2023/07/23(日) - 16:47
由緒あるフレンチブランド、タイムのヒルクライムモデルであるAlpe d’Huezをインプレッション。グラベルバイクであるADHXにも採用された超高分子素材のバイオベースダイニーマを投入し、更なる性能向上を果たした最新世代の実力に迫る。
同郷のルックと並び、カーボンロードバイクの先駆けとして知られるタイム。レーシングバイクブランドとして、鍛え抜かれたコンペティションバイクのみがラインアップされる中で、登りにフォーカスを当てた一台がALPE D'HUEZ(アルプデュエズ)だ。
ツール・ド・フランスの勝負所として度々登場する峠をモデル名に採用するところからもわかるように、ブランド史上最軽量のフレーム重量890gを実現。比類なき登坂性能をもった一台として開発された。
タイム自慢のRTM工法はALPE D'HUEZでも健在。改めてRTM工法を説明しておくと、一般的なモノコックフレームでは予め樹脂を含侵させたプリプレグと呼ばれるカーボンシートを貼り重ねていくのに対し、RTM工法ではカーボン繊維を編み上げることで筒状に成形、そこに樹脂を用いて成形していくという違いがある。
ALPE D'HUEZの開発にあたり、タイムは従来のRTM工法よりも高圧で成形できるプロセスを開発したという。この新工法により素材の使用量を減らすことに成功し、さらに高弾性カーボンの使用割合を高めつつ、化粧カーボンを廃止することで重量を削っている。
鳴り物入りで登場したALPE D'HUEZだが、23年モデルにてアップデートを施されることとなった。特筆すべき点は、使用する素材の変更とケーブルフル内装システムの導入だ。
新しいALPE D'HUEZには、DSM社が開発した超高分子素材"ダイニーマ"が投入されている。同重量のスチールと比較して15倍の強度を持ちながら水に浮くほどの低比重のダイニーマ繊維は、海洋係留鋼線ロープの置換や対切創手袋の素材として用いられるなど、様々な分野で活用されている。自転車用品においても、軽く伸びの少ない繊維としてシューズのアッパーに採用されるなど注目を浴びていた。
タイムはそんなダイニーマ繊維を先んじてグラベルモデルであるADHXに採用し、その性能を実証していた。そして、グラベルバイクだけでなく、ロードモデルにもその有効性を確信し、満を持してALPE D'HUEZにも編み込まれることになった。
高熱に弱いダイニーマは、高温で焼成する一般的なモノコックフレームとは相性が悪かったが、低温で成形するRTM工法にはピッタリの素材。これまでベクトランなどの高分子素材を採用してきたタイムは、その技術を最大限に活用し、ブレイデッドカーボン(編みカーボン)構造の中にダイニーマを編み込むことで、強度を飛躍的に向上させることに成功した。
23年モデルではケーブルフル内装仕様へと進化。クリーンなルックスのみならず、空力性能にも寄与するケーブルフル内装は、現代のレーシングバイクとしては必須のスペックと言えるだろう。従来設けられていたケーブル開口部も埋められ、内装が前提のデザインへとされている。
また、フレーム全体の設計としては前世代のALPE D'HUEZ 21のデザインを踏襲。シンプルな丸形シートポストや信頼性の高いシートクランプ、モノステーの採用など、堅実な造りでレーシングバイクとしてのオーラを強めた。
新型Alpe d’Huezは鮮やかなクロームカラーのピンククローム、ブルークローム、レッドクロームの3色に加え、カーボンの質を活かしたグロスカーボン、そしてチームレッドを合わせた全5カラーでの展開。今回のテストバイクはDURA-ACEで組み上げた一台だ。それではインプレッションに移ろう。
ーインプレッション
「スプリント、コーナー全てでライダーを助けてくれるレーサー」磯部聡(シクロワイアード編集部)
全てにおいて後一歩助けてくれるバイク。フラッグシップ級レーシングバイクの中には体力が無くなってパワーが出せなくなった時に「弱気になりましたよね、ここで終了です」と言うような物もありますが、ALPE D'HUEZはそんな時にも「もうちょっと頑張ろうよ、一押ししてあげるからさ」と言ってくれるような感覚がありました。
それはスプリントしている時とコーナリング時に特に感じました。スプリント時の様子は、ハイパワーでペダリングした時にフレームが力を一瞬蓄えて、その直後にスピードがグワっと伸びるような特性があります。全力を出しているけど、あと数メートルだけ頑張りたいというシチュエーションで、綺麗なペダリングをしていなくてもフレームがそれを許容してくれます。そのおかげで次のペダリングに繋がるので、バイクのスピードが維持されたまま最後までもがききれるような印象です。
