2024/03/19(火) - 09:00
スペイン・カタルーニャを舞台にした第103回ボルタ・ア・カタルーニャが開幕。フィニッシュ手前で飛び出したニック・シュルツ(オーストラリア、イスラエル・プレミアテック)がポガチャルの猛追を振り切り、劇的な勝利を手に入れた。
初開催が1911年まで遡る、第103回ボルタ・ア・カタルーニャ(UCI.ワールドツアー)が開幕した。175名の選手たちが7日間をかけて巡る舞台はスペイン北東部のカタルーニャで、第4ステージを除き連日険しい山岳が登場。3つの山頂フィニッシュライン(第2、3、6ステージ)が熾烈な総合争いを演出するため、5月開幕のジロ・デ・イタリアを見据えるオールラウンダーなどが調整に使う大会でもある。
ビーチリゾートであるサン・フェリウ・デ・ギホルスを発着点とする第1ステージは、173.9kmの丘陵ステージ。序盤から低難易度の山岳を越え、勝負所と目されたのは残り約20km地点に頂上のくる2級山岳。そこからフィニッシュまでは下りと平坦路、そしてフィニッシュ手前は緩斜面の最終ストレートが引かれた。
ケニー・エリッソンド(フランス、コフィディス)がきっかけを作った逃げ集団は5名で、すぐさま3分弱のリードを得る。それを容認したメイン集団は、直近のミラノ〜サンレモで勝利を逃したタデイ・ポガチャル(スロベニア)擁するUAEチームエミレーツが先導。前半2つのカテゴリー山岳をエリッソンドが先頭通過し、山岳賞ジャージ着用の権利を得た。
UAEによるプロトンの牽引にはアレクサンドル・ウラソフ(ロシア)をエースとするボーラ・ハンスグローエも参加。そのため逃げは残り33km地点で捉まり、集団のペースが一度落ち着く。その後に設定されたボーナスタイムつきの中間スプリントではエガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ)がポガチャルを退け、最大-3秒獲得に成功している。
そして選手たちがこの日最後の2級山岳アルト・デ・サン・グラウ(距離7.2km/平均3.5%)に突入。スプリンターかつこの日の優勝候補であるブライアン・コカール(フランス、コフィディス)が遅れ、マルク・ソレル(スペイン、UAEチームエミレーツ)が下りでペースアップしてアタックを抑制する。そのため集団は一つのままサン・フェリウ・デ・ギホルスの市街地に戻ってきた。
緩斜面の直線路の待つフィニッシュラインまで残り4kmを過ぎ、プロトン先頭にはイスラエル・プレミアテックが選手を固める。そしてフラムルージュ(残り1km)の手前でニック・シュルツ(オーストラリア、イスラエル・プレミアテック)がアタックし、後続とのギャップを作り出す。それをセルヒオ・イギータ(コロンビア、ボーラ・ハンスグローエ)が追いかけ、集団の中程ではベルナルやワウト・プールス(オランダ、バーレーン・ヴィクトリアス)を巻き込む落車が発生した。
後ろを振り向くことなく踏み続けるシュルツに対し、残り200mからポガチャルがスプリントを開始。猛スピードで迫るポガチャルだったがシュルツには僅かに届かない。その結果3位でガッツポーズをするスティーブン・ウィリアムズ(イギリス、イスラエル・プレミアテック)に見送られたシュルツが、初日勝者に輝いた。
「自分でも何が起きたのか分からなかった」と振り返るシュルツが決めた劇的な勝利。「最終コーナーでスティーブン(ウィリアムズ)が僕に”行け!”と叫んだんだ。だから飛び出して差を拡げた。僕が勝ち、スティーブンが3位という結果がシンプルに信じられない!」と、29歳でワールドツアー初勝利を飾ったシュルツは喜んだ。
初開催が1911年まで遡る、第103回ボルタ・ア・カタルーニャ(UCI.ワールドツアー)が開幕した。175名の選手たちが7日間をかけて巡る舞台はスペイン北東部のカタルーニャで、第4ステージを除き連日険しい山岳が登場。3つの山頂フィニッシュライン(第2、3、6ステージ)が熾烈な総合争いを演出するため、5月開幕のジロ・デ・イタリアを見据えるオールラウンダーなどが調整に使う大会でもある。
ビーチリゾートであるサン・フェリウ・デ・ギホルスを発着点とする第1ステージは、173.9kmの丘陵ステージ。序盤から低難易度の山岳を越え、勝負所と目されたのは残り約20km地点に頂上のくる2級山岳。そこからフィニッシュまでは下りと平坦路、そしてフィニッシュ手前は緩斜面の最終ストレートが引かれた。
ケニー・エリッソンド(フランス、コフィディス)がきっかけを作った逃げ集団は5名で、すぐさま3分弱のリードを得る。それを容認したメイン集団は、直近のミラノ〜サンレモで勝利を逃したタデイ・ポガチャル(スロベニア)擁するUAEチームエミレーツが先導。前半2つのカテゴリー山岳をエリッソンドが先頭通過し、山岳賞ジャージ着用の権利を得た。
