2つの1級山岳が登場したツール・ド・ポローニュ第5ステージは、精鋭たちによる集団スプリント勝負となった。20歳のマシュー・ブレナン(イギリス、ヴィスマ・リースアバイク)が残り300mからの鋭い加速でライバルを圧倒し、今季8勝目を飾った。

山岳賞ジャージを着るティモ・キーリッヒ(ベルギー)らアルペシン・ドゥクーニンクのメンバー photo:CorVos
前日はポール・マニエ(フランス、スーダル・クイックステップ)がTレックス柄のスペシャルジャージで勝利を収めたツール・ド・ポローニュ(UCIワールドツアー)。迎えた第5ステージは、徐々に標高を上げる206.1kmの丘陵コースで、中盤に2つの1級山岳、フィニッシュ直前にもカテゴリーなしの丘が待ち構える。
序盤、パトリック・ガンパー(オーストリア、ジェイコ・アルウラー)らワールドチーム勢を含む4名が逃げを形成。デカトロンAG2Rラモンディアールが主導して集団をコントロールし、最大6分差を得た。しかし、逃げの一員フープ・アルツ(オランダ、アンテルマルシェ・ワンティ)が残り84kmの右コーナーで単独落車した。
アルツはバイクを交換し、懸命な追走で残り70km地点で先頭に復帰。この間に集団の牽引にイネオス・グレナディアーズなどが加わり、タイム差は3分半に縮まった。

フープ・アルツ(オランダ、アンテルマルシェ・ワンティ)を含む4名の逃げ集団 photo:CorVos
1つ目の1級山岳はガンパー、2つ目はイェンセン・プロウライト(オーストラリア、アルペシン・ドゥクーニンク)が先頭通過。そして残り13km過ぎ、アルツが単独先頭に立つ。
プロ初勝利を目指す23歳のアルツに対し、登りで絞られた20名ほどのメイン集団からダニエル・マルティネス(コロンビア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)がアタック。しかし集団はアルツを吸収後、マルティネスの独走も許さず、残り10kmで今度は総合3位のヤン・クリステン(スイス、UAEチームエミレーツXRG)が仕掛ける。これも決定打とならず、終盤はアタックと吸収を繰り返す緊張感の高い展開となった。

デカトロンAG2Rラモンディアールが牽引するプロトン photo:Tour de Pologne
残り3km、アルベルト・ベッティオル(イタリア、XDSアスタナ)が加速しクリステンが追随。この2名は14秒差で逃げ込むが、残り1.5kmを切って集団が吸収。リドル・トレックが主導権を握り、ラスト1kmを迎えた。
地元ポーランドのスター選手であるミハウ・クフィアトコフスキ(イネオス・グレナディアーズ)がリードアウト。その直後、ベン・ターナー(イギリス)が動きかけた瞬間、ブレナンが先にスプリントを開始した。タイミングの遅れたターナーは必死に追うも、残り100mから始まる最終ストレートでブレナンが差を広げ、後続を寄せ付けずフィニッシュラインを通過した。

アーリースプリントを決めたマシュー・ブレナン(イギリス、ヴィスマ・リースアバイク) photo:CorVos

ワールドツアー4勝目をゲットしたマシュー・ブレナン(イギリス、ヴィスマ・リースアバイク) photo:CorVos
「最終コーナーで少し後ろすぎたが、300mの標識を見た瞬間にポジションを上げ、思い切って仕掛けた。自分のスプリントには自信があり、それが何より重要だった」と、イギリス人対決を制したブレナンは語った。
今季プロデビューを果たしたブレナンは、総合優勝を含む8勝を記録。そのうち4勝がワールドツアーと、後半戦も勢いは衰える気配がない。

前日はポール・マニエ(フランス、スーダル・クイックステップ)がTレックス柄のスペシャルジャージで勝利を収めたツール・ド・ポローニュ(UCIワールドツアー)。迎えた第5ステージは、徐々に標高を上げる206.1kmの丘陵コースで、中盤に2つの1級山岳、フィニッシュ直前にもカテゴリーなしの丘が待ち構える。
序盤、パトリック・ガンパー(オーストリア、ジェイコ・アルウラー)らワールドチーム勢を含む4名が逃げを形成。デカトロンAG2Rラモンディアールが主導して集団をコントロールし、最大6分差を得た。しかし、逃げの一員フープ・アルツ(オランダ、アンテルマルシェ・ワンティ)が残り84kmの右コーナーで単独落車した。
アルツはバイクを交換し、懸命な追走で残り70km地点で先頭に復帰。この間に集団の牽引にイネオス・グレナディアーズなどが加わり、タイム差は3分半に縮まった。

