2023/09/10(日) - 08:15
前日の失速により大会連覇が潰えたレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)が、1級山岳フィニッシュのブエルタ第14ステージで復活勝利。危なげなく総合首位キープに成功したセップ・クス(アメリカ、ユンボ・ヴィスマ)は、最終的なマイヨロホ獲得に向けまた一歩前進している。
9月9日(土)第14ステージ
ソヴテール・ド・ベアム〜ララ・ベラグア 156.2km(山岳/山頂フィニッシュ)
前日に超級山岳トゥールマレーを登り詰めた選手たちは、この日もフランス・ピレネーの山々を登る。出発地点であるソヴテール・ド・ベアムから平坦路を進み、最初の超級山岳(距離11.1km/平均8.7%)でスプリンターはお役御免。その後約1,000mの標高を下ってから休む間もなく超級山岳ラッラウ峠(距離14.9km/平均8%)を登坂する。
スペインに戻ってきた選手たちは下りと平坦区間で息を整え、いよいよ1級山岳ベラグア峠(距離9.5km/平均6.3%)に臨む。大きな差が生まれるような登りではないが、前日のクイーンステージでの疲労に加え、総獲得標高差3,700mでは選手たちのスタミナが試された。
シリル・バルト(フランス、ブルゴスBH)の故郷であるスタート地点に姿を見せたのは、前日にタイムを失い、総合争いから脱落したレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)を含む156名の選手たち。午後13時17分にスタートが切られると、前日とは打って代わって逃げを目指す選手たちのアタックが勃発。そのほぼ全ての動きにベルギー王者ジャージを纏ったエヴェネプールが反応した。
そしてスタート後、約34km地点で逃げが成立。その中にはエヴェネプールはもちろん、ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス)やロマン・バルデ(フランス、DSM・フィルメニッヒ)などの有力クライマーが入り、ポイント賞ジャージを着るカーデン・グローブス(オーストラリア、アルペシン・ドゥクーニンク)の姿も。また3つのカテゴリー山岳を越えるステージのため、山岳賞獲得を目論むマイケル・ストーラー(オーストラリア、グルパマFDJ)も逃げに乗った。
その後も逃げ集団への合流を試みる選手が現れたものの、ユンボ・ヴィスマがメイン集団先頭に蓋をしたため、平均スピードが50km/hを超える慌ただしい展開が落ち着く。そして早速プロトンから4分20秒のリードを得た逃げ集団は、この日最初の超級山岳ウルセール峠(距離11.1km/平均8.7%)に突入した。
登り始めからエヴェネプールが先頭でペースを作り、途中チームメイトであるマティア・カッタネオ(イタリア)の力を借りながらペースを上げていく。そして山岳ポイントを狙うストーラーの加速も虚しく、それを上回るスピードで駆け上がったエヴェネプールが先頭で頂上を通過。それにバルデが追従し、大所帯だったレース先頭が2名になった。
一方、ゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)が早々に遅れたプロトンではUAEチームエミレーツが先頭に出てペースを作る。これに前日の勝利に貢献したウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)が遅れ、メカトラに見舞われたヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ)がアッティラ・ヴァルテル(ハンガリー)のアシストを受けて集団復帰を果たした。
下りの得意なバルデとエヴェネプールは、ローテーションを回しながら後続との差を拡げていく。途中、沿道のファンから受け取った水をバルデがエヴェネプールにかけてあげるシーンもありがなら、2人は超級山岳ラッラウ峠(距離14.9km/平均8%)を登坂。エヴェネプールが頂上を先頭通過する頃に、逃げ集団とは1分45秒差、プロトンとは5分28秒差まで拡がった。
セップ・クス(アメリカ、ユンボ・ヴィスマ)とヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク)、プリモシュ・ログリッチ(スロベニア)と前日のトップスリーが目を光らせるなか、ラッラウ峠の登坂でフアン・アユソ(スペイン、UAEチームエミレーツ)が仕掛ける。しかし総合でも1〜3位までを独占するユンボの3名を振り切ることはできず、沈静化したプロトンをロベルト・ヘーシンク(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)が先導を担った。
そしていよいよエヴェネプールとバルデが1級山岳ベラグア峠(距離9.5km/平均6.3%)に突入する。その登りでペースを作るエヴェネプールはバルデに先頭交代を促すことなく、淡々と残り距離を消化。そして勾配が緩やかになる直前の残り4km地点で、加速したエヴェネプールがバルデを引き離した。
単独でフラムルージュ(残り1km)を通過し、無線でチームに感謝を伝えたエヴェネプールは踏み脚を緩めることなく最終ストレートに到達。そして何度も信じられないと頭を振った前世界王者は、ファンの大歓声に応えるガッツポーズと共にフィニッシュを通過。総合連覇を逃しながらも、24時間後に復活勝利を飾ったエヴェネプールが、大粒の涙で喜びを表した。
