2022/11/08(火) - 12:35
「周辺レポいらなくね?」――11月6日、ツール・ド・フランスさいたまクリテリウムの会場入りをするなり編集長が、私にこう言った。しかし、生きるためにはなくてもいいが、あったら楽しいのが文化であり、娯楽である。
だいたいレースが始まるまで何もしないのは暇だ。朝から来たお客さんだって何もなければ暇に決まっている。せっかく来たんだから周辺イベントも楽しもうじゃないか、仕事を口実にして!……ということで、久しぶりに帰ってきたのはさいたまクリテ本戦だけじゃない事をお伝えしたくて、勝手にこの記事を書くことにしました。ゆっくりしていってね!
さいたま新都心駅の改札前が、久しぶりにマイヨ・ジョーヌカラーで彩られた photo: Yuichiro Hosoda
駅に着いたら、まずは埼玉新聞のさいたまクリテリウム特集版をどうぞ photo: Yuichiro Hosoda
埼玉の逆襲
サイクルフェスタへと辿り着く直前に目に入ったのが、J:COM主催のこの狂った企画(褒めてる)。埼玉県内の市町村名が入ったTシャツをいちいちプリントして売っているところを見ただけで、混乱した。「そういうとこだぞ!」と言いたくなるのを我慢して写真を撮っていたのだが、設置された物それぞれの情報量が多くて、大した広さでもないのに出る頃にはお腹いっぱいになっていた。
だが展示内で、埼玉県がフランチャイズであるはずの埼玉西武ライオンズの帽子より、千葉ロッテマリーンズの帽子が心なしか目立っていたのは何だったのか。いや、そう言えばここはさいたま市だった(※マリーンズのファーム、ロッテ浦和球場はさいたま市南区にあります)。
埼玉県春日部市出身のビビる大木さんのパネルが出迎える「埼玉の逆襲」ブース photo: Yuichiro Hosoda
「埼玉の逆襲」と称したポップアップストアと展示を大々的に繰り広げていたJ:COM photo: Yuichiro Hosoda
情報量の多い展示 photo: Yuichiro Hosoda
情報量の多い埼玉県内の特産品展示のひな壇 photo: Yuichiro Hosoda
青空の下、開催されたサイクルフェスタとキッズロア
会場前に着くと、まず迎えてくれたのは、この日の青空に馴染む爽快なブルーのゲート。フェスタの入場口では新型コロナ対策のため、検温と消毒を実施。それを済ませて中へ進むと、久々に見る活気あふれる光景が。取材のフリをして一つ一つのブースを周り、出展者の方々との会話を楽しみながら歩を進めた。
快晴の青空に映えるサイクルフェスタのゲート photo: Yuichiro Hosoda
新型コロナ対策のため、入口では検温と消毒が行われていた photo: Yuichiro Hosoda
ステージ前ではBMXフラットランドの実演も photo: Yuichiro Hosoda
この時期開催されるイベントの良いところは、各メーカーの来季の新型モデルも見られる点だ。そしてその期待通り、サーヴェロ、ラピエール、チャプター2など、各社の新型バイクがお披露目されていた。コロナ禍の影響や資材不足等により、試乗会等も減ってなかなか実物を拝見出来ない状況でもあるため、現状こういった機会は貴重だ。ここぞとばかりに各ブースに人だかりが出来ていた。
XELIUS SL 8.0がFDJカラーのフレームキットとともに飾られていたラピエール photo: Yuichiro Hosoda
ラメ入りのフレームが目を引く新モデル・SOLOISTがブース前に置かれ、常に人だかりが出来ていたサーヴェロ photo: Yuichiro Hosoda
ハンドル部のエアロ形状が特徴的な、サーヴェロの新型S5がお披露目 photo: Yuichiro Hosoda
100%リサイクルアルミ材を使用した世界初の自転車フレーム「ZEEN WIND」が注目を浴びていたホダカのブース photo: Yuichiro Hosoda
ジャパンカップに続き、ガラガラ抽選会を実施していたカペルミュール photo: Yuichiro Hosoda
CHAPTER2のエアロモデルKOKO。中でも鮮やかなCOBALT+GREENカラーを間近に見ることが出来た photo: Yuichiro Hosoda
そしてサイクルフェスタと言えばセール。各ブースのセールを目指してくる人もいるほどだ。今回も物販を行うブースではこの日限りの特価品や、シーズンチェンジによるセール品などを取り揃えていた。ショッピングの楽しみがあるのもまた、サイクルフェスタの良いところだ。
サイクルフェスタでは、多くのブースで自転車用品やアパレルの特価品の販売が行われ、これを目当てに来場する人も photo: Yuichiro Hosoda
地球をデザインしたバイクソックス「EARTH」を展示販売していたRxL。カラフル! photo: Yuichiro Hosoda
ミシュランブースでは、レトロなビバンダム×ツールTシャツからビブのフィギュアまで販売されていた photo: Yuichiro Hosoda
カーボンドライジャパンでは、自社製ビッグプーリーキットのスムーズな動きを体験できた photo: Yuichiro Hosoda
