ロードレース東京多摩2023を前日に控えた12月2日(土)、そのフィニッシュ地点となる味の素スタジアムではプロ選手たちが参加するエキシビションレースや一般参加の「チャレンジレースin味スタ」が行われ、併催の「STADIUM FESTA」と共に多くのサイクリストが集った。



たくさんのサイクリストが集まった味の素スタジアム。スタジアムの内外を使った丸一日のイベントとなった photo:So Isobe

安藤隼人さん率いるスマートコーチングのサイクルスクールを開催 photo:So Isobe
ガイド付きのショートレース。先頭を引っ張るのはキナンレーシングチームの畑中勇介だ photo:So Isobe


熱い戦いが繰り広げられた東京2020ロードレースのレガシーイベントとして、いよいよ明日12月3日(日)に開催される「THE ROAD RACE TOKYO TAMA 2023」。東京都肝入りの初開催ロードレースイベント、そして東京近郊のサイクリストにお馴染みのエリアをコースに使うなど、各方面で注目されるレースを前に、レースのフィニッシュ地点となる味の素スタジアムでは前日イベント「チャレンジレースin味スタ」が行われた。

その内容は、安藤隼人さん率いるスマートコーチングの面々による人気のサイクルスクールに始まり、ガイド付きのショートレース、そして80分のサイクルマラソンに至るまで一日たっぷりの内容。集団走行に不慣れなスポーツバイクビギナーでも、朝にスクールを受けてその内容を次のレースで実践できるというフレンドリーなプログラムだ。

豪華なエキシビションレース:横塚浩平(VC福岡)が独走勝利

エキシビジョンレース スタート photo:Satoru Kato

序盤に仕掛け、逃げ集団を作るきっかけとなった中村圭佑(ヴィクトワール広島) photo: Yuichiro Hosoda
エキシビションレース中盤を盛り上げた6人の逃げ集団 photo: Yuichiro Hosoda
味の素スタジアムの外周道路を使用してのエキシビジョンレース photo:Satoru Kato

ショートレースを終えた後に開催されたのが翌日に本戦を控える選手たちによるエキシビションレースだ。味の素スタジアムの外周路を使った1km少しのコースはコーナーも多く、走る選手にとってはインターバルの連続で、見る方にとっては2分ほどで何度も選手たちのスピードを体感できるもの。そんなレースを制したのは終盤にアタックを仕掛けた横塚浩平(VC福岡)だった。

序盤は中村圭佑(ヴィクトワール広島)のアタックをきっかけに山本元喜(キナンレーシングチーム)らが乗る6名の逃げグループができたものの吸収され、一度落ち着いたところから最終周回突入前に横塚がアタックを仕掛けて独走に。今年3月の富士クリテリウムを思い起こさせる逃げ切りでエキシビションレースを制した。

最終周回に逃げを決め勝利した横塚浩平(VC FUKUOKA) photo: Yuichiro Hosoda

横塚に追いすがるも2位となり、ハンドルを叩いて悔しがる沢田桂太郎(スパークルおおいた) photo: Yuichiro Hosoda
「地元のレースなので気合が入った」と話す横塚浩平(VC FUKUOKA) photo: Yuichiro Hosoda


「どこのチームもゴール勝負を狙っていたと思うのですが、追いかけずらいコースなので逆にチャンスだと思った」と振り返る横塚。福岡のチームに所属しているものの、出身はこの東京都。「明日はレベルの高いレースになると思いますが、チームメイトと一緒に良い走りを見せたい」と、地元開催レースで大きく弾みを付けている。

男女選手が勢揃いしたチームプレゼンテーション

武井壮さん、稲村亜美さん、城彰二さんらがトークショーを行ったステージ photo: Yuichiro Hosoda
栗村修さんとトークを繰り広げる新城幸也 photo: Yuichiro Hosoda



ロードレース東京多摩2023の男子出場チーム(※宇都宮ブリッツェンとチームブリヂストンサイクリングは都合により欠席) photo: Yuichiro Hosoda

