サイクルモード東京のブースレポート第二弾。体験できるコーナーが盛りだくさんのダイアテック、グロータックのイコールレバー、キャットアイの限定ライト、シュアラスターの洗車講座、カワシマサプライのブランド群など多彩なブースが来場者を魅了しました。
ピナレロ- 最高峰のバイクブランドが多くの来場者を魅了

数多くの来場者を出迎えたDOGMA Fのイネオス・グレナディアーズカラー

深みのあるグロス塗装の魅力を確認できた
サイクルモードでは大きなブースを展開することでお馴染みのピナレロ。今回は2つある入り口の一つを入った正面に位置しており、見慣れた「P」ロゴと、DOGMA Fのイネオス・グレナディアーズカラーが来場者を出迎えてくれた。
ブースの中央にはフィリッポ・ガンナのために作られたBOLIDE F TTが鎮座。ピナレロのエアロダイナミクス研究の粋が結集したレーシングマシンを隈なくチェックしていた方も少なくない。ピナレロらしい曲線、他にはない鋸刃のようなチューブディティールの艶かしさに来場者は惹きつけられた。
ピナレロのバイクは造形やペイントの塗り分けやグラデーションが美しいため、サイクルモードの会場ではカタログで伝わりきらない迫力や美しさ、雰囲気を味わえただろう。

非常に造形が美しいBOLIDE F TT
そしてブースの一角には時折人だかりができていた。なんで集まっているのかと気になって近づいてみたら、そこにいる方々は試乗車の状況を知らせるディスプレイを確認していたようだ。当日キャンセルが出ると、すぐに試乗車情報に反映されて、その場で予約が可能となっていた。
DOGMA Fの試乗車に空きが出てから、少しブースを見て回っている間にその車種は予約で一杯の表示に切り替わっていた。やはりDOGMA Fの人気は一際高いようだ。
カワシマサイクルサプライ - プロが使うプレミアムブランドが集結

UAEチームエミレーツXRDは今年からフィジークのサドルを使用している

3DプリントパッドをパーソナライズするONE-TO-ONEサービスも展開されている 
コスパ優れるVENTO OMNAは試し履きする方が多かった
ピナレロの隣にはカワシマサイクルサプライが取り扱うインポードブランドが集合したブースが展開されていた。ピナレロのバイクをひと通り見て回った後に、カワシマブースに足を向けるとタデイ・ポガチャルが来場者を待ち構えていた。
ポガチャル擁するフィジークは今季よりUAEチームエミレーツのサポートを開始しており、選手たちのサドルもスイッチしている。ARGOやANTARES、ALIANTE、ARIONEの定番モデルや、3DプリントのAdaptiveモデルなどをUAEの選手たちは使用している。
またフィジークは3DプリントパッドをオーダーメイドするONE-TO-ONEサービスも展開。ライダーそれぞれのサドルにかける圧力を計測し、パッドの硬さなどを最適化させるパーソナライズシステムだ。ポガチャルのクラシックでの活躍を腰から支えているともいえよう。
フィジークはシューズの試着も人気だった。コストパフォーマンスに優れるOMNAにはワイドフィットも登場しているため、どちらがフィットするか試せるのは貴重な機会となったはずだ。

エリートのスマートローラー(フレーム)のSquareがお披露目となった
カワシマサイクルサプライが取り扱うブランドの中でも定番の一つがエリートだ。今年もローラー台の試乗には非常に多くの来場者が参加しており、バーチャルサイクリングやローラー台の感触を確かめた。
また今回はSquareというスマートトレーナーフレームを用いての試乗となった。これは、いわゆるスマートバイクからローラー台部分を省略したモデルで、エリートのDIRETOなどと組み合わせて使用する物。調整が簡単な仕様を採用しており、複数人でスマートトレーナーをシェアする時にピッタリ。

