2023/03/15(水) - 17:00
プロロゴが誇る高機能テクノロジーCPCにフォーカス。手のひらにハイグリップテクノロジーを搭載したグローブENERGRIP(エネルグリップ)と、非常にグリップ力の高い新作バーテープのESATOUCH(エザタッチ)をテストした。少ない力でもグリップさせることで、肩首周りへのストレスを抑えられるレースやロングライド向きのプロダクトを紹介しよう。
プロロゴが誇るCPC
イタリアのサドルブランド、プロロゴといえば思い浮かべるのは、タデイ・ポガチャルのダンシングでヒラヒラと舞うSCRATCH M5だろうか。はたまた全日本チャンピオン新城幸也のバイクに装着されているZERO IIだろうか。プロロゴは老舗と比較すると若いブランドながら18のUCIワールドチームの中で6チームもサポートするレースでお馴染みの存在であり、ストップウォッチロゴの製品を見かける機会は多い。
しかし、プロロゴで忘れてはならないのは特許技術「CPC(Connected Power Control)」だ。元々は軍用として開発されたグリップ力、通気性、衝撃吸収性に優れるテクノロジーであり、最先端技術をいち早く取り入れるF1を経て、自転車へと到達した存在だ。プロロゴが採用してから長く使われるCPCは既に定着した存在であり、ヨーロッパではCPCモデルのサドルが特に人気なのだとか。CPCを搭載するグローブENERGRIPがリリースされたこのタイミングで改めてCPCの魅力を掘り下げたい。
CPCのコアテクノロジーは吸盤状に成形した弾性ポリマー素材とその配置だ。CPCに荷重がかかるとまさに吸盤のように吸い付くように働き、ノーマルサドルよりも15%高いグリップ力を発揮。さらに高さのあるCPCは衝撃が加わると折れるように動くため、衝撃吸収も発揮される。数値にしてはノーマルよりも15%高い衝撃吸収性を備えているという。
CPCの美点はライダーと接触する面積がプレーンの座面などより小さく、かつ吸盤同士に間隔が設けられているため、風が流れるような設計となっている。通常の座面よりも10%以上優れたクーリング性能を備えており、ロングライドで座面に熱が籠るストレスからも解放される。この部分がEVAフォームと大きく異なり、アドバンテージとなる点だろう。
また、CPCの吸盤の大きさや高さ、配置密度は部分ごとにコントロールされており、一言でCPCといってもグローブやサドルのモデルごとに異なる設計が施されている。今回はグローブ+バーテープ、サドル(SCRATCH M5、DIMENSION)のテストを行っており、コックピットとサドルそれぞれの記事で詳細を紹介する。
本ページでは注目のグローブENERGRIPとバーテープのESATOUCHをピックアップ。
CPCを搭載したハイグリップグローブ、ENERGRIPをテスト
筆者の藤原は基本的にノーグローブ派。手に汗握る状態が苦手で、ビブショーツやジャージですぐに拭きたくなってしまう人間だ。さらに衝撃吸収パッドも好みにあう配置のものに出会ったことがなく、食わず嫌いをしていることも事実。そのためグローブを着用する場合はマウンテンバイク用のロングフィンガーを選んでいることが多い。
そんな私でもENERGRIPの魅力に気がつくまでは時間は必要なかった。特別なグリップテクノロジーを使っていると聞くと何があっても滑らないのではないかと思わせるが、ENERGRIPは必要な時に必要なだけのグリップ力を提供してくれるように感じる。
例えばブラケットポジションで軽く手を添えるだけの時は、不意の衝撃で手を滑らせないように非常に素晴らしいグリップ力を備えている。対して、ヒルクライム時にダンシングする時はCPCのみグリップし、グローブと手の間は僅かに滑るようになっており、がっちりとロックされているような印象は薄い。もちろんそのスリップはほんの僅かであり、ハンドルを握っていれば怖さは一切ない。スプリントのようにハンドルを握り込む際はCPCのグリップ力を握力が上回っているためか、テクノロジーの恩恵は大きくなさそうだ。
ENERGRIPのメリットは、僅かな力で手をグリップさせるところにある。リラックスしている時、ブラケットの先端を持つエアロポジションの時、体をダイナミックに動かすダンシングでハンドルを少し押す時、いずれも手に力を入れていると肩周りの筋肉が強張り、動きの自由度が失われる。