コーナリングでも、そこそこのスピードでコーナーに進入した時に自分がイメージしているよりもバイクを倒すことができて、その時に怖さがありません。ハンドリングとしては切り込む性格がありますが、バイクをフルバンクさせた状態でもバイクがライダーを下から支えているようです。これが試乗した時の第一印象でした。
ALPE D'HUEZは先代もテストしていて、その時の印象と比較すると剛性はしっかりと向上しています。チューブが若干太くなっていることやチューブ自体が少し肉厚になりフレームの密度が高い感覚があり、先代よりも高いパワーであったり、スピード域であったり、少しレベルが高いところで良さが発揮されるフレームに変わっているような印象です。
ただタイムらしい走行フィールは残されていて、歴代のタイムに乗ってきた方であればすんなりと馴染めると思います。そうでなくてもダンシングでスルスルと坂道を登っていく気持ち良さは誰もが感じられるはずです。ダンシングの時のバイクの挙動もモデルごとに大きくキャラクターがあって、バイクに人が合わせる物と、人にバイクが合わせるものの2タイプに分けると、ALPE D'HUEZは後者でした。
試乗車のサイズが適正よりワンサイズ大きめで、普通であればバイクの挙動が大ぶりに感じることが多いのですが、それでも試乗した感覚ではライダーのコントロール下に置くことができていました。ライダーありきの特性は秀でているものがあったので、安心して乗っていいと思っています。
ペダリングを乱した時に応えてくれないレーシングバイクもある中で、最後までライダーを支えてくれる良いバイクと言ってもいいでしょう。現代のレーシングバイクはエアロが強化されているので、エアロ面では見劣りする部分があると思うけど、ALPE D'HUEZの良さは違うところにあります。
それは走行性能もそうですが、織りカーボンが露出している部分や造形そのものなどユーザー側がタイムに求めている"らしさ"にあると思います。現代のレーシングバイクとは違うポジションにいるバイクですが、こういうバイクがあることは意識した方がいいと思います。最初から選択肢に入れないのは勿体なさすぎる。マトリックスパワータグの選手がこれに乗ってレースに出場しているのは羨ましいです。
「何でもできるハイエンドオールラウンダー」高木三千成(シクロワイアード編集部)
何でもできる、素直な高性能バイクですね。今回のテストバイクにはヴィジョンのディープリムが装着されていたので、平坦での進み方が尋常ではなかったですけど(笑)、ホイールの性格を差し引いて判断すれば、登りはもちろん平坦でも苦手な部分が無いオールラウンダーといった印象です。
剛性感も必要にして十分。パリッと乾いた感触ながらちょうどいいレベルの硬さで、足にダメージが来るような嫌な感覚は全然ありません。力を掛けると、自然にペダルがストンと落ちて行ってくれるような感覚で、流石はレーシングブランドとして経験豊富なタイムだけある、秀逸な味付けだと思いますね。
ある意味でリムブレーキのレーシングバイクにも通ずる感覚があって、登りでの軽やかさは非常に印象的でした。タイム自身がクライミングバイクだと位置づけていますが、実際ヒルクライムにはもってこいのバイクだと感じましたね。
踏み込みへの反応が鋭くて、レースでも使いたくなりますね。軽めのギアでも、重めのギアでも、出力の変化に対してリニアに反応してくれるので、スピードの上げ下げの多いロードレース、特に起伏の変化が激しいコースでも心強い味方になってくれるでしょう。
ハンドリングもニュートラルです。登った分下ることを考えれば、クライミングバイクには下りの安定感もしっかり求めたいところですが、このバイクは非常に安心して下れます。ホイールの慣性が強く出ていたので、この組み合わせだと少しアンダーが出てしまいますが、50mmハイト以下のオールラウンドなレーシングホイールであれば、意のままに操れるでしょうね。
レーシングバイク然とした乾いた踏み味に対して、乗り心地がとても良いのもタイムらしい所です。このレベルの反応性のバイクとは思えないほど快適で、路面からの突き上げも非常に高いレベルで収めてくれるので長距離ライドもかなり楽に過ごせるでしょう。
