2025/03/12(水) - 15:03
フルモデルチェンジしたルックが誇るロードペダル「KEO BLADE」。ワイド化した新プラットフォームを採用し、エアロダイナミクスとペダリングの安定性、パワー伝達効率を向上させた新型ペダルを長期にわたり徹底インプレッション。来日した本国スタッフの言葉と共に紹介しよう。

ルック新型KEO BLADE photo:Makoto AYANO
1984年、ルックは世界初の商業的成功を収めたロード用クリップレスペダルを開発。それ以来、同社は「KEO」シリーズを通じて革新を重ね、ライダーのパフォーマンスを足元から支えてきた。中でも2011年に登場した「KEO BLADE」は、カーボンバネの採用により軽量性と剛性を高次元で両立。プロもアマチュアも愛用する名品だ。
そのKEO BLADEが、ルック創業40周年となる2024年に満を持して大幅なモデルチェンジを遂げた。3年間に及ぶプロチームとの共同開発の末に生まれた次世代モデルは、現代のロードバイクに必須となったエアロダイナミクス性能を追求。

LOOKのロゴが入るカーボン板バネ photo:Makoto AYANO
CFD解析と風洞実験を重ねて導き出された新形状は、先端を鋭く尖らせることでペダル前方のドラッグを2%削減した。湾曲したボディラインが生み出すのは、空気の流れを巧みにコントロールする優れた空力性能だ。

広くなった踏面にはステンレスプレートが配置される 
耐久性が向上したというリテンションレバー
安定性と効率を高めるのが、拡大されたクリート接触面積。従来の700㎟から705㎟へと拡げることで、パワー伝達のロスを抑え、よりダイレクトなペダリングを可能にした。プラットフォーム幅は64mmへと若干狭くなったが、クリートの接触面積の増加による安定感でカバーする。

新設計されたスピンドルは水の侵入を防ぐという 
リリーステンションはこのボルトで3段階に調整可能だ

前面から見るとエアロ効果の高さは伺い知れる photo:Makoto AYANO
もちろん、KEO BLADEの美点である軽量性は新型でも健在だ。最上位の「KEO BLADE Ceramic Ti」は、チタンスピンドルとセラミックベアリングのコンビネーションで片側95gという驚異的な数値を実現。「KEO BLADE Ceramic」と「KEO BLADE」も、クロモリスピンドル仕様ながら115g前後だ。ボディ強度は従来比200%アップ、耐衝撃性も大幅に向上し、過酷な条件下でも安定した性能を長く発揮する。
使い勝手の良さも見逃せない。ペダル重量バランスの最適化により、クリップイン・アウトが前モデル比60%スムーズになった。街乗りのストップ&ゴーも、より快適に行えるはずだ。カーボンブレードの交換にも対応し、リリーステンションは購入後に3段階で変更可能。ライダーの好みやシーンに合わせたセッティングが可能になっている。
ルック パスカル・ナヴァッロさん(エクスポート・マネージャー) インタビュー

新型KEO BLADEについてプレゼンするパスカル・ナヴァッロ氏 photo:Makoto AYANO
新KEO BLADEの重要なポイントの一つは、ペダルとクリートの接触面積です。接する面積が大きければ力が伝わりやすいですし、安定感と快適感を感じやすくなっています。重量は前モデルよりも若干増加していますが、市場の中では最軽量級の一つです。

新型KEO BLADEのおもな改良点
ペダル/クリートのスタックハイトは競合他社よりも高いですが、我々は現在の設計で問題ないと考えています。プロ選手も変わらず使用してくれていますし、スタックハイトがパワー伝達や効率性に大きな違いを生み出しているものではありません。むしろ接触面積や空力性能を重要視しています。

旧型(左)と比較してエアロダイナミクスが向上している
今作はエアロを意識して開発を行っていますが、まずはデザインのブレインストーミングから始まりました。その後にコンピューターでの分析を行い検証したのちに、プロトタイプを作成。それを風洞実験でコンピューター上の数値と現実の数値を確認しました。
設計段階ではエアロだけを追求したわけではなく、安全性と品質を妥協しないという方針から、実際にペダル後方の設計をプロトタイプ段階から変更しました。最初のスケッチから最終製品まで、数週間や数ヶ月ではなく、何年もかかっています。
ルックは80年代にペダルを発明して以来、常に進化を続けてきました。今作は単なるアップデートではなく、カーボン技術、空力性能、接触面積の最適化など、私たちが長年培ってきた技術の集大成です。
インプレッション
訪日したパスカル・ナヴァッロ氏と都内で面会し、マンツーマンで製品についてのプレゼンテーションを受けた。その際に受け取った新型KEO BLADEを使用してみてのインプレッションを綴ろう。

