2025/03/13(木) - 08:27
雹と雪でレースが一時中断されたパリ〜ニース第4ステージ。先行するヴィンゲゴーをジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツXRG)がフィニッシュ手前で抜き、勝利。総合首位にはヴィンゲゴーが立っている。

総合リーダージャージを着用するマッテオ・ジョーゲンソン(アメリカ、ヴィスマ・リースアバイク) photo:A.S.O.

パリ〜ニース第4ステージ コースプロフィール image:A.S.O. 第83回パリ〜ニースは4日目にして、ようやく総合勢の出番となった。温泉地としても知られるヴィシーを出発する163.4kmは、5つのカテゴリー山岳を越える山岳ステージ。最後は1級山岳ラ・ロッジュ・デ・ガルド(距離6.7km/平均7.1%)の頂上にフィニッシュするレイアウトだが、この日は悪天候が選手たちを苦しめた。
37歳のベテラン、ベン・スウィフト(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)が入った逃げ集団は8名。連続する3級山岳はトマ・ガシニャール(フランス、トタルエネルジー)が積極的にトップ通過してポイントを加算する。この日4つ目の山岳でガシニャールは、チームメイトであるアレクサンドル・ドゥレトル(フランス)を上回り、ツール・ド・フランスと同じく白地に水玉模様の山岳賞ジャージ着用の権利を得た。
一方のメイン集団は、前日のチームタイムトライアルで勝利したヴィスマ・リースアバイクが先導する。逃げに最大3分差しか与えないタイトなコントロールを見せ、残り52km地点でその集団からイネオス・グレナディアーズのトビアス・フォス(ノルウェー)とジョシュア・ターリング(イギリス)がアタック。世界でもトップレベルのTT能力を有する2名が2分半前方にいる逃げを追いかけた。

この日は8名が逃げグループを形成した photo:A.S.O.

レースが中断され、バイクのエンジンで手を温めるハリー・スウェニー(オーストラリア、EFエデュケーション・イージーポスト) photo:CorVos
するとコースには雨が降り始め、それが次第に雹(ひょう)へと変わる。そのため主催者はレースを一時中断。脚を止めた選手たちは防寒具を着用し、その後スローペースで進み続ける。そして晴れ間が戻ると逃げのタイム差が維持されたまま、残り28.8km地点からレースは再開された。
直後に逃げグループからはアンドレアス・レックネスン(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ)が飛び出す。反対にスウィフトは脚を緩めてフォスとターリングに合流。プロトンではマッズ・ピーダスン(デンマーク、リドル・トレック)が総合エースであるマティアス・スケルモース(デンマーク)のためにハイスピードで牽引するとレックネスンが捉まり、イネオスが合流して1つとなった逃げ集団との差を縮めた。
そして1級山岳ラ・ロッジュ・デ・ガルド(距離6.7km/平均7.1%)に逃げが入った時点でプロトンとの差は38秒。フォスが単独先頭に立ち、人数の絞られた精鋭集団からレニー・マルティネス(フランス、バーレーン・ヴィクトリアス)がアタックする。それに唯一ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク)が反応した。

逃げ集団を追うヴィスマ・リースアバイク photo:A.S.O.

1級山岳で仕掛けたヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク) photo:A.S.O.
フォスを捉えたヴィンゲゴーは残り2km地点でマルティネスを引き離す。チームとビュグマとのスポンサー契約更新をアピールするべく、赤と白のスペシャルカラーのヘルメットを被るヴィンゲゴーはライバルたちに10秒差をつける。しかし残り1km地点を過ぎるとジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツXRG)が猛追を見せた。
総合首位のマッテオ・ジョーゲンソン(アメリカ、ヴィスマ・リースアバイク)によるマークを受けながら、アルメイダは高出力で踏み続ける。「調子は良かったのだがレース中断で身体が冷え切ってしまった」とレース後に語ったヴィンゲゴーはペースが落ち、アルメイダの猛追を許す。そしてフィニッシュ手前50mでアルメイダはヴィンゲゴーを追い抜き、そのままステージ優勝を手に入れた。

ヴィンゲゴーを抜き、ステージ優勝を飾ったジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツXRG) photo:A.S.O.

表彰台で喜ぶジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツXRG) photo:A.S.O.
先行するヴィンゲゴーを追い抜き、劇的勝利を飾ったアルメイダ。「多くのことが起こったステージを勝つことができ、本当に嬉しいよ。寒さは苦手だが、諦めることなく踏み続けた。昨日は(ステージ8位と)上手くいかなかったので、今日は気持ちを切り替え臨んだ」と語った。
一方、勝利を逃しながらもジョーゲンソンに代わり総合首位に立ったヴィンゲゴー。「この勝利はアルメイダにこそ相応しい。だがレースは中断するべきだった。寒さに加え、道が滑りやすくなっていたからね」とコメントしている。