新型になってケーブル内装コックピットになりましたが、専用モデルという訳でもなく、トラディショナルな別体式が使えるという点もベテランには響くのではないでしょうか。長く乗っていると、ハンドルの形状も「これじゃないと!」という人も多いでしょうから。
総じてレーシングバイクとして高いレベルにまとめられているバイクで、組み合わせるホイールによって色んなコースに対応できる高いポテンシャルを秘めている一台です。
タイム ALPE D’HUEZ
カラー:グロスカーボン(V21)、レッドクローム(V22)、ピンククローム(V23)、ブルークローム(V24)、チームレッド(V26)
フレーム素材:BCS(編込み)カーボン繊維 — ダイニーマ強化
サイズ:XS, S, M, L, XL
ホイールサイズ:700c, ETRTO 38–622
最大タイヤ幅:28c (タイヤによっては当てはまらない場合があります。クリアランスを確認してください)
BB:PF BB386 EVO
付属品
・DEDA S DCR Headset for Semi & Fully-Integrated Cockpits
・TIME Derailleur Mount Cover (for 1X Drivetrains)
・Front and Rear Thru Axles
・Integrated Seatpost Clamp
・Alloy Bottle Bolts
価格:594,000円(税込)グロスカーボン、チームレッド
616,000円(税込)レッドクローム、ピンククローム、ブルークローム
インプレッションライダーのプロフィール
磯部聡(シクロワイアード編集部)
CWスタッフ歴12年、参加した海外ブランド発表会は20回超を数えるテック担当。ロードの、あるいはグラベルのダウンヒルを如何に速く、そしてスマートにこなすかを探求してやまない。ADHXのベースとなったAlpe d’Huezは国際発表会を通して知見を深めた。無類のルートビア好き。
高木三千成(シクロワイアード編集部)
学連で活躍したのち、那須ブラーゼンに加入しJプロツアーに参戦。東京ヴェントスを経て、さいたまディレーブでJCLに参戦し、チームを牽引。シクロクロスではC1を走り、2021年の全日本選手権では10位を獲得した。
text:Naoki Yasuoka
photo:Kenta Onoguchi
同郷のルックと並び、カーボンロードバイクの先駆けとして知られるタイム。レーシングバイクブランドとして、鍛え抜かれたコンペティションバイクのみがラインアップされる中で、登りにフォーカスを当てた一台がALPE D'HUEZ(アルプデュエズ)だ。
ツール・ド・フランスの勝負所として度々登場する峠をモデル名に採用するところからもわかるように、ブランド史上最軽量のフレーム重量890gを実現。比類なき登坂性能をもった一台として開発された。
タイム自慢のRTM工法はALPE D'HUEZでも健在。改めてRTM工法を説明しておくと、一般的なモノコックフレームでは予め樹脂を含侵させたプリプレグと呼ばれるカーボンシートを貼り重ねていくのに対し、RTM工法ではカーボン繊維を編み上げることで筒状に成形、そこに樹脂を用いて成形していくという違いがある。
ALPE D'HUEZの開発にあたり、タイムは従来のRTM工法よりも高圧で成形できるプロセスを開発したという。この新工法により素材の使用量を減らすことに成功し、さらに高弾性カーボンの使用割合を高めつつ、化粧カーボンを廃止することで重量を削っている。
鳴り物入りで登場したALPE D'HUEZだが、23年モデルにてアップデートを施されることとなった。特筆すべき点は、使用する素材の変更とケーブルフル内装システムの導入だ。
新しいALPE D'HUEZには、DSM社が開発した超高分子素材"ダイニーマ"が投入されている。同重量のスチールと比較して15倍の強度を持ちながら水に浮くほどの低比重のダイニーマ繊維は、海洋係留鋼線ロープの置換や対切創手袋の素材として用いられるなど、様々な分野で活用されている。自転車用品においても、軽く伸びの少ない繊維としてシューズのアッパーに採用されるなど注目を浴びていた。
タイムはそんなダイニーマ繊維を先んじてグラベルモデルであるADHXに採用し、その性能を実証していた。そして、グラベルバイクだけでなく、ロードモデルにもその有効性を確信し、満を持してALPE D'HUEZにも編み込まれることになった。