KEO2MAX(左)と新型KEO BLADEの比較 photo:Makoto AYANO
筆者は仕事柄以上に好奇心から、すべてのメーカーのペダルを使用しようと心がけてきた。37年前の大学生当時には初代モデルのPP65を使ったし、直近10年ではタイム→スピードプレイ→ルック→シマノの流れでペダルを使ってきており、ルックは2年前のKEO2MAX以来の更新となる(旧KEO BLADEは使用経験無し)。
現在はシマノSPD-SLをメインにしており、ナヴァッロ氏にもデュラエースペダルとの比較でその違いを聞き取った。シマノのSPD-SLペダルはもともとルーツ(パテント)がルックにあるだけに現在も構造が似ており、その違いを感じ取れるかどうかは疑問だったが、ともかく使ってみた。

大きさの比較 シマノSPD-SL(左)とルック新型KEO BLADE(右) photo:Makoto AYANO
使ったのはクロモリシャフト採用スタンダードモデルのKEO BLADE。手にした印象としては旧KEO BLADEとKEO2MAXが統合して新型KEO BLADEになった感じだ。大型化してなおシマノSPD-SLペダルより一回り小さい。

新型KEO BLADEは実測234g(ペア) 
KEO GRIPクリートのセット重量は66g
まず重量の比較から。実測値でデュラエースPD-R9100ペダルがペア重量233gでKEO BLADEが234gと、僅か1gの差。クリートセットではシマノが71g、ルックが66gで、クリートとネジとプレートまで含めるとルックのほうが4g軽いことになる。ルックはさらに40g軽いチタンシャフトモデルを選ぶことができる。

付属するKEO GRIPクリート photo:Makoto AYANO
クリートも新しくなったが形状はほぼ同じで、旧型クリートも新ボディに使用できる。新クリートのシューズへの取り付けはシマノ同様に4mmアーレンキーを使用する。以前のルックは3mmアーレンキー&ドライバー併用締めボルトだったが、変更されてよりトルクが掛けられるようになったのは改善点だ。

クリート固定は4mmアーレンキーで確実に行える 
SPD-SLに比べて小型のKEO GRIPクリート
ペダルへステップ・インするとKEO2MAXよりシューズがクランクに近づいたので、ペダルセンターはQファクターが少し小さいようだ。またKEO BLADEのスタックハイトは14.8mmで、旧KEO BLADEと同じ数値。ちなみにKEO2MAXは17.3mm、デュラエースSPD-SLは14.6mmだ。

ルック新型KEO BLADE を実走で試した photo:Makoto AYANO
「カシッ」という樹脂の乾いた音色の嵌め込みアクションには違和感がなく、金属バネを用いたデュラエースよりクリック感は劣るものの、固定は充分に強力。外しやすさはシマノのほうがスムーズな印象だ。シマノSPD-SLは大きなクリートによる歩きやすさもあってビンディング初心者には扱いやすいが、その差は僅かだ。

実走ではソールとペダルの密着度の向上を感じることができた photo:Makoto AYANO デフォルトでセットされたカーボン製板バネの脱着の強度は適度と感じる。通常の使用なら交換の必要はないが、トップ選手がスプリントで競り合う際に外れることが心配ならより強度のあるプレートに交換することができるという感じだろう。
ペダリングの感触は、ソールとペダルの密着感や安定感の高さを感じた。旧KEO2MAXとの差なんて感じ取れないだろうと思っていただけに、それが感じ取れることに驚く。ペダルプラットフォームのワイド化は、確実に安定感や踏み味の向上に効いている印象だ。踏面拡大とともにペダル構造の変更が一役買っているのではないかと感じる。エアロ効果向上のためにボディ先端の穴が塞がれ、ペダル全体の強度が増す構造になったことによってソリッド感が増しているのでは?と思った。カッチリした踏み心地はスムーズなペダリングにつながる。
なお標準で付属するクリートはグレーで、シマノクリートのイエローに相当するが、比べると可動範囲がやや広い印象だ。動き方はほぼ同じで、先端を起点に後部がスライドする。

