雨の中行われたジロ・デッレミリア・ドンネは、エリーザ・ロンゴボルギーニ(リドル・トレック)が終盤の下りでアタック。そのままサンルーカの激坂を単独で越えたイタリア王者が、2年振り4度目の勝利を手に入れた。



ジュリエット・ラブース(フランス)をエースにするDSMフィルメニッヒ・ポストNL photo:CorVos

男子と同じ10月5日(土)に行われたジロ・デッレミリア・ドンネ(UCI1.Pro)。コースはヴィニョーラからサンルーカを結ぶ113.8kmで、最大勾配20%の激坂「サンルーカ」を2回登るレイアウト。男子よりも30分遅い午前11時45分にスタートが切られた。

雨降るコースを走り出したのは、前回大会を制したセシリーウトラップ・ルドヴィグ(デンマーク、FDJスエズ)を含む120名の選手たち。優勝候補にはジュリエット・ラブース(フランス、DSMフィルメニッヒ・ポストNL)やエリカ・マニャルディ(イタリア、UAEチームADQ)が挙げられ、リドル・トレックは地元イタリア出身のエリーザ・ロンゴボルギーニとガイア・レアリーニを揃えた。

1度目のサンルーカの登りで集団の人数は絞られた photo:CorVos

レース前半は逃げ形成に繋がる動きが生まれない、静かな立ち上がりとなった。そして中盤に入ると雨は強まり、残り43km地点でようやくトップガールズ・ファッサボルトロの2名がアタック。地元イタリアのコンチネンタルチームに所属するマルタ・パヴェシとキアラ・レギーニは2分のリードを得た。しかし1度目のサンルーカの登り(残り10km地点)で捉まり、集団はリドル・トレックの先導で登り返し(モンテ・アルバーノ)に入った。

徐々に絞られていくプロトンは残り7kmを過ぎ、リドルのロンゴボルギーニとレアリーニ、DSMフィルメニッヒ・ポストNLのジュリエット・ラブース(フランス)とニンケ・フィンケ(オランダ)の4名に絞られる。そして2度目のサンルーカに入る手前の下りで、イタリア王者であるロンゴボルギーニが仕掛けた。

自身4度目の優勝を飾った エリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、リドル・トレック) photo:CorVos

そのまま単独先頭に立ったロンゴボルギーニはビッグギアを回しながらサンルーカの激坂を駆け上がる。後続のラブースは必死に追いかけたものの、ロンゴボルギーニに追いつくことはできなかった。

渾身のアタックを決めたロンゴボルギーニは、霧で覆われたフィニッシュに到着。両手を拡げながら勝利を喜んだ。

2015年、16年、22年に続き、自身4度目の優勝を飾ったロンゴボルギーニ。「いままでで最も嬉しかったのは1度目(2015年)。なぜなら当時はあまり勝てていなかったから。でも今日の勝利はサンルーカの登りではなく、下りで仕掛けて掴んだ勝利。これらが(エミリアと次戦シマック・レディース・ツアー)がリドル・トレックで走る最後のレースなので、可能な限り最良の結果を残したかった」と、来年UAEチームADQへの移籍が発表されているロンゴボルギーニは語った。

2位には9秒遅れでエヴィータ・ムジック(フランス、FDJスエズ)が入り、ラブースは3位で表彰台に上がっている。
ジロ・デッレミリア・ドンネ2024結果
1位 エリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、リドル・トレック) 2:53:20
2位 エヴィータ・ムジック(フランス、FDJスエズ) +0:09
3位 ジュリエット・ラブース(フランス、DSMフィルメニッヒ・ポストNL)
4位 ウルシュカ・ジガート(スロベニア、リブ・アルウラー・ジェイコ) +0:16
5位 マライレ・メイエリング(オランダ、モビスター) +0:24
6位 ニンケ・フィンケ(オランダ、DSMフィルメニッヒ・ポストNL) +0:36
7位 モニカ・トリンカコロネル(イタリア、ビーピンク・ボンジョアンニ)
8位 カトリーヌ・アーレルッド(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ)
9位 マエヴァ・スクィバン(フランス、アルケアB&Bホテルズ) +0:41
10位 セドリーヌ・ケルバオル(フランス、セラティツィット・WNTプロサイクリング)
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos