ポローニュ3日目は首位ポール・ラペラ(フランス、デカトロンAG2Rラモンディアール)が肋骨負傷する落車でニュートラル措置が取られる事態に。ステージ優勝はベン・ターナー(イギリス、イネオス・グレアディアーズ)だった。

アルペシン・ドゥクーニンクが積極的に逃げにトライ。結果的に2人を逃げに送り込んだ photo:CorVos
ツール・ド・ポローニュ(UCIワールドツアー)の第3ステージは、ポーランド南西のドルヌィ・シロンスク県の街バウブジフを発着する159kmの丘陵ステージ。カテゴリー山岳が含まれる周回コースを変則的に3周回してなだれ込む。ほぼ平坦無しでアップダウンばかり、獲得標高3400mオーバーの一日だ。
前日勝者で、リーダージャージに袖を通したポール・ラペラ(フランス、デカトロンAG2Rラモンディアール)らを先頭にスタートし、レースディレクターからフラッグが振られると同時にアタック合戦が勃発。逃げと吸収を経て、ティモ・キーリッヒ(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)を含む10名が逃げ、ラペラ自らメイン集団に蓋をしたことで逃げが決まった。
3〜4分のリードを得た逃げグループは快調に丘陵コースを巡行。距離を経るごとに登坂に苦しむ選手を振り落としながら進み、スタートから100kmを消化したタイミングで6名に。ケランド・オブライアン(オーストラリア、ジェイコ・アルウラー)のアタックに追従したキーリッヒは山岳ポイントを積み重ねて一躍山岳ポイント首位に躍進している。

落車によって集団ニュートラル。10分間レースが停止した photo:CorVos
共に人数を減らして逃げグループとメイン集団の距離が縮まり、フィニッシュのシナリオに向けて歯車が動き出したタイミングでハプニングが起きた。メイン集団ではタイトな下りコーナーで落車が発生し、総合首位ラペラやラファウ・マイカ(ポーランド、UAEチームエミレーツXRG)を含む4人がコーナー外側の溝に落下する事態となってしまう。このアクシデントによって全医療スタッフが出払う状態になったため、主催者はレースを一時ストップ。さらにフィニッシュ地点まで距離が少なかったことを踏まえ、この日のステージでは総合タイムを計測せずステージ順位だけを争うことに決めた。
ラペラやマイカは傷だらけでフィニッシュにたどり着いたものの、ラペラは肋骨2本にヒビが入る負傷。ニュートラライズ措置によって総合首位はキープしているが、翌日の出走は今ところ未定だ。
10分間の中断ののち、レースは残り15km地点からオブライアンとディエゴ・ウリッシ(イタリア、XDS・アスタナ)、ロレンツォ・ミレージ(イタリア、モビスター)の3名が先行してスタート。集団も後を追うように再出走するやいなや、ヴィスマ・リースアバイクがペースを猛烈に上げた。

登坂スプリントを制したベン・ターナー(イギリス、イネオス・グレアディアーズ) photo:Tour de Pologne

キャリア最後の母国レースで落車負傷したラファウ・マイカ(ポーランド、UAEチームエミレーツXRG) photo:CorVos
フィニッシュライン手前で逃げていた3名を捉え、結果的にスタージ争いは集団スプリントへ。ミハウ・クフィアトコフスキ(ポーランド、イネオス・グレアディアーズ)が渾身のリードアウトで集団を引き延ばし、ベン・ターナー(イギリス、イネオス・グレアディアーズ)を発射する。緩やかな登り勾配の最短ラインを突き進んだターナーがキャリア2勝目をポーランドでマークした。
「ビッグベン」と呼ばれる194cmのターナーは、トリニティレーシングから2022年にイネオス入りし、アシストとしてチームを支える26歳。「緊張する一日だったよ。コースはタフで、誰もが集団先頭で走りたがっていたので、残念ながらクラッシュが発生してしまった。怪我をした皆の無事を祈ってい流よ。あんなことは絶対に見たくないといつも思っているよ。僕はニュートラル後に計画を立て、それを完璧に実行できた。勝利で締めくくることができて嬉しいよ」と久々の勝利を喜んでいる。

キャリア2勝目を挙げたベン・ターナー(イギリス、イネオス・グレアディアーズ) photo:Tour de Pologne
先述の通り、総合順位にはニュートラライズ措置が取られたものの、集団落車に巻き込まれた総合2位のマティアス・ヴァチェク(チェコ、リドル・トレック)は傷と脳震盪の疑いによってレースをDNF。たびたび大事故が起こるポローニュで、またもプロトンに影を落とす事態となってしまった。

ツール・ド・ポローニュ(UCIワールドツアー)の第3ステージは、ポーランド南西のドルヌィ・シロンスク県の街バウブジフを発着する159kmの丘陵ステージ。カテゴリー山岳が含まれる周回コースを変則的に3周回してなだれ込む。ほぼ平坦無しでアップダウンばかり、獲得標高3400mオーバーの一日だ。
前日勝者で、リーダージャージに袖を通したポール・ラペラ(フランス、デカトロンAG2Rラモンディアール)らを先頭にスタートし、レースディレクターからフラッグが振られると同時にアタック合戦が勃発。逃げと吸収を経て、ティモ・キーリッヒ(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)を含む10名が逃げ、ラペラ自らメイン集団に蓋をしたことで逃げが決まった。
3〜4分のリードを得た逃げグループは快調に丘陵コースを巡行。距離を経るごとに登坂に苦しむ選手を振り落としながら進み、スタートから100kmを消化したタイミングで6名に。ケランド・オブライアン(オーストラリア、ジェイコ・アルウラー)のアタックに追従したキーリッヒは山岳ポイントを積み重ねて一躍山岳ポイント首位に躍進している。

