2023/08/27(日) - 08:15
大粒の雨に加え、後半出走のチームは暗闇で視界が遮られた第78回ブエルタ・ア・エスパーニャ第1ステージ。バルセロナが舞台の14.8kmチームタイムトライアルでDSM・フィルメニッヒが勝利し、21歳のロレンツォ・ミレージ(イタリア)がマイヨロホを着用した。
8月26日(土)第1ステージ
バルセロナ〜バルセロナ 14.8km(チームTT)
第78回ブエルタ・ア・エスパーニャの開幕地は大会史上2度目となるカタルーニャ州バルセロナ。1992年のバルセロナオリンピックのために作られたビーチを出発地点に、全21ステージ/総距離3153.8kmの戦いがスタートした。
大会初日は2年連続となるチームタイムトライアルで争われ、バルセロナの中心街を巡るコースは14.8kmは平坦路。ムンジュイック公園に引かれたマジカ噴水前のフィニッシュラインまで22のコーナーをこなす、テクニカルなレイアウトとなった。
試走や選手たちのウォーミングアップ中は乾いていた路面は、1番目出走のカハルラル・セグロスRGAがスタート地点に並んだ頃には本降りの雨で濡れてしまう。現地時間の午後18時55分から4分間隔で各チームが飛び出し、2番目出走のDSM・フィルメニッヒが17分30秒の好タイムを叩き出した。
20歳のマックス・プールとオスカー・オンレー(共にイギリス)と若手を揃えるDSMは、U23のTT世界王者になったばかりのロレンツォ・ミレージ(イタリア)が先頭でフィニッシュラインを通過。その後スタートしたリドル・トレックが最初のコーナーでタイヤを滑らせ落車するなか、各チームが安全確保を最優先に続々とフィニッシュに飛び込んだ。
マイヨロホとの混同を避けるため、蛍光イエローにジャージの色を変えたアルケア・サムシックも落車に見舞われ、若手のサンティアゴ・ブイトラゴ(コロンビア)をエースに据えるバーレーン・ヴィクトリアスもDSMのタイムには10秒届かない。中間計測(9.6km地点)でDSMの3秒遅れで通過したEFエデュケーション・イージーポストも6秒及ばず、アルペシン・ドゥクーニンクや出場チームで唯一リムブレーキのバイクに乗ったジェイコ・アルウラーはコーナーでの落車によってタイムを失った。
そして出場選手の中で最年少20歳のレニー・マルティネス(フランス)ら若手中心のメンバーを揃えたグルパマFDJが6秒遅れの好走を見せるなか、この日の優勝候補であるイネオス・グレナディアーズがスタートを切る。しかしコース序盤の直角右コーナーでローレンス・デプルス(ベルギー)が落車。デプルスは再スタートしたものの、大会最初のリタイア者となった。
結果的にゲラント・トーマス(イギリス)とフィリッポ・ガンナ(イタリア)が中心となり牽引したイネオスは、トップから20秒遅れ(ステージ8位)で初日を終える。そして全体の19番目にユンボ・ヴィスマが登場した。
東京五輪TT金メダリストを表すゴールドヘルメットのプリモシュ・ログリッチ(スロベニア)ら強力なメンバーを擁したユンボ・ヴィスマだったが、エースの1人であるヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク)がパンク。また濡れた路面に加え、一気に陽が沈んだことによる暗さで視界が遮られ、32秒遅れと本来の力を発揮できずにレースを終えた。
トップから37秒遅れでUAEチームエミレーツがフィニッシュする頃には暗さが増すなか、モビスターが驚きのタイムを叩き出す。TTスペシャリストのネルソン・オリヴェイラ(ポルトガル)を除き、TTに長けた選手のいないモビスターは中間計測でDSMのタイムを7秒更新。前半出走よりも悪条件の中17分30秒のトップタイのタイムで駆け抜け、0.55秒の僅差で2位となった。
そして前回大会の総合優勝者かつ、現TT世界王者のレムコ・エヴェネプール(ベルギー)を擁するスーダル・クイックステップがスタートを切る。中間計測もDSMと同タイムで通過したが、完全な暗闇と化した後半のペースが伸びず、6秒遅れの4位でフィニッシュ。直後にエヴェネプールが「何も見えなかった!僕らが声を上げなければ、彼らは何も変えない」とレース主催者への不満を口にするシーンもありながら、全22チームのレースが終わった。