特にロングライドなどで肩に力が入っていると、路面からの衝撃をいなすことができずに直接的なストレスとなり、首への負担も大きくなる。さらに疲れてくるとハンドルへの荷重は多くなるため悪循環を生み出してしまう。ロードノイズの衝撃の角を丸める快適性を備えるCPCの特性と相まって、長時間ライドでライダーの負担を減らすことで、その余力をライドパフォーマンスに活用させられることがENERGRIPの魅力だ。
今回のテストではアスファルトの状態が悪い路面でも走行してみたが、グリップ力が高いおかげでブラケットを強く握らなくても良いという安心感、微細な振動であればオブラートに包んでくれるような印象があり、確かに肩の力を抜けるような感覚を受けた。
ENERGRIPのグリップ力は小型化が進むシマノDI2のSTIレバーでとみに効果を発揮する。DI2のSTIレバーは、ENERGRIPのXSサイズでも若干ゆとりを感じる筆者の手のひらでも小さいと感じるため、荒れた路面などでは握り込みたくなることもある。そういったシチュエーションでも軽い力で済むという恩恵は確かにある。
レースではブラケットの先端を持つエアロポジションをよく見るだろう。そのような状況でも掌底部分のCPCがブラケットと接しているため、グリップ力が発揮される。まさにレーサーのためのグローブと言っても過言ではないだろう。
そして、CPCはゲルパッドのように盛り上がっておらず、存在感を主張しないことが良い。ブラケット、ハンドルのトップとドロップどちらを握ってもパッド(CPC)が感覚を邪魔することはなく、ストレスフリーだ。
一方、ENERGRIPのテスト中に気になることがあった唯一のネガティブ要素も、握った時に感じる物体の存在感でもあった。存在を主張してくるのはCPCではなく、ハーフフィンガーグローブを脱ぐために備えられた中指と薬指のプラーだ。意外に厚みがあり最初は違和感を覚えたものの、使っているうちに自然と握り方を適応させているためか、存在は気にならなくなってくるので使い始めや試着などする際はこの点を考慮した方が良さそう。
手の甲と掌の素材が薄手なのも好印象だ。手の甲側は伸縮性と通気性のあるメッシュ生地のため快適さに貢献するのは間違いなく、ENERGRIPの掌側は非常に薄手の合成皮革で動きを妨げないのも非常に快適。後述するがENERGRIPはタイトにフィットさせるため、グローブの着用感は消せないが、ライドに集中するとほぼ存在を感じられないくらい自然な着用感となる。
加えて、私個人的にグローブを着用していると最も熱を感じやすい掌中央部と、指の股近くにパンチングが施されており、効果的に熱を逃したりフレッシュな空気を取り込んでくれる。指股のパンチング部分には堤防のように風を止めるポリマー素材が配置されているのも、通気性向上のためと感じさせる。
また握りやすさに貢献する1枚パネルも通気性にも好影響を与えているように感じる。立体縫製で手のひらに沿った作りではなく、手を握る、開く動作の時にシワがよりやすいかもしれないが、1枚であるおかげで掌中央部に空間が生まれ、パンチングを通じて空気が流れやすくなっているのだろう。
とはいえヘルメットのように明確な気流を感じるわけでない。何となく風が入ってきているかなと感じる程度なものの、確かに熱はこもりにくく手のひらに汗が溜まりにくいような印象だ。私がグローブに感じるネガティブはこの点においても解消されており、ライドしてみてますます気に入ってしまった。
ENERGRIPはCPCの高いグリップ力を活かすためにタイト目にフィットさせると良いというアドバイスを受け、カブトやスペシャライズドのグローブではSサイズを選んでいるが、ENERGRIPはXSをチョイス。グローブの開口部は小さく、五本指を窄めて手袋に手を差し込む必要がある。ある程度まで手を入れてからではないと、縫い目にストレスがかかり破れてしまう危険がある。その後は手の甲側の生地が伸びて、それぞれのポジションに指を通しやすくなるので、ぜひ装着する時はこの方法を試してもらいたい。
一度手を入れてしまえば手の甲の生地がストレッチするので適切なフィット感で着用できる。初めて着用した時は普段よりワンサイズ下と感じないままライドを終え、グローブを外してみると親指側の縫い目の跡が手に残っていた。それだけタイトに着用しているのだが、ライド中はストレスを感じさせないのは素晴らしい出来だと感じた。
非常に優れたグリップ力を備えた新作バーテープESATOUCH
また、今回のテストではプロロゴが新しくラインアップに加えたバーテープ"ESATOUCH"も同時に試した。結論だけ先に言うならば、ENERGRIPとESATOUCHを組み合わせれば鬼に金棒。ESATOUCHを巻いていればハンドルトップやドロップ部を持つときに滑るような感覚は一切なくなるほどバーテープ自体に高いグリップ力が備わっている。