新型KEO BLADEペダルのフィット感を感じながらのヒルクライム photo:Makoto AYANO
一方で、今回の開発キーポイントであるエアロ効果の向上については感じ取ることはできなかった。もっともエアロダイナミクスは現代ロードバイクにおいてはすべてのディテールの積み重ねによる「マージナルゲイン」であると考えるべきで、少しでもデータが向上しているなら肯定的に考えるべきだろう。なおエアロ化によってボディがスッキリしているので見た目が良くなっていることと、雨のなかで走ることを考えれば、シューズ底面がカバーされるので、跳ね上げた飛沫がクリート穴からシューズ内部に浸水しにくいのではないかと思う。
旧型ペダルと比べて安定感とダイレクト感が増したことが確かに感じ取れた。デュラエースと比べるとわずかにスタックハイトが高くなるのだが、乗り比べるとその点も感じ取ることができる。僅かな違いだが、その感触が良い・悪いというより、ペダリングにおける好みや、長く使ってどうかを左右する違い程度だろうが。
価格は25,300円(税込)で、最近になってシマノ製ペダルの価格が上昇していることから、デュラエース比で1万円ほど安いことになる(むしろアルテグラと同価格と言うべきか)。通常モデルで基本性能は十分だが、回転性能(低抵抗)を追求するならCeramicモデル(36,300円)を、軽量化も追求するならチタンシャフトモデル(-40g、52,800円)を選べば良い。
堅牢性に優れるシマノペダルと比べて、ルックペダルはやや壊れやすいという声をよく聞く。それはボディの素材的な強度にもよるだろうが、ルックの今回の構造変更で、強度や耐久性についても向上した印象がある。その点を問うと、ナヴァッロ氏は「ボディ強度は従来比で200%アップしています。耐衝撃性も大幅に向上し、過酷な条件下でも安定した性能を長く発揮しますよ」と自信満々に言うから、今までよりも永く良い状態で使えるはずだ。そうした点も含めて新型ルックペダルはエアロ化や性能以上に、総合的に品質が向上した印象がある。
インプレッション:綾野 真

ルック新型KEO BLADE photo:Makoto AYANO
ルックKeo Blade スペック
テクノロジー ブレード
クリート ケオ グリップ
リテンション 8
ボディ カーボン
ブレード コンポジット
アクスル クロモリ+
ベアリング スチール
踏面積 705 ㎟
デッキ幅 64 ㎜
Qファクター 53 ㎜
スタックハイト + クリート 14,8 ㎜ ( 8,5 + 6,3 )
重量(ペダル) 115 g
重量(ペア+クリート) 300 g
税込価格¥25,300

新型KEO BLADE バリエーション
※2025年よりLOOKペダルの日本での取り扱いはポディウム社のみとなった。
text:Gakuto Fujiwara
photo&test review:Makoto AYANO

1984年、ルックは世界初の商業的成功を収めたロード用クリップレスペダルを開発。それ以来、同社は「KEO」シリーズを通じて革新を重ね、ライダーのパフォーマンスを足元から支えてきた。中でも2011年に登場した「KEO BLADE」は、カーボンバネの採用により軽量性と剛性を高次元で両立。プロもアマチュアも愛用する名品だ。
そのKEO BLADEが、ルック創業40周年となる2024年に満を持して大幅なモデルチェンジを遂げた。3年間に及ぶプロチームとの共同開発の末に生まれた次世代モデルは、現代のロードバイクに必須となったエアロダイナミクス性能を追求。

CFD解析と風洞実験を重ねて導き出された新形状は、先端を鋭く尖らせることでペダル前方のドラッグを2%削減した。湾曲したボディラインが生み出すのは、空気の流れを巧みにコントロールする優れた空力性能だ。


安定性と効率を高めるのが、拡大されたクリート接触面積。従来の700㎟から705㎟へと拡げることで、パワー伝達のロスを抑え、よりダイレクトなペダリングを可能にした。プラットフォーム幅は64mmへと若干狭くなったが、クリートの接触面積の増加による安定感でカバーする。



