2010/07/21(水) - 17:48
トゥールマレー峠を越える難関山岳コースで行なわれたツール・ド・フランス第16ステージ。逃げに乗ったランス・アームストロング(アメリカ、レディオシャック)や2年連続ステージ優勝を飾ったピエリック・フェドリゴ(フランス、Bboxブイグテレコム)らのコメント。
ピエリック・フェドリゴ(フランス、Bboxブイグテレコム)
「これまでの走りに落胆していた。もう勝てないんじゃないかと不安になっていた。ツールはここまでハイスピードに展開して、自分の居場所を見つけることが出来なかったんだ。昨夜も落ち込んで、途方に暮れていた。でも自信を取り戻すためにはその落ち込みが大事だったのかも知れない」
「今日はまずシャルトーのマイヨアポワを守るため、出来る限り多くの山岳ポイントを獲得しようと逃げに乗った。走っているうちに、昨年ペッリツォッティと一緒に逃げたアスパン峠とトゥールマレー峠のステージがフラッシュバックしたよ。終盤になると、僕が逃げグループの中で最速であると判断したアームストロングが協力しないことを告げてきた」
ランス・アームストロング(アメリカ、レディオシャック)
「タフな一日だった。最後はもう力が残っていなかったんだ。今日はスタート前にウォームアップしていたので、0km地点から動いた。200kmに渡ってレース先頭で走ったので、スプリントでは勝機が無いと思った。でもとにかく挑戦してみたんだ。今日は使い古された定番のコース。でも想像以上に厳しいコースだった。レースの進行とともに好調さを感じていたけど、中盤の山岳はタフだった。どの選手にとっても厳しい一日だったはずだ」
「スプリント勝負に絡むなんていつぶりだろうか。フェドリゴが最も速いことは分かっていたし、クネゴもいた。彼らの番手からスプリントしたが、ただ単に加速力が足りずに付いていけなかった。チームの今日の目標はステージ優勝とチーム総合成績首位のキープ。クリストファー・ホーナーは素晴らしい走りを見せてくれた。“ランス・アームストロング”の歴史はもうすぐ終わる。でも今日の逃げグループの中で最年長ではなかった」
カルロス・バレード(スペイン、クイックステップ)
「ただレース前方で走りたいと思って飛び出したんだ。でも風が強く、厳しい闘いが待っていた。終盤にかけて道幅があるコースが続いたので、単独逃げ向きではなかった。一人で逃げるならもっと細いコースが好ましかった。最初逃げグループが形成されたとき、どうすればタイム差を保てるのかグループの中で話し合った。まずランスがアタックして次は自分の番。人数が多すぎたので何度もアタックしたよ。徐々に人数が絞られていい展開に持ち込めた。今日はチャンスだったけど・・・残念ながら実を結ばなかった。それが人生だ」
トル・フースホフト(ノルウェー、サーヴェロ・テストチーム)
「最高の形でステージを終えることが出来たよ。今、人生の中で最高のコンディションなんだ。今日は挑戦しがいのあるステージだった。ライバルスプリンターたちが苦しんでいるときに、僕は中間スプリントポイントでポイントを稼ぐことが出来る。選手として変化してきているのかも知れない。スプリント力は落ちてしまったけど、その分、山岳をこなせるようになっている」
「今シーズンは鎖骨を折っていたのでスプリントの練習が出来ず、ずっと山岳でトレーニングしていた。その成果が出ている。マイヨヴェール争いは僕とペタッキの2人に絞られたと言っていいだろう。でも最初から言っているように、ツールでは何が起こるか分からない」
アルベルト・コンタドール(スペイン、アスタナ)
「現在の(アンディに関する)状況が好ましくなかったので、昨晩ムービーをアップした。今日のレース中、物事をハッキリさせたくてアンディと話したよ。アンディとはずっと良い関係を築いてきたので、昨日の一件でその関係を台無しにしたくなかった。互いに思うところを打ち明けたので、これからは以前よりも良い関係を築けると思う」
「今日のシナリオはおおよそ予想出来ていた。まず集団をコントロールするためにチームは一つにまとまって走行。最後の上りを越えると他のチームが協力すると思っていた。まさに今日のレースはその通りだったよ」
