UCIワールドツアー開幕戦のツアー・ダウンアンダーを走ったバイクを紹介していくシリーズ第4弾。スーダル・クイックステップ、アルケア・サムシック、チームDSM、ジェイコ・アルウラーの4チームを紹介します。



スーダル・クイックステップ

スーダル・クイックステップ / スペシャライズド S-Works Tarmac SL7 photo:Kei Tsuji

2023年もスーダル・クイックステップのメインバイクはスペシャライズドのS-Works Tarmac SL7。パーツ構成に変更点はなく、シマノ・デュラエースのグループセットとロヴァールのホイールで駆動する。タイヤやサドルなどのパーツは基本的にスペシャライズド製品で固められているが、ステムとハンドルはPRO製品も併用している。

フロントチェーンリングはプロトン標準の54-40で、リアカセットは11-30の組み合わせ。リアディレイラーはダイレクトマウントで、Di2ケーブルをスマートにテープで固定している。伝統のベルギーチームは早い段階からチューブレスタイヤを採用しているチームの一つだが、今でも選手によってはチューブラータイヤを選択する場合も。まだシーズン序盤なのでポジション調整のためにステムの上にスペーサーを残している選手も多い。

サドルはスペシャライズド S-Works Romin EVO with Mirror photo:Kei Tsuji
ロヴァールのRapide CLX ホイールにTURBO COTTONタイヤという組み合わせ photo:Kei Tsuji

バイク スペシャライズド
グループセット シマノ
ホイール ロヴァール
ペダル シマノ
パワーメーター シマノ
タイヤ スペシャライズド
サドル スペシャライズド
ジャージキット カステリ
ヘルメット スペシャライズド
コンピューター ガーミン


アルケア・サムシック

アルケア・サムシック / ビアンキ Oltre RC photo:Kei Tsuji

UCIワールドチームに昇格したアルケア・サムシックはバイクスポンサーをキャニオンからビアンキに変更した。ダウンアンダーでは全ての選手が奇抜なフレームデザインが目を引くオルトレRCに乗ったが、発表時に話題になったヘッドチューブ側面のエアディフレクターは省略されている。ヨーロッパレースではより軽量なスペシャリッシマも投入される。

シマノ・デュラエースのグループセットやホイール、セライタリアのサドル、コンチネンタルのタイヤなどは継続。パワーメーター付きクランクセットは新型と旧型の両方が確認できた。アルケアはディスクブレーキ採用時からディスクローター径を前後140mmで揃えているチームの一つ。タイヤはチューブレスのグランプリ5000Sやチューブラーのコンペティションが混在していた。

新型と旧型が混在していたシマノ・デュラエースのパワーメーター付きクランクセット photo:Kei Tsuji
ビアンキのレーシング部門を意味する「レパルトコルサ(Reparto Corse)」の文字が photo:Kei Tsuji
バイク ビアンキ
グループセット シマノ
ホイール シマノ
ペダル シマノ
パワーメーター シマノ
タイヤ コンチネンタル
サドル セライタリア
ジャージキット エコイ
ヘルメット エコイ
コンピューター ワフー


チームDSM

チームDSM / スコット Foil RC photo:Kei Tsuji

フレームやパーツ構成は2022年からほぼ継続だが、メインバイクをスコットの新型フォイルRCに一新したチームDSM。ヘッドチューブを中心に控えめなメタリックのグラデーションが、そしてダウンチューブに空気の流れを表現するようなボーダーデザインが入っている。平坦ステージ率の高いダウンアンダーではエアロ系のフォイルRCの一択だったが、山岳レースでは軽量なアディクトRCも投入される。

グループセットからホイール、ペダルまでシマノのデュラエースで統一されているが、サドルのみPROからシンクロスに変更されている。タイヤはロゴが省略されたヴィットリアの新型コルサプロのチューブレス。シンクロス製のステム一体型ハンドルはフォークやフレーム同様に扁平したデザインだ。

タイヤはヴィットリアの新型コルサプロのチューブレス photo:Kei Tsuji
扁平したデザインのシンクロス製のステム一体型ハンドル photo:Kei Tsuji

バイク スコット
グループセット シマノ
ホイール シマノ
ペダル シマノ
パワーメーター シマノ
タイヤ ヴィットリア
サドル シンクロス
ジャージキット ナリーニ
ヘルメット スコット
コンピューター ワフー


ジェイコ・アルウラー

ジェイコ・アルウラー / ジャイアント PROPEL photo:Kei Tsuji

引き続きジャイアントのプロペルとTCRに乗り分けるジェイコ・アルウラー。フレームだけではなく、カデックスのホイールとステム&ハンドルやジャイアントのサドル&ヘルメットを使用するなど、とにかくジャイアント色が濃い。カデックスのタイヤも使用するが、ダウンアンダーではヴィットリアのチューブレスレディタイヤとチューブラータイヤを併用していた。概ねクライマー系選手がチューブラータイヤを選択する傾向にある。

シマノのデュラエースで組み上げられ、ギア構成は他の多くのチームと同様にフロント54-40とリア11-34のワイドかつハイギアなセッティング。チェーンステーに記載がある通りCEMAのベアリングを搭載する。写真のプロペルの持ち主で、総合2位に入ったサイモン・イェーツは下ハンドルを握ってのダンシングを多用するためかシフティングスイッチ(スプリンタースイッチ)を増設している。

ヴィットリアのチューブレスレディタイヤ photo:Kei Tsuji
サイモン・イェーツ(イギリス)は下ハンドルにスプリンタースイッチを増設 photo:Kei Tsuji
バイク ジャイアント
グループセット シマノ
ホイール カデックス
ペダル シマノ
パワーメーター シマノ
タイヤ カデックス/ヴィットリア
サドル カデックス
ジャージキット アレ
ヘルメット ジャイアント
コンピューター ジャイアント Dash
text&photo:Kei Tsuji

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