2024/08/31(土) - 14:00
アンドラ公国でMTB世界選手権が開幕し、8月30日に開催されたショートトラック(XCC)ではイヴィ・リチャーズ(イギリス)とヴィクトル・コレツキー(フランス)がアルカンシエルを獲得。本戦のXCOに向けて弾みをつけた。
今年のMTB世界選手権の舞台は、フランスとスペインの間に挟まれたピレネー山脈の麓に位置するアンドラ公国。多数の世界選手権やワールドカップ開催実績を持つ標高2,000mの名門コースに各国を代表するオフロードスペシャリストが集結している。
日本から派遣されたのはXCO男子ジュニアの野嵜然新(桐光学園高等学校/RACING TORQUE)と成田光志(学校法人石川高等学校/OLIVE)、そしてダウンヒル男子エリートの九島勇気(Team High Country)という3名。オリンピック から引き続き代表監督を務める小笠原崇裕氏と共に、世界一厳しい世界の舞台に挑戦中だ。
5名の男女混成チームで戦う初日の男女混成クロスカントリーチームリレーで優勝したのは、ロス五輪に向けて強化を続けるアメリカだった。最終走者でバトンを繋いだクリストファー・ブレヴィンスは、逃げるフランスを追い抜き同種目初優勝。これ以上ない滑り出しに成功している。
U23のXCC初開催、女子エリートでイヴィ・リチャーズが初優勝
8月30日、XCOジュニアレース(別記事で紹介します)を挟んで開催されたのが、文字通りXCOの短縮コースを舞台にする短距離高強度のクロスカントリー・ショートトラック(XCC)レース。初開催となるU23カテゴリーでは現シクロクロスのU23世界女王イザベラ・ホルムグレン(カナダ)が女子レースを、ライリー・エイモス(アメリカ)が男子レースを掌握。時代を担う北米勢が同カテゴリー初のアルカンシエルを射止めた。
女子エリートレースでは序盤から絶対的優勝候補のポリーヌ・フェランプレヴォ(フランス)が飛ばしに飛ばして主導権を握った。パリ五輪金メダルを表すゴールデンバイクに乗るフェランプレヴォを追いかけたのはリオ五輪金メダリストのジェニー・リスヴェッツ(スウェーデン)で、プック・ピーテルセ(オランダ)が引っ張る後続グループからは「今日はとてもフィーリングが良かった」と振り返る、2021年のXCO世界女王イヴィ・リチャーズ(イギリス)が飛び出した。
ここからのリチャーズの走りは完璧だった。レース中盤にはリスヴェッツと共にフェランプレヴォに追いつき、五輪覇者の登坂アタックにも対応して自らペースメイク。集中した表情を崩さずフェランプレヴォによる最終周回のアタックも捌ききってスプリント勝負に持ち込んだ。
短いダウンヒルを経て背後から臨んだ最終スプリントでは持ち前のパワーを活かしてフェランプレヴォをパス。弱冠18歳でシクロクロス世界選手権U23を制し、2021年にヴァル・ディ・ソーレで開催された世界選手権でエリート世界女王に輝いたリチャーズがアルカンシエルを獲得した。
「勝っただなんて信じられない!ポリーヌがぴったり背後につけていたのでもうダメかと思ったし、彼女のアタックに付いていける自信もなかった」と心境を打ち明ける。五輪後すぐにアンドラに移動してトレーニングを重ね、スプリントに備えて反復練習をしていたことも役に立ったという。「今日みたいな展開を狙って練習していたけれど、まさか本当にそうなるだなんて。今日はずっと自分自身を信じ続けてレースに挑んでいた」とコメントしている。
スプリントで敗れながらも、パリ五輪に続く好調ぶりを発揮したフェランプレヴォが2位銀メダル、3位争いを制したリスヴェッツが3位銅メダルを獲得している。
フランスがXCC男子エリートレースを掌握 コレツキーが初のエリートアルカンシエル獲得