「アンディはタイムトライアルの秘訣について僕に聞いてもいいと思う。理論上、現在タイムトライアルでリードしているのは僕だ。でもその前に木曜日の厳しい山岳ステージが待っている。タイムトライアルで付くよりも大きなタイム差が付くだろう。タイムトライアルでどれだけのタイム差が付くのかは分からない。アンディも走りを改善しているはず。全ては2人にどれだけの力が残っているかに委ねられている」
アンディ・シュレク(ルクセンブルク、サクソバンク)
「レース序盤は慎重にマイヨジョーヌをマークした。アルベルト(コンタドール)にはチームメイトが豊富に揃っていたけど、僕の周りにいたのはヤコブ・フグルサングだけ。イェンス(フォイクト)もクラッシュしたし、チームにとってスーパーな一日とは言えなかった。イェンスが無事だと聞いて安心したよ。それが今日最大の朗報だ」
「今日のシナリオはこうだった。もしタイム差2〜3分の逃げグループが形成されているなら、オービスク峠でアタックする。でも実際にはタイム差が大きく、今日動く意味は無いと判断したんだ。相変わらずモチヴェーションは高いけど、“リベンジ”は頭に無い。ただこのツールで勝ちたい。それがゴールだ。そしてその唯一のチャンスがトゥールマレー峠であることを理解している」
「アルベルトの謝罪報道は見ていなかったけど、今日、彼は個人的に直接謝りにきてくれた。彼の気持ちは充分に伝わったよ。彼は自分自身が昨日ミスを犯したことを理解していた。彼はあそこでアタックすべきじゃないということを知っていた。もうそれで充分だ。もうこの話はこれで終了。これからの話をしよう。エンドレスな論議は誰の得にもならない」
イェンス・フォイクト(ドイツ、サクソバンク)
「最初の山岳(ペイルスルド峠)の下りで70km/hで走っているとき、突然フロントタイヤがバーストした。アスファルトに叩き付けられる前に、これはヤバいと思った。両膝、両手、肘、肩を打ち付け、左半身を激しく打ち付けた。肋骨も痛むけど、骨折の心配は無い。幸い“今回は”顔で着地せずに済み、生き延びることが出来た。回収車から乗車のオファーを受けたけど、このツール・ド・フランスを走り続けたかった。さあ明日は休息日。パリはもうそれほど離れていない」
選手コメントはレース公式サイト、ならびにチーム公式サイトより。
text:Kei Tsuji
ピエリック・フェドリゴ(フランス、Bboxブイグテレコム)
「これまでの走りに落胆していた。もう勝てないんじゃないかと不安になっていた。ツールはここまでハイスピードに展開して、自分の居場所を見つけることが出来なかったんだ。昨夜も落ち込んで、途方に暮れていた。でも自信を取り戻すためにはその落ち込みが大事だったのかも知れない」
「今日はまずシャルトーのマイヨアポワを守るため、出来る限り多くの山岳ポイントを獲得しようと逃げに乗った。走っているうちに、昨年ペッリツォッティと一緒に逃げたアスパン峠とトゥールマレー峠のステージがフラッシュバックしたよ。終盤になると、僕が逃げグループの中で最速であると判断したアームストロングが協力しないことを告げてきた」
ランス・アームストロング(アメリカ、レディオシャック)
「タフな一日だった。最後はもう力が残っていなかったんだ。今日はスタート前にウォームアップしていたので、0km地点から動いた。200kmに渡ってレース先頭で走ったので、スプリントでは勝機が無いと思った。でもとにかく挑戦してみたんだ。今日は使い古された定番のコース。でも想像以上に厳しいコースだった。レースの進行とともに好調さを感じていたけど、中盤の山岳はタフだった。どの選手にとっても厳しい一日だったはずだ」
「スプリント勝負に絡むなんていつぶりだろうか。フェドリゴが最も速いことは分かっていたし、クネゴもいた。彼らの番手からスプリントしたが、ただ単に加速力が足りずに付いていけなかった。チームの今日の目標はステージ優勝とチーム総合成績首位のキープ。クリストファー・ホーナーは素晴らしい走りを見せてくれた。“ランス・アームストロング”の歴史はもうすぐ終わる。でも今日の逃げグループの中で最年長ではなかった」
カルロス・バレード(スペイン、クイックステップ)