ESATOUCHの製品名となったESAGONO(イタリア語で六角形)という言葉通り、六角形+スリットデザインがCPCのような衝撃吸収性とグリップ力を発揮するモデルだが、バーテープ表面自体の素材に高いグリップ力が備わっており、そこにテクスチャーデザインによるグリップ力が上乗せされているような印象だ。素手でも高いグリップ力を発揮してくれるため、ESATOUCH単独での導入もおすすめしたい。
またEVAフォームは2.5mmと程よくクッション性を感じられる厚みで、表面素材にストレッチ性が備えられているため装着時にある程度伸ばして厚みをコントロールできるのは嬉しい。今回はバーテープの厚みを活かすような巻き方で装着したので、ライド中にバーテープ部を握ると非常にコンフォート性を感じながら走ることができた。
今回の組み合わせはバーレーン・ヴィクトリアスやグルパマFDJの選手たちが実際に使用しており、ロードレースで活躍する性能は実証されている。それだけではなくロングライドやグラベルライドを楽しむサイクリストはENERGRIPとESATOUCHの魅力を引き出せるはずだ。ロングフィンガーグローブはマウンテンバイクにピッタリなのも間違いない。
これまでグリップ力やコンフォート性を追求したグローブはホビーライダー向けに開発されていることが多かった。しかし、ENERGRIPはダイレクトな使用感を好むプロ選手に向けて開発されたプロダクトのため、厚みのあるパッドを搭載したクッション性が強すぎるグローブが苦手な方でも使えるようになっている。ぜひ一度試してみてもらいたいと感じるプロロゴの逸品だった。
また、先述したようにENERGRIPのテストに合わせてCPC搭載のサドルも試用した。次のサドルインプレッションでは、プロロゴがライダーとバイクの接点にCPCを投入する理由をサドルを通して探っていきたい。
プロロゴGM:サルバトーレ・トゥルーリオよりメッセージ
プロロゴ ENERGRIP
サイズ:XS、S、M、L、XL
タイプ:ショートフィンガー、ロングフィンガー
税込価格:14,300円(ショートフィンガー)、16,500円(ロングフィンガー)
プロロゴ ESATOUCH
厚み:2.5mm
カラー:ブラック、ホワイト
税込価格:5,060円
impression:Gakuto Fujiwara
photo:Michinari Takagi
プロロゴが誇るCPC
イタリアのサドルブランド、プロロゴといえば思い浮かべるのは、タデイ・ポガチャルのダンシングでヒラヒラと舞うSCRATCH M5だろうか。はたまた全日本チャンピオン新城幸也のバイクに装着されているZERO IIだろうか。プロロゴは老舗と比較すると若いブランドながら18のUCIワールドチームの中で6チームもサポートするレースでお馴染みの存在であり、ストップウォッチロゴの製品を見かける機会は多い。
しかし、プロロゴで忘れてはならないのは特許技術「CPC(Connected Power Control)」だ。元々は軍用として開発されたグリップ力、通気性、衝撃吸収性に優れるテクノロジーであり、最先端技術をいち早く取り入れるF1を経て、自転車へと到達した存在だ。プロロゴが採用してから長く使われるCPCは既に定着した存在であり、ヨーロッパではCPCモデルのサドルが特に人気なのだとか。CPCを搭載するグローブENERGRIPがリリースされたこのタイミングで改めてCPCの魅力を掘り下げたい。
CPCのコアテクノロジーは吸盤状に成形した弾性ポリマー素材とその配置だ。CPCに荷重がかかるとまさに吸盤のように吸い付くように働き、ノーマルサドルよりも15%高いグリップ力を発揮。さらに高さのあるCPCは衝撃が加わると折れるように動くため、衝撃吸収も発揮される。数値にしてはノーマルよりも15%高い衝撃吸収性を備えているという。
CPCの美点はライダーと接触する面積がプレーンの座面などより小さく、かつ吸盤同士に間隔が設けられているため、風が流れるような設計となっている。通常の座面よりも10%以上優れたクーリング性能を備えており、ロングライドで座面に熱が籠るストレスからも解放される。この部分がEVAフォームと大きく異なり、アドバンテージとなる点だろう。
また、CPCの吸盤の大きさや高さ、配置密度は部分ごとにコントロールされており、一言でCPCといってもグローブやサドルのモデルごとに異なる設計が施されている。今回はグローブ+バーテープ、サドル(SCRATCH M5、DIMENSION)のテストを行っており、コックピットとサドルそれぞれの記事で詳細を紹介する。
