「奇妙な勝ち方だった」とエガン・ベルナル。抗議デモで終盤が再び短縮された第16ステージをそう振り返った。ヴィンゲゴーは「本来あってはならない」と苦言を呈し、クネース監督はベルナルの復活勝利を称えた。
ステージ優勝 エガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ)

残り8km地点に設定されたフィニッシュラインを先頭通過したエガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ) photo:CorVos
総合争いから脱落し、どうしても勝利が欲しかった。またこのコロンビア王者ジャージを着て勝ちたかった。最終山岳は短縮されたものの、とても美しいステージでペースも終始速かった。ランダとも良い協力態勢を築くことができ、フィニッシュ地点が残り8km地点に変更されたと聞かされた後も、スプリントで勝利を決めようと話し合った。良い思い出となる勝利になった。
(2級山岳プラドの急勾配区間で)グルパマFDJのクレマン・ブラズアフォンソが先頭交代を拒んだ。だからランダと話し合い、ハイペースで踏み続けた。共にベストを尽くし、強い方が勝つと決めた。その後、ブラズアフォンソがパンクで脱落し、ランダとのスプリント勝負になった。

共に逃げた選手たちから祝福を受けるエガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ) photo:A.S.O.
今日は調子がよく、全ての登りで全力を出すことができた。一度遅れたソレルたちが戻ってくるのが嫌だった。ペースを上げすぎて、一緒に逃げていた選手たちから「もっとペースを落とすべきだ」と叫ばれたほどだ。それほどソレルは脅威だった。
─表彰式を行うことができず、残念か?
奇妙な感覚ではある。だが、いつか孫に話すには良いエピソードになるはずだ(笑)。それに明日のスタート地点で表彰式が行われ、ナショナルチャンピオンジャージ姿で写真が撮れるはず。楽しみだ。
─抗議活動についてはどう思っているか?
もちろん安全ではなく、落車も発生している。でも同時にとても難しい状況であることは理解している。
ステージ5位 クレマン・ブラズアフォンソ(フランス、グルパマFDJ)

グルパマFDJが3名を入れた、17名による逃げグループ photo:A.S.O.
今日はどうしても逃げに乗りたかった。乗った後は昔監督に言われた「大きな逃げ集団からのファーストアタックは成功する」という言葉を思い出し、ランダとベルナルのアタックに食らいついた。チャンピオンである2人と共に走れて最高の気分だった。ブリユー・ロランが追走していたので先頭交代には加わらず、自分の日になると思っていた。
だがパンクに見舞われ、止まらざるを得なかった。登りでランダとベルナルに食らいつける力は見せられたものの、本当に残念だ。勝利が目の前だったのだから。
マイヨロホ ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク)

フィニッシュ地点で笑顔を見せたマイヨロホのヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク) photo:A.S.O.
再びこうしたことが起きてしまったのは残念だ。誰もが抗議する権利を持っているが、それがここでこのような形で起こり、レースを最後まで走れないのは残念。本来あってはならないこと。スペインの自転車ファンがエキサイティングな終盤を見られなかったのは本当に残念だ。
体調不良のため未出走だったヴィクトル・カンペナールツ(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)
マイヨロホを着たヨナス(ヴィンゲゴー)をマドリッドまで連れて行く手助けができなくなってしまい、とても残念だ。体調を崩す前は調子が良く、チームのためにしっかり働けていた。これからは自宅からヨナスとチームのみんなを応援する。
イネオス・グレナディアーズのクリスティアン・クネース監督
残り18〜20km地点でコース短縮の連絡を受けた。まず新たなフィニッシュ(残り8km地点)の位置を確認し、(追走していた)ボブ・ユンゲルスの集団からエガン・ベルナルの背後へチームカーで移動する必要があった。無線でエガンに伝えたが返答はなく、下りで追いついて、直接状況と新たなフィニッシュ地点、ラスト1kmからの様子、取るべき動きを伝えた。
最後のシーンをテレビで確認できず、勝者が分からなかった。そこで本人に直接確認すると「奇妙な勝ち方だった」と答え、勝利を把握した。主催者はどうしても当日に勝者を決めたかったようだ。
エガンはツール・ド・フランスとジロ・デ・イタリアで総合優勝を遂げたが、落車で選手生命の危機にあった。しかし不屈の精神で復帰し、今年はジロで総合7位に入った。この勝利は本当に素晴らしいものだ。
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos, A.S.O.
ステージ優勝 エガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ)

