ドイツ・フランクフルトでBMCの新型「Teammachine SLR01」が密かにデビューした。フレーム重量700g。剛性を維持しながら-16%の軽量化。空力も“軽量カテゴリ最速水準”へ。そして、BMCがこだわり続ける「ライドフィール」はそのままに。発表の瞬間をお届けします。



ドイツ・フランクフルトで発表された新型Teammachine SLR01 photo:So Isobe

世界最大級の自転車展示会「ユーロバイク」を控えるドイツ・フランクフルトで、BMCが招待制のクローズドイベントを開催した。

発表されたのは、第5世代へと進化した「Teammachine SLR01」。かつてオリンピックや世界選手権を筆頭に、幾多のビッグレースを制してきたBMCの魂とも呼べる名モデルが、再び「軽量モデル」の定義を塗り替える存在としてリファインされた。

少数のメディアを招いた行われたプレゼンテーション photo:So Isobe
テストバイクも用意され、70km弱の周回コースを巡った。インプレッションは続報にて photo:So Isobe



フレーム全体に渡りシンプルな形状にリファイン。重量を削減するための工夫だという photo:So Isobe

「どれだけ我々が製品細部に至るまでクレイジーなほどに注力したか」。「Teammachine SLR01は、BMCにとって最も大切なロードバイクである」。発表会に立ち会った開発陣が繰り返し口にしていたのは、こんな言葉だった。レースに勝てるバイクであることは当然として、「BMCらしさが一瞬で伝わる存在」でなければならない。そんな哲学のもと、Impec Labのエンジニアたちは新素材の選定からジオメトリー、空力、そしてペイントのミリグラム単位まで、あらゆる要素を見直した。

フレーム重量は700g。先代比で-18%を達成している photo:So Isobe

フォークのトレイル値は63mmを継承。今作でも「BMC特有のハンドリング」を目指してこだわったという photo:So Isobe
シートチューブ〜シートポストはTeammachine R同様の形状に進化。クランプ形状も変更されている photo:So Isobe



フレームセット総重量は1,173g。前世代比 -16%を達成したという

第5世代のTeammachine SLR01は、これまで以上に軽さを突き詰め、前作同様に留めた各種剛性値と掛け合わせることで圧倒的な重量剛性値を達成。フレームは700g(サイズ54/塗装済み)で、フォークとシートポストを含めたフレームセット総重量は1,173gと前世代比 -16%を達成。空力性能(CdA値)も軽量バイクとしてカテゴリー最速水準を達成するに至った。

この数字が意味するのは、単なる「軽くて空力の良いバイク」ではない。これまでのTeammachineのライドフィール、つまり登坂での反応性と下りでの安定感を犠牲にすることなく、それらをさらに高い次元へと引き上げたことだ。BMCが長年こだわる「63mmトレイル」のジオメトリーは健在で、ダウンヒルでのコントロール性も引き続き強みとして継承されている。

登りだけではなく、下りや平坦でも武器になるオールラウンドモデルとして開発が進められた

シクロワイアードではキーマンへのインタビューも実施。続報にてお伝えします photo:So Isobe
デビューに合わせて作られた特別ペイントモデル(非売品)の姿も photo:So Isobe



新型ではICSコックピットを含む完全内装ケーブルルーティングを採用し、外観も洗練。極めて軽量な塗装や、最小限ながら目をひくロゴ配置など、細部に至るまでBMCらしい設計哲学が反映されている。

追って掲載する特集では、新型Teammachine SLR01の設計思想や、キーマンへのインタビュー、そして実走インプレッションに至るまでを深く掘り下げていく予定。まずは、この「誕生の瞬間」を共有しておきたい。



BMC 新型 Teammachine SLR01 販売スペック
完成車(1モデル)
Teammachine SLR01 FOUR

カラー:カーボンブラック
サイズ:47、51、54、56
メインコンポ:Shimano R8150 Ultegra Di2
ホイール:CR40 SL カーボン TLR 40mm高
タイヤ:Pirelli P Zero 700x26
サドル:Fizik Argo Vento R3
コックピット:ICS Carbon Evo
税抜価格:1,315,000円

フレームセット(3カラー)
カラー:軽量カーボン、カーボン・ネオンレッド、タリックブルーパープル
サイズ:47、51、54、56
税抜価格:798,000円

text:So Isobe
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