2010/07/18(日) - 19:32
最後の3級山岳でアタックを成功させ、久々のツール・ド・フランスステージ優勝を飾ったアレクサンドル・ヴィノクロフ(カザフスタン、アスタナ)。マイヨジョーヌを守ったアンディ・シュレク(ルクセンブルク、サクソバンク)を始め、有力選手たちのコメント。
アレクサンドル・ヴィノクロフ(カザフスタン、アスタナ)ステージ優勝
「LLサンチェスとバッランが飛び出したとき、今日はアタッカーにチャンスがあると思って集団から飛び出した。作戦を練って飛び出したわけじゃない。2005年にもここを通っていて上りは知っていたし、15秒のリードを稼ぎ出すことが出来れば逃げ切れると思ったんだ。気付けば独走になっていて、タイム差が10秒、15秒と開いた。瞬間的に20秒まで広がっていたと思う。ラスト150mで後ろを振り返って、ようやく集団に掴まらない確信を得た」
「昨日のステージはアスタナ最高の勝利になる可能性を秘めていた。アルベルトと自分がワンツー勝利を飾ることも有り得たんだ。結果的に2人とも敗れてしまって残念だった。昨日の努力が今日の勝利で報われたよ。アルベルトは(ヴィノの勝利を奪ったことについて)申し訳なく思っていたので、チームミーティングで彼に『何も心配ない』と言ったんだ。彼はこの勝利をとても喜んでくれている。チームの士気を高める重要な勝利だ。とにかく昨日は作戦を綿密に立てたことが仇となって失敗した。今日は頭ではなく直感的に動いた。ロードレースってこんなもんだ。ずっとステージ優勝を飾りたいと思っていたけど、200人が同じことを望んでいるので、なかなか実現するのは難しい。アマチュアのとき『ツールでステージ優勝するのは世界選手権で勝つのと同じぐらいレベルが高い』とよくコーチに言われた。もしかしたら今日がステージ優勝を狙う最後のチャンスだったかも知れない。何故ならピレネー山脈を過ぎると、100%アルベルトのために走ることになるから。まだシャンゼリゼステージがあるけど・・・」
「すでにリエージュ〜バストーニュ〜リエージュで復活勝利を飾っているけど、今日“ヴィノ”は生まれ変わった。ツールに再び出場出来ている時点で大きな成功だった。でも今日ここでステージ優勝。ワンダフルだ。これが何を意味するのか表現するのが難しい。昨日も今日も、沿道から沢山の力をもらった。沿道のみんなが“ヴィノ!”と叫んでくれて、それが大きなモチヴェーションに繋がったんだ。自分にとっても家族にとっても、そして祖国カザフスタンにとっても大きな勝利。昨日電話で息子たちに『勝って』と言われたんだ」
「これからピレネーの厳しい山岳4連戦が始まる。“アルベルト将軍”に仕える準備は出来ている。アルベルトを完全に信頼しているし、彼には高い能力が有る。アルベルトの総合優勝こそチームの第一目的であり、もんなモチヴェーションが高い。マイヨジョーヌを手にすることになるピレネー山岳ステージを前に士気を高めるステージ優勝を飾れて良かったよ。サクソバンクはすでに力を使いすぎているし、フランクのリタイアがアンディの山岳での走りに影響すると思う。アルプスですでに証明済みだけど、チームはピレネーのバトルに向けて準備万端だ!」
フアンアントニオ・フレチャ(スペイン、チームスカイ)180kmに渡ってエスケープ
「逃げている最中は、ゴールまで逃げ切れるか逃げ切れないかなんて考えられない。その一瞬一瞬に集中して走るしかないんだ。誰にも逃げ切りが成功するかなんて分からない。そこにあるのは逃げているという事実。努力が無駄にならないようにを願うことしか出来ない」
「自信を持って言えるのは、3人が全力で逃げたと言うこと。今日は横風が吹いていたので、メイン集団にとっても簡単なステージではなかった。今日は何も後悔していないよ。昨日は大人数の逃げグループが形成されて、チームメイトが誰も入っていなかったのでストレスが貯まった。今日は少しの運と逃げ切る力が足りなかった」
アンディ・シュレク(ルクセンブルク、サクソバンク)マイヨジョーヌキープ