もちろん、KEO BLADEの美点である軽量性は新型でも健在だ。最上位の「KEO BLADE Ceramic Ti」は、チタンスピンドルとセラミックベアリングのコンビネーションで片側95gという驚異的な数値を実現。「KEO BLADE Ceramic」と「KEO BLADE」も、クロモリスピンドル仕様ながら115g前後だ。ボディ強度は従来比200%アップ、耐衝撃性も大幅に向上し、過酷な条件下でも安定した性能を長く発揮する。
使い勝手の良さも見逃せない。ペダル重量バランスの最適化により、クリップイン・アウトが前モデル比60%スムーズになった。街乗りのストップ&ゴーも、より快適に行えるはずだ。カーボンブレードの交換にも対応し、リリーステンションは購入後に3段階で変更可能。ライダーの好みやシーンに合わせたセッティングが可能になっている。
ルック パスカル・ナヴァッロさん(エクスポート・マネージャー) インタビュー

新KEO BLADEの重要なポイントの一つは、ペダルとクリートの接触面積です。接する面積が大きければ力が伝わりやすいですし、安定感と快適感を感じやすくなっています。重量は前モデルよりも若干増加していますが、市場の中では最軽量級の一つです。

ペダル/クリートのスタックハイトは競合他社よりも高いですが、我々は現在の設計で問題ないと考えています。プロ選手も変わらず使用してくれていますし、スタックハイトがパワー伝達や効率性に大きな違いを生み出しているものではありません。むしろ接触面積や空力性能を重要視しています。

今作はエアロを意識して開発を行っていますが、まずはデザインのブレインストーミングから始まりました。その後にコンピューターでの分析を行い検証したのちに、プロトタイプを作成。それを風洞実験でコンピューター上の数値と現実の数値を確認しました。
設計段階ではエアロだけを追求したわけではなく、安全性と品質を妥協しないという方針から、実際にペダル後方の設計をプロトタイプ段階から変更しました。最初のスケッチから最終製品まで、数週間や数ヶ月ではなく、何年もかかっています。
ルックは80年代にペダルを発明して以来、常に進化を続けてきました。今作は単なるアップデートではなく、カーボン技術、空力性能、接触面積の最適化など、私たちが長年培ってきた技術の集大成です。
インプレッション
訪日したパスカル・ナヴァッロ氏と都内で面会し、マンツーマンで製品についてのプレゼンテーションを受けた。その際に受け取った新型KEO BLADEを使用してみてのインプレッションを綴ろう。

筆者は仕事柄以上に好奇心から、すべてのメーカーのペダルを使用しようと心がけてきた。37年前の大学生当時には初代モデルのPP65を使ったし、直近10年ではタイム→スピードプレイ→ルック→シマノの流れでペダルを使ってきており、ルックは2年前のKEO2MAX以来の更新となる(旧KEO BLADEは使用経験無し)。
現在はシマノSPD-SLをメインにしており、ナヴァッロ氏にもデュラエースペダルとの比較でその違いを聞き取った。シマノのSPD-SLペダルはもともとルーツ(パテント)がルックにあるだけに現在も構造が似ており、その違いを感じ取れるかどうかは疑問だったが、ともかく使ってみた。

使ったのはクロモリシャフト採用スタンダードモデルのKEO BLADE。手にした印象としては旧KEO BLADEとKEO2MAXが統合して新型KEO BLADEになった感じだ。大型化してなおシマノSPD-SLペダルより一回り小さい。


まず重量の比較から。実測値でデュラエースPD-R9100ペダルがペア重量233gでKEO BLADEが234gと、僅か1gの差。クリートセットではシマノが71g、ルックが66gで、クリートとネジとプレートまで含めるとルックのほうが4g軽いことになる。ルックはさらに40g軽いチタンシャフトモデルを選ぶことができる。

クリートも新しくなったが形状はほぼ同じで、旧型クリートも新ボディに使用できる。新クリートのシューズへの取り付けはシマノ同様に4mmアーレンキーを使用する。以前のルックは3mmアーレンキー&ドライバー併用締めボルトだったが、変更されてよりトルクが掛けられるようになったのは改善点だ。


