ベルギー・フランドルで行われた第3回グラベル世界選手権女子エリート。一騎打ちスプリントで現ロード世界王者コペッキーを退けたマリアンヌ・フォス(オランダ)が、シクロクロスとロードに続くアルカンシエルを獲得した。



137名が出場したグラベル世界選手権女子エリート photo:UCI

2022年の初開催から3年目を迎えたUCIグラベル世界選手権。2年連続イタリアで行われた戦いはベルギー・フランドル地域に移り、10月5日(土)に女子エリートが行われた。

コースは男子と同じハレからルーヴェンに向かうコースで、その距離は135km(男子は182km)。バイクを担ぐ区間こそないものの、シクロクロスを思わせる未舗装路やクラシックレースのような石畳、またルーヴェンの市街地にはロードレースでは通らない狭い舗装路などが設定された。

ロード選手が大半を占める137名が出場したレースには、ロード世界選手権で連覇を達成したロッテ・コペッキー(ベルギー)やそのチームメイトであるロレーナ・ウィーベス(オランダ)、マリアンヌ・フォス(オランダ)など強豪選手が勢揃い。一方、初代王者であるポリーヌ・フェランプレヴォ(フランス)や前回勝者のカタジナ・ニエウィアドマ(ポーランド)は出場しなかった。

序盤は静かな展開となった photo:CorVos

序盤に早くもシクロクロスの世界王者フェム・ファンエンペル(オランダ)がパンクするトラブルが発生。最初の20kmは逃げが生まれることなく静かに進み、残り距離が100kmを切った辺りで人数が絞られる。その結果コペッキーなど有力選手含む11名の先頭集団が形成された。

ベルギーのコペッキーが単独で入る一方で、強豪オランダはフォスとロレーナ・ウィーベス、ルシンダ・ブラント、プック・ピーテルセの4名を入れることに成功する。しかし先頭集団は約10km足らずでメイン集団に吸収。ルーヴェンの周回コースに入った残り50km地点でコペッキーとフォスが飛び出し、ウィーベスとソラヤ・パラディン(イタリア)が追いつき4名の先頭集団が出来上がった。

後続に4分差をつけた先頭集団からは最終周回の残り13kmでパラディンが遅れ、続いてウィーベスも脱落。そのため勝負はコペッキーとフォスに絞られた。

スプリントで横並びになるコペッキーとフォス photo:UCI

勝利し、雄叫びを上げたマリアンヌ・フォス(オランダ) photo:UCI

フィニッシュ手前1.6kmの石畳坂でフォスがアタックしたものの、コペッキーを引き離すことはできない。直後にコペッキーは前に出ると、最終ストレートに入り右側を閉める。そしてフォスが踏み込み、コペッキーを追い抜いて勝利した。

「今日のレースは消耗戦だった。ロッテ(コペッキー)と共に先頭出て、スプリント勝負になるとわかった。ロッテは強い選手で、自分にスプリントする力がどこまで残っているか分からなかった。最後の丘でアタックしたが、(引き離すことができず)力を使い果たしたくなかった。そして残り200mから全力で踏み込み、幸い最後まで持ちこたえることができた」とフォスはレースを振り返った。

3位には3分57秒遅れでウィーベスが入り、オランダ勢がワンスリーフィニッシュを決めた。

グラベル世界選手権2024女子エリート表彰台:2位ロッテ・コペッキー(ベルギー)、1位マリアンヌ・フォス(オランダ)、3位ロレーナ・ウィーベス(オランダ) photo:UCI

グラベル世界選手権2024女子エリート結果
1位 マリアンヌ・フォス(オランダ) 4:01:07
2位 ロッテ・コペッキー(ベルギー) +0:01
3位 ロレーナ・ウィーベス(オランダ) +3:57
4位 プック・ピーテルセ(オランダ) +4:09
5位 ロミー・カスパー(ドイツ) +4:15
6位 ソラヤ・パラディン(イタリア) +6:00
7位 リーアンヌ・マルクス(オランダ) +6:04
8位 フェムケ・マルクス(オランダ) +8:52
9位 エマセシル・ノルスゴー(デンマーク)
10位 ルシンダ・ブラント(オランダ) +8:53
text:Sotaro.Arakawa
photo:UCI