フランスのレーシングバイクブランド、タイムより新作となるAlpe d’Huez Xが発表された。タイムの誇るクライミングバイクをベースに、35Cタイヤに最適化された新設計によってスピードと快適性を両立した一台に仕上げられた。



タイム ALPE D’HUEZ (カーボンシフトシアン) (c)ポディウム

カーボンフレームのパイオニアとして知られるフランスのタイム。ベテランサイクリストの憧れとして、そして独自のバイク造りで熱心なファンを有するブランドとして知られている存在だ。

そんなタイムのレーシングバイクとして知られているのがAlpe d’Huez。ツール・ド・フランスの勝負所として度々登場する峠をモデル名に採用するように、ブランド史上最軽量のフレーム重量890gを実現し、比類なき登坂性能を実現したクライミングバイクだ。

光の三原色と言われるマゼンタ(RED)、グリーン(GREEN)、シアン(BLUE)をラインアップ (c)ポディウム

今回タイムがリリースしたAlpe d’Huez Xはその系譜に連なるモデルで、フレームのフォルムはほぼ共通。大きな違いとなるのは、タイヤクリアランスとなる。ベースとなったAlpe d’Huezが最大28Cタイヤ対応だったのに対し、今作では38Cタイヤまで対応し、32〜35Cタイヤで最高の性能を発揮するよう設計されている。エアボリュームの大きなタイヤを使えることは、快適性だけでなくグリップや走行抵抗といった様々な面で大きなメリットをもたらしてくれるだろう。

タイヤクリアランスを拡大する一方で、タイムらしい乗り味は失われていない。伝統的なタイムロードジオメトリーをベースとしつつ、ヘッドアングルをわずかに寝かせ、BBハイトを9mm下げた。チェーンステーも8mm伸びて418mmとなり、ホイールベースも16mm伸びて1001mmへと拡大。ポジションに関わるスタックとリーチはそのままに、ワイドタイヤに最適化されたジオメトリーによって、タイムらしいスムーズで快適な乗り心地を実現している。グラベルモデルのADHXより、僅かにチェーンステーやハンガー下がりは少なくなっており、ちょうど両者の中間のような性格とされている。

タイム ALPE D’HUEZ (カーボンシフトマゼンタ) (c)ポディウム

タイム ALPE D’HUEZ (カーボンシフトグリーン) (c)ポディウム
タイム ALPE D’HUEZ (グロスカーボン) (c)ポディウム



フレームを構成するカーボン素材に関してはAlpe d’Huezと同じ最高級のレイアップを採用している。⾼弾性の東レM40J繊維の量を増やし、同重量のスチールの15倍の強度と水に浮くほどの軽さを誇る高分子素材のダイニーマを追加することでカーボン/ベクトラン複合構造をアップデート。これまでで最も先進的なBCSハイブリッドブレンドを実現したという。

そんなAlpe d’Huez Xには特別なカラースキームが与えらえている。繊細に色合いが変化する塗装を半透明のコートでおおい、カーボン繊維の編込みの美しさを引き出した"カーボンシフトペイント"は、マゼンタ(RED)、グリーン(GREEN)、シアン(BLUE)のいわゆる光の三原色となる3カラーが用意される。カラーラインアップとしては、ここにグロスカーボンが加わり、全4色での展開となる。

タイム ALPE D’HUEZ (グロスカーボン) (c)ポディウム
タイム ALPE D’HUEZ (カーボンシフトシアン) (c)ポディウム


タイム ALPE D’HUEZ (カーボンシフトグリーン) (c)ポディウム
タイム ALPE D’HUEZ (カーボンシフトマゼンタ) (c)ポディウム



タイムの屋台骨でもあるAlpe d’Huez シリーズの最新作であり、現代のサイクリングシーンにおいて最も必要とされるスペックを備えたAlpe d’Huez X。価格はグロスカーボンが649,000円、カーボンシフトペイントの3カラーが671,000円(共に税込)となる。



タイム Alpe d’Huez X
フレーム素材:BCS(編込み)カーボン繊維—ダイニーマ強化
シートポスト径:27.2mm
最大タイヤ幅:最適幅32〜35c。適応幅28〜38c(タイヤとリムの組合せによっては対応できない場合があります)
BB:PF386
サイズ:XS、S、M、L、XL
カラー:グロスカーボン、カーボンシフトシアン、カーボンシフトマゼンタ、カーボンシフトグリーン
価格:649,000円(税込、グロスカーボン)
   671,000円(税込、カーボンシフトシアン、カーボンシフトマゼンタ、カーボンシフトグリーン)

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