男子3名、女子3名がそれぞれコースを1周し、合計タイムで競うロード世界選手権タイムトライアル・ミックスリレー。マシューズら男子メンバーが大幅リードを作ったオーストラリアが、フランスをわずか5秒上回り、前年に続く連覇を達成した。



大会4日目に行われたタイムトライアル・ミックスリレー photo:UCI

ルワンダの首都キガリで開催中のロード世界選手権は4日目を迎え、この日は各国の男子3名、女子3名の6名で争うチームタイムトライアル・ミックスリレー(Mixed Relay)が行われた。先に男子3名がコースを1周し、そのフィニッシュを受けて女子3名がスタート。男子と同じコースを駆けるタイムトライアルとなる。

2019年にそれまで行われていたチームタイムトライアルを廃止し、開始されたミックスリレーは今年で5回目。昨年はオーストラリアが1秒差でドイツを下し初優勝を飾っている種目には15ヶ国が集結。コースは個人TTのフィニッシュ地点からニャンザ峠(距離2.5km/平均5.8%)を登って引き返し、石畳のミュール・ド・キミハーウラ(距離1.3km/平均6.3%)を登る20.9km。男女それぞれが1度巡る、総距離41.8kmで争われた。

10秒差の3位だったスイス photo:UCI

5秒差の2位で初優勝を逃したフランス photo:UCI

22歳の若きロード王者イバン・ロメオのいるスペインがまずは基準となる56分25秒でフィニッシュ。続いて注目のヴィクトル・カンペナールツを擁するベルギーが走り出したものの、伸びを欠き2分25秒遅れでレースを終える。さらに、過去に2022〜23年と連覇したスイスが走りだし、3日前の個人TT男子エリートで落車したマウロ・シュミットや元TTヨーロッパ王者のシュテファン・キュングが男子の暫定トップタイムを一気に27秒も上回った。

女子のTT新世界王者マーレン・ロイサーは勢いよく走り出したものの、メカトラでバイク交換を強いられるトラブル。それでも終盤の石畳でチームメイトがロイサーに追いつき、スペインを1分45秒上回るタイムでフィニッシュした。

この記録を、続くフランスが更新する。ブリュノ・アルミライユら3名が男子の暫定トップタイムを7秒上回り、ジュリエット・ラブースらにバトンタッチ。チームはスイスを5秒更新する54分35秒でレースを終えた。

大幅なリードを作り出したマシューズらオーストラリアの男子3名 photo:CorVos

20歳のウィルソンハッフェンデンらがリードを守りきった photo:CorVos

しかし優勝したのは、前回覇者で最終出走のオーストラリアだった。イタリアや2021年覇者ドイツが振るわないなか、ルーク・プラップとマイケル・マシューズという前年の優勝メンバーにジェイ・ヴァインを加えた男子3名がスタート。男子の暫定トップだったフランスを33秒上回る圧巻のタイムをマークすると、ベテランのブローディー・チャップマンとアマンダ・スプラットに20歳のフェリシティ・ウィルソンハッフェンデンを加えた女子が走り出す。

男子が作り出したリードを徐々に消費しながらも、最終的に5秒差でフランスを上回り、大会連覇を達成した。

勝利を喜びヴァインとマシューズ photo:UCI

2023年のTT女子ジュニア以来となる、エリートでのアルカンシエルに袖を通したウィルソンハッフェンデンは「これが現実かどうかわからないほど嬉しい。なぜならここに来た時点でミックスリレーを走るかさえ分かっていなかったから。仲間たちとオーストラリア人であることを誇りに思う」とコメント。また、プラップは「僕らは(トラック競技の)チームパシュートであろうが、チームで走る種目には注力する国なんだ。フィニッシュでの仲間やスタッフの喜ぶ顔が見ることができて嬉しかった」と喜びを語った。

ロード世界選手権2025タイムトライアル・ミックスリレー表彰台:2位フランス、1位オーストラリア、3位スイス photo:UCI

連覇を達成したオーストラリア photo:UCI
ロード世界選手権2025 タイムトライアル・ミックスリレー結果
1位 オーストラリア 54:30
2位 フランス +0:05
3位 スイス +0:10
4位 イタリア +1:24
5位 ドイツ +1:34
6位 スペイン +1:55
7位 ベルギー +4:20
8位 ウクライナ +6:03
9位 中国 +6:38
10位 エチオピア +7:52
text:Sotaro.Arakawa
photo:UCI, CorVos