共に人数を減らして逃げグループとメイン集団の距離が縮まり、フィニッシュのシナリオに向けて歯車が動き出したタイミングでハプニングが起きた。メイン集団ではタイトな下りコーナーで落車が発生し、総合首位ラペラやラファウ・マイカ(ポーランド、UAEチームエミレーツXRG)を含む4人がコーナー外側の溝に落下する事態となってしまう。このアクシデントによって全医療スタッフが出払う状態になったため、主催者はレースを一時ストップ。さらにフィニッシュ地点まで距離が少なかったことを踏まえ、この日のステージでは総合タイムを計測せずステージ順位だけを争うことに決めた。
ラペラやマイカは傷だらけでフィニッシュにたどり着いたものの、ラペラは肋骨2本にヒビが入る負傷。ニュートラライズ措置によって総合首位はキープしているが、翌日の出走は今ところ未定だ。
10分間の中断ののち、レースは残り15km地点からオブライアンとディエゴ・ウリッシ(イタリア、XDS・アスタナ)、ロレンツォ・ミレージ(イタリア、モビスター)の3名が先行してスタート。集団も後を追うように再出走するやいなや、ヴィスマ・リースアバイクがペースを猛烈に上げた。


フィニッシュライン手前で逃げていた3名を捉え、結果的にスタージ争いは集団スプリントへ。ミハウ・クフィアトコフスキ(ポーランド、イネオス・グレアディアーズ)が渾身のリードアウトで集団を引き延ばし、ベン・ターナー(イギリス、イネオス・グレアディアーズ)を発射する。緩やかな登り勾配の最短ラインを突き進んだターナーがキャリア2勝目をポーランドでマークした。
「ビッグベン」と呼ばれる194cmのターナーは、トリニティレーシングから2022年にイネオス入りし、アシストとしてチームを支える26歳。「緊張する一日だったよ。コースはタフで、誰もが集団先頭で走りたがっていたので、残念ながらクラッシュが発生してしまった。怪我をした皆の無事を祈ってい流よ。あんなことは絶対に見たくないといつも思っているよ。僕はニュートラル後に計画を立て、それを完璧に実行できた。勝利で締めくくることができて嬉しいよ」と久々の勝利を喜んでいる。

先述の通り、総合順位にはニュートラライズ措置が取られたものの、集団落車に巻き込まれた総合2位のマティアス・ヴァチェク(チェコ、リドル・トレック)は傷と脳震盪の疑いによってレースをDNF。たびたび大事故が起こるポローニュで、またもプロトンに影を落とす事態となってしまった。
ツール・ド・ポローニュ2025第3ステージ
1位 | ベン・ターナー(イギリス、イネオス・グレアディアーズ) | 4:00:46 |
2位 | ぺリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
3位 | アンドレア・バジオーリ(イタリア、リドル・トレック) | |
4位 | ヤン・クリステン(スイス、UAEチームエミレーツXRG) | |
5位 | アリエン・リヴィンズ(ベルギー、ロット) | |
6位 | クィンティン・ヘルマンス(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク) | |
7位 | ペピン・レンデリンク(オランダ、スーダル・クイックステップ) | |
8位 | フランチェスコ・ブサット(イタリア、アンテルマルシェ・ワンティ) | |
9位 | ヤシャ・ズッタリン(ドイツ、ジェイコ・アルウラー) | |
10位 | マルチン・ブドジンスキー(ポーランド、ポーランドナショナルチーム) |
個人総合成績
1位 | ポール・ラペラ(フランス、デカトロンAG2Rラモンディアール) | 11:57:10 |
2位 | ヴィクトル・ランゲロッティ(モナコ、イネオス・グレナディアーズ) | +0:06 |
3位 | ヤン・クリステン(スイス、UAEチームエミレーツXRG) | +0:08 |
4位 | アントニオ・ティベーリ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス) | +0:12 |
5位 | クインテン・ヘルマンス(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク) | |
6位 | フィン・フィッシャーブラック(ニュージーランド、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) | +0:14 |
7位 | ブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAEチームエミレーツXRG) | |
8位 | ラファウ・マイカ(ポーランド、UAEチームエミレーツXRG) | |
9位 | ミッケルフレーリク・ホノレ(デンマーク、EFエデュケーション・イージーポスト) | |
10位 | アルベルト・ベッティオル(イタリア、アスタナ・カザクスタン) | +0:18 |
その他の特別賞
ポイント賞 | ポール・ラペラ(フランス、デカトロンAG2Rラモンディアール) |
山岳賞 | トマシュ・ブジンスキ(ポーランド・ナショナルチーム) |
チーム総合成績 | UAEチームエミレーツXRG |
text:Sotaro.Arakawa
photo:Tour de Pologne, CorVos
photo:Tour de Pologne, CorVos
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