平坦基調の1級山岳フィニッシュで争われたブエルタ・ア・エスパーニャ第10ステージ。ジェイ・ヴァイン(オーストラリア、UAEチームエミレーツXRG)が逃げから今大会2勝目を手に入れ、トレーエンが失ったマイヨロホをヴィンゲゴーが再び着用した。

マイヨロホで第2週目に入ったトレーエン photo:A.S.O. 
ガールフレンドに日焼け止めを塗ってもらうベルナル photo:CorVos

休息日に今年限りでの退団が正式発表されたフアン・アユソ(スペイン、UAEチームエミレーツXRG) photo:A.S.O.
9月2日(火)第10ステージ
センダヴィーヴァ自然公園〜エル・フェリアル・ラーラ・ベラグア 175.3km
獲得標高差 3,082m

第10ステージ センダヴィーヴァ自然公園〜エル・フェリアル・ラーラ・ベラグア image:A.S.O. 第80回ブエルタ・ア・エスパーニャは第2週目を迎えた。その初日である第10ステージは1級山岳エル・フェリアル・ラーラ・ベラグア(距離9.4km/平均6.3%)にフィニッシュする、ブエルタならではの平坦基調の山頂フィニッシュだ。
平坦と言いながらも細かなアップダウンを繰り返しながら徐々に高度を上げ、3級山岳をクリア。中間スプリントを挟み1級山岳ラーラ・ベラグアを駆け上がる。前回登場時には、その前日に総合で遅れたレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)が復活の逃げ切り勝利を挙げた場所だ。
ピクニック・ポストNLのエーススプリンター、カスペル・ファンウーデン(オランダ)が未出走だったこの日は、逃げを目指す激しい攻防が展開された。最初の2時間の平均時速が50kmを超える中、マッテオ・ジョーゲンソン(アメリカ、ヴィスマ・リースアバイク)らを含む大規模落車が発生。それに巻き込まれたラウル・ガルシア(スペイン、アルケア・B&Bホテルズ)は一度復帰するもリタイアを選択し、その後サコッシュを受け取ろうとしたクレマン・ブラズアフォンソ(フランス、グルパマFDJ)も落車。幸い大きな怪我はなく、ブラズアフォンソはグランツールデビューを続行した。

逃げを目指すアタック合戦が繰り広げられた photo:CorVos

総合14位につけながらも、落車によりレースを去ったラウル・ガルシア(スペイン、アルケア・B&Bホテルズ) photo:CorVos 
ドクターカーの治療を受けるマッテオ・ジョーゲンソン(アメリカ、ヴィスマ・リースアバイク) photo:CorVos
逃げを試みた選手たちのアタックは失敗に終わり、残り82kmで引き戻されると、下り区間で総合2位ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク)がヴィクトル・カンペナールツ(ベルギー)と共にペースを上げる場面も。しかし大きな動きには繋がらず、再び仕掛け合う集団から約20名の逃げを形成。そこに遅れてマイヨモンターニャ(山岳賞ジャージ)のヴァイン(オーストラリア、UAEチームエミレーツXRG)も合流した。
モビスターやXDSアスタナ、カハルラル・セグロスRGAがそれぞれ3名を送り込んだエスケープには、ミハウ・クフィアトコフスキ(ポーランド、イネオス・グレナディアーズ)が第9ステージに続き2日連続で加わった。そして最終山岳に向けた足慣らしの3級山岳コロナス(距離8.3km/平均4.4%)に、逃げグループは1分24秒のリードで突入。するとその中腹でハビエル・ロモ(スペイン、モビスター)が飛び出し、今年のブエルタで多く見られるガザの旗が振られる頂上を先頭通過した。