XCC男子エリートレースを掌握したのはフランスだった。パリ五輪で銀メダルを獲得した勢いそのままに臨んだヴィクトル・コレツキーと元世界王者ジョーダン・サルーがハイペースで引っ張る中、混戦のダウンヒルではパリ五輪金メダリストのトーマス・ピドコック(イギリス)が他選手と絡んで落車してしまう。幸いピドコックに怪我はなく復帰したものの、生じたビハインドは短距離高強度のXCCレースで挽回できるものではなかった。
20番手付近から最終的に8番手まで上げたピドコックだが、フランス勢が飛ばす先頭グループには追いつけない。全10周回の9周回目後半にはコレツキーがサルーを切り離し、その後ろのライバル勢はペースを緩めたサルーに足止めされる形でコレツキーの独走を許してしまった。
3秒リードで最終周回に突入したコレツキーは、追走グループを抑えたまま頂上を通過し、五輪とは異なりノーミスで最終ダウンヒルもクリア。チャーリー・アルドリッジ(イギリス)による必死の追い上げも届かずコレツキーがXCC世界王者に輝いた。
「本当にこの勝利が嬉しいよ。何度かワールドカップは勝っているけれど、世界選手権制覇は初めてだから。ついにアルカンシエルを手にすることができるんだ。XCCではここ数戦トップ5を逃していなかったから良いレースができる自信はあったし、この短時間レースは僕向きなんだ。でも最大の目標は日曜日のXCO。とても調子が良いのでこの流れのまま結果を出したいと思う」とインタビューで話している。2位はアルドリッジ、3位は好調ハースリーが入った。
今年のMTB世界選手権の舞台は、フランスとスペインの間に挟まれたピレネー山脈の麓に位置するアンドラ公国。多数の世界選手権やワールドカップ開催実績を持つ標高2,000mの名門コースに各国を代表するオフロードスペシャリストが集結している。
日本から派遣されたのはXCO男子ジュニアの野嵜然新(桐光学園高等学校/RACING TORQUE)と成田光志(学校法人石川高等学校/OLIVE)、そしてダウンヒル男子エリートの九島勇気(Team High Country)という3名。オリンピック から引き続き代表監督を務める小笠原崇裕氏と共に、世界一厳しい世界の舞台に挑戦中だ。
5名の男女混成チームで戦う初日の男女混成クロスカントリーチームリレーで優勝したのは、ロス五輪に向けて強化を続けるアメリカだった。最終走者でバトンを繋いだクリストファー・ブレヴィンスは、逃げるフランスを追い抜き同種目初優勝。これ以上ない滑り出しに成功している。
U23のXCC初開催、女子エリートでイヴィ・リチャーズが初優勝
8月30日、XCOジュニアレース(別記事で紹介します)を挟んで開催されたのが、文字通りXCOの短縮コースを舞台にする短距離高強度のクロスカントリー・ショートトラック(XCC)レース。初開催となるU23カテゴリーでは現シクロクロスのU23世界女王イザベラ・ホルムグレン(カナダ)が女子レースを、ライリー・エイモス(アメリカ)が男子レースを掌握。時代を担う北米勢が同カテゴリー初のアルカンシエルを射止めた。
女子エリートレースでは序盤から絶対的優勝候補のポリーヌ・フェランプレヴォ(フランス)が飛ばしに飛ばして主導権を握った。パリ五輪金メダルを表すゴールデンバイクに乗るフェランプレヴォを追いかけたのはリオ五輪金メダリストのジェニー・リスヴェッツ(スウェーデン)で、プック・ピーテルセ(オランダ)が引っ張る後続グループからは「今日はとてもフィーリングが良かった」と振り返る、2021年のXCO世界女王イヴィ・リチャーズ(イギリス)が飛び出した。
ここからのリチャーズの走りは完璧だった。レース中盤にはリスヴェッツと共にフェランプレヴォに追いつき、五輪覇者の登坂アタックにも対応して自らペースメイク。集中した表情を崩さずフェランプレヴォによる最終周回のアタックも捌ききってスプリント勝負に持ち込んだ。
