TTアメリカ選手権で2連覇を達成したこともあるローソン・クラドック(アメリカ、ジェイコ・アルウラー)が今年限りでの現役引退を発表。2014年にジャイアント・シマノでプロデビュー後、11年間ワールドチームで走り続けた。



現役引退を発表したローソン・クラドック(アメリカコ) photo:CorVos

「これが家族と最後のヨーロッパ旅行となる。プロ選手として最高の日々だったが、2024年がプロトンで最後の年となると発表することができて嬉しい。感謝すべき人が沢山いて、何より妻と子どもたちには感謝している。彼女たちが側にいてくれて本当に恵まれていたし、これからの人生が楽しみでしょうがない」。ローソン・クラドック(アメリカ、ジェイコ・アルウラー)はSNSでそう現役引退を発表した。

クラドックはアメリカのテキサス州ヒューストン出身の32歳。トレックリブストロング(現ハーゲンスバーマン・アクセオン)から2014年にジャイアント・シマノ(現DSMフィルメニッヒ・ポストNL)でプロデビューし、EFエデュケーション・イージーポストを経てジェイコ・アルウラーまで11年に渡りワールドチームで走った。

2018年ツール第1ステージで落車し、完走したローソン・クラドック(アメリカ、当時EFエデュケーションファースト・ドラパック) photo:Kei Tsuji

ルーラーとして3大ツールや主要クラシックなどで活躍したクラドックは、2021年と22年にはアメリカ国内選手権の個人タイムトライアルで2連覇を達成。今シーズンは3月のストラーデビアンケで逃げ集団に乗るなど見せ場を作った。

クラドックで思い出されるのは2018年のツール・ド・フランス。第1ステージの落車で肩甲骨を骨折したクラドックはそのままレースを続け、ハリケーンで損害した地元ヒューストンのヴェロドローム修復のために募金を募った。そして総合最下位で見事完走を果たした。

引退後のキャリアについては不明だが、クラドックは8月4日に開幕するアークティックレース・オブ・ノルウェー(UCI2.Pro)に出場予定だ。

text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos