2024/09/14(土) - 08:02
ポガチャルの復帰戦として注目されたグランプリ・シクリスト・ド・ケベックは集団スプリントで決着。今季好調のギルマイを下したマイケル・マシューズ(オーストラリア、ジェイコ・アルウラー)が、自身3度目の優勝を飾った。
ブエルタ・ア・エスパーニャが閉幕し、ロード世界選手権を次なる山場とするロードレースが北米カナダにやってきた。選手たちが臨むのは9月13日のグランプリ・シクリスト・ド・ケベック(GPケベック)と9月15日に行われるグランプリ・シクリスト・ド・モンレアル(GPモンレアル)の2連戦。1つ目であるGPケベックはケベック市内に設定された12.6kmを16周回する201.6kmだ。
コース上に設定された3つの丘は集団が分裂するほどの難易度ではない。そのためピュアスプリンターには厳しいレイアウトではあるものの、スピード自慢の選手たちに有利なレースとなっている。
スタート地点に集ったのは前年勝者のアルノー・デリー(ベルギー、ロット・デスティニー)やツール・ド・フランス以来の実戦となるタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)ら168名。他にもジュリアン・アラフィリップ(フランス、スーダル・クイックステップ)やツール区間3勝のビニヤム・ギルマイ(エリトリア、アンテルマルシェ・ワンティ)などワールドツアーに相応しい豪華メンバーが揃った。
序盤に逃げグループを形成したのは20〜23歳の若手を中心とした5名。DSMフィルメニッヒ・ポストNLはツール初日にロマン・バルデ(フランス)とワンツーフィニッシュを決めたフランク・ファンデンブルーク(オランダ)を送り、ハーゲンスバーマン・アクセオンから研修生として加入した20歳アルテム・シュミット(アメリカ、イネオス・グレナディアーズ)も入った。
アメリカ大陸唯一のワールドツアーに多くの観客が詰めかけるなか、逃げはメンバーを3名に減らしながら最大5分半のリードを稼ぐ。追いかけるメイン集団ではバーレーン・ヴィクトリアスやUAEチームエミレーツが牽引を担当。残り77km地点で逃げはファンデンブルークとシュミットだけになり、2名は逃げ切り勝利を掴むべく力を振り絞った。
プロトンではベン・ヒーリー(アイルランド、EFエデュケーション・イージーポスト)が残り62km地点からアタックするものの、UAEが引き戻す。その後もアレックス・ボーダン(フランス、デカトロンAG2Rラモンディアル)などの仕掛けも決め手に欠き、残り14kmで逃げを捉えたプロトンからティム・ウェレンス(ベルギー、UAEチームエミレーツ)が動いた。
スプリンターがいないためレース展開を厳しくしたいUAEの仕掛けだったが、マキシム・ファンヒルス(ベルギー、ロット・デスティニー)がこれを潰す。最終周回で飛び出したマッテオ・ヨルゲンソン(アメリカ、ヴィスマ・リースアバイク)の攻撃も実らず、残り3.5kmの登り区間でアラフィリップがアタック。一時はポガチャルら含む6名の先頭集団が形成されたものの、協調が整わなかったためラスト1kmで集団に飲み込まれた。
最終ストレートに入ったプロトンは一瞬牽制に入り、スピードが緩むなかマイケル・マシューズ(オーストラリア、ジェイコ・アルウラー)が先んじて踏み込む。後方では集団中ほどに埋もれたギルマイが猛追するものの、振り切ったマシューズが勝利した。
2018、19年と大会連覇したマシューズが掴んだ3度目の優勝。「厳しい展開のなか、誰もまともにスプリントする力を残していなかった。だから集団が左に寄った瞬間、”チャンスだ”と思い(右側に残り)スプリントした。あんな早くからスプリントするとは誰も思わなかったのだろう」と、マシューズは勝因を語った。
2位にはギルマイ、3位にはルディ・モラール(フランス、グルパマFDJ)が入り、積極的な走りで好調振りを見せたポガチャルは7位だった。
ブエルタ・ア・エスパーニャが閉幕し、ロード世界選手権を次なる山場とするロードレースが北米カナダにやってきた。選手たちが臨むのは9月13日のグランプリ・シクリスト・ド・ケベック(GPケベック)と9月15日に行われるグランプリ・シクリスト・ド・モンレアル(GPモンレアル)の2連戦。1つ目であるGPケベックはケベック市内に設定された12.6kmを16周回する201.6kmだ。
コース上に設定された3つの丘は集団が分裂するほどの難易度ではない。そのためピュアスプリンターには厳しいレイアウトではあるものの、スピード自慢の選手たちに有利なレースとなっている。