チームプレゼンテーションには翌日のロードレースに出場する選手が登壇。男子は各チームの代表1名ずつ、計24名が勢揃い(チームブリヂストンサイクリングと宇都宮ブリッツェンは欠席)したほか、栗村修さんや新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス)も登壇。武井壮さん、稲村亜美さん、城彰二さんもトークショーを行うなど盛りだくさんの内容となった。

出場チームは以下の通り。国内トップチームに加え、大学4チーム、JBCFエリート選抜チームをあわせた計26チームが出走する。
ロードレース東京多摩2023 男子レース参加チーム
JCLチーム右京 キナンレーシングチーム
ヴィクトワール広島 マトリックスパワータグ
レバンテフジ静岡 愛三工業レーシングチーム
シマノレーシング VC福岡
さいたま那須サンブレイブ スパークルおおいた
チームブリヂストンサイクリング 宇都宮ブリッツェン
群馬グリフィン 弱虫ペダルサイクリングチーム
シエルブルー鹿屋 イナーメ信濃山形
アヴニールサイクリング山梨 eNShareレーシングチーム
稲城FIETS クラスアクト ベルマーレ
京都産業大学 日本大学
明治大学 慶応義塾大学
JBCFエリート選抜A JBCFエリート選抜B
女子のレースに出場する選手 photo:Satoru Kato

女子のレースに出場するオランダのElisa Serne(High Ambition 2020 jp) photo:Satoru Kato
女子のレースに出場する小林あか里(弱虫ペダルサイクリングチーム) photo:Satoru Kato


男子パラサイクリングに出場する6カ国12名の選手 photo:Satoru Kato
女子パラサイクリングに出場する3カ国6名の選手 photo:Satoru Kato


男子のロードレースは72.6km、女子は49.8km。いずれも国内では数少ないラインレースで行われる。男子は八王子市の富士森公園をスタート後、八王子駅北西の丘陵地帯に設定された周回部分を走行。多摩市、稲城市、府中市を通り、調布市の味の素スタジアムにフィニッシュする。女子は八王子市の周回部分をカットしたコースだ。

長い登りこそ無いものの終始登りと下りが繰り返され、フィニッシュに向けて下り基調になるため最後は人数のまとまった集団でのフィニッシュが予想されている。とは言え、オフシーズンの12月という時季にどれだけモチベーションを維持しているかはチームや選手によって差がありそう。1チーム最大5名出場出来るが、それより少ない人数で出場するチームもある。あるいは、小集団の逃げが決まるか、集団が大きく分裂するような展開になる可能性もありそうだ。

オリンピアンチームも大爆走?ホビーレーサー大集合の80分サイクルマラソンで〆

こちらはフォーカスの出展ブース。新型のIZALCO MAXを発見 photo:So Isobe
おしゃれでカワイイ小径Eバイクを激推ししていたアキボウブース photo:So Isobe


80分サイクルマラソンがスタート。先導は(明日は家からすぐの場所でスタートするのに別件で参戦できない)畑中選手 photo:So Isobe

こちらは主催でもある都庁チームの皆様(エントリーフィーはそれぞれ自腹だそうです!) photo:So Isobe
大人げない走りで第1ヒート男子の部で同率優勝したチームブリヂストンOBチームのお二人 photo:So Isobe


「チャレンジレースin味スタ」を締め括ったのは80分のサイクルマラソンだ。2ヒート制に別れての開催で、フィニッシュでの落車が無いように「同一周回でフィニッシュした全チームが同着」というルール。ビギナーやタレントチームに始まり、結構走れるホビーレーサーから往年のオリンピアン(チームブリヂストンOBチームの飯島誠さんと藤田晃三さん!)、果てはバイシクルクラブチームまで暖かな太陽の下で熱い走りを繰り広げたのでした(なお第1ヒートではブリヂストンOBチームの飯島さんが先頭集団を木っ端微塵にして「5年ぶりに復活team CYS」チームと同周回1位!)。

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