総合争いから脱落し、どうしても勝利が欲しかった。またこのコロンビア王者ジャージを着て勝ちたかった。最終山岳は短縮されたものの、とても美しいステージでペースも終始速かった。ランダとも良い協力態勢を築くことができ、フィニッシュ地点が残り8km地点に変更されたと聞かされた後も、スプリントで勝利を決めようと話し合った。良い思い出となる勝利になった。
(2級山岳プラドの急勾配区間で)グルパマFDJのクレマン・ブラズアフォンソが先頭交代を拒んだ。だからランダと話し合い、ハイペースで踏み続けた。共にベストを尽くし、強い方が勝つと決めた。その後、ブラズアフォンソがパンクで脱落し、ランダとのスプリント勝負になった。

今日は調子がよく、全ての登りで全力を出すことができた。一度遅れたソレルたちが戻ってくるのが嫌だった。ペースを上げすぎて、一緒に逃げていた選手たちから「もっとペースを落とすべきだ」と叫ばれたほどだ。それほどソレルは脅威だった。
─表彰式を行うことができず、残念か?
奇妙な感覚ではある。だが、いつか孫に話すには良いエピソードになるはずだ(笑)。それに明日のスタート地点で表彰式が行われ、ナショナルチャンピオンジャージ姿で写真が撮れるはず。楽しみだ。
─抗議活動についてはどう思っているか?
もちろん安全ではなく、落車も発生している。でも同時にとても難しい状況であることは理解している。
ステージ5位 クレマン・ブラズアフォンソ(フランス、グルパマFDJ)

今日はどうしても逃げに乗りたかった。乗った後は昔監督に言われた「大きな逃げ集団からのファーストアタックは成功する」という言葉を思い出し、ランダとベルナルのアタックに食らいついた。チャンピオンである2人と共に走れて最高の気分だった。ブリユー・ロランが追走していたので先頭交代には加わらず、自分の日になると思っていた。
だがパンクに見舞われ、止まらざるを得なかった。登りでランダとベルナルに食らいつける力は見せられたものの、本当に残念だ。勝利が目の前だったのだから。
マイヨロホ ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク)

再びこうしたことが起きてしまったのは残念だ。誰もが抗議する権利を持っているが、それがここでこのような形で起こり、レースを最後まで走れないのは残念。本来あってはならないこと。スペインの自転車ファンがエキサイティングな終盤を見られなかったのは本当に残念だ。
体調不良のため未出走だったヴィクトル・カンペナールツ(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)
マイヨロホを着たヨナス(ヴィンゲゴー)をマドリッドまで連れて行く手助けができなくなってしまい、とても残念だ。体調を崩す前は調子が良く、チームのためにしっかり働けていた。これからは自宅からヨナスとチームのみんなを応援する。
イネオス・グレナディアーズのクリスティアン・クネース監督
残り18〜20km地点でコース短縮の連絡を受けた。まず新たなフィニッシュ(残り8km地点)の位置を確認し、(追走していた)ボブ・ユンゲルスの集団からエガン・ベルナルの背後へチームカーで移動する必要があった。無線でエガンに伝えたが返答はなく、下りで追いついて、直接状況と新たなフィニッシュ地点、ラスト1kmからの様子、取るべき動きを伝えた。
最後のシーンをテレビで確認できず、勝者が分からなかった。そこで本人に直接確認すると「奇妙な勝ち方だった」と答え、勝利を把握した。主催者はどうしても当日に勝者を決めたかったようだ。
エガンはツール・ド・フランスとジロ・デ・イタリアで総合優勝を遂げたが、落車で選手生命の危機にあった。しかし不屈の精神で復帰し、今年はジロで総合7位に入った。この勝利は本当に素晴らしいものだ。
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos, A.S.O.
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