今大会最初の集団スプリントに持ち込まれたツール・ド・フランス・ファム第3ステージ。ロレーナ・ウィーベス(オランダ、SDワークス・プロタイム)が圧巻のスプリントで、2年ぶり4度目のステージ優勝に輝く。敗れたものの、フォスは前日失ったマイヨジョーヌを取り戻した。

バゲットを携えたファンパクテンベーケ photo:A.S.O. 
マスクを着用して現れたヴィスマ・リースアバイク photo:A.S.O.

キンバリー・ルコート(モーリシャス、AGインシュランス・スーダル)とマビ・ガルシア(スペイン、リブ・アルウラー・ジェイコ) photo:A.S.O.
マビ・ガルシア(スペイン、リブ・アルウラー・ジェイコ)の劇的な独走勝利から一夜明け、ツール・ド・フランス・ファムは7月28日に第3ステージを迎えた。舞台はラ・ガシイから開幕地ブルターニュを脱し、アンジェに向かう163.5km。序盤に4級山岳が設定されただけの、正真正銘のスプリントステージだ。
この日、2週間前に閉幕したジロ・デ・イタリア・ウィメンで総合連覇を達成したエリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、UAEチームADQ)が腸管感染症のため未出走。デミ・フォレリング(オランダ、FDJスエズ)の総合ライバルと目されたイタリア王者は初日リタイアのマーレン・ロイサー(スイス、モビスター)に続くようにレースを去った。

サラ・マルティン(スペイン、モビスター)ら4名による逃げ集団 photo:A.S.O.
曇り空の下、逃げを打ったのは2023年のパリ〜ルーベ・ファム覇者アリソン・ジャクソン(カナダ、EFオートリー・キャノンデール)やスペイン王者のサラ・マルティン(モビスター)を含む4名だった。開催国フランスからは21歳で来月にツール・ド・ラヴニールを控えるクレマンス・ラティミエ(アルケアB&Bホテルズ・ウィメン)が入り、最大4分のタイム差を得る。一方のメイン集団は水色の特別ジャージを着用するSDワークス・プロタイムがコントロールした。
その後は横風による集団分断もなく、平穏な雰囲気のまま後半に突入。残り39.6km地点の中間スプリントではジャクソンが先頭通過し、プロトンでの5番手通過争いでは、ロレーナ・ウィーベス(オランダ、SDワークス・プロタイム)がマリアンヌ・フォス(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)を退ける。直後のコフィディス・ウィメンを中心とする集団落車が発生したものの、大きな怪我を負う選手はなくレース復帰している。

ブルターニュ地方を後にした選手たち photo:A.S.O.
残り30km前後からSDワークスが牽引のペースを早め、逃げとのタイム差を一気に縮めていく。差が30秒を切った残り10.4kmでマルティンがアタックし、続いてチリ王者のカタリナ・ソト(ラボラルクチャ・フンダシオンエウスカディ)が飛び出す。しかし残り6kmでカタブランカ・ヴァシュ(ハンガリー、SDワークス・プロタイム)の先導するプロトンは彼女たちをあっさり吸収した。
集団スプリントに向け緊張感が高まる集団では、残り3.7km地点で大規模落車が発生した。ここにはステージ優勝候補の1人であったエリーザ・バルサモ(イタリア、リドル・トレック)が巻き込まれ、勝負から脱落。フォレリングも落車したものの、3kmから5kmに延長された救済措置が適用される区間だったため、トップと同タイムのフィニッシュとなった。
落車を免れた約20名の集団では、世界王者ロッテ・コペッキー(ベルギー、SDワークス・プロタイム)がウィーベスを背後につける中、先頭のノエミ・リュエッグ(スイス、EFオートリー・キャノンデール)が残り450mからアーリースプリントを仕掛ける。しかしウィーベスは踏み込み一発でリュエッグをパス。そのままコース中央で踏み抜き、マイヨヴェール(ポイント賞)を着るフォスを並ばせることすら許さず、フィニッシュラインを駆け抜けた。

圧巻のスプリントを披露したロレーナ・ウィーベス(オランダ、SDワークス・プロタイム) photo:CorVos
前日は優勝候補に挙がりながらもガルシアに独走を許し、2位に終わっていたウィーベス。「最後はロッテ(コペッキー)の後輪に集中し、私たちが良いコンビであることを証明した。この勝利のために懸命に走ったチームメイトが喜ぶ姿を見て、一緒に分かち合えることの意味は大きい。明日もスプリントのチャンスがあるステージなので、しっかり回復して臨みたい」と昨年は2度の2位と目の前で逃し、2年ぶりに手に入れた勝利を喜んだ。
これによりウィーベスはポイントでフォスを抜き、マイヨヴェールを着用。一方でボーナスタイム6秒を得たフォスが、再びマイヨジョーヌに袖を通した。

2年ぶりの勝利を喜ぶロレーナ・ウィーベス(オランダ、SDワークス・プロタイム) photo:A.S.O.

マイヨジョーヌを取り戻したマリアンヌ・フォス(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク) photo:A.S.O. 
チームメイトに背中を押されるようにフィニッシュしたデミ・フォレリング(オランダ、FDJスエズ) photo:A.S.O.