どこかの自転車メディアの編集部員がさいたまディレーブのコスプレをしてサコッシュやクマさんを売ってました photo: Yuichiro Hosoda
悪魔おじさんになっちゃった! photo: Yuichiro Hosoda
悪魔おじさんの写真パネル展示とともに紹介されていたアトランティックスターズのスニーカー。知る人ぞ知るメイド・イン・イタリーなブランド photo: Yuichiro Hosoda
スポーツバイクファクトリー北浦和スズキの鈴木卓史さんが、SIDIのシューズとマッサージガンの「THERAGUN」をイチ押し photo: Yuichiro Hosoda
宇都宮ブリッツェンは、チームのコンディショニング機器サプライヤーでもある伊藤超短波とブースを共にしていた photo: Yuichiro Hosoda
パラサイクリングブースには、出場選手達の紹介とともに、珍しいカーボンフレームのタンデムバイクが展示されていた photo: Yuichiro Hosoda
そこから少し離れた場所で、サイクルフェスタとはまた違った空気感を醸していたのがキッズロア。設置されたコースは子供専用だが、中には軽いパンプトラック的なパートやタイトコーナーなどがあり、楽しみながら乗車技術も磨けてしまいそう。
今回は時間が合わなかったために撮影ならずではあったが、恒例のキッズレースも開催。さらに前日の5日(土)には、さいたまクリテの出場選手達も訪れ、子供達とともに走ってくれたそうだ。
常にのどかな空気感を醸しているキッズロア photo: Yuichiro Hosoda
しかし実はキッズロアの特設コースでは子供たちの熱いバトルが繰り広げられている。フリー走行でも表情は真剣そのもの photo: Yuichiro Hosoda
完全復活ならずも楽し 食の祭典「さいたまるしぇ」
メイン会場である、さいたまスーパーアリーナにほど近い場所で開催される「さいたまるしぇ」。こちらもまた新型コロナ対策のため、検温&消毒が入場口で実施されていた。
また、食事スペースも全てのテーブルにアクリルの衝立が設けられ、一方を向いて横並びで食べるようになっていた。いた仕方ない事とは言え、窮屈さは否めない。かつての全方位に開かれた人々の交流と賑わいを想うと、少し寂しい気持ちになったのは事実だ。早くこの状況が終わりますように。
今年のさいたまるしぇは、ソーシャル・ディスタンスが配慮され、食事スペースと売店スペースが分けられていた photo: Yuichiro Hosoda
フランス市場では各店自慢の出来たて料理を購入できるのが魅力 photo: Yuichiro Hosoda
ビストロやまで料理を購入したお客さんを、クマちゃんと一緒に撮らせてもらいました photo: Yuichiro Hosoda
しかし美味しい食を求める人達は、それでもここに集まった。サイクルフェスタを周り終えてお昼過ぎにこちらに戻ってきた時には、メニューに完売の札が貼られているお店も出始めていた。「飲み物しか残ってなくてすみません」とワインだけを出すことになっているお店もあったほど。
さいたまるしぇを訪れる人達は、コロナ対策で隙間の見える会場の見た目以上に多かったようで、その点はホッとした。マナーを守って食を楽しむ人達ばかりだったと言う点も。…かく言う自分は、こうしてアチコチ歩き回っているがゆえに何も食べられないため、よだれを飲み込むばかりでありました(涙)。
パレスホテル大宮のクラウンレストランで焼いていたジューシーなお肉 photo: Yuichiro Hosoda
美味しそうなスパークリングワインを丁寧に注いでくれていたフランス料理アルピーノ photo: Yuichiro Hosoda
「小江戸」川越のブルワリーで作られた芳醇な香りのコエドビール photo: Yuichiro Hosoda
岩槻市のねぎキャラ・ネーマくんがアピールする岩槻ねぎの塩焼きそば photo: Yuichiro Hosoda
甘い匂いを漂わせながら、子供にクレープ作りを見せてくれていたパパクレープ photo: Yuichiro Hosoda
コロナ禍のせいで「3年ぶり開催」と呼ばれる大会がいくつもあり、毎回のように皆が「3年ぶり3年ぶり」と書いているので、この記事中にはあえて書かないようにしていたのだけど、この一文だけでもう3回も書いてしまいました。何事も我慢しすぎるのは良くないですね。来年はコロナ禍が和らぎ、よりオープンなさいたまクリテと周辺イベントが開催されるよう、自転車の神様にお願いをして筆を置くこととします。
同日程でガンズ・アンド・ローゼズのジャパンツアーも開催されたさいたまスーパーアリーナ photo: Yuichiro Hosoda
photo&text: Yuichiro Hosoda
だいたいレースが始まるまで何もしないのは暇だ。朝から来たお客さんだって何もなければ暇に決まっている。せっかく来たんだから周辺イベントも楽しもうじゃないか、仕事を口実にして!……ということで、久しぶりに帰ってきたのはさいたまクリテ本戦だけじゃない事をお伝えしたくて、勝手にこの記事を書くことにしました。ゆっくりしていってね!