UAEによるプロトンの牽引にはアレクサンドル・ウラソフ(ロシア)をエースとするボーラ・ハンスグローエも参加。そのため逃げは残り33km地点で捉まり、集団のペースが一度落ち着く。その後に設定されたボーナスタイムつきの中間スプリントではエガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ)がポガチャルを退け、最大-3秒獲得に成功している。
そして選手たちがこの日最後の2級山岳アルト・デ・サン・グラウ(距離7.2km/平均3.5%)に突入。スプリンターかつこの日の優勝候補であるブライアン・コカール(フランス、コフィディス)が遅れ、マルク・ソレル(スペイン、UAEチームエミレーツ)が下りでペースアップしてアタックを抑制する。そのため集団は一つのままサン・フェリウ・デ・ギホルスの市街地に戻ってきた。
緩斜面の直線路の待つフィニッシュラインまで残り4kmを過ぎ、プロトン先頭にはイスラエル・プレミアテックが選手を固める。そしてフラムルージュ(残り1km)の手前でニック・シュルツ(オーストラリア、イスラエル・プレミアテック)がアタックし、後続とのギャップを作り出す。それをセルヒオ・イギータ(コロンビア、ボーラ・ハンスグローエ)が追いかけ、集団の中程ではベルナルやワウト・プールス(オランダ、バーレーン・ヴィクトリアス)を巻き込む落車が発生した。
後ろを振り向くことなく踏み続けるシュルツに対し、残り200mからポガチャルがスプリントを開始。猛スピードで迫るポガチャルだったがシュルツには僅かに届かない。その結果3位でガッツポーズをするスティーブン・ウィリアムズ(イギリス、イスラエル・プレミアテック)に見送られたシュルツが、初日勝者に輝いた。
「自分でも何が起きたのか分からなかった」と振り返るシュルツが決めた劇的な勝利。「最終コーナーでスティーブン(ウィリアムズ)が僕に”行け!”と叫んだんだ。だから飛び出して差を拡げた。僕が勝ち、スティーブンが3位という結果がシンプルに信じられない!」と、29歳でワールドツアー初勝利を飾ったシュルツは喜んだ。
ボルタ・ア・カタルーニャ2024第1ステージ
1位 | ニック・シュルツ(オーストラリア、イスラエル・プレミアテック) | 4:11:38 |
2位 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) | |
3位 | スティーブン・ウィリアムズ(イギリス、イスラエル・プレミアテック) | |
4位 | ドリアン・ゴドン(フランス、デカトロンAG2Rラモンディアル) | |
5位 | アクセル・ローランス(フランス、アルペシン・ドゥクーニンク) | |
6位 | レミ・ロシャ(フランス、グルパマFDJ) | |
7位 | イラン・ファンウィルデル(ベルギー、スーダル・クイックステップ) | |
8位 | アレクサンドル・ウラソフ(ロシア、ボーラ・ハンスグローエ) | |
9位 | セップ・クス(アメリカ、ヴィスマ・リースアバイク) | |
10位 | アロルド・テハダ(コロンビア、アスタナ・カザクスタン) |
個人総合成績
1位 | ニック・シュルツ(オーストラリア、イスラエル・プレミアテック) | 4:11:38 |
2位 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) | +0:02 |
3位 | スティーブン・ウィリアムズ(イギリス、イスラエル・プレミアテック) | +0:06 |
4位 | エガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ) | +0:07 |
5位 | ローレンス・デプルス(ベルギー、イネオス・グレナディアーズ) | +0:09 |
6位 | ドリアン・ゴドン(フランス、デカトロンAG2Rラモンディアル) | +0:10 |
7位 | アクセル・ローランス(フランス、アルペシン・ドゥクーニンク) | |
8位 | レミ・ロシャ(フランス、グルパマFDJ) | |
9位 | イラン・ファンウィルデル(ベルギー、スーダル・クイックステップ) | |
10位 | アレクサンドル・ウラソフ(ロシア、ボーラ・ハンスグローエ) |
その他の特別賞
ポイント賞 | ニック・シュルツ(オーストラリア、イスラエル・プレミアテック) |
山岳賞 | ケニー・エリッソンド(フランス、コフィディス) |
ヤングライダー賞 | アクセル・ローランス(フランス、アルペシン・ドゥクーニンク) |
チーム総合成績 | イスラエル・プレミアテック |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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