ツアー・オブ・タイランドの初日に、新城幸也(ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ)が逃げに乗り2位に入った。勝利を逃したものの、総合優勝に向けて良いスタートを切った。



単独で飛び出した新城幸也(ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ) photo:Miwa ARASHIRO

3月24日に開幕したツアー・オブ・タイランドは、2006年に初開催されたタイを巡る6日間のステージレース。過去には愛三工業レーシングチーム時代の中島康晴が2014年、15年と2年連続で総合優勝を飾った、日本人ファンにも馴染みのある大会だ。

今大会は唯一のプロチームであるソリューションテック・ヴィーニファンティーニを含む、19チームが出場。新城幸也はツアー・オブ・台湾に続き出場し、アジア選手権の舞台であったタイに戻ってきた。初日はカンボジアとの国境にもほど近いアランヤプラテートを発着点とする平坦ステージで争われた。

35度を越える気温の中、残り74km地点から新城がアタック。それに昨年までチューダー・プロサイクリングに所属していたシモン・ペロー(スイス、リ・ニン・スター)が追従。先頭の2名はローテーションを回しながら残り距離を消化していった。

スプリントに敗れながらも2位に入った新城幸也(ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ) photo:Miwa ARASHIRO

逃げ切りを決めた2人はマッチスプリントの末、ペローが勝利。新城が大会初日を2位という好成績で終えた。メイン集団は15秒遅れでフィニッシュ。ボーナスタイムによって新城は、ペローから4秒遅れの2位となっている。

以下は、新城によるレース後のコメント。



予定通り(中間スプリントの後に)アタックして抜け出すことに成功したが、1人になってしまった。いずれ誰か追いついて来るだろうと1人旅を始めた。しばらくして知り合いの選手が追いついて来たので、「行くぞー!」と励ましあいながら逃げ始めた。

最初は集団に泳がされている感じだったが、1分離せば追いつくのも苦戦するだろうから、出来るだけ早くタイム差を広げる努力をした。自分が逃げ続けることで、チームメイトは仕事をせずに済むので、他のチームを消耗させるべく逃げていた。

今となってみれば、この時に気温も暑くボトルの水もなかった状態で身体を追い込んだツケが最後に来たんだと思う。残り15kmでもメイン集団とは40秒差だったので、とにかく自分たちのペースを落とさないように走った。

残り7kmで34秒まで集団も迫ってきていた。前半から動いていたツケでペースを上げることができず、ここまで来たら今日のステージよりも逃げ切ってタイム差を稼ぎ、総合を狙った方が良いと思い、出来るだけタイム差をつけて逃げ切ることに切り替えた。

思惑通りに逃げ切りに成功。ステージは取れなかったが、明日に繋がる結果となった。久し振りに集団との駆け引きや、優勝争いが出来て楽しかった。

総合争いで少し先行したので、1ステージ1ステージを大事に走りたい。2位を守るのではなく、どこかでボーナスタイムを稼いで、総合優勝を目指します。
ツアー・オブ・タイランド第1ステージ結果
1位 シモン・ペロー(スイス、リ・ニン・スター) 2:27:06
2位 新城幸也(ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ)
3位 トム・セクストン(ニュージーランド、セントジョージ・コンチネンタル・サイクリングチーム) +0:15
個人総合成績
1位 シモン・ペロー(スイス、リ・ニン・スター) 2:26:56
2位 新城幸也(ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ) +0:04
3位 トム・セクストン(ニュージーランド、セントジョージ・コンチネンタル・サイクリングチーム) +0:18
photo:Miwa ARASHIRO

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