エリート定番のスマートローラー体験は常に人が集まっていた
またベルトドライブ駆動で、変速はズイフトハブのような仕組みとなっており、駆動音は非常に静か。トレーニングのたびにマイバイクを脱着するという手間からも解放してくれるだろう。
デザインはエリートのスタイリッシュなプロダクトを手がけてきたアドリアーノデザイン。今回はインテリアに馴染むウッド調ではなく、スチールフレームを直線的に配置したインダストリアルなデザインが採用されているのもポイントだ。

フルクラムのブースにも多くの人が足を運んだ

フルクラムのSHARQはみんな興味津々
フルクラムのブースで注目されていたのは、トレンドの波状リムを採用したSHARQ。実際に製品を手に取り、特殊なリム形状や、オールロードらしい幅広のリムをチェックする方が多かった。他にもSpeed Teamというロゴを大きくあしらったモデルも来場者の目をひいた。
左右の壁にずらりとホイールが掛けられる中で、サイクルモード当日のカタログにはなかった新型ホイールを発見。Soniqというアルミ製シリーズで、切削加工で重量を削ぎ落としたALX(1,745g)と、プレーンのAL(1,890g)が用意されている。内幅が23mmに設定されており、オールラウンドに使いたい方にピッタリ。価格もALXが111,100円で、ALが75,900円となっているため、完成車からアップグレードしたい時に最適だろう。

大きなロゴが特徴的なSpeed Teamシリーズ

新型Soniqシリーズが展示されていた
そして取り扱いが開始されたばかりのQ36.5からは本国スタッフが来日。トム・ピドコックも着用し注目度が高まっている今、彼にQ36.5の強みを伺ってみた。
「私たちは先進的な研究開発が強みだと思っています。ブランド名の36.5とは理想的な体温を示しており、日本の夏でもスカンジナビアの冷たい風の中でもこの体温を維持できる性能の実現し、ライダーがパフォーマンスを発揮できるようなウェア開発に焦点をあてています」。

Q36.5のブランドの魅力を教えてもらいました
そのために生地メーカーとともに新たなオリジナル生地を作り出し、オリジナル生地は約80%も製品に使われているという。そして、製品開発にはプロチームの選手たちの声を大切にしている。そこから得たフィードバックが実際に反映され、ホビーサイクリストの手に届く製品へと反映される。
またQ36.5はトラック日本代表チームへウェアを供給しており、日本のことが好きだという。「非常にチャレンジングな気候で暮らす日本の皆様が、私たちの製品の品質をテストし、理解してくれることを願っています。私たちは皆様が自転車に乗ることを楽しみ、違いを感じられる製品を提供できると信じています。来年もこのショーでお会いできることを楽しみにしています。Thank you very much, ARIGATO.」とメッセージを残してくれた。ぜひ、今シーズンはピドコックも着用するQ36.5に注目してみてはいかがだろうか。

Q36.5は日本代表のトラックチームをサポートしている
グロータック - 独自技術で進化する国産コンポーネント

12速スプロケットと9速ディレイラーの組み合わせでも動かすことが可能
自社開発のパーツ群が注目されるグロータックのブースにも数多くの来場者が足を運んだ。製品の一つ一つがこだわって開発されているため、サイクリスト等は熱心にチェックしていたようだ。
中でもイコールレバーのデモを体験している方は非常に多かった。デモ機の内容は12速のスプロケットと9速のALTUSディレイラーの組み合わせ。これをEQUALレバーで操作することで変速が可能となるため、手持ちの旧型コンポーネントを活かしたいといった方にはおすすめだ。