この結果、大会初日はDSM・フィルメニッヒが勝利。またマイヨロホは先頭でフィニッシュした21歳のミレージが袖を通した。「信じられないほど素晴らしい気持ち。チーム全員で掴んだ勝利は嬉しく、とても感動的だった。これは多少のリスクを覚悟した走りと、計画通りのペーシングができた結果だ。勝利を掴んだチームの一員として走ることができ、またマイヨロホを着用できて本当に嬉しいよ」とミレージは喜んだ。
マイヨロホ候補の中ではエヴェネプールが6秒遅れに終わった一方で、ユンボのダブルエースであるヴィンゲゴーとログリッチは32秒遅れと理想からは程遠い結果となった。
8月26日(土)第1ステージ
バルセロナ〜バルセロナ 14.8km(チームTT)
第78回ブエルタ・ア・エスパーニャの開幕地は大会史上2度目となるカタルーニャ州バルセロナ。1992年のバルセロナオリンピックのために作られたビーチを出発地点に、全21ステージ/総距離3153.8kmの戦いがスタートした。
大会初日は2年連続となるチームタイムトライアルで争われ、バルセロナの中心街を巡るコースは14.8kmは平坦路。ムンジュイック公園に引かれたマジカ噴水前のフィニッシュラインまで22のコーナーをこなす、テクニカルなレイアウトとなった。
試走や選手たちのウォーミングアップ中は乾いていた路面は、1番目出走のカハルラル・セグロスRGAがスタート地点に並んだ頃には本降りの雨で濡れてしまう。現地時間の午後18時55分から4分間隔で各チームが飛び出し、2番目出走のDSM・フィルメニッヒが17分30秒の好タイムを叩き出した。
20歳のマックス・プールとオスカー・オンレー(共にイギリス)と若手を揃えるDSMは、U23のTT世界王者になったばかりのロレンツォ・ミレージ(イタリア)が先頭でフィニッシュラインを通過。その後スタートしたリドル・トレックが最初のコーナーでタイヤを滑らせ落車するなか、各チームが安全確保を最優先に続々とフィニッシュに飛び込んだ。
マイヨロホとの混同を避けるため、蛍光イエローにジャージの色を変えたアルケア・サムシックも落車に見舞われ、若手のサンティアゴ・ブイトラゴ(コロンビア)をエースに据えるバーレーン・ヴィクトリアスもDSMのタイムには10秒届かない。中間計測(9.6km地点)でDSMの3秒遅れで通過したEFエデュケーション・イージーポストも6秒及ばず、アルペシン・ドゥクーニンクや出場チームで唯一リムブレーキのバイクに乗ったジェイコ・アルウラーはコーナーでの落車によってタイムを失った。
そして出場選手の中で最年少20歳のレニー・マルティネス(フランス)ら若手中心のメンバーを揃えたグルパマFDJが6秒遅れの好走を見せるなか、この日の優勝候補であるイネオス・グレナディアーズがスタートを切る。しかしコース序盤の直角右コーナーでローレンス・デプルス(ベルギー)が落車。デプルスは再スタートしたものの、大会最初のリタイア者となった。
結果的にゲラント・トーマス(イギリス)とフィリッポ・ガンナ(イタリア)が中心となり牽引したイネオスは、トップから20秒遅れ(ステージ8位)で初日を終える。そして全体の19番目にユンボ・ヴィスマが登場した。
東京五輪TT金メダリストを表すゴールドヘルメットのプリモシュ・ログリッチ(スロベニア)ら強力なメンバーを擁したユンボ・ヴィスマだったが、エースの1人であるヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク)がパンク。また濡れた路面に加え、一気に陽が沈んだことによる暗さで視界が遮られ、32秒遅れと本来の力を発揮できずにレースを終えた。
トップから37秒遅れでUAEチームエミレーツがフィニッシュする頃には暗さが増すなか、モビスターが驚きのタイムを叩き出す。TTスペシャリストのネルソン・オリヴェイラ(ポルトガル)を除き、TTに長けた選手のいないモビスターは中間計測でDSMのタイムを7秒更新。前半出走よりも悪条件の中17分30秒のトップタイのタイムで駆け抜け、0.55秒の僅差で2位となった。