本ページでは注目のグローブENERGRIPとバーテープのESATOUCHをピックアップ。
CPCを搭載したハイグリップグローブ、ENERGRIPをテスト
筆者の藤原は基本的にノーグローブ派。手に汗握る状態が苦手で、ビブショーツやジャージですぐに拭きたくなってしまう人間だ。さらに衝撃吸収パッドも好みにあう配置のものに出会ったことがなく、食わず嫌いをしていることも事実。そのためグローブを着用する場合はマウンテンバイク用のロングフィンガーを選んでいることが多い。
そんな私でもENERGRIPの魅力に気がつくまでは時間は必要なかった。特別なグリップテクノロジーを使っていると聞くと何があっても滑らないのではないかと思わせるが、ENERGRIPは必要な時に必要なだけのグリップ力を提供してくれるように感じる。
例えばブラケットポジションで軽く手を添えるだけの時は、不意の衝撃で手を滑らせないように非常に素晴らしいグリップ力を備えている。対して、ヒルクライム時にダンシングする時はCPCのみグリップし、グローブと手の間は僅かに滑るようになっており、がっちりとロックされているような印象は薄い。もちろんそのスリップはほんの僅かであり、ハンドルを握っていれば怖さは一切ない。スプリントのようにハンドルを握り込む際はCPCのグリップ力を握力が上回っているためか、テクノロジーの恩恵は大きくなさそうだ。
ENERGRIPのメリットは、僅かな力で手をグリップさせるところにある。リラックスしている時、ブラケットの先端を持つエアロポジションの時、体をダイナミックに動かすダンシングでハンドルを少し押す時、いずれも手に力を入れていると肩周りの筋肉が強張り、動きの自由度が失われる。
特にロングライドなどで肩に力が入っていると、路面からの衝撃をいなすことができずに直接的なストレスとなり、首への負担も大きくなる。さらに疲れてくるとハンドルへの荷重は多くなるため悪循環を生み出してしまう。ロードノイズの衝撃の角を丸める快適性を備えるCPCの特性と相まって、長時間ライドでライダーの負担を減らすことで、その余力をライドパフォーマンスに活用させられることがENERGRIPの魅力だ。
今回のテストではアスファルトの状態が悪い路面でも走行してみたが、グリップ力が高いおかげでブラケットを強く握らなくても良いという安心感、微細な振動であればオブラートに包んでくれるような印象があり、確かに肩の力を抜けるような感覚を受けた。
ENERGRIPのグリップ力は小型化が進むシマノDI2のSTIレバーでとみに効果を発揮する。DI2のSTIレバーは、ENERGRIPのXSサイズでも若干ゆとりを感じる筆者の手のひらでも小さいと感じるため、荒れた路面などでは握り込みたくなることもある。そういったシチュエーションでも軽い力で済むという恩恵は確かにある。
レースではブラケットの先端を持つエアロポジションをよく見るだろう。そのような状況でも掌底部分のCPCがブラケットと接しているため、グリップ力が発揮される。まさにレーサーのためのグローブと言っても過言ではないだろう。
そして、CPCはゲルパッドのように盛り上がっておらず、存在感を主張しないことが良い。ブラケット、ハンドルのトップとドロップどちらを握ってもパッド(CPC)が感覚を邪魔することはなく、ストレスフリーだ。
一方、ENERGRIPのテスト中に気になることがあった唯一のネガティブ要素も、握った時に感じる物体の存在感でもあった。存在を主張してくるのはCPCではなく、ハーフフィンガーグローブを脱ぐために備えられた中指と薬指のプラーだ。意外に厚みがあり最初は違和感を覚えたものの、使っているうちに自然と握り方を適応させているためか、存在は気にならなくなってくるので使い始めや試着などする際はこの点を考慮した方が良さそう。
手の甲と掌の素材が薄手なのも好印象だ。手の甲側は伸縮性と通気性のあるメッシュ生地のため快適さに貢献するのは間違いなく、ENERGRIPの掌側は非常に薄手の合成皮革で動きを妨げないのも非常に快適。後述するがENERGRIPはタイトにフィットさせるため、グローブの着用感は消せないが、ライドに集中するとほぼ存在を感じられないくらい自然な着用感となる。
加えて、私個人的にグローブを着用していると最も熱を感じやすい掌中央部と、指の股近くにパンチングが施されており、効果的に熱を逃したりフレッシュな空気を取り込んでくれる。指股のパンチング部分には堤防のように風を止めるポリマー素材が配置されているのも、通気性向上のためと感じさせる。