「昨日は難しい日となり、昨夜はよく眠ることができなかった。ネガティブな考えにも思い悩まされたが、今日はベストを尽くすことだけを考えた。今日のコースを試走をしていたので登りは把握しており、ロマン(バルデ)も協力してくれた。区間2勝目は本当に嬉しいよ」と第3ステージに続く勝利に加え、山岳賞ジャージを獲得したエヴェネプールは喜んだ。
一方で、エヴェネプールたちから8分遅れで最終山岳に入ったプロトンはミケル・ランダ(スペイン)の総合ジャンプアップを目ラウバーレーン・ヴィクトリアスがコントロールする。しかし総合上位勢による目立ったアタックがないまま、総合8位のアレクサンドル・ウラソフ(ロシア、ボーラ・ハンスグローエ)を先頭に集団がひと塊のままフィニッシュ。そのためクスとユンボ・ヴィスマが、最終的なマイヨロホ獲得に向けてまた一歩前進した。
9月9日(土)第14ステージ
ソヴテール・ド・ベアム〜ララ・ベラグア 156.2km(山岳/山頂フィニッシュ)
前日に超級山岳トゥールマレーを登り詰めた選手たちは、この日もフランス・ピレネーの山々を登る。出発地点であるソヴテール・ド・ベアムから平坦路を進み、最初の超級山岳(距離11.1km/平均8.7%)でスプリンターはお役御免。その後約1,000mの標高を下ってから休む間もなく超級山岳ラッラウ峠(距離14.9km/平均8%)を登坂する。
スペインに戻ってきた選手たちは下りと平坦区間で息を整え、いよいよ1級山岳ベラグア峠(距離9.5km/平均6.3%)に臨む。大きな差が生まれるような登りではないが、前日のクイーンステージでの疲労に加え、総獲得標高差3,700mでは選手たちのスタミナが試された。
シリル・バルト(フランス、ブルゴスBH)の故郷であるスタート地点に姿を見せたのは、前日にタイムを失い、総合争いから脱落したレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)を含む156名の選手たち。午後13時17分にスタートが切られると、前日とは打って代わって逃げを目指す選手たちのアタックが勃発。そのほぼ全ての動きにベルギー王者ジャージを纏ったエヴェネプールが反応した。
そしてスタート後、約34km地点で逃げが成立。その中にはエヴェネプールはもちろん、ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス)やロマン・バルデ(フランス、DSM・フィルメニッヒ)などの有力クライマーが入り、ポイント賞ジャージを着るカーデン・グローブス(オーストラリア、アルペシン・ドゥクーニンク)の姿も。また3つのカテゴリー山岳を越えるステージのため、山岳賞獲得を目論むマイケル・ストーラー(オーストラリア、グルパマFDJ)も逃げに乗った。
その後も逃げ集団への合流を試みる選手が現れたものの、ユンボ・ヴィスマがメイン集団先頭に蓋をしたため、平均スピードが50km/hを超える慌ただしい展開が落ち着く。そして早速プロトンから4分20秒のリードを得た逃げ集団は、この日最初の超級山岳ウルセール峠(距離11.1km/平均8.7%)に突入した。
登り始めからエヴェネプールが先頭でペースを作り、途中チームメイトであるマティア・カッタネオ(イタリア)の力を借りながらペースを上げていく。そして山岳ポイントを狙うストーラーの加速も虚しく、それを上回るスピードで駆け上がったエヴェネプールが先頭で頂上を通過。それにバルデが追従し、大所帯だったレース先頭が2名になった。
一方、ゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)が早々に遅れたプロトンではUAEチームエミレーツが先頭に出てペースを作る。これに前日の勝利に貢献したウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)が遅れ、メカトラに見舞われたヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ)がアッティラ・ヴァルテル(ハンガリー)のアシストを受けて集団復帰を果たした。
下りの得意なバルデとエヴェネプールは、ローテーションを回しながら後続との差を拡げていく。途中、沿道のファンから受け取った水をバルデがエヴェネプールにかけてあげるシーンもありがなら、2人は超級山岳ラッラウ峠(距離14.9km/平均8%)を登坂。エヴェネプールが頂上を先頭通過する頃に、逃げ集団とは1分45秒差、プロトンとは5分28秒差まで拡がった。
セップ・クス(アメリカ、ユンボ・ヴィスマ)とヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク)、プリモシュ・ログリッチ(スロベニア)と前日のトップスリーが目を光らせるなか、ラッラウ峠の登坂でフアン・アユソ(スペイン、UAEチームエミレーツ)が仕掛ける。しかし総合でも1〜3位までを独占するユンボの3名を振り切ることはできず、沈静化したプロトンをロベルト・ヘーシンク(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)が先導を担った。
そしていよいよエヴェネプールとバルデが1級山岳ベラグア峠(距離9.5km/平均6.3%)に突入する。その登りでペースを作るエヴェネプールはバルデに先頭交代を促すことなく、淡々と残り距離を消化。そして勾配が緩やかになる直前の残り4km地点で、加速したエヴェネプールがバルデを引き離した。
単独でフラムルージュ(残り1km)を通過し、無線でチームに感謝を伝えたエヴェネプールは踏み脚を緩めることなく最終ストレートに到達。そして何度も信じられないと頭を振った前世界王者は、ファンの大歓声に応えるガッツポーズと共にフィニッシュを通過。総合連覇を逃しながらも、24時間後に復活勝利を飾ったエヴェネプールが、大粒の涙で喜びを表した。