「ただレース前方で走りたいと思って飛び出したんだ。でも風が強く、厳しい闘いが待っていた。終盤にかけて道幅があるコースが続いたので、単独逃げ向きではなかった。一人で逃げるならもっと細いコースが好ましかった。最初逃げグループが形成されたとき、どうすればタイム差を保てるのかグループの中で話し合った。まずランスがアタックして次は自分の番。人数が多すぎたので何度もアタックしたよ。徐々に人数が絞られていい展開に持ち込めた。今日はチャンスだったけど・・・残念ながら実を結ばなかった。それが人生だ」
トル・フースホフト(ノルウェー、サーヴェロ・テストチーム)
「最高の形でステージを終えることが出来たよ。今、人生の中で最高のコンディションなんだ。今日は挑戦しがいのあるステージだった。ライバルスプリンターたちが苦しんでいるときに、僕は中間スプリントポイントでポイントを稼ぐことが出来る。選手として変化してきているのかも知れない。スプリント力は落ちてしまったけど、その分、山岳をこなせるようになっている」
「今シーズンは鎖骨を折っていたのでスプリントの練習が出来ず、ずっと山岳でトレーニングしていた。その成果が出ている。マイヨヴェール争いは僕とペタッキの2人に絞られたと言っていいだろう。でも最初から言っているように、ツールでは何が起こるか分からない」
アルベルト・コンタドール(スペイン、アスタナ)
「現在の(アンディに関する)状況が好ましくなかったので、昨晩ムービーをアップした。今日のレース中、物事をハッキリさせたくてアンディと話したよ。アンディとはずっと良い関係を築いてきたので、昨日の一件でその関係を台無しにしたくなかった。互いに思うところを打ち明けたので、これからは以前よりも良い関係を築けると思う」
「今日のシナリオはおおよそ予想出来ていた。まず集団をコントロールするためにチームは一つにまとまって走行。最後の上りを越えると他のチームが協力すると思っていた。まさに今日のレースはその通りだったよ」
「アンディはタイムトライアルの秘訣について僕に聞いてもいいと思う。理論上、現在タイムトライアルでリードしているのは僕だ。でもその前に木曜日の厳しい山岳ステージが待っている。タイムトライアルで付くよりも大きなタイム差が付くだろう。タイムトライアルでどれだけのタイム差が付くのかは分からない。アンディも走りを改善しているはず。全ては2人にどれだけの力が残っているかに委ねられている」
アンディ・シュレク(ルクセンブルク、サクソバンク)
「レース序盤は慎重にマイヨジョーヌをマークした。アルベルト(コンタドール)にはチームメイトが豊富に揃っていたけど、僕の周りにいたのはヤコブ・フグルサングだけ。イェンス(フォイクト)もクラッシュしたし、チームにとってスーパーな一日とは言えなかった。イェンスが無事だと聞いて安心したよ。それが今日最大の朗報だ」
「今日のシナリオはこうだった。もしタイム差2〜3分の逃げグループが形成されているなら、オービスク峠でアタックする。でも実際にはタイム差が大きく、今日動く意味は無いと判断したんだ。相変わらずモチヴェーションは高いけど、“リベンジ”は頭に無い。ただこのツールで勝ちたい。それがゴールだ。そしてその唯一のチャンスがトゥールマレー峠であることを理解している」
「アルベルトの謝罪報道は見ていなかったけど、今日、彼は個人的に直接謝りにきてくれた。彼の気持ちは充分に伝わったよ。彼は自分自身が昨日ミスを犯したことを理解していた。彼はあそこでアタックすべきじゃないということを知っていた。もうそれで充分だ。もうこの話はこれで終了。これからの話をしよう。エンドレスな論議は誰の得にもならない」
イェンス・フォイクト(ドイツ、サクソバンク)
「最初の山岳(ペイルスルド峠)の下りで70km/hで走っているとき、突然フロントタイヤがバーストした。アスファルトに叩き付けられる前に、これはヤバいと思った。両膝、両手、肘、肩を打ち付け、左半身を激しく打ち付けた。肋骨も痛むけど、骨折の心配は無い。幸い“今回は”顔で着地せずに済み、生き延びることが出来た。回収車から乗車のオファーを受けたけど、このツール・ド・フランスを走り続けたかった。さあ明日は休息日。パリはもうそれほど離れていない」
選手コメントはレース公式サイト、ならびにチーム公式サイトより。
text:Kei Tsuji
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