2010/07/22(木) - 13:09
7月16~19日に長野県富士見パノラマで行われた第23回全日本マウンテンバイク選手権。XCO(クロスカントリー)が最終日19日に行なわれ、男子は山本幸平(チームブリヂストン・アンカー)が3連覇、女子は片山梨絵(SPECIALIZED)が7連覇と記録を伸ばした。
山本幸平(チームブリヂストン・アンカー) photo:Akihiro Nakaoナショナルチャンピオンを決める大一番の全日本選手権。今回もこの日の為に海外でワールドカップを転戦する山本幸平が連覇を目指して帰国。昨年と同様世界基準の走りに期待がかかる。山本幸平の姿は昨年と違い非常に絞った体つきになり、雰囲気も温和なかんじから一転して険しく、まるで別人になった。オーラから世界で走る厳しさを感じる。
また、同じヨーロッパで調整していた辻浦圭一(チームブリヂストン・アンカー)も参加。ただし、有効なポイントを持たないため最後尾に近いスタート位置。注目選手はJシリーズ2連勝の武井亨介(チーム・フォルツァ!)、Jシリーズ1勝の幸平の兄、山本和弘(キャノンデール・ファクトリーレーシング)。
そして常に表彰台に登る昨年U23優勝の平野星矢(チームブリヂストン・アンカー)。残念ながらJシリーズで好調の斉藤亮(TEAM CORRATEC)が持病の悪化のためドクターストップがかかり出場を辞退している。
全日本のコースは5月のJシリーズと少し変更になり距離は若干伸びた。4.55kmを8周回する36.40km。梅雨が開け非常に蒸し暑くサバイバルレースが予想される中、午後2時にスタート。
XCOシニアエリート男子スタート photo:Akihiro Nakao
一周目に抜け出る山本幸平・平野・武井の3人 photo:Akihiro Nakaoスタートから山本幸平・武井がパックで駐車場に降りる下りを走る。それに続くのは平野、山本和弘、少し離れて小野寺健(SUBARU/TREK MTB Team)。中央ゲレンデで山本幸平・平野・武井のパックで登る。
早くも2周目には山本幸平が先頭に立つ。それに武井・平野・松本駿(TREK)・追い上げてきた辻浦らが追う。3周目で武井が大きく失速して番手を落とし平野が2番手、続くは松本・辻浦。4周目には山本幸平の後に約1分以内の差で平野、後に松本と辻浦はパックで争う。
2周目からトップを走る山本幸平(チームブリヂストン・アンカー) photo:Akihiro Nakao5周目に松本と辻浦の争いは松本がコース最後のゲレンデの登りで競り勝つ。トップの山本幸平は去年と違い疲れた表情を見せるもののペースをキープ。平野はトラブルで3度ピットに入るものの順位に影響は無い。5位以下は山本和弘が大きく遅れ武井・門田基志(TEAM GIANT)・小野寺までが周回に残った。
ゴールには手で目を押さえて戻ってきた山本幸平が、観客に手を振って全日本3連覇のゴール。コーチの鈴木雷太に出迎えにむせび泣く。昨年の自信に満ちた姿とはあまりにも違い、その後歩き出した瞬間に倒れてしまった。トップから約3分遅れて2位に平野、8分遅れで3位に松本が入った。
2番手をキープする平野星矢(チームブリヂストン・アンカー) photo:Akihiro Nakao
松本駿(TREK) photo:Akihiro Nakao
5周目・登りで勝負をかける松本駿(TREK) photo:Akihiro Nakao
ゴールに飛び込む山本幸平(チームブリヂストン・アンカー) photo:Akihiro Nakao
山本幸平の表彰台のコメント
「たくさんの応援ありがとうございました。僕自身キツくてみんなの応援が力になりました。最高のサポートありがとうございました。僕のできる事は、世界でなんとか通用するようにワールドカップで成績を出すことです。ありがとうございました」
昨年引退した竹谷賢二氏の観戦コメント
「外から見てみてみんな良い走りをしています。ただ、中身はどうかと言われるとできていない事が多いなと冷静に見てしまいますね。(山本幸平の調子は)全然悪かったですね。彼のレベルの高さ故に調子が悪くてもあれくらいできますけど評価できないくらいで、彼の持ついいパフォーマンスを見る事ができませんでした。彼は今体を絞ったりして調整を重ねて次の山本幸平に行くための脱皮を計るさなぎの状態ですね。残念ながら今回は羽ばたけなかったということです」
ゴール後、倒れてしまう山本幸平(チームブリヂストン・アンカー) photo:Akihiro Nakao
ゴール後、コーチの鈴木雷太の前で泣く山本幸平(チームブリヂストン・アンカー) photo:Akihiro Nakao
盤石のレース運びで7連覇を果たした片山梨絵
暑さ対策に水を被る片山梨絵(SPECIALIZED) photo:Akihiro Nakao女子は片山梨絵が圧倒的な力を見せ、2位以下を5分以上引き離す走りで優勝。大会7連覇を達成した。
「七回目の全日本制覇ができました。サポートしてくれたチーム、応援してくれたみなさんありがとうございました。今日は暑くて自分を試されるレースでした。これから続くワールドカップ・世界選手権・そして大きな目標のアジア選手権の金メダルに向けてがんばって行きます」
U23は海外でロードレースを転戦していた竹之内悠 (Team EURASIA)が出場して後続を大きく離して優勝。2位には序盤で遅れた合田啓祐(TEAM SPECIALIZED)が入った。ジュニアレースは山本兆(ダンガリー)が優勝を果たしている。
中込由香里(SY-Nak SPECIALIZED) photo:Akihiro Nakao
再び日本チャンプの二人 photo:Akihiro Nakao
竹之内悠(Team EURASIA) photo:Akihiro Nakao
U23表彰 photo:Akihiro Nakao
XCOシニアエリート男子
1位 山本幸平(チームブリヂストン・アンカー) 2h05'11"69
2位 平野星矢(チームブリヂストン・アンカー) +3'18"54
3位 松本駿(TREK) +8'02"49
4位 辻浦圭一(チームブリヂストン アンカー) +9'32"74
5位 武井亨介(チーム・フォルツァ!) +10'40"10
6位 門田基志(TEAM GIANT) +11'10"28
7位 小野寺健(SUBARU/TREK MTB Team) +13'03"60
8位 江下健太郎(Team over-do) -1Lap
9位 山本和弘(キャノンデールファクトリーレーシング)-1Lap
10位 佐藤誠示 -2Laps
XCO女子
1位 片山梨絵(SPECIALIZED) 1h33'12"19
2位 中込由香里(SY-Nak SPECIALIZED) +5'05"75
3位 矢沢みつみ(みっつん) +5'45"16
4位 田近郁美(GOD HILL) +7'32"86
5位 小林可奈子(AKI FACTORY TEAM) +16'12"30
6位 福本千佳(Ready Go JAPAN) +17'36"35
XCOU23
1位 竹之内悠(Team EURASIA) 1h40'45"64
2位 合田啓祐(TEAM SPECIALIZED) +4'13"40
3位 日野林昂志郎(株式会社H・S・F) +4'47"31
4位 山田主(TEAM GEAX OGK KABUT) +9'14"72
5位 野田拓司(福砂屋/FUJI) +10'22"72
XCOジュニア
1位 山本兆(ダンガリー) 1h12'53"40
2位 後呂有哉(サイクルアシストオオバ) +2'21"14
3位 西田尚平(滝川高校) +6'58"59
text&photo:Akihiro Nakao
また、同じヨーロッパで調整していた辻浦圭一(チームブリヂストン・アンカー)も参加。ただし、有効なポイントを持たないため最後尾に近いスタート位置。注目選手はJシリーズ2連勝の武井亨介(チーム・フォルツァ!)、Jシリーズ1勝の幸平の兄、山本和弘(キャノンデール・ファクトリーレーシング)。
そして常に表彰台に登る昨年U23優勝の平野星矢(チームブリヂストン・アンカー)。残念ながらJシリーズで好調の斉藤亮(TEAM CORRATEC)が持病の悪化のためドクターストップがかかり出場を辞退している。
全日本のコースは5月のJシリーズと少し変更になり距離は若干伸びた。4.55kmを8周回する36.40km。梅雨が開け非常に蒸し暑くサバイバルレースが予想される中、午後2時にスタート。