ドロッパーシートポストのレバーを組み込んだモデルも登場 
細いケーブルセットも合わせて登場

カーボンコンポジットにも色をつけることに成功した 
インデックスのようなフィーリングを与えられるプレートが登場
イコールレバーの特徴の一つはフリクション変速で、ディレイラーの動き幅をライダーがコントロールすることができること。現在はインデックス変速が主流のため、来場者の皆さんはその感触を興味深く試したようだ。また、EQUALレバーにインデックスのような「カチッ、カチッ」という感触を与える「インデックスプレート」もついに発売が行われるという。
さらに世界初の技術としてカラー化したカーボンパーツも披露された。これはカーボン強化プラスチックの成形時に特殊な工程を加えることで、色をつけることに成功しているという。これは樹脂メーカーと協業して開発を行うグロータックの強みと言えるだろう。順次パーツへと反映させるとのことなので、こちらも期待して待ちたい。
EQUALレバーの派生プロダクトとしてドロッパーシートポスト用レバーを内蔵したモデルも登場。レバーを後付けせずに済むスマートさは魅力的だ。さらに使用するケーブルはシフト用のものより細い物が採用されており、ケーブルの取り回しなども行いすくなるという。

EQUALブレーキの新色はパープルだ

カシマコートが施されたEQUALブレーキもチェックできた

ついにT47対応のスパイダー型パワーメーター、ペダル型パワーメーターが登場する 
スマートヘッドライトのAT1200/AT1600も登場
EQUALシリーズの定番とも言えるディスクブレーキにはパープルと、カシマコートモデルが登場。カシマコートとは硬質潤滑アルマイトの表面処理技術のことで、これを施すことで潤滑性が硬質アルマイトよりも4倍優れているという。これによってピストン部のオイルレス化を実現しており、ブレーキパッドへの油分付着のリスクを低減する。
グロータックが国内展開するマージーンからはついにP515のパワーメーター部単体(スパイダー)、ペダル型パワーメーターの販売が行われるという。スマートヘッドライトのAT1200/AT1600、サイクルコンピューターのC506/C506 SEなども登場するため、グロータックからの案内を待ちたい。
キャットアイ - 矢継ぎ早にリリースされる限定デザインが集結

阪神タイガースとのコラボモデルも登場

鳥獣戯画モデルはおすすめ 
ご当地サイクリングコースは思い出の品としても良さそう
ライトブランドとしてサイクリストの安全を守るキャットアイも人気ブースの一つ。今年のブースで興味をひいたのは、キャットアイが矢継ぎ早にリリースを続ける限定モデルだ。これまで販売された限定デザインがずらりと並べられており、その数の多さには驚かされた。
またその多くはキャットアイダイレクト(公式オンラインストア)での販売のため実物を確認する機会がなかったので、サイクルモードは貴重な機械となった。カタログ写真では派手にライトを彩っているが、実物はライトのサイズが小ぶりとなっているため、見た時のインパクトは想像以上に控えめだ。
その中でもご当地サイクリングコースモデルは、そのルートを走ったことのある方、走ってみたい方にはおすすめしたい。その時の気持ちなどを思いこせるいい記念品となってくれるだろう。阪神タイガースとのコラボモデルや鳥獣戯画モデルなどユニークなグラフィックも見逃せない。

オーロラカラーのVOLT800 NEO

キャットアイの新作NANO60も発売開始
限定品はグラフィックプリントだけではない。定番VOLTシリーズのヘッドユニットを特別なカラーで彩ったモデルも用意されている。例えば、VOLT800 NEOのオーロラカラーだ。みる角度によって色味が変化する魅力的なペイントで、派手すぎないバイクコーディネートのアクセントを求める方にピッタリ。他にもシルバーやグリーン、ブルーのメッキモデルも用意されている。これらは実店舗限定品のため、ショップで実物を確認してから購入可能だ。
注目したい新製品の一つがNANO 60だ。これまでのリアライトラインアップにはないボックス形状が採用されており、シンプルな自転車にも馴染むルックスとなっている。また透過ボディで、光が側方にも回るデザインに仕上げられた。
ライトの最大光量は60ルーメン。この明るさはデイタイムハイパーフラッシュで照射されるため、日中の明るい時でもサイクリストの存在をアピールするのに最適だ。USB Type-Cでの充電という嬉しいスペックも採用されている。既に販売されているため、ショップをチェックしてもらいたい。
ダイアテック- 人気ブランドと体験できるコーナーが盛りだくさん

