2日連続の雨に落車が多発したイツリア・バスクカントリーは2日目。40名に絞られた集団によるスプリントを、3月にプロ初勝利を挙げたばかりのポール・ラペラ(フランス、デカトロンAG2Rラモンディアル)が制した。



新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス)も臨むイツリア・バスクカントリーは2日目 photo:CorVos

ツール・ド・フランスで総合優勝を争う予定のヴィンゲゴーとログリッチ、そしてエヴェネプールが揃ったイツリア・バスクカントリー(UCIワールドツアー)は2日目。前日の個人タイムトライアルの舞台となったイルンから東へ、山岳地帯を沿うように丘陵地帯を進む160kmコースで行われた。

細かなアップダウンが続くステージで逃げたのは、兄のシャビエル・アスパレン(スペイン、Q36.5プロサイクリング)と弟のエネコイツ(エウスカルテル・エウスカディ)を含む5名。それを追うメイン集団は、前日にコースを間違えながらも区間優勝を飾ったプリモシュ・ログリッチ(スロベニア)擁するボーラ・ハンスグローエが牽引した。

アスパレン兄弟が入った逃げは5名 photo:CorVos

プロトンはボーラ・ハンスグローエが中心にペースを作る photo:CorVos

先頭の5名はこの日唯一のカテゴリー山岳である3級を越え、4分のリードを得る。途中コフィディスのヨン・イサギレ(スペイン)とシモン・ゲシュケ(ドイツ)が落車するシーンもありながら、無事に復帰を果たしたプロトンは順調に距離を消化する。そしてフィニッシュが徐々に近づき、逃げとのタイム差も縮まってきたところでイネオス・グレナディアーズがメイン集団のペースを一段上げた。

総合エースであるトーマス・ピドコック(イギリス)が初日の直前に落車し、棄権したイネオスの目的はスピードに長けたイーサン・ヘイター(イギリス)でのスプリント勝負。前日に続き雨が降り始めるなか、ハイペースに人数が絞られていくプロトンは残り12km地点で逃げを吸収した。

濡れた路面の残り4km地点でリドル・トレックのエースであるテイオ・ゲイガンハート(イギリス)が落車して総合争いから脱落するなか、集団は40名程度に減少。集団の2番手につけていくロマン・グレゴワール(フランス、グルパマFDJ)もコーナーで単独落車し、最後の短い丘を越えた選手たちがカンボの市街地に設定された最終ストレートになだれ込んだ。

人数が絞られた集団スプリントをポール・ラペラ(フランス、デカトロンAG2Rラモンディアル)が先着 photo:CorVos

デカトロンAG2Rラモンディアルやアスタナ・カザクスタン、スーダル・クイックステップなど青いジャージが先頭で人数を固め、スプリンター無き集団スプリントが幕開け。そしてコース幅いっぱいに拡がったスピードバトルを、ポール・ラペラ(フランス、デカトロンAG2Rラモンディアル)が先着した。

「3週間前にクープ・ドゥ・フランス(1クラスのワンデーレース)で2勝を挙げ、レベルの全く違うワールドツアーでも勝利を掴むことができた。本当に素晴らしい気持ちだよ」とラペラはワールドツアー初勝利をそう喜んだ。

ラペラはフランス出身の23歳。AG2Rの下部チームから2022年にトップチームへと昇格し、昨年は自身初のグランツールとなったブエルタ・ア・エスパーニャに出場。本人のコメントにもあった通り、2月にフランスで行われたワンデーレースで2日連続で勝利して、その勢いをバスクに繋げた。

イツリア・バスクカントリー2024第2ステージ結果
1位 ポール・ラペラ(フランス、デカトロンAG2Rラモンディアル) 3:42:28
2位 サムエーレ・バティステッラ(イタリア、アスタナ・カザクスタン)
3位 ルイス・フェルヴァーケ(ベルギー、スーダル・クイックステップ)
4位 パウ・ミケル(スペイン、エキポ・ケルンファルマ)
5位 アレクサンデル・アランブル(スペイン、モビスター)
6位 ギリェルモ・シルバ(ウルグアイ、カハルラル・セグロスRGA)
7位 ヴァランタン・ルタイヨー(フランス、デカトロンAG2Rラモンディアル)
8位 ゴンサロ・セラーノ(スペイン、モビスター)
9位 ブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAEチームエミレーツ)
10位 クインテン・ヘルマンス(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)
個人総合成績
1位 プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ボーラ・ハンスグローエ) 3:55:02
2位 マティアス・スケルモース(デンマーク、リドル・トレック) +0:10
3位 レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)
4位 フアン・アユソ(スペイン、UAEチームエミレーツ) +0:14
5位 ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク) +0:15
6位 ケヴィン・ヴォークラン(フランス、アルケアB&Bホテルズ) +0:16
7位 マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)
8位 ブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAEチームエミレーツ) +0:23
9位 ブリュノ・アルミライユ(フランス、デカトロンAG2Rラモンディアル) +0:24
10位 ペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス) +0:25
その他の特別賞
ポイント賞 プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ボーラ・ハンスグローエ)
山岳賞 プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ボーラ・ハンスグローエ)
ヤングライダー賞 フアン・アユソ(スペイン、UAEチームエミレーツ)
チーム総合成績 ボーラ・ハンスグローエ
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos

最新ニュース(全ジャンル)

リクセン&カウル 定番マウントシステムと扱いやすさが魅力のバイクパッキングシステム Gakuto Fujiwara 2024/11/28(木) - 16:00
新製品情報2025