早くも2周目には山本幸平が先頭に立つ。それに武井・平野・松本駿(TREK)・追い上げてきた辻浦らが追う。3周目で武井が大きく失速して番手を落とし平野が2番手、続くは松本・辻浦。4周目には山本幸平の後に約1分以内の差で平野、後に松本と辻浦はパックで争う。
ゴールには手で目を押さえて戻ってきた山本幸平が、観客に手を振って全日本3連覇のゴール。コーチの鈴木雷太に出迎えにむせび泣く。昨年の自信に満ちた姿とはあまりにも違い、その後歩き出した瞬間に倒れてしまった。トップから約3分遅れて2位に平野、8分遅れで3位に松本が入った。
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山本幸平の表彰台のコメント
「たくさんの応援ありがとうございました。僕自身キツくてみんなの応援が力になりました。最高のサポートありがとうございました。僕のできる事は、世界でなんとか通用するようにワールドカップで成績を出すことです。ありがとうございました」
昨年引退した竹谷賢二氏の観戦コメント
「外から見てみてみんな良い走りをしています。ただ、中身はどうかと言われるとできていない事が多いなと冷静に見てしまいますね。(山本幸平の調子は)全然悪かったですね。彼のレベルの高さ故に調子が悪くてもあれくらいできますけど評価できないくらいで、彼の持ついいパフォーマンスを見る事ができませんでした。彼は今体を絞ったりして調整を重ねて次の山本幸平に行くための脱皮を計るさなぎの状態ですね。残念ながら今回は羽ばたけなかったということです」
盤石のレース運びで7連覇を果たした片山梨絵
「七回目の全日本制覇ができました。サポートしてくれたチーム、応援してくれたみなさんありがとうございました。今日は暑くて自分を試されるレースでした。これから続くワールドカップ・世界選手権・そして大きな目標のアジア選手権の金メダルに向けてがんばって行きます」
U23は海外でロードレースを転戦していた竹之内悠 (Team EURASIA)が出場して後続を大きく離して優勝。2位には序盤で遅れた合田啓祐(TEAM SPECIALIZED)が入った。ジュニアレースは山本兆(ダンガリー)が優勝を果たしている。
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XCOシニアエリート男子
1位 山本幸平(チームブリヂストン・アンカー) 2h05'11"69
2位 平野星矢(チームブリヂストン・アンカー) +3'18"54
3位 松本駿(TREK) +8'02"49
4位 辻浦圭一(チームブリヂストン アンカー) +9'32"74
5位 武井亨介(チーム・フォルツァ!) +10'40"10
6位 門田基志(TEAM GIANT) +11'10"28
7位 小野寺健(SUBARU/TREK MTB Team) +13'03"60
8位 江下健太郎(Team over-do) -1Lap
9位 山本和弘(キャノンデールファクトリーレーシング)-1Lap
10位 佐藤誠示 -2Laps
XCO女子
1位 片山梨絵(SPECIALIZED) 1h33'12"19
2位 中込由香里(SY-Nak SPECIALIZED) +5'05"75
3位 矢沢みつみ(みっつん) +5'45"16
4位 田近郁美(GOD HILL) +7'32"86
5位 小林可奈子(AKI FACTORY TEAM) +16'12"30
6位 福本千佳(Ready Go JAPAN) +17'36"35
XCOU23
1位 竹之内悠(Team EURASIA) 1h40'45"64
2位 合田啓祐(TEAM SPECIALIZED) +4'13"40
3位 日野林昂志郎(株式会社H・S・F) +4'47"31
4位 山田主(TEAM GEAX OGK KABUT) +9'14"72
5位 野田拓司(福砂屋/FUJI) +10'22"72
XCOジュニア
1位 山本兆(ダンガリー) 1h12'53"40
2位 後呂有哉(サイクルアシストオオバ) +2'21"14
3位 西田尚平(滝川高校) +6'58"59
text&photo:Akihiro Nakao
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