高熱に弱いダイニーマは、高温で焼成する一般的なモノコックフレームとは相性が悪かったが、低温で成形するRTM工法にはピッタリの素材。これまでベクトランなどの高分子素材を採用してきたタイムは、その技術を最大限に活用し、ブレイデッドカーボン(編みカーボン)構造の中にダイニーマを編み込むことで、強度を飛躍的に向上させることに成功した。
23年モデルではケーブルフル内装仕様へと進化。クリーンなルックスのみならず、空力性能にも寄与するケーブルフル内装は、現代のレーシングバイクとしては必須のスペックと言えるだろう。従来設けられていたケーブル開口部も埋められ、内装が前提のデザインへとされている。
また、フレーム全体の設計としては前世代のALPE D'HUEZ 21のデザインを踏襲。シンプルな丸形シートポストや信頼性の高いシートクランプ、モノステーの採用など、堅実な造りでレーシングバイクとしてのオーラを強めた。
新型Alpe d’Huezは鮮やかなクロームカラーのピンククローム、ブルークローム、レッドクロームの3色に加え、カーボンの質を活かしたグロスカーボン、そしてチームレッドを合わせた全5カラーでの展開。今回のテストバイクはDURA-ACEで組み上げた一台だ。それではインプレッションに移ろう。
ーインプレッション
「スプリント、コーナー全てでライダーを助けてくれるレーサー」磯部聡(シクロワイアード編集部)
全てにおいて後一歩助けてくれるバイク。フラッグシップ級レーシングバイクの中には体力が無くなってパワーが出せなくなった時に「弱気になりましたよね、ここで終了です」と言うような物もありますが、ALPE D'HUEZはそんな時にも「もうちょっと頑張ろうよ、一押ししてあげるからさ」と言ってくれるような感覚がありました。
それはスプリントしている時とコーナリング時に特に感じました。スプリント時の様子は、ハイパワーでペダリングした時にフレームが力を一瞬蓄えて、その直後にスピードがグワっと伸びるような特性があります。全力を出しているけど、あと数メートルだけ頑張りたいというシチュエーションで、綺麗なペダリングをしていなくてもフレームがそれを許容してくれます。そのおかげで次のペダリングに繋がるので、バイクのスピードが維持されたまま最後までもがききれるような印象です。
コーナリングでも、そこそこのスピードでコーナーに進入した時に自分がイメージしているよりもバイクを倒すことができて、その時に怖さがありません。ハンドリングとしては切り込む性格がありますが、バイクをフルバンクさせた状態でもバイクがライダーを下から支えているようです。これが試乗した時の第一印象でした。
ALPE D'HUEZは先代もテストしていて、その時の印象と比較すると剛性はしっかりと向上しています。チューブが若干太くなっていることやチューブ自体が少し肉厚になりフレームの密度が高い感覚があり、先代よりも高いパワーであったり、スピード域であったり、少しレベルが高いところで良さが発揮されるフレームに変わっているような印象です。
ただタイムらしい走行フィールは残されていて、歴代のタイムに乗ってきた方であればすんなりと馴染めると思います。そうでなくてもダンシングでスルスルと坂道を登っていく気持ち良さは誰もが感じられるはずです。ダンシングの時のバイクの挙動もモデルごとに大きくキャラクターがあって、バイクに人が合わせる物と、人にバイクが合わせるものの2タイプに分けると、ALPE D'HUEZは後者でした。
試乗車のサイズが適正よりワンサイズ大きめで、普通であればバイクの挙動が大ぶりに感じることが多いのですが、それでも試乗した感覚ではライダーのコントロール下に置くことができていました。ライダーありきの特性は秀でているものがあったので、安心して乗っていいと思っています。
ペダリングを乱した時に応えてくれないレーシングバイクもある中で、最後までライダーを支えてくれる良いバイクと言ってもいいでしょう。現代のレーシングバイクはエアロが強化されているので、エアロ面では見劣りする部分があると思うけど、ALPE D'HUEZの良さは違うところにあります。
それは走行性能もそうですが、織りカーボンが露出している部分や造形そのものなどユーザー側がタイムに求めている"らしさ"にあると思います。現代のレーシングバイクとは違うポジションにいるバイクですが、こういうバイクがあることは意識した方がいいと思います。最初から選択肢に入れないのは勿体なさすぎる。マトリックスパワータグの選手がこれに乗ってレースに出場しているのは羨ましいです。