「今日は集団コントロールに力を使う必要がなかったので、チームにとって良い一日だった。トラブルを避けて、横風に気をつけるのが今日のテーマ。風が吹いているとき、チームメイトは集団前方でポジションをキープしてくれた。最後の上りが近づくとチームメイトたちに言ったんだ。『ここまでありがとう。ここからは問題なく走れるから楽に走っていいよ』って。明日からハードな闘いが待っているから、チームメイトたちの力を浪費させるわけにはいかなかった。僕自身も明日からに向けて力をセーブしたよ」
「明日はハードな闘いになる。でも明日からの闘いに向けてずっとトレーニングを積んで来たんだ。ピレネー山脈を走るのを心待ちにしていた。明日アタックするかどうかは分からない。もし調子が良ければアタックするよ。昨日はアルベルトの日で、今日はヴィノクロフの日。明日はまたアルベルトの日だ。ヴィノクロフは完全に総合争いを諦めている。ステージ優勝を飾った今、彼は100%アルベルトに捧げる走りをすると思う」
アントニー・シャルトー(フランス、Bboxブイグテレコム)マイヨアポワキープ
「間違いなく明日は厳しい闘いになる。でも、マイヨアポワをキープするためには逃げに乗る必要がある。アルプスのアヴォリアズのステージで、上位20位までに入ることが可能だと分かった。最大限多くの山岳ポイントを稼ぐために、またステージ上位に絡むような走りをしたい。すでにこのジャージを守るために力を使っている。でも支えてくれるチームがある。身体的に、ピレネーを乗り切る体力は残っている」
アレッサンドロ・バッラン(イタリア、BMCレーシングチーム)最終山岳でアタック
「脚に調子の良さを感じていたので挑戦してみたかった。でも飛び出しが少し早すぎたようだ。ヴィノクロフが後ろから合流した時、もう付いていく脚が残っていなかった」
カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)総合18位・8分08秒遅れ
「明日の結果が今後のツール・ド・フランスの闘いを大きく左右することになるだろう。骨折からリカバリーするのは大変なこと。毎日改善して行くことを望んでいる」
選手コメントはレース公式サイト、ならびにチーム公式サイトより。
text:Kei Tsuji
アレクサンドル・ヴィノクロフ(カザフスタン、アスタナ)ステージ優勝
「LLサンチェスとバッランが飛び出したとき、今日はアタッカーにチャンスがあると思って集団から飛び出した。作戦を練って飛び出したわけじゃない。2005年にもここを通っていて上りは知っていたし、15秒のリードを稼ぎ出すことが出来れば逃げ切れると思ったんだ。気付けば独走になっていて、タイム差が10秒、15秒と開いた。瞬間的に20秒まで広がっていたと思う。ラスト150mで後ろを振り返って、ようやく集団に掴まらない確信を得た」
「昨日のステージはアスタナ最高の勝利になる可能性を秘めていた。アルベルトと自分がワンツー勝利を飾ることも有り得たんだ。結果的に2人とも敗れてしまって残念だった。昨日の努力が今日の勝利で報われたよ。アルベルトは(ヴィノの勝利を奪ったことについて)申し訳なく思っていたので、チームミーティングで彼に『何も心配ない』と言ったんだ。彼はこの勝利をとても喜んでくれている。チームの士気を高める重要な勝利だ。とにかく昨日は作戦を綿密に立てたことが仇となって失敗した。今日は頭ではなく直感的に動いた。ロードレースってこんなもんだ。ずっとステージ優勝を飾りたいと思っていたけど、200人が同じことを望んでいるので、なかなか実現するのは難しい。アマチュアのとき『ツールでステージ優勝するのは世界選手権で勝つのと同じぐらいレベルが高い』とよくコーチに言われた。もしかしたら今日がステージ優勝を狙う最後のチャンスだったかも知れない。何故ならピレネー山脈を過ぎると、100%アルベルトのために走ることになるから。まだシャンゼリゼステージがあるけど・・・」