ダイアテックのブースには数多くの人が訪れた

マックオフのノベルティは非常に豪華だった
会場の至る所でマックオフのショッパーを持っているので、取り扱い代理店ダイアテックのブースに足を運んでみると、そこには行列が形成されていた。ダイアテックのLINEアカウントとともだちになると抽選に挑戦ができ、ハズレなしという大盤振る舞いが行われており、その行列も納得。
景品の中身をチラッと見せてもらうと、マックオフのBIO DRIVE TRAIN CLEANERなどの試供品が複数種類。チェーンオイルやディグリーザーなど消耗品のお試しキットは、正直羨ましい内容だ。会場でゲットした人はぜひ使ってみてほしい。そして、ダイアテックのLINEを登録しておくと、このようなお得な情報が回ってくるかもしれないと思うと、登録しておいた方が吉かも。

エンヴィは大注目のブランドの一つだった

ヴィスマ・リースアバイクでお馴染みのAerohead 
ジロのIMPERIAL IIも展示されていた

EQUIPE Rのジャージとビブショーツはカラーリングもよし
他にもダイアテックのブースで展開されるどのブランドも人がたくさん集まった。エンヴィは八面六臂の活躍をみせるタデイ・ポガチャルが使うホイール/パーツだけあり、数多くの来場者がスタッフの話を熱心に聞いていた。アソスでは佐野淳哉さんがブースに立ち、サイクリストにアソスのウェアを紹介した。
今年のアソスはカラーバリエーションが豊富になっており、コーディネートを楽しみたい方も選びやすいラインアップとなっている。特にEQUIPE Rのジャージとビブショーツはアソスらしいハイスペックな設計と価格のバランスを整えたミドルグレードは、ホビーサイクリストにぴったりな1着のため、チェックしてみても良さそうだ。

フィドロックのマウントシステムは非常に興味深そうに試した方が多かった

ノグのSCOUTを搭載したバイクを盗んでみようという企画も行われていた
他にもダイアテックブースではプロダクトを実際に体験できるものが多かった。新しく取り扱いを始めたフィドロックのボトルケージなどは、ユニークな脱着方法を体感された方も少なくないはず。
またノグは盗難防止アクセサリーのSCOUTを装着したバイクを盗め!というチャレンジ企画を用意。所定の位置まで自転車を動かし、その間にSCOUTが盗難を検知しなければ成功というものだが、挑戦者がソロリソロリと自転車を動かしても失敗ばかり。その感度の良さを体感するのにはうってつけの企画に参加者も楽しそうな顔をしていたのが印象的だった。

ABUSのPure Whiteシリーズは全てが白色で統一されている

ラウンドフィット(左)は、現行品(右、Lサイズ)より大ぶり
ジロのシューズなどの試し履きはもちろんだが、筆者が個人的に気になったのはABUSのヘルメットだ。先日発表されたPure Whiteシリーズと一緒にまだ販売がされていないラウンドフィットのテストモデルが用意されていたのだ。ABUSのヘルメットは世代を重ねるごとに日本人でも着用ができるようになってきたユーロフィットモデルなのだが、横幅でヘルメットサイズを合わせると、額部分に空間が生まれていた。
しかし、ラウンドフィットモデルは頭の全周に渡ってベストフィット。何も不満の生まれない着用感で、これが正式に発売されることになればABUSのヘルメットも強力な選択肢の一つになりそうだ。マチュー・ファンデルプールと同じモデルを着用できるようになるはずなので、ラウンドフィットの正式なリリースは心待ちにしたい。
シュアラスター - プロ直伝のメンテナンス術と大人気の新製品

