令和5年度全国高等学校総合体育大会(通称・インターハイ)の自転車競技が、北海道函館市で開幕した。初日は男女のロードレースが行われ、男子は島崎将男(帯広南商業)、女子は水谷彩奈(松山学院)が優勝した。



函館山が見える丘をダウンヒルしていく集団 photo:Satoru Kato

今年のインターハイは北海道での開催。自転車競技は、8月6日から9日までの4日間に渡り、函館市内で開催される。

初日はロードレース。函館駅から北におよそ10kmの場所にある「道南四季の杜公園」をスタート・フィニッシュとする1周8.kmの公道コースでのレースが行われた。函館山が見える丘陵地に設定されたコースは、長い下りと登りの組み合わせ。「激坂」こそ無いものの、長い登りは周回を重ねるごとに自然と人数を絞っていく。

「弱虫ペダル」のインターハイ応援パネル photo:Satoru Kato

全国的に暑い日が続いているが、北海道も例外でなく、地元の人が「今年は異常」と言うほど。この日も朝から晴れて30℃に迫る暑さと高湿度の中でのレースとなった。



女子

女子 1周目から水谷彩奈(松山学院)が先頭でペースを上げる photo:Satoru Kato

女子 2周目から先行した水谷彩奈(松山学院)と岡本美咲(北桑田) photo:Satoru Kato

女子のレースは6周48.6km。1周目から水谷彩奈(松山学院)がペースを上げ、集団を長く引き伸ばしていく。2周目に入ると、水谷と岡本美咲(北桑田)の2名が先行。後続との差を1分、2分と広げながら周回を重ねていく。

女子 水谷彩奈(松山学院)が単独先行で最終周回へ photo:Satoru Kato

女子 約10秒差で追う岡本美咲(北桑田) photo:Satoru Kato

残り2周となる5周目、水谷がアタックして先行。岡本に10秒ほどの差をつけて最終周回に入っていく。しかし岡本はその後徐々に差を詰め、残り2kmを切ったところで水谷に追いつく。勝負は2人のスプリントに持ち込まれ、水谷が先着して優勝した。

女子 水谷彩奈(松山学院)が優勝 photo:Satoru Kato

水谷彩奈コメント
「コーナーの立ち上がりで踏んだら後ろが離れて、2人になったのでこのまま行こうと決めた。後悔しない走りをしたかったので、自分から仕掛けて先行した。このまま行けると思っていたけれど、残り1.5kmあたりで追いつかれてしまった。それでも冷静に判断してスプリントで勝つことが出来た。勝つことはあまり意識せず、後悔しない走りが出来たら良いと思って臨んだ。その結果優勝出来たので、自信になった。明日からトラック種目が続くが、気を緩めずに優勝を目指したい」

女子ロードレース 表彰式 photo:Satoru Kato



男子

男子 グループに分けてウェーブスタート photo:Satoru Kato

男子 レース中盤で既に半数ほどまで絞られた photo:Satoru Kato

男子のレースは11周89.1kmで予定されていたが、1周減の10周81kmで行われた。

1周目からアタックが繰り返される中、3周目に数名が飛び出したのをきっかけに、4周目までに7名の先頭集団が形成される。メンバーは、長島慧明(北桑田)、望月蓮(山梨吉田)、島崎将男(帯広南商業)、松井颯良、岩村元嗣(以上、初芝立命館)、桑原悠(広島城北)、風間大和(淑徳巣鴨)。

男子 レース中盤に形成された7名の先頭集団 photo:Satoru Kato

男子 レース中盤、追走集団を引く佐藤后嶺(石狩南) photo:Satoru Kato

その後、風間と桑原が遅れて木下寿杜頼(松山学院)が合流し、先頭集団は6名となる。6周目に1分以上まで差が開いたメイン集団からは、ジュニアの全日本チャンピオン佐藤后嶺(石狩南)らが追走集団を形成するものの、先頭集団に届かないまま崩壊。終盤には3分差まで開き、勝負は先頭集団の6名に絞られた。

最終周回残り2km付近で島崎がアタック。岩村が続くも届かず、島崎が地元開催のインターハイで優勝を決めた。

男子 島崎将男(帯広南商業)が後続を引き離してフィニッシュへ photo:Satoru Kato

男子 島崎将男(帯広南商業)が優勝 photo:Satoru Kato

島崎将男コメント
「6名の集団になって、割と速いペースだったのでこのまま行けると思っていた。後ろの集団との差が開いていって、3分まで開いたのでもう追いつかないだろうと思い、先頭集団内で長島君と岩村君をマークしつつ、最後は厳しい展開にしようと考えていた。残り2kmあたりでアタックしたけれど、勝ったと思ったのはホームストレートに入ってから。地元の北海道開催と決まってから狙っていたので本当に嬉しい。今後は世界で活躍出来るようになりたい。まずは9月のネイションズカップで良い結果を残したい」

男子ロードレース 表彰式 photo:Satoru Kato
男子・学校順位 初芝立命館高校が首位 photo:Satoru Kato


インターハイ・ロードレース 結果
男子(18km)
1位 島崎将男(帯広南商業) 2時間8分28秒
2位 岩村元嗣(初芝立命館) 2時間8分29秒
3位 長島慧明(北桑田) 2時間8分37秒
4位 望月 蓮(山梨吉田) 2時間8分43秒
5位 木下寿杜頼(松山学院) 2時間9分37秒
6位 松井颯良(初芝立命館) 2時間9分37秒
7位 佐藤后嶺(石狩南) 2時間12分18秒
8位 木綿崚介(松山学院) 2時間12分18秒
学校順位
1位 初芝立命館高校 30点
2位 松山学院高校 26点
3位 北海道帯広南商業高校 21点
4位 京都府立北桑田高校 17点
5位 山梨県立吉田高校 14点
6位 北海道石狩南高校 11点
女子(48.6km)
1位 水谷彩奈(松山学院) 1時間29分48秒
2位 岡本美咲(北桑田) 1時間29分49秒
3位 今西紗楽(榛生昇陽・宇陀) 1時間32分47秒
4位 江崎結衣(松山学院) 1時間32分48秒
5位 森下綾乃(津) 1時間33分5秒
6位 北中成実(倉吉西) 1時間33分58秒
7位 白井愛美(広島市工) 1時間34分58秒

text&photo:Satoru Kato

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