そして前回大会の総合優勝者かつ、現TT世界王者のレムコ・エヴェネプール(ベルギー)を擁するスーダル・クイックステップがスタートを切る。中間計測もDSMと同タイムで通過したが、完全な暗闇と化した後半のペースが伸びず、6秒遅れの4位でフィニッシュ。直後にエヴェネプールが「何も見えなかった!僕らが声を上げなければ、彼らは何も変えない」とレース主催者への不満を口にするシーンもありながら、全22チームのレースが終わった。
この結果、大会初日はDSM・フィルメニッヒが勝利。またマイヨロホは先頭でフィニッシュした21歳のミレージが袖を通した。「信じられないほど素晴らしい気持ち。チーム全員で掴んだ勝利は嬉しく、とても感動的だった。これは多少のリスクを覚悟した走りと、計画通りのペーシングができた結果だ。勝利を掴んだチームの一員として走ることができ、またマイヨロホを着用できて本当に嬉しいよ」とミレージは喜んだ。
マイヨロホ候補の中ではエヴェネプールが6秒遅れに終わった一方で、ユンボのダブルエースであるヴィンゲゴーとログリッチは32秒遅れと理想からは程遠い結果となった。
ブエルタ・ア・エスパーニャ2023第1ステージ結果
1位 | DSM・フィルメニッヒ | 17:30 |
2位 | モビスター | |
3位 | EFエデュケーション・イージーポスト | +0:06 |
4位 | スーダル・クイックステップ | |
5位 | グルパマFDJ | |
6位 | バーレーン・ヴィクトリアス | +0:10 |
7位 | アスタナ・カザフスタン | +0:17 |
8位 | イネオス・グレナディアーズ | +0:20 |
9位 | コフィディス | +0:22 |
10位 | ボーラ・ハンスグローエ | +0:28 |
11位 | ユンボ・ヴィスマ | +0:32 |
14位 | UAEチームエミレーツ | +0:37 |
マイヨロホ(個人総合成績)
1位 | ロレンツォ・ミレージ(イタリア、DSM・フィルメニッヒ) | 17:30 |
2位 | マックス・プール(イギリス、DSM・フィルメニッヒ) | |
3位 | ロマン・バルデ(フランス、DSM・フィルメニッヒ) | |
4位 | ショーン・フリン(イギリス、DSM・フィルメニッヒ) | |
5位 | オスカー・オンレー(イギリス、DSM・フィルメニッヒ) | |
6位 | クリス・ハミルトン(オーストラリア、DSM・フィルメニッヒ) | |
7位 | エンリク・マス(スペイン、モビスター) | |
8位 | エイネルアウグスト・ルビオ(コロンビア、モビスター) | |
9位 | ネルソン・オリヴェイラ(ポルトガル、モビスター) | |
10位 | イバン・ガルシア(スペイン、モビスター) | |
18位 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) | +0:06 |
65位 | ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ) | +0:32 |
66位 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) |
マイヨブランコ(ヤングライダー賞)
1位 | ロレンツォ・ミレージ(イタリア、DSM・フィルメニッヒ) | 17:30 |
2位 | マックス・プール(イギリス、DSM・フィルメニッヒ) | |
3位 | ショーン・フリン(イギリス、DSM・フィルメニッヒ) |
チーム総合成績
1位 | DSM・フィルメニッヒ | 17:30 |
2位 | モビスター | |
3位 | EFエデュケーション・イージーポスト | +0:06 |
text:Sotaro.Arakawa
photo:Unipublic, CorVos
photo:Unipublic, CorVos
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