雹と雪でレースが一時中断されたパリ〜ニース第4ステージ。先行するヴィンゲゴーをジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツXRG)がフィニッシュ手前で抜き、勝利。総合首位にはヴィンゲゴーが立っている。



総合リーダージャージを着用するマッテオ・ジョーゲンソン(アメリカ、ヴィスマ・リースアバイク) photo:A.S.O.

パリ〜ニース第4ステージ コースプロフィール image:A.S.O.
第83回パリ〜ニースは4日目にして、ようやく総合勢の出番となった。温泉地としても知られるヴィシーを出発する163.4kmは、5つのカテゴリー山岳を越える山岳ステージ。最後は1級山岳ラ・ロッジュ・デ・ガルド(距離6.7km/平均7.1%)の頂上にフィニッシュするレイアウトだが、この日は悪天候が選手たちを苦しめた。

37歳のベテラン、ベン・スウィフト(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)が入った逃げ集団は8名。連続する3級山岳はトマ・ガシニャール(フランス、トタルエネルジー)が積極的にトップ通過してポイントを加算する。この日4つ目の山岳でガシニャールは、チームメイトであるアレクサンドル・ドゥレトル(フランス)を上回り、ツール・ド・フランスと同じく白地に水玉模様の山岳賞ジャージ着用の権利を得た。

一方のメイン集団は、前日のチームタイムトライアルで勝利したヴィスマ・リースアバイクが先導する。逃げに最大3分差しか与えないタイトなコントロールを見せ、残り52km地点でその集団からイネオス・グレナディアーズのトビアス・フォス(ノルウェー)とジョシュア・ターリング(イギリス)がアタック。世界でもトップレベルのTT能力を有する2名が2分半前方にいる逃げを追いかけた。

この日は8名が逃げグループを形成した photo:A.S.O.

レースが中断され、バイクのエンジンで手を温めるハリー・スウェニー(オーストラリア、EFエデュケーション・イージーポスト) photo:CorVos

するとコースには雨が降り始め、それが次第に雹(ひょう)へと変わる。そのため主催者はレースを一時中断。脚を止めた選手たちは防寒具を着用し、その後スローペースで進み続ける。そして晴れ間が戻ると逃げのタイム差が維持されたまま、残り28.8km地点からレースは再開された。

直後に逃げグループからはアンドレアス・レックネスン(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ)が飛び出す。反対にスウィフトは脚を緩めてフォスとターリングに合流。プロトンではマッズ・ピーダスン(デンマーク、リドル・トレック)が総合エースであるマティアス・スケルモース(デンマーク)のためにハイスピードで牽引するとレックネスンが捉まり、イネオスが合流して1つとなった逃げ集団との差を縮めた。

そして1級山岳ラ・ロッジュ・デ・ガルド(距離6.7km/平均7.1%)に逃げが入った時点でプロトンとの差は38秒。フォスが単独先頭に立ち、人数の絞られた精鋭集団からレニー・マルティネス(フランス、バーレーン・ヴィクトリアス)がアタックする。それに唯一ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク)が反応した。

逃げ集団を追うヴィスマ・リースアバイク photo:A.S.O.

1級山岳で仕掛けたヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク) photo:A.S.O.

フォスを捉えたヴィンゲゴーは残り2km地点でマルティネスを引き離す。チームとビュグマとのスポンサー契約更新をアピールするべく、赤と白のスペシャルカラーのヘルメットを被るヴィンゲゴーはライバルたちに10秒差をつける。しかし残り1km地点を過ぎるとジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツXRG)が猛追を見せた。

総合首位のマッテオ・ジョーゲンソン(アメリカ、ヴィスマ・リースアバイク)によるマークを受けながら、アルメイダは高出力で踏み続ける。「調子は良かったのだがレース中断で身体が冷え切ってしまった」とレース後に語ったヴィンゲゴーはペースが落ち、アルメイダの猛追を許す。そしてフィニッシュ手前50mでアルメイダはヴィンゲゴーを追い抜き、そのままステージ優勝を手に入れた。

ヴィンゲゴーを抜き、ステージ優勝を飾ったジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツXRG) photo:A.S.O.

表彰台で喜ぶジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツXRG) photo:A.S.O.

先行するヴィンゲゴーを追い抜き、劇的勝利を飾ったアルメイダ。「多くのことが起こったステージを勝つことができ、本当に嬉しいよ。寒さは苦手だが、諦めることなく踏み続けた。昨日は(ステージ8位と)上手くいかなかったので、今日は気持ちを切り替え臨んだ」と語った。

一方、勝利を逃しながらもジョーゲンソンに代わり総合首位に立ったヴィンゲゴー。「この勝利はアルメイダにこそ相応しい。だがレースは中断するべきだった。寒さに加え、道が滑りやすくなっていたからね」とコメントしている。

パリ〜ニース2025第4ステージ結果
1位 ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツXRG) 3:37:06
2位 ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク) +0:01
3位 マティアス・スケルモース(デンマーク、リドル・トレック) +0:02
4位 レニー・マルティネス(フランス、バーレーン・ヴィクトリアス)
5位 フロリアン・リポヴィッツ(ドイツ、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) +0:06
6位 マッテオ・ジョーゲンソン(アメリカ、ヴィスマ・リースアバイク)
7位 ブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAEチームエミレーツXRG) +0:09
8位 アロルド・テハダ(コロンビア、XDSアスタナ) +0:17
9位 テイメン・アレンスマン(オランダ、イネオス・グレナディアーズ)
10位 クレモン・シャンプッサン(フランス、XDSアスタナ) +0:21
個人総合成績
1位 ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク) 11:50:59
2位 マッテオ・ジョーゲンソン(アメリカ、ヴィスマ・リースアバイク) +0:05
3位 マティアス・スケルモース(デンマーク、リドル・トレック) +0:33
4位 フロリアン・リポヴィッツ(ドイツ、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) +0:36
5位 ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツXRG) +0:37
6位 テイメン・アレンスマン(オランダ、イネオス・グレナディアーズ) +0:56
7位 ブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAEチームエミレーツXRG) +0:58
8位 トビアス・フォス(ノルウェー、イネオス・グレナディアーズ) +1:06
9位 レニー・マルティネス(フランス、バーレーン・ヴィクトリアス) +1:09
10位 パブロ・カストリーリョ(スペイン、モビスター) +1:22
その他の特別賞
ポイント賞 ティム・メルリール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)
山岳賞 トマ・ガシニャール(フランス、トタルエネルジー)
ヤングライダー賞 マティアス・スケルモース(デンマーク、リドル・トレック)
チーム総合成績 イネオス・グレナディアーズ
text:Sotaro.Arakawa
photo:A.S.O.