スタート地点に集ったのは前年勝者のアルノー・デリー(ベルギー、ロット・デスティニー)やツール・ド・フランス以来の実戦となるタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)ら168名。他にもジュリアン・アラフィリップ(フランス、スーダル・クイックステップ)やツール区間3勝のビニヤム・ギルマイ(エリトリア、アンテルマルシェ・ワンティ)などワールドツアーに相応しい豪華メンバーが揃った。
序盤に逃げグループを形成したのは20〜23歳の若手を中心とした5名。DSMフィルメニッヒ・ポストNLはツール初日にロマン・バルデ(フランス)とワンツーフィニッシュを決めたフランク・ファンデンブルーク(オランダ)を送り、ハーゲンスバーマン・アクセオンから研修生として加入した20歳アルテム・シュミット(アメリカ、イネオス・グレナディアーズ)も入った。
アメリカ大陸唯一のワールドツアーに多くの観客が詰めかけるなか、逃げはメンバーを3名に減らしながら最大5分半のリードを稼ぐ。追いかけるメイン集団ではバーレーン・ヴィクトリアスやUAEチームエミレーツが牽引を担当。残り77km地点で逃げはファンデンブルークとシュミットだけになり、2名は逃げ切り勝利を掴むべく力を振り絞った。
プロトンではベン・ヒーリー(アイルランド、EFエデュケーション・イージーポスト)が残り62km地点からアタックするものの、UAEが引き戻す。その後もアレックス・ボーダン(フランス、デカトロンAG2Rラモンディアル)などの仕掛けも決め手に欠き、残り14kmで逃げを捉えたプロトンからティム・ウェレンス(ベルギー、UAEチームエミレーツ)が動いた。
スプリンターがいないためレース展開を厳しくしたいUAEの仕掛けだったが、マキシム・ファンヒルス(ベルギー、ロット・デスティニー)がこれを潰す。最終周回で飛び出したマッテオ・ヨルゲンソン(アメリカ、ヴィスマ・リースアバイク)の攻撃も実らず、残り3.5kmの登り区間でアラフィリップがアタック。一時はポガチャルら含む6名の先頭集団が形成されたものの、協調が整わなかったためラスト1kmで集団に飲み込まれた。
最終ストレートに入ったプロトンは一瞬牽制に入り、スピードが緩むなかマイケル・マシューズ(オーストラリア、ジェイコ・アルウラー)が先んじて踏み込む。後方では集団中ほどに埋もれたギルマイが猛追するものの、振り切ったマシューズが勝利した。
2018、19年と大会連覇したマシューズが掴んだ3度目の優勝。「厳しい展開のなか、誰もまともにスプリントする力を残していなかった。だから集団が左に寄った瞬間、”チャンスだ”と思い(右側に残り)スプリントした。あんな早くからスプリントするとは誰も思わなかったのだろう」と、マシューズは勝因を語った。
2位にはギルマイ、3位にはルディ・モラール(フランス、グルパマFDJ)が入り、積極的な走りで好調振りを見せたポガチャルは7位だった。
グランプリ・シクリスト・ド・ケベック2024
1位 | マイケル・マシューズ(オーストラリア、ジェイコ・アルウラー) | 4:45:36 |
2位 | ビニヤム・ギルマイ(エリトリア、アンテルマルシェ・ワンティ) | |
3位 | ルディ・モラール(フランス、グルパマFDJ) | |
4位 | ティシュ・ベノート(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク) | |
5位 | ペールストランド・ハーゲネス(ノルウェー、ヴィスマ・リースアバイク) | |
6位 | バウケ・モレマ(オランダ、リドル・トレック) | |
7位 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) | |
8位 | ニールソン・パウレス(アメリカ、EFエデュケーション・イージーポスト) | |
9位 | ペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
10位 | エドアルド・ザンバニーニ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス) |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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