短いダウンヒルを経て背後から臨んだ最終スプリントでは持ち前のパワーを活かしてフェランプレヴォをパス。弱冠18歳でシクロクロス世界選手権U23を制し、2021年にヴァル・ディ・ソーレで開催された世界選手権でエリート世界女王に輝いたリチャーズがアルカンシエルを獲得した。
「勝っただなんて信じられない!ポリーヌがぴったり背後につけていたのでもうダメかと思ったし、彼女のアタックに付いていける自信もなかった」と心境を打ち明ける。五輪後すぐにアンドラに移動してトレーニングを重ね、スプリントに備えて反復練習をしていたことも役に立ったという。「今日みたいな展開を狙って練習していたけれど、まさか本当にそうなるだなんて。今日はずっと自分自身を信じ続けてレースに挑んでいた」とコメントしている。
スプリントで敗れながらも、パリ五輪に続く好調ぶりを発揮したフェランプレヴォが2位銀メダル、3位争いを制したリスヴェッツが3位銅メダルを獲得している。
フランスがXCC男子エリートレースを掌握 コレツキーが初のエリートアルカンシエル獲得
XCC男子エリートレースを掌握したのはフランスだった。パリ五輪で銀メダルを獲得した勢いそのままに臨んだヴィクトル・コレツキーと元世界王者ジョーダン・サルーがハイペースで引っ張る中、混戦のダウンヒルではパリ五輪金メダリストのトーマス・ピドコック(イギリス)が他選手と絡んで落車してしまう。幸いピドコックに怪我はなく復帰したものの、生じたビハインドは短距離高強度のXCCレースで挽回できるものではなかった。
20番手付近から最終的に8番手まで上げたピドコックだが、フランス勢が飛ばす先頭グループには追いつけない。全10周回の9周回目後半にはコレツキーがサルーを切り離し、その後ろのライバル勢はペースを緩めたサルーに足止めされる形でコレツキーの独走を許してしまった。
3秒リードで最終周回に突入したコレツキーは、追走グループを抑えたまま頂上を通過し、五輪とは異なりノーミスで最終ダウンヒルもクリア。チャーリー・アルドリッジ(イギリス)による必死の追い上げも届かずコレツキーがXCC世界王者に輝いた。
「本当にこの勝利が嬉しいよ。何度かワールドカップは勝っているけれど、世界選手権制覇は初めてだから。ついにアルカンシエルを手にすることができるんだ。XCCではここ数戦トップ5を逃していなかったから良いレースができる自信はあったし、この短時間レースは僕向きなんだ。でも最大の目標は日曜日のXCO。とても調子が良いのでこの流れのまま結果を出したいと思う」とインタビューで話している。2位はアルドリッジ、3位は好調ハースリーが入った。
MTB世界選手権2024 女子エリートショートトラック結果
1位 | イヴィ・リチャーズ(イギリス) | 19:46 |
2位 | ポリーヌ・フェランプレヴォ(フランス) | +0:01 |
3位 | ジェニー・リスヴェッツ(スウェーデン) | +0:18 |
4位 | プック・ピーテルセ(オランダ) | +0:22 |
5位 | グウェンダリン・ギブソン(アメリカ) | +0:25 |
MTB世界選手権2024 男子エリートショートトラック結果
1位 | ヴィクトル・コレツキー(フランス) | 21:49 |
2位 | チャーリー・アルドリッジ(イギリス) | +0:03 |
3位 | アラン・ハースリー(南アフリカ) | |
4位 | クリストファー・ブレヴィンス(アメリカ) | |
5位 | ジョーダン・サルー(フランス) | +0:14 |
MTB世界選手権2024 ミックスリレー結果
1位 | アメリカ | 1:19:38 |
2位 | フランス | +0:03 |
3位 | イタリア | +1:31 |
text:So.Isobe
photo:UCI
photo:UCI
Amazon.co.jp