ペダルへステップ・インするとKEO2MAXよりシューズがクランクに近づいたので、ペダルセンターはQファクターが少し小さいようだ。またKEO BLADEのスタックハイトは14.8mmで、旧KEO BLADEと同じ数値。ちなみにKEO2MAXは17.3mm、デュラエースSPD-SLは14.6mmだ。

「カシッ」という樹脂の乾いた音色の嵌め込みアクションには違和感がなく、金属バネを用いたデュラエースよりクリック感は劣るものの、固定は充分に強力。外しやすさはシマノのほうがスムーズな印象だ。シマノSPD-SLは大きなクリートによる歩きやすさもあってビンディング初心者には扱いやすいが、その差は僅かだ。

ペダリングの感触は、ソールとペダルの密着感や安定感の高さを感じた。旧KEO2MAXとの差なんて感じ取れないだろうと思っていただけに、それが感じ取れることに驚く。ペダルプラットフォームのワイド化は、確実に安定感や踏み味の向上に効いている印象だ。踏面拡大とともにペダル構造の変更が一役買っているのではないかと感じる。エアロ効果向上のためにボディ先端の穴が塞がれ、ペダル全体の強度が増す構造になったことによってソリッド感が増しているのでは?と思った。カッチリした踏み心地はスムーズなペダリングにつながる。
なお標準で付属するクリートはグレーで、シマノクリートのイエローに相当するが、比べると可動範囲がやや広い印象だ。動き方はほぼ同じで、先端を起点に後部がスライドする。

一方で、今回の開発キーポイントであるエアロ効果の向上については感じ取ることはできなかった。もっともエアロダイナミクスは現代ロードバイクにおいてはすべてのディテールの積み重ねによる「マージナルゲイン」であると考えるべきで、少しでもデータが向上しているなら肯定的に考えるべきだろう。なおエアロ化によってボディがスッキリしているので見た目が良くなっていることと、雨のなかで走ることを考えれば、シューズ底面がカバーされるので、跳ね上げた飛沫がクリート穴からシューズ内部に浸水しにくいのではないかと思う。
旧型ペダルと比べて安定感とダイレクト感が増したことが確かに感じ取れた。デュラエースと比べるとわずかにスタックハイトが高くなるのだが、乗り比べるとその点も感じ取ることができる。僅かな違いだが、その感触が良い・悪いというより、ペダリングにおける好みや、長く使ってどうかを左右する違い程度だろうが。
価格は25,300円(税込)で、最近になってシマノ製ペダルの価格が上昇していることから、デュラエース比で1万円ほど安いことになる(むしろアルテグラと同価格と言うべきか)。通常モデルで基本性能は十分だが、回転性能(低抵抗)を追求するならCeramicモデル(36,300円)を、軽量化も追求するならチタンシャフトモデル(-40g、52,800円)を選べば良い。
堅牢性に優れるシマノペダルと比べて、ルックペダルはやや壊れやすいという声をよく聞く。それはボディの素材的な強度にもよるだろうが、ルックの今回の構造変更で、強度や耐久性についても向上した印象がある。その点を問うと、ナヴァッロ氏は「ボディ強度は従来比で200%アップしています。耐衝撃性も大幅に向上し、過酷な条件下でも安定した性能を長く発揮しますよ」と自信満々に言うから、今までよりも永く良い状態で使えるはずだ。そうした点も含めて新型ルックペダルはエアロ化や性能以上に、総合的に品質が向上した印象がある。
インプレッション:綾野 真

ルックKeo Blade スペック
テクノロジー ブレード
クリート ケオ グリップ
リテンション 8
ボディ カーボン
ブレード コンポジット
アクスル クロモリ+
ベアリング スチール
踏面積 705 ㎟
デッキ幅 64 ㎜
Qファクター 53 ㎜
スタックハイト + クリート 14,8 ㎜ ( 8,5 + 6,3 )
重量(ペダル) 115 g
重量(ペア+クリート) 300 g
税込価格¥25,300

※2025年よりLOOKペダルの日本での取り扱いはポディウム社のみとなった。
text:Gakuto Fujiwara
photo&test review:Makoto AYANO
Amazon.co.jp