2023/03/25(土) - 10:33
トップ2人のタイム差ゼロで迎えたボルタ・ア・カタルーニャ最後の山岳決戦。ゴールスプリントでプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)がステージ2勝目を挙げ、総合優勝を大きく引き寄せている。
第102回ボルタ・ア・カタルーニャ(UCI2.ワールドツアー)の5日目に、今大会最後となる超級山岳フィニッシュが登場。距離8.5kmながら平均勾配8.7%をマークし、最大勾配20%と恐れられる「ロ・ポルト」を舞台にした山岳決戦が繰り広げられた。
カタルーニャ州タラゴナ県のトゥルトーザを出発し、30km地点でピークを迎える3級山岳を前に山岳賞ジャージを着るギヨーム・マルタン(フランス、コフィディス)を含む逃げが決まる。イーサン・ヘイター(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)らと共に先行したマルタンは、狙い通り第1山岳を先頭通過し、スタートから100kmを過ぎた地点にある第2山岳(3級)も先頭通過。
合計6ポイントを稼いで山岳ランキングのリードを伸ばしたマルタンだったが、最終的にこの日ステージ優勝を決め、ポイントを荒稼ぎしたプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)にジャージを奪われることとなる。
マルタン不在となり、6名となった逃げグループは1分強のリードでロ・ポルトの麓に到達。逃げグループ中唯一のワールドチーム選手として残ったスガブ・グルマイ(エチオピア、ジェイコ・アルウラー)が単独逃げに持ち込んだが、新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス)たちがペースメイクするメイン集団がすぐ後ろに迫った。
昨日までの時点で、共にステージ1勝ずつ挙げている首位プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)とレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)のタイム差はゼロ。逆転総合優勝を狙うスーダル・クイックステップがクライマー総動員でペースを上げ、ヤン・ヒルト(チェコ)→イラン・ファンウィルデル(ベルギー)継投で登坂中盤まで消化すると、フィニッシュまで4.6kmを残してエヴェネプールが発進した。
2022年のブエルタ・ア・エスパーニャ、そして世界選手権覇者である23歳の加速に対抗したのはログリッチと、ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ)のアシスト役であるマルク・ソレル(スペイン、UAEチームエミレーツ)だけ。攻めなければならないエヴェネプールが積極的に引いたものの、対する2人は待ちの構え。アルメイダが合流に成功したことでソレルもようやくペースアップに加わった。
総合3位ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード)と総合4位ミケル・ランダ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス)を逆転したいアルメイダにとっては絶好のチャンス。上位2人がお見合い状態に陥ることを期待して残り1km地点で仕掛けるも決まらず、ログリッチはカウンターでこの日初めてのアタック。登坂力での決着はつかず、全ての勝負はゴールスプリントでのステージ優勝とボーナスタイム争いに持ち込まれる。
残り300m地点で加速したのはエヴェネプールだったが、ログリッチは冷静に対処してスリップストリームから離れず、残り100m地点からダッシュ。完全に脚が売り切れ「カウンターで仕掛けるべきじゃなかった。加速が早すぎたし、僕の大きなミスだっと」と悔やむエヴェネプールを6秒引き離し、総合優勝を大きく引き寄せるステージ2勝目を射止めた。
ボーナスタイムと合わせ、この日10秒を稼いだログリッチは「大喜びだよ。こんなにタフな登坂レースに出たのは久々だった。高いレベルで戦い抜くことができて嬉しく思う。特に脚がよく回ったし、苦しくも楽しい戦いだった。肩の手術を経て流れがいい方向に向かっていることを実感できた」というログリッチ。しかし総合成績に関しては「まだ2日間残っているし何が起こるか分からない。気合を入れてレースに臨みたいと思う」と冷静な姿勢を崩していない。
敗れはしたものの、エヴェネプールは総合成績で-10秒とボーナスタイムでの逆転が可能な範囲。2人に食い下がりステージ3位のアルメイダが総合3位に浮上し、ステージ11位に甘んじたチッコーネは総合3位から7位までダウンを喫している。
第102回ボルタ・ア・カタルーニャ(UCI2.ワールドツアー)の5日目に、今大会最後となる超級山岳フィニッシュが登場。距離8.5kmながら平均勾配8.7%をマークし、最大勾配20%と恐れられる「ロ・ポルト」を舞台にした山岳決戦が繰り広げられた。
カタルーニャ州タラゴナ県のトゥルトーザを出発し、30km地点でピークを迎える3級山岳を前に山岳賞ジャージを着るギヨーム・マルタン(フランス、コフィディス)を含む逃げが決まる。イーサン・ヘイター(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)らと共に先行したマルタンは、狙い通り第1山岳を先頭通過し、スタートから100kmを過ぎた地点にある第2山岳(3級)も先頭通過。
合計6ポイントを稼いで山岳ランキングのリードを伸ばしたマルタンだったが、最終的にこの日ステージ優勝を決め、ポイントを荒稼ぎしたプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)にジャージを奪われることとなる。
マルタン不在となり、6名となった逃げグループは1分強のリードでロ・ポルトの麓に到達。逃げグループ中唯一のワールドチーム選手として残ったスガブ・グルマイ(エチオピア、ジェイコ・アルウラー)が単独逃げに持ち込んだが、新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス)たちがペースメイクするメイン集団がすぐ後ろに迫った。