マビ・ガルシア(スペイン、リブ・アルウラー・ジェイコ)の劇的な独走勝利から一夜明け、ツール・ド・フランス・ファムは7月28日に第3ステージを迎えた。舞台はラ・ガシイから開幕地ブルターニュを脱し、アンジェに向かう163.5km。序盤に4級山岳が設定されただけの、正真正銘のスプリントステージだ。
この日、2週間前に閉幕したジロ・デ・イタリア・ウィメンで総合連覇を達成したエリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、UAEチームADQ)が腸管感染症のため未出走。デミ・フォレリング(オランダ、FDJスエズ)の総合ライバルと目されたイタリア王者は初日リタイアのマーレン・ロイサー(スイス、モビスター)に続くようにレースを去った。

曇り空の下、逃げを打ったのは2023年のパリ〜ルーベ・ファム覇者アリソン・ジャクソン(カナダ、EFオートリー・キャノンデール)やスペイン王者のサラ・マルティン(モビスター)を含む4名だった。開催国フランスからは21歳で来月にツール・ド・ラヴニールを控えるクレマンス・ラティミエ(アルケアB&Bホテルズ・ウィメン)が入り、最大4分のタイム差を得る。一方のメイン集団は水色の特別ジャージを着用するSDワークス・プロタイムがコントロールした。
その後は横風による集団分断もなく、平穏な雰囲気のまま後半に突入。残り39.6km地点の中間スプリントではジャクソンが先頭通過し、プロトンでの5番手通過争いでは、ロレーナ・ウィーベス(オランダ、SDワークス・プロタイム)がマリアンヌ・フォス(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)を退ける。直後のコフィディス・ウィメンを中心とする集団落車が発生したものの、大きな怪我を負う選手はなくレース復帰している。

残り30km前後からSDワークスが牽引のペースを早め、逃げとのタイム差を一気に縮めていく。差が30秒を切った残り10.4kmでマルティンがアタックし、続いてチリ王者のカタリナ・ソト(ラボラルクチャ・フンダシオンエウスカディ)が飛び出す。しかし残り6kmでカタブランカ・ヴァシュ(ハンガリー、SDワークス・プロタイム)の先導するプロトンは彼女たちをあっさり吸収した。
集団スプリントに向け緊張感が高まる集団では、残り3.7km地点で大規模落車が発生した。ここにはステージ優勝候補の1人であったエリーザ・バルサモ(イタリア、リドル・トレック)が巻き込まれ、勝負から脱落。フォレリングも落車したものの、3kmから5kmに延長された救済措置が適用される区間だったため、トップと同タイムのフィニッシュとなった。
落車を免れた約20名の集団では、世界王者ロッテ・コペッキー(ベルギー、SDワークス・プロタイム)がウィーベスを背後につける中、先頭のノエミ・リュエッグ(スイス、EFオートリー・キャノンデール)が残り450mからアーリースプリントを仕掛ける。しかしウィーベスは踏み込み一発でリュエッグをパス。そのままコース中央で踏み抜き、マイヨヴェール(ポイント賞)を着るフォスを並ばせることすら許さず、フィニッシュラインを駆け抜けた。

前日は優勝候補に挙がりながらもガルシアに独走を許し、2位に終わっていたウィーベス。「最後はロッテ(コペッキー)の後輪に集中し、私たちが良いコンビであることを証明した。この勝利のために懸命に走ったチームメイトが喜ぶ姿を見て、一緒に分かち合えることの意味は大きい。明日もスプリントのチャンスがあるステージなので、しっかり回復して臨みたい」と昨年は2度の2位と目の前で逃し、2年ぶりに手に入れた勝利を喜んだ。
これによりウィーベスはポイントでフォスを抜き、マイヨヴェールを着用。一方でボーナスタイム6秒を得たフォスが、再びマイヨジョーヌに袖を通した。



ツール・ド・フランス・ファム2025第3ステージ結果
1位 | ロレーナ・ウィーベス(オランダ、SDワークス・プロタイム) | 3:41:47 |
2位 | マリアンヌ・フォス(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク) | |
3位 | アリー・ウォラストン(ニュージーランド、FDJスエズ) | |
4位 | メーガン・ジャストラブ(アメリカ、ピクニック・ポストNL) | |
5位 | リアヌ・リッパート(ドイツ、モビスター) | |
6位 | シャリ・ボサイツ(ベルギー、AGインシュランス・スーダル) | |
7位 | エリーネ・ヤンセン(オランダ、フォルカーヴェッセルズ・ウィメンズプロサイクリング) | |
8位 | カタジナ・ニエウィアドマ(ポーランド、キャニオン・スラム・ゾンダクリプト) | |
9位 | ノエミ・リュエッグ(スイス、EFオートリー・キャノンデール) | |
10位 | ルシンダ・ブラント(オランダ、リドル・トレック) |
個人総合成績(マイヨジョーヌ)
1位 | マリアンヌ・フォス(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク) | 8:19:06 |
2位 | キンバリー・ルコート(モーリシャス、AGインシュランス・スーダル) | +0:06 |
3位 | ポリーヌ・フェランプレヴォ(フランス、ヴィスマ・リースアバイク) | +0:12 |
4位 | カタジナ・ニエウィアドマ(ポーランド、キャニオン・スラム・ゾンダクリプト) | +0:16 |
5位 | ロレーナ・ウィーベス(オランダ、SDワークス・プロタイム) | |
6位 | デミ・フォレリング(オランダ、FDJスエズ) | +0:19 |
7位 | アンナ・ファンデルブレッヘン(オランダ、SDワークス・プロタイム) | +0:21 |
8位 | プック・ピーテルセ(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク) | |
9位 | パウリーナ・ローイヤッカース(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク) | +0:25 |
10位 | ニアム・フィッシャーブラック(ニュージーランド、リドル・トレック) |
その他の特別賞
山岳賞 | エリーズ・シャベイ(スイス、FDJ・スエズ) |
ポイント賞 | ロレーナ・ウィーベス(オランダ、SDワークス・プロタイム) |
ヤングライダー賞 | ジュリー・ベゴ(フランス、コフィディス) |
チーム総合成績 | FDJ・スエズ |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos, A.S.O.
photo:CorVos, A.S.O.
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