3級山岳を越え、人数の絞られた逃げグループ photo:A.S.O.
ヴァインが2位通過で2ポイントを加算し、見せ場を作ったロモは下りで逃げに戻される。しかしこの山岳で逃げはスプリント力のあるオールイス・アウラール(ベネズエラ、モビスター)やジュリアン・ベルナール(フランス、リドル・トレック)ら8名に絞られる。そこには遅れて、グランツール初出場の22歳アレック・セガールト(ベルギー、ロット)やケヴィン・ヴェルマーク(アメリカ、ピクニック・ポストNL)がそれぞれ単独で追いついた。
中間スプリントを過ぎ、最終山岳に続く緩斜面の登りに入る残り18kmでセガールトがアタック。U23個人タイムトライアル欧州選手権で3連覇した得意の独走に持ち込むと、1級山岳エル・フェリアル・ラーラ・ベラグアに45秒のリードで突入。しかしその差は一気に縮まり、集団に捕まる直前でカストリーリョ(スペイン、モビスター)が飛び出し、先頭に立った。

最終1級山岳に単独先頭で突入したアレック・セガールト(ベルギー、ロット) photo:A.S.O.

ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツXRG)のアタックに追従するヴィンゲゴーたち photo:A.S.O.
昨年大会で区間2勝を挙げスペインの新星となったカストリーリョ。その2分後方でメイン集団も最終山岳に入り、UAEチームエミレーツXRGが主導権を握る。このスピードに総合首位トレーエン(ノルウェー、バーレーン・ヴィクトリアス)が遅れ、ジャック・ヘイグ(オーストラリア)が懸命に牽引するも、総合勢から1分3秒遅れの区間23位でフィニッシュ。5日間守ったマイヨロホを失った。
ブエルタ通算3勝目を狙うカストリーリョは残り5.6kmでヴァインに追いつかれる。わずか200m並走した後、ヴァインがダンシングで一気に突き放す。UAE勢は総合争いでも積極的に動き、ジョアン・アルメイダ(ポルトガル)が加速するも、ヴィンゲゴー(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク)やトーマス・ピドコック(イギリス、Q36.5プロサイクリング)らを引き離すには至らず、ジョーゲンソンの牽引でひと塊のままフィニッシュした。
ステージ優勝はヴァインとカストリーリョの争いに絞られたが、懸命に踏むカストリーリョは追いつけず、ヴァインが無線で勝利を報告してフィニッシュラインを通過。右手で2勝目を表す「V」を掲げ、ブエルタ通算4勝目を手に入れた。

逃げ切りから今大会2勝目を飾ったジェイ・ヴァイン(オーストラリア、UAEチームエミレーツXRG) photo:CorVos

チームに今大会4勝目をもたらしたジェイ・ヴァイン(オーストラリア、UAEチームエミレーツXRG) photo:A.S.O.
チームタイムトライアルを含め、チームに今大会4勝目をもたらしたヴァインは、「勝利は本当に難しく、だからこそ実現した時の感覚はこの上なく素晴らしい。きっと勝つことに慣れることはないだろう。逃げに入る時にミッケル(ビョーグ)が力を貸してくれた。(先頭に)ブリッジした時が一番きついと思ったが、その辛さを最後の登りが上回った。皆を引き離した後はフィニッシュまで歯を食いしばるだけだった」と、ウィニングレースを振り返った。
35秒遅れの区間2位はカストリーリョ、同じモビスターのロモが3位。総合ではトレーエンが遅れたことでヴィンゲゴーが首位に再浮上し、2位に26秒差でトレーエン、3位に38秒差でアルメイダがつけている。

総合首位に浮上し、マイヨロホを着用したヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク) photo:A.S.O.



9月2日(火)第10ステージ
センダヴィーヴァ自然公園〜エル・フェリアル・ラーラ・ベラグア 175.3km
獲得標高差 3,082m

平坦と言いながらも細かなアップダウンを繰り返しながら徐々に高度を上げ、3級山岳をクリア。中間スプリントを挟み1級山岳ラーラ・ベラグアを駆け上がる。前回登場時には、その前日に総合で遅れたレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)が復活の逃げ切り勝利を挙げた場所だ。
ピクニック・ポストNLのエーススプリンター、カスペル・ファンウーデン(オランダ)が未出走だったこの日は、逃げを目指す激しい攻防が展開された。最初の2時間の平均時速が50kmを超える中、マッテオ・ジョーゲンソン(アメリカ、ヴィスマ・リースアバイク)らを含む大規模落車が発生。それに巻き込まれたラウル・ガルシア(スペイン、アルケア・B&Bホテルズ)は一度復帰するもリタイアを選択し、その後サコッシュを受け取ろうとしたクレマン・ブラズアフォンソ(フランス、グルパマFDJ)も落車。幸い大きな怪我はなく、ブラズアフォンソはグランツールデビューを続行した。