昨日までの時点で、共にステージ1勝ずつ挙げている首位プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)とレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)のタイム差はゼロ。逆転総合優勝を狙うスーダル・クイックステップがクライマー総動員でペースを上げ、ヤン・ヒルト(チェコ)→イラン・ファンウィルデル(ベルギー)継投で登坂中盤まで消化すると、フィニッシュまで4.6kmを残してエヴェネプールが発進した。
2022年のブエルタ・ア・エスパーニャ、そして世界選手権覇者である23歳の加速に対抗したのはログリッチと、ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ)のアシスト役であるマルク・ソレル(スペイン、UAEチームエミレーツ)だけ。攻めなければならないエヴェネプールが積極的に引いたものの、対する2人は待ちの構え。アルメイダが合流に成功したことでソレルもようやくペースアップに加わった。
総合3位ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード)と総合4位ミケル・ランダ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス)を逆転したいアルメイダにとっては絶好のチャンス。上位2人がお見合い状態に陥ることを期待して残り1km地点で仕掛けるも決まらず、ログリッチはカウンターでこの日初めてのアタック。登坂力での決着はつかず、全ての勝負はゴールスプリントでのステージ優勝とボーナスタイム争いに持ち込まれる。
残り300m地点で加速したのはエヴェネプールだったが、ログリッチは冷静に対処してスリップストリームから離れず、残り100m地点からダッシュ。完全に脚が売り切れ「カウンターで仕掛けるべきじゃなかった。加速が早すぎたし、僕の大きなミスだっと」と悔やむエヴェネプールを6秒引き離し、総合優勝を大きく引き寄せるステージ2勝目を射止めた。
ボーナスタイムと合わせ、この日10秒を稼いだログリッチは「大喜びだよ。こんなにタフな登坂レースに出たのは久々だった。高いレベルで戦い抜くことができて嬉しく思う。特に脚がよく回ったし、苦しくも楽しい戦いだった。肩の手術を経て流れがいい方向に向かっていることを実感できた」というログリッチ。しかし総合成績に関しては「まだ2日間残っているし何が起こるか分からない。気合を入れてレースに臨みたいと思う」と冷静な姿勢を崩していない。
敗れはしたものの、エヴェネプールは総合成績で-10秒とボーナスタイムでの逆転が可能な範囲。2人に食い下がりステージ3位のアルメイダが総合3位に浮上し、ステージ11位に甘んじたチッコーネは総合3位から7位までダウンを喫している。
ボルタ・ア・カタルーニャ2023第5ステージ
1位 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) | 4:27:41 |
2位 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) | +0:06 |
3位 | ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ) | +0:12 |
4位 | マルク・ソレル(スペイン、UAEチームエミレーツ) | +0:28 |
5位 | リゴベルト・ウラン(コロンビア、EFエデュケーション・イージーポスト) | +0:44 |
6位 | レニ・マルティネス(フランス、グルパマFDJ) | +0:47 |
7位 | ミケル・ランダ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス) | +0:56 |
8位 | マイケル・ウッズ(カナダ、イスラエル・プレミアテック) | |
9位 | ジャイ・ヒンドレー(オーストラリア、ボーラ・ハンスグローエ) | +1:04 |
10位 | キアン・アイデブルックス(ベルギー、ボーラ・ハンスグローエ) | +1:15 |
個人総合成績
1位 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) | 21:29:25 |
2位 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) | +0:10 |
3位 | ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ) | +1:02 |
4位 | ミケル・ランダ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス) | +1:50 |
5位 | マルク・ソレル(スペイン、UAEチームエミレーツ) | |
6位 | マイケル・ウッズ(カナダ、イスラエル・プレミアテック) | +1:54 |
7位 | ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード) | +1:57 |
8位 | ジャイ・ヒンドレー(オーストラリア、ボーラ・ハンスグローエ) | +2:02 |
9位 | キアン・アイデブルックス(ベルギー、ボーラ・ハンスグローエ) | +2:23 |
10位 | リゴベルト・ウラン(コロンビア、EFエデュケーション・イージーポスト) | +2:44 |
その他の特別賞
ポイント賞 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) |
山岳賞 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) |
ヤングライダー賞 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) |
チーム総合成績 | UAEチームエミレーツ |
text:So Isobe
photo:CorVos
photo:CorVos
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