シュアラスターの半田さんによる洗車講座が開かれた
シュアラスターの洗車講座は毎回多くの人が集まった。SNSのショート動画でお馴染みの半田子竜さんが基礎から教えてくれる内容となっており、教えてくれたステップを踏めば自分でドライブトレインからフレームまでひと通りクリーニングを行えるなっているはずだ。
半田さんによるレクチャーは細かいTIPSも散りばめられているのも実践的でありがたかった。チェーンオイルのスプレーノズルに曲げ加工を施し、塗布しやすいように工夫されていたのもプロの技だった。
今回の出展はゼロバリアがプレゼントされるLINEお友だちキャンペーンも魅力的。ゼロバリアは除菌、抗菌、防カビ効果をもつ消臭スプレーで、ヘルメットやシューズなどの嫌な匂いを取り除くのに最適なアイテム。サイクリングギアをクリーンに保つのに役立てられる製品なので、ブースで手に入れた人はぜひ試してもらいたいと思う。

次回入荷は少し先になるマジックフォーム

ゼロバリアのプレゼントは嬉しい
シュアラスターは今春MAGIC FOAM(マジックフォーム)を発売。これはフォームガンのために開発されたシャンプーと、フォームガン(蓄圧式ボトルと高圧洗浄機用ノズル)のシリーズ。
蓄圧式フォームガンは電源などを必要とせず、空気圧だけで泡による洗浄が行えることが魅力のプロダクト。シャンプー自体も泡立ちよく、かつ車体に残るような設計が行われており、効果的に汚れを落とす性能を備えていることが特徴だ。
マジックフォームは手軽に泡を活用した洗車ができるということで非常に人気が出ており、多くの人がすでに手に入れているという。次回の入荷は少し先になるとのことだが、非常に便利なクリーナーなのでぜひ注目してもらいたい。
Report: Gakuto Fujiwara
ピナレロ- 最高峰のバイクブランドが多くの来場者を魅了


サイクルモードでは大きなブースを展開することでお馴染みのピナレロ。今回は2つある入り口の一つを入った正面に位置しており、見慣れた「P」ロゴと、DOGMA Fのイネオス・グレナディアーズカラーが来場者を出迎えてくれた。
ブースの中央にはフィリッポ・ガンナのために作られたBOLIDE F TTが鎮座。ピナレロのエアロダイナミクス研究の粋が結集したレーシングマシンを隈なくチェックしていた方も少なくない。ピナレロらしい曲線、他にはない鋸刃のようなチューブディティールの艶かしさに来場者は惹きつけられた。
ピナレロのバイクは造形やペイントの塗り分けやグラデーションが美しいため、サイクルモードの会場ではカタログで伝わりきらない迫力や美しさ、雰囲気を味わえただろう。

そしてブースの一角には時折人だかりができていた。なんで集まっているのかと気になって近づいてみたら、そこにいる方々は試乗車の状況を知らせるディスプレイを確認していたようだ。当日キャンセルが出ると、すぐに試乗車情報に反映されて、その場で予約が可能となっていた。
DOGMA Fの試乗車に空きが出てから、少しブースを見て回っている間にその車種は予約で一杯の表示に切り替わっていた。やはりDOGMA Fの人気は一際高いようだ。
カワシマサイクルサプライ - プロが使うプレミアムブランドが集結



ピナレロの隣にはカワシマサイクルサプライが取り扱うインポードブランドが集合したブースが展開されていた。ピナレロのバイクをひと通り見て回った後に、カワシマブースに足を向けるとタデイ・ポガチャルが来場者を待ち構えていた。
ポガチャル擁するフィジークは今季よりUAEチームエミレーツのサポートを開始しており、選手たちのサドルもスイッチしている。ARGOやANTARES、ALIANTE、ARIONEの定番モデルや、3DプリントのAdaptiveモデルなどをUAEの選手たちは使用している。
またフィジークは3DプリントパッドをオーダーメイドするONE-TO-ONEサービスも展開。ライダーそれぞれのサドルにかける圧力を計測し、パッドの硬さなどを最適化させるパーソナライズシステムだ。ポガチャルのクラシックでの活躍を腰から支えているともいえよう。
フィジークはシューズの試着も人気だった。コストパフォーマンスに優れるOMNAにはワイドフィットも登場しているため、どちらがフィットするか試せるのは貴重な機会となったはずだ。