逃げを試みた選手たちのアタックは失敗に終わり、残り82kmで引き戻されると、下り区間で総合2位ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク)がヴィクトル・カンペナールツ(ベルギー)と共にペースを上げる場面も。しかし大きな動きには繋がらず、再び仕掛け合う集団から約20名の逃げを形成。そこに遅れてマイヨモンターニャ(山岳賞ジャージ)のヴァイン(オーストラリア、UAEチームエミレーツXRG)も合流した。
モビスターやXDSアスタナ、カハルラル・セグロスRGAがそれぞれ3名を送り込んだエスケープには、ミハウ・クフィアトコフスキ(ポーランド、イネオス・グレナディアーズ)が第9ステージに続き2日連続で加わった。そして最終山岳に向けた足慣らしの3級山岳コロナス(距離8.3km/平均4.4%)に、逃げグループは1分24秒のリードで突入。するとその中腹でハビエル・ロモ(スペイン、モビスター)が飛び出し、今年のブエルタで多く見られるガザの旗が振られる頂上を先頭通過した。

ヴァインが2位通過で2ポイントを加算し、見せ場を作ったロモは下りで逃げに戻される。しかしこの山岳で逃げはスプリント力のあるオールイス・アウラール(ベネズエラ、モビスター)やジュリアン・ベルナール(フランス、リドル・トレック)ら8名に絞られる。そこには遅れて、グランツール初出場の22歳アレック・セガールト(ベルギー、ロット)やケヴィン・ヴェルマーク(アメリカ、ピクニック・ポストNL)がそれぞれ単独で追いついた。
中間スプリントを過ぎ、最終山岳に続く緩斜面の登りに入る残り18kmでセガールトがアタック。U23個人タイムトライアル欧州選手権で3連覇した得意の独走に持ち込むと、1級山岳エル・フェリアル・ラーラ・ベラグアに45秒のリードで突入。しかしその差は一気に縮まり、集団に捕まる直前でカストリーリョ(スペイン、モビスター)が飛び出し、先頭に立った。


昨年大会で区間2勝を挙げスペインの新星となったカストリーリョ。その2分後方でメイン集団も最終山岳に入り、UAEチームエミレーツXRGが主導権を握る。このスピードに総合首位トレーエン(ノルウェー、バーレーン・ヴィクトリアス)が遅れ、ジャック・ヘイグ(オーストラリア)が懸命に牽引するも、総合勢から1分3秒遅れの区間23位でフィニッシュ。5日間守ったマイヨロホを失った。
ブエルタ通算3勝目を狙うカストリーリョは残り5.6kmでヴァインに追いつかれる。わずか200m並走した後、ヴァインがダンシングで一気に突き放す。UAE勢は総合争いでも積極的に動き、ジョアン・アルメイダ(ポルトガル)が加速するも、ヴィンゲゴー(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク)やトーマス・ピドコック(イギリス、Q36.5プロサイクリング)らを引き離すには至らず、ジョーゲンソンの牽引でひと塊のままフィニッシュした。
ステージ優勝はヴァインとカストリーリョの争いに絞られたが、懸命に踏むカストリーリョは追いつけず、ヴァインが無線で勝利を報告してフィニッシュラインを通過。右手で2勝目を表す「V」を掲げ、ブエルタ通算4勝目を手に入れた。


