プロ通算255勝を誇るマリアンヌ・フォス(オランダ)が、2021年より所属するヴィスマ・リースアバイクとの契約を更新した。その期間は男子チームのワウト・ファンアールト(ベルギー)と同じ「選手キャリアが終わるまで」だ。



ヴィスマ・リースアバイクと生涯契約を結んだマリアンヌ・フォス(オランダ) photo:CorVos

「ヴィスマ・リースアバイクはまるで家のよう。自分らしくあり続け、喜びと高いモチベーションで競技に打ち込める場所。チームからの信頼とサポートに感謝している。いまでも自分の限界に挑戦すること以上に好きなことはない。これからもこの黄色と黒のジャージを着て、自分の限界に挑戦し続けたい。だからこそ私たちの関係に明確な終わりはない」と、フォスはプレスリリースで語った。

契約期間は異例となるフォスの「選手キャリアが終わるまで」。これは昨年9月に男子チームに所属したワウト・ファンアールト(ベルギー)が結んだ契約と同じだ。

現在37歳のフォスは、19歳だった2006年のロード世界選手権で優勝。その後2012年と13年にもアルカンシエルを獲得し、フレッシュ・ワロンヌを5度制し、2012年のロンドンオリンピックで金メダルを獲得するなど、女子ロードレースのトップに君臨している。その他でもシクロクロスでは8度の世界選手権制覇に輝くなど、その強さはロードに留まらない。

昨年のツール・ファムで自身2度目のマイヨヴェール(ポイント賞)を獲得したマリアンヌ・フォス(オランダ) photo:CorVos

ヴィスマ・リースアバイクには女子チームが発足した2021年から所属し、チームに2021年と24年のアムステルゴールドレースでの優勝をもたらした。また2022年に初回大会が開催されたツール・ド・フランス・ファムでは区間2勝し、初代マイヨヴェール(ポイント賞)獲得者になるなど、その輝かしい成績は枚挙にいとまがない。

ベテランと呼ばれる年齢になったいまもその力は衰えを知らず、昨年は2度目のマイヨヴェール獲得やパリ五輪ロードで銀メダルを獲得。そして10月にはグラベル世界選手権で初優勝を飾った。

今年はミラノ〜サンレモで2位、ブラバンツ・ペイルでも2位と勝利こそないものの、切れ味鋭いアタックやスプリントを発揮。本日開催されるアムステルゴールドレースでも活躍が期待される。

チームの代表であるリチャード・プルッヘ氏は「マリアンヌ(フォス)は並外れたチャンピオンであるだけではなく、チーム全体のモデルとなる選手。その成長を求める飽くなき探求心は、我々チームに完璧にマッチする。彼女がキャリアが続く限り我々のチームで走り、共に物語を紡いてくれることに喜びを感じている」と、フォスを評価している。


text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos