2023/03/26(日) - 09:30
エヴェネプールの攻撃はログリッチに封じられ、集団スプリントに持ち込まれたボルタ・ア・カタルーニャ6日目。フィニッシュ直前にチームメイトのバイクに乗り替えたカーデン・グローブス(オーストラリア、アルペシン・ドゥクーニンク)が勝利した。
連日プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)とレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)による白熱の総合首位争いが繰り広げられているボルタ・ア・カタルーニャ。第6ステージは細かなアップダウンを越え、残り27km地点に2級山岳クルー・ダラガル(距離5.6km/平均6%)が登場するレイアウトで、逃げ切りや集団スプリントなど様々な可能性のある丘陵ステージとなった。
首位ログリッチと2位エヴェネプールのタイム差は10秒。逃げを打ちたいアタッカーに対し、エヴェネプールがボーナスタイム加算を狙ったため集団ひと塊のままボーナスタイム付きの中間スプリントに到達。ログリッチがエヴェネプールを抑えて先着しログリッチが-3秒(エヴェネプールは-2秒)を獲得し、両者のタイム差が11秒に拡がる。集団内の落車に巻き込まれたエガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ)がレースを去った。
チームの発表によるとベルナルは検査の結果、擦過傷のみで骨折はなかったという。
レースが残り70kmを切った辺りでようやく形成された逃げグループは6名。この中にはファウスト・マスナダ(イタリア、スーダル・クイックステップ)や先日のパリ〜ニースで山岳賞を獲得したヨナス・グレゴー(デンマーク、ウノエックス・プロサイクリングチーム)など強力なメンバーが揃ったものの、イスラエル・プレミアテックが牽引するプロトンに2級山岳クルー・ダラガルの麓で捉えられた。
登坂に入ると総合5位からのジャンプアップを目指すマルク・ソレル(スペイン、UAEチームエミレーツ)がアタック。それを追うプロトンでは頂上の手前でエヴェネプール自らアタック。唯一追従したログリッチと共にソレル抜き去り、総合ワンツーによる逃げが生まれたものの、引く意味の無いログリッチは先頭交代に協力せず。イラつきを見せるエヴェネプールも踏みやめ、残り9km地点でメイン集団に吸収されている。
直後の中間スプリントではエヴェネプールが先着し、ログリッチが2位通過したことにより2人のタイム差は再び10秒差に戻る。残り4km地点では第4ステージで既に1勝を挙げているカーデン・グローブス(オーストラリア、アルペシン・ドゥクーニンク)の後輪がパンクし、自身よりも5cm身長の高いクサンドロ・ムーリッセ(ベルギー)のバイクに乗り替えて再スタートを切る。グローブスは向かい風で集団のスピードが上がりきらなかったことが幸いし、集団に合流を果たした。
ボーラ・ハンスグローエが先頭でトレインを組んだゴール勝負は、イーデ・スヘリング(オランダ、ボーラ・ハンスグローエ)の背後につけていたグローブスが残り100mでスプリントを開始する。このスピードにスヘリングは遅れ、追い上げるブライアン・コカール(フランス、コフィディス)も抑え、グローブスが先頭でフィニッシュラインを通過した。
「区間2勝目は本当に嬉しい成果だ。残り7,8kmでリアタイヤがスローパンクに気がついた。止まって交換するか、はたまたパンクしたままスプリントするか悩んだ。結局監督の助言もありクサンドロ(ムーリッセ)のバイクを使う決断に至った。彼がそばにいてラッキーだったし、更に幸運なことに集団のスピードもそこまで早くなかった」と、トラブルを乗り越え勝利を掴んだグローブスは振り返った。
集団スプリントに加わり先頭3名まで与えられるボーナスポイント獲得を目指したエヴェネプールは5位、ログリッチは9位でフィニッシュしたため総合順位に変動はなかった。
大会最終日である翌第7ステージはバルセロナ周辺を巡る135km。合計5周する市街地の8kmコースには2級山岳(距離2.7km/平均4.7%)が設定されているため、総合逆転を狙うエヴェネプールの攻撃が予想される。
連日プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)とレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)による白熱の総合首位争いが繰り広げられているボルタ・ア・カタルーニャ。第6ステージは細かなアップダウンを越え、残り27km地点に2級山岳クルー・ダラガル(距離5.6km/平均6%)が登場するレイアウトで、逃げ切りや集団スプリントなど様々な可能性のある丘陵ステージとなった。
首位ログリッチと2位エヴェネプールのタイム差は10秒。逃げを打ちたいアタッカーに対し、エヴェネプールがボーナスタイム加算を狙ったため集団ひと塊のままボーナスタイム付きの中間スプリントに到達。ログリッチがエヴェネプールを抑えて先着しログリッチが-3秒(エヴェネプールは-2秒)を獲得し、両者のタイム差が11秒に拡がる。集団内の落車に巻き込まれたエガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ)がレースを去った。
チームの発表によるとベルナルは検査の結果、擦過傷のみで骨折はなかったという。
レースが残り70kmを切った辺りでようやく形成された逃げグループは6名。この中にはファウスト・マスナダ(イタリア、スーダル・クイックステップ)や先日のパリ〜ニースで山岳賞を獲得したヨナス・グレゴー(デンマーク、ウノエックス・プロサイクリングチーム)など強力なメンバーが揃ったものの、イスラエル・プレミアテックが牽引するプロトンに2級山岳クルー・ダラガルの麓で捉えられた。
登坂に入ると総合5位からのジャンプアップを目指すマルク・ソレル(スペイン、UAEチームエミレーツ)がアタック。それを追うプロトンでは頂上の手前でエヴェネプール自らアタック。唯一追従したログリッチと共にソレル抜き去り、総合ワンツーによる逃げが生まれたものの、引く意味の無いログリッチは先頭交代に協力せず。イラつきを見せるエヴェネプールも踏みやめ、残り9km地点でメイン集団に吸収されている。
直後の中間スプリントではエヴェネプールが先着し、ログリッチが2位通過したことにより2人のタイム差は再び10秒差に戻る。残り4km地点では第4ステージで既に1勝を挙げているカーデン・グローブス(オーストラリア、アルペシン・ドゥクーニンク)の後輪がパンクし、自身よりも5cm身長の高いクサンドロ・ムーリッセ(ベルギー)のバイクに乗り替えて再スタートを切る。グローブスは向かい風で集団のスピードが上がりきらなかったことが幸いし、集団に合流を果たした。
ボーラ・ハンスグローエが先頭でトレインを組んだゴール勝負は、イーデ・スヘリング(オランダ、ボーラ・ハンスグローエ)の背後につけていたグローブスが残り100mでスプリントを開始する。このスピードにスヘリングは遅れ、追い上げるブライアン・コカール(フランス、コフィディス)も抑え、グローブスが先頭でフィニッシュラインを通過した。
「区間2勝目は本当に嬉しい成果だ。残り7,8kmでリアタイヤがスローパンクに気がついた。止まって交換するか、はたまたパンクしたままスプリントするか悩んだ。結局監督の助言もありクサンドロ(ムーリッセ)のバイクを使う決断に至った。彼がそばにいてラッキーだったし、更に幸運なことに集団のスピードもそこまで早くなかった」と、トラブルを乗り越え勝利を掴んだグローブスは振り返った。
集団スプリントに加わり先頭3名まで与えられるボーナスポイント獲得を目指したエヴェネプールは5位、ログリッチは9位でフィニッシュしたため総合順位に変動はなかった。
大会最終日である翌第7ステージはバルセロナ周辺を巡る135km。合計5周する市街地の8kmコースには2級山岳(距離2.7km/平均4.7%)が設定されているため、総合逆転を狙うエヴェネプールの攻撃が予想される。
ボルタ・ア・カタルーニャ2023第6ステージ
1位 | カーデン・グローブス(オーストラリア、アルペシン・ドゥクーニンク) | 3:50:32 |
2位 | ブライアン・コカール(フランス、コフィディス) | |
3位 | イーデ・スヘリング(オランダ、ボーラ・ハンスグローエ) | |
4位 | マキシム・ファンヒルス(ベルギー、ロット・デスティニー) | |
5位 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) | |
6位 | アンドレアス・クロン(デンマーク、ロット・デスティニー) | |
7位 | ドリアン・ゴドン(フランス、AG2Rシトロエン) | |
8位 | パトリック・コンラッド(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ) | |
9位 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) | |
10位 | フィン・フィッシャーブラック(ニュージーランド、UAEチームエミレーツ) |
個人総合成績
1位 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) | 25:19:52 |
2位 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) | +0:10 |
3位 | ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ) | +1:07 |
4位 | マルク・ソレル(スペイン、UAEチームエミレーツ) | +1:54 |
5位 | ミケル・ランダ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス) | +1:55 |
6位 | マイケル・ウッズ(カナダ、イスラエル・プレミアテック) | +1:59 |
7位 | ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード) | +2:02 |
8位 | ジャイ・ヒンドレー(オーストラリア、ボーラ・ハンスグローエ) | +2:07 |
9位 | キアン・アイデブルックス(ベルギー、ボーラ・ハンスグローエ) | +2:28 |
10位 | リゴベルト・ウラン(コロンビア、EFエデュケーション・イージーポスト) | +2:49 |
その他の特別賞
ポイント賞 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) |
山岳賞 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) |
ヤングライダー賞 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) |
チーム総合成績 | UAEチームエミレーツ |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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