2023/11/04(土) - 09:00
今年8月にオープンした埼玉県川口にある東商会ショールームにて、ユンボ・ヴィスマのセップ・クスとヤン・トラトニク、アッティラ・ヴァルテルの3名を招いたファン交流イベントが実施された。質問コーナーやファン感涙のサイン会など、濃密な1時間半のイベントをレポートする。
「ヴァルテルだけ自走で来るみたい...!」。
埼玉県川口市にある東商会ショールームにて、さいたまクリテリウムのために来日したユンボ・ヴィズマのメンバーとサーヴェロオーナーズクラブの会員との交流会が行われたのは、クリテリウム前々日の三連休初日、11月3日(金)のこと。
名実ともに世界最強チームであるユンボ・ヴィスマを代表してやってきたのは、ブエルタ・ア・エスパーニャで総合優勝を飾ったセップ・クス(アメリカ)と、東京五輪ロードレースでの名アシストぶりが記憶に新しいヤン・トラトニク(スロベニア)、そしてハンガリー王者アッティラ・ヴァルテルの3名。ちなみにヴァルテルだけジャージ姿なのは、ついさっきまで荒川サイクリングロードを走ってきたから。道中はカフェに立ち寄ってきたんだとか。
東商会の寺井代表から扇子(東商会のオフィスがある奈良の由緒正しいもの!)が各選手に送られ(皆初めて開く扇子に苦戦していた)、質問コーナーから交流会はスタート。
ブエルタでマイヨロホを着た時の気持ちを聞かれたクスは、「最初は夢か何かだと思い、現実感がなかった。しかし最後まで守り通すことができた瞬間は、これまで体験したことのない特別な気持ちになったよ」と回答。また「いままで走って一番綺麗だった景色は?」という質問に、トラトニクは「東京五輪で走った日本の風景」と即答。百点満点の回答に会場は一層熱を帯びた。
その中でも特にファンが身を乗り出して耳を傾けたのは、各選手によるサーヴェロのエアロモデルS5と軽量モデルR5の乗り分け。ルーラーであるトラトニクはS5を好み、ピュアクライマーであるクスはもちろんR5がメインバイク。そして印象的だったのはクライマー寄りの脚質であるヴァルテルのチョイス。「今日はここまでS5を乗ってきて、いま住んでいる本格山岳の多いアンドラでもS5で練習している。登りも十分こなせるバイクだし、TTバイクのような形状のため平均速度が40km/hを超えるとその恩恵は大きい」と語り、それを聞くS5ユーザーは大層嬉しそうに頷いた。
その後はサイン会に突入。自慢のサーヴェロにサインを貰うのオーナーたちに対し、トラトニクが率先して「ブラックとゴールド、ホワイトのペンがあるけど、何色でサインして欲しい?どこにサイン書く?」と細かな気遣いをするシーンも。
懇談会では質問コーナーの延長戦が行われ、「練習やレースで苦しい時にどんなことを考えているのか?」という質問に対し、クスは「”この瞬間にプロトンで苦しいのは僕だけではない”と自分に言い聞かせている。でも、まあ、バッドデイでは僕だけが苦しんでいる時もあるんだけどね(笑)。踏み続けていれば必ずフィニッシュラインはやってくる。この苦しみに終わりは必ずやってくる」と回答。ヴァルテルは「そもそも僕には"苦痛"という考えはないんだ。もちろん苦しい状況はたくさんあるけど、そもそも自ら好きで自転車に乗ることを選んでるんだから、それも全て含めて楽しいと思っているよ」」という、プロならではの達観したお答えでした。
15名のサーヴェロオーナーに見送られながらヴァルテルは自走でホテルに向かい、クスとトラトニクは東商会のスタッフが運転する車からバイバイ。さいたまクリテリウムでの良い走りを約束したのでした。
今年8月にオープンした東商会のショールームにて初開催となった選手とファンとの交流会。今回のサーヴェロはもちろんラピエールやライトウェイト、シューズブランドであるユードッグの試し履きができるなど、サイクリストなら一度は訪れてみたい場所だ。今回は激戦の応募(募集開始すぐに埋まってしまったらしい)を勝ち抜いたサーヴェロオーナーズクラブの幸運な15名が招かれたが、今後はクラブ活動の場としてイベントやライドなどで存分に活用していきたいとのこと。西川口駅より徒歩6分、荒川近郊のライダーにはお馴染みの岩淵水門から約4kmほど。事前予約(無料)はこちらから。