1つ目の1級山岳はガンパー、2つ目はイェンセン・プロウライト(オーストラリア、アルペシン・ドゥクーニンク)が先頭通過。そして残り13km過ぎ、アルツが単独先頭に立つ。
プロ初勝利を目指す23歳のアルツに対し、登りで絞られた20名ほどのメイン集団からダニエル・マルティネス(コロンビア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)がアタック。しかし集団はアルツを吸収後、マルティネスの独走も許さず、残り10kmで今度は総合3位のヤン・クリステン(スイス、UAEチームエミレーツXRG)が仕掛ける。これも決定打とならず、終盤はアタックと吸収を繰り返す緊張感の高い展開となった。

残り3km、アルベルト・ベッティオル(イタリア、XDSアスタナ)が加速しクリステンが追随。この2名は14秒差で逃げ込むが、残り1.5kmを切って集団が吸収。リドル・トレックが主導権を握り、ラスト1kmを迎えた。
地元ポーランドのスター選手であるミハウ・クフィアトコフスキ(イネオス・グレナディアーズ)がリードアウト。その直後、ベン・ターナー(イギリス)が動きかけた瞬間、ブレナンが先にスプリントを開始した。タイミングの遅れたターナーは必死に追うも、残り100mから始まる最終ストレートでブレナンが差を広げ、後続を寄せ付けずフィニッシュラインを通過した。


「最終コーナーで少し後ろすぎたが、300mの標識を見た瞬間にポジションを上げ、思い切って仕掛けた。自分のスプリントには自信があり、それが何より重要だった」と、イギリス人対決を制したブレナンは語った。
今季プロデビューを果たしたブレナンは、総合優勝を含む8勝を記録。そのうち4勝がワールドツアーと、後半戦も勢いは衰える気配がない。
ツール・ド・ポローニュ2025第5ステージ
1位 | マシュー・ブレナン(イギリス、ヴィスマ・リースアバイク) | 4:50:04 |
2位 | ベン・ターナー(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | |
3位 | アンドレア・バジオーリ(イタリア、リドル・トレック) | |
4位 | アンドレア・ラッカーニ(イタリア、スーダル・クイックステップ) | |
5位 | ティボー・グリュエル(フランス、グルパマFDJ) | |
6位 | アントニオ・ティベーリ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
7位 | フィン・フィッシャーブラック(ニュージーランド、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) | |
8位 | アルベルト・ベッティオル(イタリア、XDSアスタナ) | |
9位 | ピエールアンドレ・コテ(カナダ、イスラエル・プレミアテック) | |
10位 | ロレンツォ・ミレージ(イタリア、モビスター) |
個人総合成績
1位 | ポール・ラペラ(フランス、デカトロンAG2Rラモンディアール) | 21:23:23 |
2位 | ヴィクトル・ランゲロッティ(モナコ、イネオス・グレナディアーズ) | +0:08 |
3位 | ヤン・クリステン(スイス、UAEチームエミレーツXRG) | +0:12 |
4位 | アントニオ・ティベーリ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
5位 | フィン・フィッシャーブラック(ニュージーランド、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) | +0:14 |
6位 | クインテン・ヘルマンス(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク) | |
7位 | ブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAEチームエミレーツXRG) | |
8位 | ラファウ・マイカ(ポーランド、UAEチームエミレーツXRG) | |
9位 | アルベルト・ベッティオル(イタリア、アスタナ・カザクスタン) | +0:18 |
10位 | マッテオ・ソブレロ(イタリア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) | +0:19 |
その他の特別賞
ポイント賞 | ベン・ターナー(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) |
山岳賞 | ティモ・キーリッヒ(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク) |
チーム総合成績 | UAEチームエミレーツXRG |
text:Sotaro.Arakawa
photo:Tour de Pologne, CorVos
photo:Tour de Pologne, CorVos
Amazon.co.jp