埼玉の逆襲
サイクルフェスタへと辿り着く直前に目に入ったのが、J:COM主催のこの狂った企画(褒めてる)。埼玉県内の市町村名が入ったTシャツをいちいちプリントして売っているところを見ただけで、混乱した。「そういうとこだぞ!」と言いたくなるのを我慢して写真を撮っていたのだが、設置された物それぞれの情報量が多くて、大した広さでもないのに出る頃にはお腹いっぱいになっていた。
だが展示内で、埼玉県がフランチャイズであるはずの埼玉西武ライオンズの帽子より、千葉ロッテマリーンズの帽子が心なしか目立っていたのは何だったのか。いや、そう言えばここはさいたま市だった(※マリーンズのファーム、ロッテ浦和球場はさいたま市南区にあります)。




青空の下、開催されたサイクルフェスタとキッズロア
会場前に着くと、まず迎えてくれたのは、この日の青空に馴染む爽快なブルーのゲート。フェスタの入場口では新型コロナ対策のため、検温と消毒を実施。それを済ませて中へ進むと、久々に見る活気あふれる光景が。取材のフリをして一つ一つのブースを周り、出展者の方々との会話を楽しみながら歩を進めた。



この時期開催されるイベントの良いところは、各メーカーの来季の新型モデルも見られる点だ。そしてその期待通り、サーヴェロ、ラピエール、チャプター2など、各社の新型バイクがお披露目されていた。コロナ禍の影響や資材不足等により、試乗会等も減ってなかなか実物を拝見出来ない状況でもあるため、現状こういった機会は貴重だ。ここぞとばかりに各ブースに人だかりが出来ていた。






そしてサイクルフェスタと言えばセール。各ブースのセールを目指してくる人もいるほどだ。今回も物販を行うブースではこの日限りの特価品や、シーズンチェンジによるセール品などを取り揃えていた。ショッピングの楽しみがあるのもまた、サイクルフェスタの良いところだ。










そこから少し離れた場所で、サイクルフェスタとはまた違った空気感を醸していたのがキッズロア。設置されたコースは子供専用だが、中には軽いパンプトラック的なパートやタイトコーナーなどがあり、楽しみながら乗車技術も磨けてしまいそう。
今回は時間が合わなかったために撮影ならずではあったが、恒例のキッズレースも開催。さらに前日の5日(土)には、さいたまクリテの出場選手達も訪れ、子供達とともに走ってくれたそうだ。


完全復活ならずも楽し 食の祭典「さいたまるしぇ」
メイン会場である、さいたまスーパーアリーナにほど近い場所で開催される「さいたまるしぇ」。こちらもまた新型コロナ対策のため、検温&消毒が入場口で実施されていた。
また、食事スペースも全てのテーブルにアクリルの衝立が設けられ、一方を向いて横並びで食べるようになっていた。いた仕方ない事とは言え、窮屈さは否めない。かつての全方位に開かれた人々の交流と賑わいを想うと、少し寂しい気持ちになったのは事実だ。早くこの状況が終わりますように。



しかし美味しい食を求める人達は、それでもここに集まった。サイクルフェスタを周り終えてお昼過ぎにこちらに戻ってきた時には、メニューに完売の札が貼られているお店も出始めていた。「飲み物しか残ってなくてすみません」とワインだけを出すことになっているお店もあったほど。
さいたまるしぇを訪れる人達は、コロナ対策で隙間の見える会場の見た目以上に多かったようで、その点はホッとした。マナーを守って食を楽しむ人達ばかりだったと言う点も。…かく言う自分は、こうしてアチコチ歩き回っているがゆえに何も食べられないため、よだれを飲み込むばかりでありました(涙)。





コロナ禍のせいで「3年ぶり開催」と呼ばれる大会がいくつもあり、毎回のように皆が「3年ぶり3年ぶり」と書いているので、この記事中にはあえて書かないようにしていたのだけど、この一文だけでもう3回も書いてしまいました。何事も我慢しすぎるのは良くないですね。来年はコロナ禍が和らぎ、よりオープンなさいたまクリテと周辺イベントが開催されるよう、自転車の神様にお願いをして筆を置くこととします。

photo&text: Yuichiro Hosoda
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