text:Sotaro.Arakawa
photo:So Isobe
「ヴァルテルだけ自走で来るみたい...!」。
埼玉県川口市にある東商会ショールームにて、さいたまクリテリウムのために来日したユンボ・ヴィズマのメンバーとサーヴェロオーナーズクラブの会員との交流会が行われたのは、クリテリウム前々日の三連休初日、11月3日(金)のこと。
名実ともに世界最強チームであるユンボ・ヴィスマを代表してやってきたのは、ブエルタ・ア・エスパーニャで総合優勝を飾ったセップ・クス(アメリカ)と、東京五輪ロードレースでの名アシストぶりが記憶に新しいヤン・トラトニク(スロベニア)、そしてハンガリー王者アッティラ・ヴァルテルの3名。ちなみにヴァルテルだけジャージ姿なのは、ついさっきまで荒川サイクリングロードを走ってきたから。道中はカフェに立ち寄ってきたんだとか。
東商会の寺井代表から扇子(東商会のオフィスがある奈良の由緒正しいもの!)が各選手に送られ(皆初めて開く扇子に苦戦していた)、質問コーナーから交流会はスタート。
ブエルタでマイヨロホを着た時の気持ちを聞かれたクスは、「最初は夢か何かだと思い、現実感がなかった。しかし最後まで守り通すことができた瞬間は、これまで体験したことのない特別な気持ちになったよ」と回答。また「いままで走って一番綺麗だった景色は?」という質問に、トラトニクは「東京五輪で走った日本の風景」と即答。百点満点の回答に会場は一層熱を帯びた。
その中でも特にファンが身を乗り出して耳を傾けたのは、各選手によるサーヴェロのエアロモデルS5と軽量モデルR5の乗り分け。ルーラーであるトラトニクはS5を好み、ピュアクライマーであるクスはもちろんR5がメインバイク。そして印象的だったのはクライマー寄りの脚質であるヴァルテルのチョイス。「今日はここまでS5を乗ってきて、いま住んでいる本格山岳の多いアンドラでもS5で練習している。登りも十分こなせるバイクだし、TTバイクのような形状のため平均速度が40km/hを超えるとその恩恵は大きい」と語り、それを聞くS5ユーザーは大層嬉しそうに頷いた。
その後はサイン会に突入。自慢のサーヴェロにサインを貰うのオーナーたちに対し、トラトニクが率先して「ブラックとゴールド、ホワイトのペンがあるけど、何色でサインして欲しい?どこにサイン書く?」と細かな気遣いをするシーンも。
懇談会では質問コーナーの延長戦が行われ、「練習やレースで苦しい時にどんなことを考えているのか?」という質問に対し、クスは「”この瞬間にプロトンで苦しいのは僕だけではない”と自分に言い聞かせている。でも、まあ、バッドデイでは僕だけが苦しんでいる時もあるんだけどね(笑)。踏み続けていれば必ずフィニッシュラインはやってくる。この苦しみに終わりは必ずやってくる」と回答。ヴァルテルは「そもそも僕には"苦痛"という考えはないんだ。もちろん苦しい状況はたくさんあるけど、そもそも自ら好きで自転車に乗ることを選んでるんだから、それも全て含めて楽しいと思っているよ」」という、プロならではの達観したお答えでした。
15名のサーヴェロオーナーに見送られながらヴァルテルは自走でホテルに向かい、クスとトラトニクは東商会のスタッフが運転する車からバイバイ。さいたまクリテリウムでの良い走りを約束したのでした。
今年8月にオープンした東商会のショールームにて初開催となった選手とファンとの交流会。今回のサーヴェロはもちろんラピエールやライトウェイト、シューズブランドであるユードッグの試し履きができるなど、サイクリストなら一度は訪れてみたい場所だ。今回は激戦の応募(募集開始すぐに埋まってしまったらしい)を勝ち抜いたサーヴェロオーナーズクラブの幸運な15名が招かれたが、今後はクラブ活動の場としてイベントやライドなどで存分に活用していきたいとのこと。西川口駅より徒歩6分、荒川近郊のライダーにはお馴染みの岩淵水門から約4kmほど。事前予約(無料)はこちらから。
text:Sotaro.Arakawa
photo:So Isobe
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