37歳のベテラン、ベン・スウィフト(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)が入った逃げ集団は8名。連続する3級山岳はトマ・ガシニャール(フランス、トタルエネルジー)が積極的にトップ通過してポイントを加算する。この日4つ目の山岳でガシニャールは、チームメイトであるアレクサンドル・ドゥレトル(フランス)を上回り、ツール・ド・フランスと同じく白地に水玉模様の山岳賞ジャージ着用の権利を得た。
一方のメイン集団は、前日のチームタイムトライアルで勝利したヴィスマ・リースアバイクが先導する。逃げに最大3分差しか与えないタイトなコントロールを見せ、残り52km地点でその集団からイネオス・グレナディアーズのトビアス・フォス(ノルウェー)とジョシュア・ターリング(イギリス)がアタック。世界でもトップレベルのTT能力を有する2名が2分半前方にいる逃げを追いかけた。


するとコースには雨が降り始め、それが次第に雹(ひょう)へと変わる。そのため主催者はレースを一時中断。脚を止めた選手たちは防寒具を着用し、その後スローペースで進み続ける。そして晴れ間が戻ると逃げのタイム差が維持されたまま、残り28.8km地点からレースは再開された。
直後に逃げグループからはアンドレアス・レックネスン(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ)が飛び出す。反対にスウィフトは脚を緩めてフォスとターリングに合流。プロトンではマッズ・ピーダスン(デンマーク、リドル・トレック)が総合エースであるマティアス・スケルモース(デンマーク)のためにハイスピードで牽引するとレックネスンが捉まり、イネオスが合流して1つとなった逃げ集団との差を縮めた。
そして1級山岳ラ・ロッジュ・デ・ガルド(距離6.7km/平均7.1%)に逃げが入った時点でプロトンとの差は38秒。フォスが単独先頭に立ち、人数の絞られた精鋭集団からレニー・マルティネス(フランス、バーレーン・ヴィクトリアス)がアタックする。それに唯一ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク)が反応した。


フォスを捉えたヴィンゲゴーは残り2km地点でマルティネスを引き離す。チームとビュグマとのスポンサー契約更新をアピールするべく、赤と白のスペシャルカラーのヘルメットを被るヴィンゲゴーはライバルたちに10秒差をつける。しかし残り1km地点を過ぎるとジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツXRG)が猛追を見せた。
総合首位のマッテオ・ジョーゲンソン(アメリカ、ヴィスマ・リースアバイク)によるマークを受けながら、アルメイダは高出力で踏み続ける。「調子は良かったのだがレース中断で身体が冷え切ってしまった」とレース後に語ったヴィンゲゴーはペースが落ち、アルメイダの猛追を許す。そしてフィニッシュ手前50mでアルメイダはヴィンゲゴーを追い抜き、そのままステージ優勝を手に入れた。


先行するヴィンゲゴーを追い抜き、劇的勝利を飾ったアルメイダ。「多くのことが起こったステージを勝つことができ、本当に嬉しいよ。寒さは苦手だが、諦めることなく踏み続けた。昨日は(ステージ8位と)上手くいかなかったので、今日は気持ちを切り替え臨んだ」と語った。
一方、勝利を逃しながらもジョーゲンソンに代わり総合首位に立ったヴィンゲゴー。「この勝利はアルメイダにこそ相応しい。だがレースは中断するべきだった。寒さに加え、道が滑りやすくなっていたからね」とコメントしている。
パリ〜ニース2025第4ステージ結果
1位 | ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツXRG) | 3:37:06 |
2位 | ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク) | +0:01 |
3位 | マティアス・スケルモース(デンマーク、リドル・トレック) | +0:02 |
4位 | レニー・マルティネス(フランス、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
5位 | フロリアン・リポヴィッツ(ドイツ、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) | +0:06 |
6位 | マッテオ・ジョーゲンソン(アメリカ、ヴィスマ・リースアバイク) | |
7位 | ブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAEチームエミレーツXRG) | +0:09 |
8位 | アロルド・テハダ(コロンビア、XDSアスタナ) | +0:17 |
9位 | テイメン・アレンスマン(オランダ、イネオス・グレナディアーズ) | |
10位 | クレモン・シャンプッサン(フランス、XDSアスタナ) | +0:21 |
個人総合成績
1位 | ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク) | 11:50:59 |
2位 | マッテオ・ジョーゲンソン(アメリカ、ヴィスマ・リースアバイク) | +0:05 |
3位 | マティアス・スケルモース(デンマーク、リドル・トレック) | +0:33 |
4位 | フロリアン・リポヴィッツ(ドイツ、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) | +0:36 |
5位 | ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツXRG) | +0:37 |
6位 | テイメン・アレンスマン(オランダ、イネオス・グレナディアーズ) | +0:56 |
7位 | ブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAEチームエミレーツXRG) | +0:58 |
8位 | トビアス・フォス(ノルウェー、イネオス・グレナディアーズ) | +1:06 |
9位 | レニー・マルティネス(フランス、バーレーン・ヴィクトリアス) | +1:09 |
10位 | パブロ・カストリーリョ(スペイン、モビスター) | +1:22 |
その他の特別賞
ポイント賞 | ティム・メルリール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) |
山岳賞 | トマ・ガシニャール(フランス、トタルエネルジー) |
ヤングライダー賞 | マティアス・スケルモース(デンマーク、リドル・トレック) |
チーム総合成績 | イネオス・グレナディアーズ |
text:Sotaro.Arakawa
photo:A.S.O.
photo:A.S.O.
Amazon.co.jp