アルベルト・コンタドール(スペイン・アスタナ)のツール・ド・フランス優勝コメント。事実上の優勝記者会見となる第19ステージの個人タイムトライアル終了後のプレスセンターでの質疑応答から。

事実上の優勝記者会見となるアルベルト・コンタドール(スペイン、アスタナ)事実上の優勝記者会見となるアルベルト・コンタドール(スペイン、アスタナ) photo:Makoto Ayano

第19ステージの個人タイムトライアル終了後の記者会見から

―表彰台で涙を見せたこと、今年は調子が悪いのではないか?

正直に言ってたくさんの感情が湧きでてきた。こんなに感情的になったツールはこれが初めてだと思う。僕がどれだけこれに捧げたか、誰にも想像できないだろう。その通り、僕は調子がよくない日が何日かあった。それが僕をこんなに感情的にしたんだろうと思う。

十分な準備をしてレースに臨んで、うまく行くこともあれば、自分の思うようには行かないことがある。それがどうしてなのかは本当に分からない。いい結果を残すためにはいろいろなやり方があると思う。自転車レースは数学とは違う。すべて自分の計画するようにはいかない。

今年の僕は最高の調子になかった。そして今日(第19ステージ)はあまり調子が良くなかった。昨夜はあまり眠れず、胃痛とともに起きた。でも、結局は最高の一日にすることができた。今年の他のどの日よりもたくさん苦しんだ」。


― いつもより力を落としていることは確かなようだが、それは数字的にはどれぐらい?  5パーセント?、それとも10パーセント? そして調子が悪かった原因とは?

そのとおり、今年の僕はいつもと同じようには強くなかった。自分の最高の調子より何パーセント下回ったのかを正確に言うことはできない。けれど昨年と同じように調子がいいと感じる瞬間が何回かあった。
昨年と同じようには調子は良くなかったけど、それでもなんとか勝つことができた。どの日が調子が良くなかったかは言わないでおく。ある理由でそれを自分の中にしまっておくことにするよ。

今年、ヨーロッパではたくさん雨が降った。だからそれがもとで僕の花粉アレルギーがでて、調整の遅れにつながったと思っている。6月下旬のスペインロード選手権の直前に僕は風邪をひいて、抗生物質を摂取していた。そういったことが調子に影響したのかもしれない。


アンディ・シュレクについて

アンディは偉大な選手で、僕に近づきつつある。彼は確実に進歩していると思う。僕らは長い時間一緒に過ごし、彼の考え方や練習方法などを知るようになった。これからの何年もの間、彼が僕の最大のライバルで居続けることになると思う。彼はとても若くて、同時に僕もまだ十分若い。

総合優勝のアルベルト・コンタドール(スペイン、アスタナ)と2位のアンディ・シュレク(ルクセンブルク、サクソバンク)総合優勝のアルベルト・コンタドール(スペイン、アスタナ)と2位のアンディ・シュレク(ルクセンブルク、サクソバンク)

― ツール・ド・フランスに勝つこととは?

子供の頃に自転車に乗り始めたときから、ツール・ド・フランスで勝つことは僕の夢だった。なぜなら世界でもっとも美しいレースだから。多くの人にとってそれが何を意味するのかが僕には理解できるし、僕がこんなにも強くプレッシャーを感じる理由がある。それ(プレッシャー)は外から来るだけじゃなく、自分自身のなかから来るものだ。ツールに勝つことはそのプレッシャーから本当に救われる気がする。


― これからのことについて。来年のチームは

まず僕は遠くに逃げ出すよ(笑)!。まず休んでリラックスして、それからこれからのことを考える。今のところ、来年についてのいくつかの選択肢について考えているところ。目標を決めたら冬の間は静かに過ごしたい。
来年のジロおブエルタは可能性があるだろうね。でも今年のブエルタは、僕が休んでリラックスして、そしてチームがどうするかによる。でももっとも有力なシナリオは、僕は出場しないということ。


シャンゼリゼの表彰式で

過去2回の優勝の時よりも体調が良くなかったなかで闘った苦しいツールだった。心理的にもすごくつらいツールだった。この勝利は自分にとってとても重要な勝利だ。



text:Makoto.AYANO

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