また握りやすさに貢献する1枚パネルも通気性にも好影響を与えているように感じる。立体縫製で手のひらに沿った作りではなく、手を握る、開く動作の時にシワがよりやすいかもしれないが、1枚であるおかげで掌中央部に空間が生まれ、パンチングを通じて空気が流れやすくなっているのだろう。
とはいえヘルメットのように明確な気流を感じるわけでない。何となく風が入ってきているかなと感じる程度なものの、確かに熱はこもりにくく手のひらに汗が溜まりにくいような印象だ。私がグローブに感じるネガティブはこの点においても解消されており、ライドしてみてますます気に入ってしまった。
ENERGRIPはCPCの高いグリップ力を活かすためにタイト目にフィットさせると良いというアドバイスを受け、カブトやスペシャライズドのグローブではSサイズを選んでいるが、ENERGRIPはXSをチョイス。グローブの開口部は小さく、五本指を窄めて手袋に手を差し込む必要がある。ある程度まで手を入れてからではないと、縫い目にストレスがかかり破れてしまう危険がある。その後は手の甲側の生地が伸びて、それぞれのポジションに指を通しやすくなるので、ぜひ装着する時はこの方法を試してもらいたい。
一度手を入れてしまえば手の甲の生地がストレッチするので適切なフィット感で着用できる。初めて着用した時は普段よりワンサイズ下と感じないままライドを終え、グローブを外してみると親指側の縫い目の跡が手に残っていた。それだけタイトに着用しているのだが、ライド中はストレスを感じさせないのは素晴らしい出来だと感じた。
非常に優れたグリップ力を備えた新作バーテープESATOUCH
また、今回のテストではプロロゴが新しくラインアップに加えたバーテープ"ESATOUCH"も同時に試した。結論だけ先に言うならば、ENERGRIPとESATOUCHを組み合わせれば鬼に金棒。ESATOUCHを巻いていればハンドルトップやドロップ部を持つときに滑るような感覚は一切なくなるほどバーテープ自体に高いグリップ力が備わっている。
ESATOUCHの製品名となったESAGONO(イタリア語で六角形)という言葉通り、六角形+スリットデザインがCPCのような衝撃吸収性とグリップ力を発揮するモデルだが、バーテープ表面自体の素材に高いグリップ力が備わっており、そこにテクスチャーデザインによるグリップ力が上乗せされているような印象だ。素手でも高いグリップ力を発揮してくれるため、ESATOUCH単独での導入もおすすめしたい。
またEVAフォームは2.5mmと程よくクッション性を感じられる厚みで、表面素材にストレッチ性が備えられているため装着時にある程度伸ばして厚みをコントロールできるのは嬉しい。今回はバーテープの厚みを活かすような巻き方で装着したので、ライド中にバーテープ部を握ると非常にコンフォート性を感じながら走ることができた。
今回の組み合わせはバーレーン・ヴィクトリアスやグルパマFDJの選手たちが実際に使用しており、ロードレースで活躍する性能は実証されている。それだけではなくロングライドやグラベルライドを楽しむサイクリストはENERGRIPとESATOUCHの魅力を引き出せるはずだ。ロングフィンガーグローブはマウンテンバイクにピッタリなのも間違いない。
これまでグリップ力やコンフォート性を追求したグローブはホビーライダー向けに開発されていることが多かった。しかし、ENERGRIPはダイレクトな使用感を好むプロ選手に向けて開発されたプロダクトのため、厚みのあるパッドを搭載したクッション性が強すぎるグローブが苦手な方でも使えるようになっている。ぜひ一度試してみてもらいたいと感じるプロロゴの逸品だった。
また、先述したようにENERGRIPのテストに合わせてCPC搭載のサドルも試用した。次のサドルインプレッションでは、プロロゴがライダーとバイクの接点にCPCを投入する理由をサドルを通して探っていきたい。
プロロゴGM:サルバトーレ・トゥルーリオよりメッセージ
プロロゴ ENERGRIP
サイズ:XS、S、M、L、XL
タイプ:ショートフィンガー、ロングフィンガー
税込価格:14,300円(ショートフィンガー)、16,500円(ロングフィンガー)
プロロゴ ESATOUCH
厚み:2.5mm
カラー:ブラック、ホワイト
税込価格:5,060円
impression:Gakuto Fujiwara
photo:Michinari Takagi
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