アタックの応酬となったロード世界選手権女子ジュニアロードレース。サバイバルな展開を勝ち残った5名によるスプリントを、前年2位だったパウラ・オスティス(スペイン)が制し、念願のアルカンシエルに袖を通した。



アメリカ代表 photo:UCI
オーストラリア代表 photo:UCI


カナダ代表 photo:UCI

同日開催の女子エリートに先立ち行われた女子ジュニアロードレース。ルワンダの首都キガリに設定されたコースを5周する総距離74kmの戦いには、34ヶ国から71名が出場。現地時間の午前8時23分にスタートが切られた。

今年2月のシクロクロス世界選手権でジュニア王者となり、今大会の優勝候補に挙げられていたリーズ・ルヴォル(フランス)は体調不良で不出場。序盤はレイレ・アルメナ(スペイン)が単独で逃げ、1時間以上にわたり先行した。最大人数である5名を擁したスペインが主導権を握る展開となり、石畳のミュール・ド・キミハーウラ(距離1.3km/平均6.3%)を越えるたびにメイン集団の人数は絞られていった。

レイレ・アルメナ(スペイン)を静かに追いかけたプロトン photo:CorVos

アルメナを捉えた後も、プロトンではアンヤ・グロスマン(スイス)が攻撃を封じ、アラベラ・ブラックバーン(イギリス)が加速を仕掛けるなどアタックと吸収の繰り返し。残り2周回に入る頃には集団は37名に絞られ、さらにアタック合戦を経て24名が先頭のまま最終周回の鐘を聞いた。

決め手を欠く動きが続くなか、残り11kmで個人タイムトライアル4位のロース・ミュラー(オランダ)が仕掛けて先行。しかしこれも長くは続かず、イギリスが牽引する集団に吸収された。やがてキガリ・ゴルフ峠(距離0.8km/平均8.1%)を越え、残り2.5km地点から始まる最後のミュール・ド・キミハーウラへ。

グロスマンがハイペースを刻み、先頭はシドニー・スウィレンガ(カナダ)とオスティス(スペイン)、そしてイタリアのシャンタル・ペゴロとジャーダ・シーロという5名に絞られた。

アタックと吸収を繰り返し、終盤はイギリスが先導した photo:CorVos

牽制する先頭に後続が迫るなか、残り100mでオスティスが先にスプリントを開始。ペゴロとグロスマンが食らいついたが、オスティスが押し切ってフィニッシュラインを通過した。

5名による集団スプリントを制したパウラ・オスティス(スペイン) photo:CorVos

フィニッシュ直後に泣き崩れたパウラ・オスティス(スペイン) photo:UCI

昨年と同じ小集団スプリントでの2位という悔しさを晴らしたオスティス。「夢が叶った。本当に信じられない。登りが厳しいここでは最後まで脚を温存しなければならないと分かっていた。最後は自分のスプリントを信じて、それがうまくいった。家族はもちろん、神様に感謝したい」と喜びを語った。

オスティスは今年モビスターのトレーニー(研修生)として走り、国内ジュニア選手権ではロードとTTの2冠を達成した18歳。9月のTTヨーロッパ選手権も制し、来年からモビスターに正式加入することが決まっている。

2位には16歳のペゴロ、序盤から積極的にレースを動かしたグロスマンが3位で表彰台に上がった。

ロード世界選手権2025女子ジュニアロードレース表彰台:2位ペゴロ、1位オスティス、3位グロスマン photo:UCI
ロード世界選手権2025 女子ジュニアロードレース結果
1位 パウラ・オスティス(スペイン) 2:09:19
2位 シャンタル・ペゴロ(イタリア)
3位 アンヤ・グロスマン(スイス)
4位 シドニー・スウィレンガ(カナダ)
5位 ジャーダ・シーロ(イタリア) +0:03
6位 タイス・ポワリエ(フランス)
7位 ツィゲ・カハセイ・キロス(エチオピア)
8位 ニーヴ・パースロー(オーストラリア)
9位 マリヤ・オクルチンスカ(ポーランド)
10位 アリッサ・サルキソフ(アメリカ)
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos

最新ニュース(全ジャンル)