カワシマサイクルサプライが取り扱うブランドの中でも定番の一つがエリートだ。今年もローラー台の試乗には非常に多くの来場者が参加しており、バーチャルサイクリングやローラー台の感触を確かめた。
また今回はSquareというスマートトレーナーフレームを用いての試乗となった。これは、いわゆるスマートバイクからローラー台部分を省略したモデルで、エリートのDIRETOなどと組み合わせて使用する物。調整が簡単な仕様を採用しており、複数人でスマートトレーナーをシェアする時にピッタリ。

またベルトドライブ駆動で、変速はズイフトハブのような仕組みとなっており、駆動音は非常に静か。トレーニングのたびにマイバイクを脱着するという手間からも解放してくれるだろう。
デザインはエリートのスタイリッシュなプロダクトを手がけてきたアドリアーノデザイン。今回はインテリアに馴染むウッド調ではなく、スチールフレームを直線的に配置したインダストリアルなデザインが採用されているのもポイントだ。


フルクラムのブースで注目されていたのは、トレンドの波状リムを採用したSHARQ。実際に製品を手に取り、特殊なリム形状や、オールロードらしい幅広のリムをチェックする方が多かった。他にもSpeed Teamというロゴを大きくあしらったモデルも来場者の目をひいた。
左右の壁にずらりとホイールが掛けられる中で、サイクルモード当日のカタログにはなかった新型ホイールを発見。Soniqというアルミ製シリーズで、切削加工で重量を削ぎ落としたALX(1,745g)と、プレーンのAL(1,890g)が用意されている。内幅が23mmに設定されており、オールラウンドに使いたい方にピッタリ。価格もALXが111,100円で、ALが75,900円となっているため、完成車からアップグレードしたい時に最適だろう。


そして取り扱いが開始されたばかりのQ36.5からは本国スタッフが来日。トム・ピドコックも着用し注目度が高まっている今、彼にQ36.5の強みを伺ってみた。
「私たちは先進的な研究開発が強みだと思っています。ブランド名の36.5とは理想的な体温を示しており、日本の夏でもスカンジナビアの冷たい風の中でもこの体温を維持できる性能の実現し、ライダーがパフォーマンスを発揮できるようなウェア開発に焦点をあてています」。

そのために生地メーカーとともに新たなオリジナル生地を作り出し、オリジナル生地は約80%も製品に使われているという。そして、製品開発にはプロチームの選手たちの声を大切にしている。そこから得たフィードバックが実際に反映され、ホビーサイクリストの手に届く製品へと反映される。
またQ36.5はトラック日本代表チームへウェアを供給しており、日本のことが好きだという。「非常にチャレンジングな気候で暮らす日本の皆様が、私たちの製品の品質をテストし、理解してくれることを願っています。私たちは皆様が自転車に乗ることを楽しみ、違いを感じられる製品を提供できると信じています。来年もこのショーでお会いできることを楽しみにしています。Thank you very much, ARIGATO.」とメッセージを残してくれた。ぜひ、今シーズンはピドコックも着用するQ36.5に注目してみてはいかがだろうか。

グロータック - 独自技術で進化する国産コンポーネント

自社開発のパーツ群が注目されるグロータックのブースにも数多くの来場者が足を運んだ。製品の一つ一つがこだわって開発されているため、サイクリスト等は熱心にチェックしていたようだ。
中でもイコールレバーのデモを体験している方は非常に多かった。デモ機の内容は12速のスプロケットと9速のALTUSディレイラーの組み合わせ。これをEQUALレバーで操作することで変速が可能となるため、手持ちの旧型コンポーネントを活かしたいといった方にはおすすめだ。