「何でもできるハイエンドオールラウンダー」高木三千成(シクロワイアード編集部)
何でもできる、素直な高性能バイクですね。今回のテストバイクにはヴィジョンのディープリムが装着されていたので、平坦での進み方が尋常ではなかったですけど(笑)、ホイールの性格を差し引いて判断すれば、登りはもちろん平坦でも苦手な部分が無いオールラウンダーといった印象です。
剛性感も必要にして十分。パリッと乾いた感触ながらちょうどいいレベルの硬さで、足にダメージが来るような嫌な感覚は全然ありません。力を掛けると、自然にペダルがストンと落ちて行ってくれるような感覚で、流石はレーシングブランドとして経験豊富なタイムだけある、秀逸な味付けだと思いますね。
ある意味でリムブレーキのレーシングバイクにも通ずる感覚があって、登りでの軽やかさは非常に印象的でした。タイム自身がクライミングバイクだと位置づけていますが、実際ヒルクライムにはもってこいのバイクだと感じましたね。
踏み込みへの反応が鋭くて、レースでも使いたくなりますね。軽めのギアでも、重めのギアでも、出力の変化に対してリニアに反応してくれるので、スピードの上げ下げの多いロードレース、特に起伏の変化が激しいコースでも心強い味方になってくれるでしょう。
ハンドリングもニュートラルです。登った分下ることを考えれば、クライミングバイクには下りの安定感もしっかり求めたいところですが、このバイクは非常に安心して下れます。ホイールの慣性が強く出ていたので、この組み合わせだと少しアンダーが出てしまいますが、50mmハイト以下のオールラウンドなレーシングホイールであれば、意のままに操れるでしょうね。
レーシングバイク然とした乾いた踏み味に対して、乗り心地がとても良いのもタイムらしい所です。このレベルの反応性のバイクとは思えないほど快適で、路面からの突き上げも非常に高いレベルで収めてくれるので長距離ライドもかなり楽に過ごせるでしょう。
新型になってケーブル内装コックピットになりましたが、専用モデルという訳でもなく、トラディショナルな別体式が使えるという点もベテランには響くのではないでしょうか。長く乗っていると、ハンドルの形状も「これじゃないと!」という人も多いでしょうから。
総じてレーシングバイクとして高いレベルにまとめられているバイクで、組み合わせるホイールによって色んなコースに対応できる高いポテンシャルを秘めている一台です。
タイム ALPE D’HUEZ
カラー:グロスカーボン(V21)、レッドクローム(V22)、ピンククローム(V23)、ブルークローム(V24)、チームレッド(V26)
フレーム素材:BCS(編込み)カーボン繊維 — ダイニーマ強化
サイズ:XS, S, M, L, XL
ホイールサイズ:700c, ETRTO 38–622
最大タイヤ幅:28c (タイヤによっては当てはまらない場合があります。クリアランスを確認してください)
BB:PF BB386 EVO
付属品
・DEDA S DCR Headset for Semi & Fully-Integrated Cockpits
・TIME Derailleur Mount Cover (for 1X Drivetrains)
・Front and Rear Thru Axles
・Integrated Seatpost Clamp
・Alloy Bottle Bolts
価格:594,000円(税込)グロスカーボン、チームレッド
616,000円(税込)レッドクローム、ピンククローム、ブルークローム
インプレッションライダーのプロフィール
磯部聡(シクロワイアード編集部)
CWスタッフ歴12年、参加した海外ブランド発表会は20回超を数えるテック担当。ロードの、あるいはグラベルのダウンヒルを如何に速く、そしてスマートにこなすかを探求してやまない。ADHXのベースとなったAlpe d’Huezは国際発表会を通して知見を深めた。無類のルートビア好き。
高木三千成(シクロワイアード編集部)
学連で活躍したのち、那須ブラーゼンに加入しJプロツアーに参戦。東京ヴェントスを経て、さいたまディレーブでJCLに参戦し、チームを牽引。シクロクロスではC1を走り、2021年の全日本選手権では10位を獲得した。
text:Naoki Yasuoka
photo:Kenta Onoguchi
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