狭く曲がりくねったコースは集中的な追撃を阻み、スピードアップと牽制、数的優位を誇るベルギー勢の介入によってバラバラと数人の追走グループが生まれるだけで、結局先頭グループとの差は1分を割り込むことが無かった。

圧倒的な選手層を誇るベルギー勢がレースをコントロール photo:CorVos

ラスト20kmを独走したフロリアン・フェルミールス(ベルギー) photo:CorVos
先頭のフェルミールスとフリッツ・ビエステルボス(オランダ)に対して、メイン集団を飛び立ったモホリッチとフェリックス・シュテーリ(スイス)が追走、さらにピドコックも抜け出したが差は縮まりきらない。ペースを失う追走グループを尻目に逃げた先頭グループでは、ラスト20kmの小さな登り区間でフェルミールスがアタック。普段コンチネンタルチームに所属するビエステルボスを振り切って独走体制に入った。
2023年はワイン畑の登りでモホリッチに遅れをとり、2024年はマチュー・ファンデルプール(オランダ)にフランドルの森で遅れをとったフェルミールスが、3度目の正直で単独先頭に立つ。そのままラスト20kmを独走してマーストリヒトのフィニッシュラインに到達。2年連続の2位を経て、ついにアルカンシエルを獲得した。

バイクを掲げてフィニッシュするフロリアン・フェルミールス(ベルギー) photo:CorVos

2年連続の銀メダルの借りを返したフロリアン・フェルミールス(ベルギー) photo:CorVos 
エイジグループで出走したフィリップ・ジルベール(ベルギー) photo:CorVos
1年半前のレース中の落車事故(ブエルタ・ムルシア)で左大腿骨骨折というアクシデントを経て、今年はロットからUAEチームエミレーツXRGに加入、パリ〜ルーベでは5位入賞を遂げていた26歳は「長い復帰の終わりのような気分だよ。2年間の苦難を乗り越えて再び勝利を収めることができて、こんな形でシーズンを終えられるなんて本当に素晴らしい。言葉がないよ」とコメントを残している。
レースを掌握したベルギー勢はトップ10に4人、トップ20に10人も送り込む活躍ぶり。引退したグレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー)は20位に入り、未だ健在の脚を見せつけている。

ロレーナ・ウィーベス(オランダ)が初タイトルを奪った女子エリートレースの翌10月12日、引き続きオランダは南リンブルフ州を舞台にUCIグラベル世界選手権で男子エリートレースが催された。
元シクロクロス世界チャンピオンでMTBの元世界王者・オリンピック2大会連覇を誇るトーマス・ピドコック(イギリス)や、第2回大会覇者のマテイ・モホリッチ(スロベニア)、2023年銅メダルのコナー・スウィフト(イギリス)といった強豪勢が顔を揃えたものの、この日は多数のクラシックハンターやシクロクロストップ選手を擁するベルギー勢がレースを掌握した。


マーストリヒトを目指す180kmコースで決定的な逃げを仕掛けたのは、後に独走フィニッシュすることになるフロリアン・フェルミールス(ベルギー)だった。「最初の10km地点でパンクしたけどすぐに復帰できた。良いタイミングだったので思い切って攻めることにした」と言うフェルミールスは残り120kmで抜け出し、ニルス・ポリッツ(ドイツ)を含む3名と共に4人逃げ。2分近いリードを稼いで先行したことが、この日の勝ちへと繋がった。
先頭グループからはポリッツがメカトラで、もう一人も脚が売り切れて脱落したものの、後半に入ってメイン集団が追走を企ててもなお先頭との差は縮まらない。狭く曲がりくねったコースは集中的な追撃を阻み、スピードアップと牽制、数的優位を誇るベルギー勢の介入によってバラバラと数人の追走グループが生まれるだけで、結局先頭グループとの差は1分を割り込むことが無かった。


先頭のフェルミールスとフリッツ・ビエステルボス(オランダ)に対して、メイン集団を飛び立ったモホリッチとフェリックス・シュテーリ(スイス)が追走、さらにピドコックも抜け出したが差は縮まりきらない。ペースを失う追走グループを尻目に逃げた先頭グループでは、ラスト20kmの小さな登り区間でフェルミールスがアタック。普段コンチネンタルチームに所属するビエステルボスを振り切って独走体制に入った。
2023年はワイン畑の登りでモホリッチに遅れをとり、2024年はマチュー・ファンデルプール(オランダ)にフランドルの森で遅れをとったフェルミールスが、3度目の正直で単独先頭に立つ。そのままラスト20kmを独走してマーストリヒトのフィニッシュラインに到達。2年連続の2位を経て、ついにアルカンシエルを獲得した。



1年半前のレース中の落車事故(ブエルタ・ムルシア)で左大腿骨骨折というアクシデントを経て、今年はロットからUAEチームエミレーツXRGに加入、パリ〜ルーベでは5位入賞を遂げていた26歳は「長い復帰の終わりのような気分だよ。2年間の苦難を乗り越えて再び勝利を収めることができて、こんな形でシーズンを終えられるなんて本当に素晴らしい。言葉がないよ」とコメントを残している。
レースを掌握したベルギー勢はトップ10に4人、トップ20に10人も送り込む活躍ぶり。引退したグレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー)は20位に入り、未だ健在の脚を見せつけている。
グラベル世界選手権2025 男子エリート結果
1位 | フロリアン・フェルミールス(ベルギー) | 4:39:12 |
2位 | フリッツ・ビエステルボス(オランダ) | +0:40 |
3位 | マテイ・モホリッチ(スロベニア) | +1:23 |
4位 | フローリス・ファントリヒト(ベルギー) | +1:40 |
5位 | フェリックス・シュテーリ(スイス) | +1:41 |
6位 | トーマス・ピドコック(イギリス) | |
7位 | ティム・ウェレンス(ベルギー) | +1:46 |
8位 | リック・オッテマ(オランダ) | +2:46 |
9位 | ティモ・キーリッヒ(ベルギー) | |
10位 | クラリス・マグナスバク(デンマーク) | +3:59 |
text:So Isobe
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