チームタイムトライアルを含め、チームに今大会4勝目をもたらしたヴァインは、「勝利は本当に難しく、だからこそ実現した時の感覚はこの上なく素晴らしい。きっと勝つことに慣れることはないだろう。逃げに入る時にミッケル(ビョーグ)が力を貸してくれた。(先頭に)ブリッジした時が一番きついと思ったが、その辛さを最後の登りが上回った。皆を引き離した後はフィニッシュまで歯を食いしばるだけだった」と、ウィニングレースを振り返った。
35秒遅れの区間2位はカストリーリョ、同じモビスターのロモが3位。総合ではトレーエンが遅れたことでヴィンゲゴーが首位に再浮上し、2位に26秒差でトレーエン、3位に38秒差でアルメイダがつけている。

ブエルタ・ア・エスパーニャ2025第10ステージ結果
1位 | ジェイ・ヴァイン(オーストラリア、UAEチームエミレーツXRG) | 3:56:24 |
2位 | パブロ・カストリーリョ(スペイン、モビスター) | +0:35 |
3位 | ハビエル・ロモ(スペイン、モビスター) | +1:04 |
4位 | アーチー・ライアン(アイルランド、EFエデュケーション・イージーポスト) | +1:05 |
5位 | トーマス・ピドコック(イギリス、Q36.5プロサイクリング) | |
6位 | ジュリオ・チッコーネ(イタリア、リドル・トレック) | |
7位 | ジャイ・ヒンドレー(オーストラリア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) | |
8位 | マッテオ・ジョーゲンソン(アメリカ、ヴィスマ・リースアバイク) | |
9位 | ウィリアムジュニア・ルセルフ(ベルギー、スーダル・クイックステップ) | |
10位 | ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツXRG) | |
11位 | ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク) | |
23位 | トースタイン・トレーエン(ノルウェー、バーレーン・ヴィクトリアス) | +2:08 |
マイヨロホ(個人総合成績)
1位 | ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク) | 37:33:52 |
2位 | トースタイン・トレーエン(ノルウェー、バーレーン・ヴィクトリアス) | +0:26 |
3位 | ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツXRG) | +0:38 |
4位 | トーマス・ピドコック(イギリス、Q36.5プロサイクリング) | +0:58 |
5位 | フェリックス・ガル(オーストリア、デカトロンAG2Rラモンディアール) | +2:03 |
6位 | ジュリオ・チッコーネ(イタリア、リドル・トレック) | +2:05 |
7位 | マッテオ・ジョーゲンソン(アメリカ、ヴィスマ・リースアバイク) | +2:12 |
8位 | ジャイ・ヒンドレー(オーストラリア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) | +2:16 |
9位 | ジュリオ・ペリツァーリ(イタリア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) | |
10位 | マシュー・リッチテッロ(アメリカ、イスラエル・プレミアテック) | +2:43 |
マイヨプントス(ポイント賞)
1位 | マッズ・ピーダスン(デンマーク、リドル・トレック) | 120pts |
2位 | イーサン・ヴァーノン(イギリス、イスラエル・プレミアテック) | 111pts |
3位 | ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク) | 105pts |
マイヨモンターニャ(山岳賞)
1位 | ジェイ・ヴァイン(オーストラリア、UAEチームエミレーツXRG) | 46pts |
2位 | ルイス・フェルヴァーケ(ベルギー、スーダル・クイックステップ) | 23pts |
3位 | フアン・アユソ(スペイン、UAEチームエミレーツXRG) | 20pts |
マイヨブランコ(ヤングライダー賞)
1位 | ジュリオ・ペリツァーリ(イタリア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) | 37:36:08 |
2位 | マシュー・リッチテッロ(アメリカ、イスラエル・プレミアテック) | +0:27 |
3位 | ウィリアムジュニア・ルセルフ(ベルギー、スーダル・クイックステップ) | +1:28 |
チーム総合成績
1位 | UAEチームエミレーツXRG | 111:49:07 |
2位 | ヴィスマ・リースアバイク | +7:03 |
3位 | XDSアスタナ | +16:23 |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos, A.S.O.
photo:CorVos, A.S.O.
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