「すでにリエージュ〜バストーニュ〜リエージュで復活勝利を飾っているけど、今日“ヴィノ”は生まれ変わった。ツールに再び出場出来ている時点で大きな成功だった。でも今日ここでステージ優勝。ワンダフルだ。これが何を意味するのか表現するのが難しい。昨日も今日も、沿道から沢山の力をもらった。沿道のみんなが“ヴィノ!”と叫んでくれて、それが大きなモチヴェーションに繋がったんだ。自分にとっても家族にとっても、そして祖国カザフスタンにとっても大きな勝利。昨日電話で息子たちに『勝って』と言われたんだ」
「これからピレネーの厳しい山岳4連戦が始まる。“アルベルト将軍”に仕える準備は出来ている。アルベルトを完全に信頼しているし、彼には高い能力が有る。アルベルトの総合優勝こそチームの第一目的であり、もんなモチヴェーションが高い。マイヨジョーヌを手にすることになるピレネー山岳ステージを前に士気を高めるステージ優勝を飾れて良かったよ。サクソバンクはすでに力を使いすぎているし、フランクのリタイアがアンディの山岳での走りに影響すると思う。アルプスですでに証明済みだけど、チームはピレネーのバトルに向けて準備万端だ!」
フアンアントニオ・フレチャ(スペイン、チームスカイ)180kmに渡ってエスケープ
「逃げている最中は、ゴールまで逃げ切れるか逃げ切れないかなんて考えられない。その一瞬一瞬に集中して走るしかないんだ。誰にも逃げ切りが成功するかなんて分からない。そこにあるのは逃げているという事実。努力が無駄にならないようにを願うことしか出来ない」
「自信を持って言えるのは、3人が全力で逃げたと言うこと。今日は横風が吹いていたので、メイン集団にとっても簡単なステージではなかった。今日は何も後悔していないよ。昨日は大人数の逃げグループが形成されて、チームメイトが誰も入っていなかったのでストレスが貯まった。今日は少しの運と逃げ切る力が足りなかった」
アンディ・シュレク(ルクセンブルク、サクソバンク)マイヨジョーヌキープ
「今日は集団コントロールに力を使う必要がなかったので、チームにとって良い一日だった。トラブルを避けて、横風に気をつけるのが今日のテーマ。風が吹いているとき、チームメイトは集団前方でポジションをキープしてくれた。最後の上りが近づくとチームメイトたちに言ったんだ。『ここまでありがとう。ここからは問題なく走れるから楽に走っていいよ』って。明日からハードな闘いが待っているから、チームメイトたちの力を浪費させるわけにはいかなかった。僕自身も明日からに向けて力をセーブしたよ」
「明日はハードな闘いになる。でも明日からの闘いに向けてずっとトレーニングを積んで来たんだ。ピレネー山脈を走るのを心待ちにしていた。明日アタックするかどうかは分からない。もし調子が良ければアタックするよ。昨日はアルベルトの日で、今日はヴィノクロフの日。明日はまたアルベルトの日だ。ヴィノクロフは完全に総合争いを諦めている。ステージ優勝を飾った今、彼は100%アルベルトに捧げる走りをすると思う」
アントニー・シャルトー(フランス、Bboxブイグテレコム)マイヨアポワキープ
「間違いなく明日は厳しい闘いになる。でも、マイヨアポワをキープするためには逃げに乗る必要がある。アルプスのアヴォリアズのステージで、上位20位までに入ることが可能だと分かった。最大限多くの山岳ポイントを稼ぐために、またステージ上位に絡むような走りをしたい。すでにこのジャージを守るために力を使っている。でも支えてくれるチームがある。身体的に、ピレネーを乗り切る体力は残っている」
アレッサンドロ・バッラン(イタリア、BMCレーシングチーム)最終山岳でアタック
「脚に調子の良さを感じていたので挑戦してみたかった。でも飛び出しが少し早すぎたようだ。ヴィノクロフが後ろから合流した時、もう付いていく脚が残っていなかった」
カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)総合18位・8分08秒遅れ
「明日の結果が今後のツール・ド・フランスの闘いを大きく左右することになるだろう。骨折からリカバリーするのは大変なこと。毎日改善して行くことを望んでいる」
選手コメントはレース公式サイト、ならびにチーム公式サイトより。
text:Kei Tsuji
フォトギャラリー
Amazon.co.jp