イコールレバーの特徴の一つはフリクション変速で、ディレイラーの動き幅をライダーがコントロールすることができること。現在はインデックス変速が主流のため、来場者の皆さんはその感触を興味深く試したようだ。また、EQUALレバーにインデックスのような「カチッ、カチッ」という感触を与える「インデックスプレート」もついに発売が行われるという。
さらに世界初の技術としてカラー化したカーボンパーツも披露された。これはカーボン強化プラスチックの成形時に特殊な工程を加えることで、色をつけることに成功しているという。これは樹脂メーカーと協業して開発を行うグロータックの強みと言えるだろう。順次パーツへと反映させるとのことなので、こちらも期待して待ちたい。
EQUALレバーの派生プロダクトとしてドロッパーシートポスト用レバーを内蔵したモデルも登場。レバーを後付けせずに済むスマートさは魅力的だ。さらに使用するケーブルはシフト用のものより細い物が採用されており、ケーブルの取り回しなども行いすくなるという。




EQUALシリーズの定番とも言えるディスクブレーキにはパープルと、カシマコートモデルが登場。カシマコートとは硬質潤滑アルマイトの表面処理技術のことで、これを施すことで潤滑性が硬質アルマイトよりも4倍優れているという。これによってピストン部のオイルレス化を実現しており、ブレーキパッドへの油分付着のリスクを低減する。
グロータックが国内展開するマージーンからはついにP515のパワーメーター部単体(スパイダー)、ペダル型パワーメーターの販売が行われるという。スマートヘッドライトのAT1200/AT1600、サイクルコンピューターのC506/C506 SEなども登場するため、グロータックからの案内を待ちたい。
キャットアイ - 矢継ぎ早にリリースされる限定デザインが集結



ライトブランドとしてサイクリストの安全を守るキャットアイも人気ブースの一つ。今年のブースで興味をひいたのは、キャットアイが矢継ぎ早にリリースを続ける限定モデルだ。これまで販売された限定デザインがずらりと並べられており、その数の多さには驚かされた。
またその多くはキャットアイダイレクト(公式オンラインストア)での販売のため実物を確認する機会がなかったので、サイクルモードは貴重な機械となった。カタログ写真では派手にライトを彩っているが、実物はライトのサイズが小ぶりとなっているため、見た時のインパクトは想像以上に控えめだ。
その中でもご当地サイクリングコースモデルは、そのルートを走ったことのある方、走ってみたい方にはおすすめしたい。その時の気持ちなどを思いこせるいい記念品となってくれるだろう。阪神タイガースとのコラボモデルや鳥獣戯画モデルなどユニークなグラフィックも見逃せない。


限定品はグラフィックプリントだけではない。定番VOLTシリーズのヘッドユニットを特別なカラーで彩ったモデルも用意されている。例えば、VOLT800 NEOのオーロラカラーだ。みる角度によって色味が変化する魅力的なペイントで、派手すぎないバイクコーディネートのアクセントを求める方にピッタリ。他にもシルバーやグリーン、ブルーのメッキモデルも用意されている。これらは実店舗限定品のため、ショップで実物を確認してから購入可能だ。
注目したい新製品の一つがNANO 60だ。これまでのリアライトラインアップにはないボックス形状が採用されており、シンプルな自転車にも馴染むルックスとなっている。また透過ボディで、光が側方にも回るデザインに仕上げられた。
ライトの最大光量は60ルーメン。この明るさはデイタイムハイパーフラッシュで照射されるため、日中の明るい時でもサイクリストの存在をアピールするのに最適だ。USB Type-Cでの充電という嬉しいスペックも採用されている。既に販売されているため、ショップをチェックしてもらいたい。
ダイアテック- 人気ブランドと体験できるコーナーが盛りだくさん


会場の至る所でマックオフのショッパーを持っているので、取り扱い代理店ダイアテックのブースに足を運んでみると、そこには行列が形成されていた。ダイアテックのLINEアカウントとともだちになると抽選に挑戦ができ、ハズレなしという大盤振る舞いが行われており、その行列も納得。
景品の中身をチラッと見せてもらうと、マックオフのBIO DRIVE TRAIN CLEANERなどの試供品が複数種類。チェーンオイルやディグリーザーなど消耗品のお試しキットは、正直羨ましい内容だ。会場でゲットした人はぜひ使ってみてほしい。そして、ダイアテックのLINEを登録しておくと、このようなお得な情報が回ってくるかもしれないと思うと、登録しておいた方が吉かも。