「昨日は難しい日となり、昨夜はよく眠ることができなかった。ネガティブな考えにも思い悩まされたが、今日はベストを尽くすことだけを考えた。今日のコースを試走をしていたので登りは把握しており、ロマン(バルデ)も協力してくれた。区間2勝目は本当に嬉しいよ」と第3ステージに続く勝利に加え、山岳賞ジャージを獲得したエヴェネプールは喜んだ。
一方で、エヴェネプールたちから8分遅れで最終山岳に入ったプロトンはミケル・ランダ(スペイン)の総合ジャンプアップを目ラウバーレーン・ヴィクトリアスがコントロールする。しかし総合上位勢による目立ったアタックがないまま、総合8位のアレクサンドル・ウラソフ(ロシア、ボーラ・ハンスグローエ)を先頭に集団がひと塊のままフィニッシュ。そのためクスとユンボ・ヴィスマが、最終的なマイヨロホ獲得に向けてまた一歩前進した。
ブエルタ・ア・エスパーニャ2023第14ステージ結果
1位 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) | 4:13:38 |
2位 | ロマン・バルデ(フランス、DSM・フィルメニッヒ) | +1:12 |
3位 | レナルト・ファンイートヴェルト(ベルギー、ロット・デスティニー) | +6:33 |
4位 | ジョナタン・カストロビエホ(スペイン、イネオス・グレナディアーズ) | +6:35 |
5位 | マイケル・ストーラー(オーストラリア、グルパマFDJ) | +7:24 |
6位 | ダビ・デラクルス(スペイン、アスタナ・カザフスタン) | +8:21 |
7位 | アレクサンドル・ウラソフ(ロシア、ボーラ・ハンスグローエ) | +8:22 |
8位 | セップ・クス(アメリカ、ユンボ・ヴィスマ) | |
9位 | ワウト・プールス(オランダ、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
10位 | フアン・アユソ(スペイン、UAEチームエミレーツ) | |
12位 | ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ) | |
15位 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) |
マイヨロホ(個人総合成績)
1位 | セップ・クス(アメリカ、ユンボ・ヴィスマ) | 51:04:54 |
2位 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) | +1:37 |
3位 | ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ) | +1:44 |
4位 | フアン・アユソ(スペイン、UAEチームエミレーツ) | +2:37 |
5位 | エンリク・マス(スペイン、モビスター) | +3:06 |
6位 | マルク・ソレル(スペイン、UAEチームエミレーツ) | +3:10 |
7位 | ミケル・ランダ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス) | +4:12 |
8位 | アレクサンドル・ウラソフ(ロシア、ボーラ・ハンスグローエ) | +5:02 |
9位 | キアン・アイデブルックス(ベルギー、ボーラ・ハンスグローエ) | +5:30 |
10位 | ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ) | +8:39 |
マイヨプントス(ポイント賞)
1位 | カーデン・グローブス(オーストラリア、アルペシン・ドゥクーニンク) | 203pts |
2位 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) | 116pts |
3位 | マライン・ファンデンベルフ(オランダ、EFエデュケーション・イージーポスト) | 85pts |
マイヨモンターニャ(山岳賞)
1位 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) | 63pts |
2位 | マイケル・ストーラー(オーストラリア、グルパマFDJ) | 39pts |
3位 | ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ) | 36pts |
マイヨブランコ(ヤングライダー賞)
1位 | フアン・アユソ(スペイン、UAEチームエミレーツ) | 51:07:31 |
2位 | キアン・アイデブルックス(ベルギー、ボーラ・ハンスグローエ) | +2:53 |
3位 | ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ) | +6:02 |
チーム総合成績
1位 | ユンボ・ヴィスマ | 152:42:43 |
2位 | UAEチームエミレーツ | +10:27 |
3位 | ボーラ・ハンスグローエ | +20:20 |
text:Sotaro.Arakawa
photo:Unipublic, CorVos
photo:Unipublic, CorVos
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