他にもダイアテックのブースで展開されるどのブランドも人がたくさん集まった。エンヴィは八面六臂の活躍をみせるタデイ・ポガチャルが使うホイール/パーツだけあり、数多くの来場者がスタッフの話を熱心に聞いていた。アソスでは佐野淳哉さんがブースに立ち、サイクリストにアソスのウェアを紹介した。
今年のアソスはカラーバリエーションが豊富になっており、コーディネートを楽しみたい方も選びやすいラインアップとなっている。特にEQUIPE Rのジャージとビブショーツはアソスらしいハイスペックな設計と価格のバランスを整えたミドルグレードは、ホビーサイクリストにぴったりな1着のため、チェックしてみても良さそうだ。


他にもダイアテックブースではプロダクトを実際に体験できるものが多かった。新しく取り扱いを始めたフィドロックのボトルケージなどは、ユニークな脱着方法を体感された方も少なくないはず。
またノグは盗難防止アクセサリーのSCOUTを装着したバイクを盗め!というチャレンジ企画を用意。所定の位置まで自転車を動かし、その間にSCOUTが盗難を検知しなければ成功というものだが、挑戦者がソロリソロリと自転車を動かしても失敗ばかり。その感度の良さを体感するのにはうってつけの企画に参加者も楽しそうな顔をしていたのが印象的だった。


ジロのシューズなどの試し履きはもちろんだが、筆者が個人的に気になったのはABUSのヘルメットだ。先日発表されたPure Whiteシリーズと一緒にまだ販売がされていないラウンドフィットのテストモデルが用意されていたのだ。ABUSのヘルメットは世代を重ねるごとに日本人でも着用ができるようになってきたユーロフィットモデルなのだが、横幅でヘルメットサイズを合わせると、額部分に空間が生まれていた。
しかし、ラウンドフィットモデルは頭の全周に渡ってベストフィット。何も不満の生まれない着用感で、これが正式に発売されることになればABUSのヘルメットも強力な選択肢の一つになりそうだ。マチュー・ファンデルプールと同じモデルを着用できるようになるはずなので、ラウンドフィットの正式なリリースは心待ちにしたい。
シュアラスター - プロ直伝のメンテナンス術と大人気の新製品

シュアラスターの洗車講座は毎回多くの人が集まった。SNSのショート動画でお馴染みの半田子竜さんが基礎から教えてくれる内容となっており、教えてくれたステップを踏めば自分でドライブトレインからフレームまでひと通りクリーニングを行えるなっているはずだ。
半田さんによるレクチャーは細かいTIPSも散りばめられているのも実践的でありがたかった。チェーンオイルのスプレーノズルに曲げ加工を施し、塗布しやすいように工夫されていたのもプロの技だった。
今回の出展はゼロバリアがプレゼントされるLINEお友だちキャンペーンも魅力的。ゼロバリアは除菌、抗菌、防カビ効果をもつ消臭スプレーで、ヘルメットやシューズなどの嫌な匂いを取り除くのに最適なアイテム。サイクリングギアをクリーンに保つのに役立てられる製品なので、ブースで手に入れた人はぜひ試してもらいたいと思う。


シュアラスターは今春MAGIC FOAM(マジックフォーム)を発売。これはフォームガンのために開発されたシャンプーと、フォームガン(蓄圧式ボトルと高圧洗浄機用ノズル)のシリーズ。
蓄圧式フォームガンは電源などを必要とせず、空気圧だけで泡による洗浄が行えることが魅力のプロダクト。シャンプー自体も泡立ちよく、かつ車体に残るような設計が行われており、効果的に汚れを落とす性能を備えていることが特徴だ。
マジックフォームは手軽に泡を活用した洗車ができるということで非常に人気が出ており、多くの人がすでに手に入れているという。次回の入荷は少し先になるとのことだが、非常に便利なクリーナーなのでぜひ注目してもらいたい。
Report: Gakuto Fujiwara
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