2022/11/05(土) - 21:57
3年ぶりの開催となったツール・ド・フランスさいたまクリテリウム。前日はさいたまスーパーアリーナでヴィンゲゴーと弱虫ペダル渡辺先生の対談、J SPORTSの公開番組収録イベントとしてフルームやニバリ、バルベルデらによる前夜祭王決定戦が開催された。
新型コロナの影響で2019年を最後に途絶えていたツール・ド・フランスさいたまクリテリウムが帰ってきた。3年ぶりとなる大会は2019年と同じ会場・同じコースで開催される。大会前日となる11月5日(土)は、メイン会場のさいたまスーパーアリーナで記者会見や前夜祭イベントが開催。
まずはツール・ド・フランス2022覇者ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ)と弱虫ペダル作者の渡辺航先生の対談が実現した。今年のツールをTVで観戦して、ヴィンゲゴーの走りに感銘を受けた渡辺先生がまずその名場面を熱く語り、ファンになったことを告白。そこから「マンガ」をテーマに話が広がった。
渡辺先生が「マンガのキャラクターにするならどの選手?」と問えば、ヴィンゲゴーは「何でもできてナイスガイのポガチャルがいいと思う。そしてファンアールトもいいんじゃないかな」と答えた。対談後には渡辺先生が色紙に描いたヴィンゲゴーの似顔絵をプレゼント。ヴィンゲゴーはその絵に見入りながら、何度も「ナイス、サンキュー」を繰り返していた。
続いては有力選手の記者会見。このさいたまクリテを最後に引退するアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)とヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ・カザフスタン)、そしてヴィンゲゴーとクリストファー・フルーム(イギリス・イスラエル・プレミアテック)、新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス)が順に記者たちの質問に答えた。
記者会見のあとはアリーナを会場とするJSPORTSの公開番組収録が開催。「前夜祭王決定戦」と題するステージは、もはやさいたまクリテの名物イベントとしておなじみ。ヴィンゲゴーとフルームが「チームマイヨジョーヌ」、ニーバリとバルベルデが「チームレジェンド」としてチームで対決することに。
まずは早押しクイズ。国の地図状のシルエットからツール・ド・フランスの来年のグランデパール(開幕スタート地点)を当てるクイズでは、ヴィンゲゴーがいち早く「ビルバオ」を回答し、来年のツールの予習がバッチリであることを披露。拍手喝采を浴びた。いっぽうスペイン人のバルベルデは先を越されたことに質問が及ぶと「僕は歳だからボタンを押すのに時間かかるんだ」とおどける。そして「僕は居ないが、バスクは自転車熱が高く、素晴らしいものになるだろう」と。
次いで2022年のマイヨジーヌの写真を当てるクイズでも一番回答はヴィンゲゴー。自身の表彰台の写真を当てた。マイヨジョーヌの着心地を訊かれると「信じられない素晴らしいもの」と表現した。
次いでツールの映像から、それが第何ステージかを当てるクイズ。ピドコックがハイスピードダウンヒルを披露するシーンから正解したのはフルーム。「これは僕も逃げたラルプデュエスだから、12? 」と、自分が逃げて3位になったことで判ったものの、ステージ数では覚えていないもの。しかしフルームにとって大怪我から復帰して再びツールの最前線で戦えたステージ。観客からも暖かな拍手が送られた。
次に流れたのはマイヨジョーヌを着たポガチャルに次々と襲いかかるユンボ・ヴィスマのアタックのシーン。すぐさま「第11ステージ」と答えたのはヴィンゲゴー。言うまでもなくグラノン峠頂上で初のステージ優勝とマイヨジョーヌを獲得した日だ。栗村さんに「この日のステージ優勝は作戦どおりだった?」と訊かれたヴィンゲゴーは「そう。あの日のチームの作戦はポガチャルに対して順番にアタックを仕掛けようというものだった。それが上手く行ったんだ」と答える。
早押しクイズは前夜祭王決定戦初出場のヴィンゲゴーが3勝と、勢いが際立つものになった。次のゲームは浴衣に似合う「綿飴(わたあめ)」づくり体験。誰が形のいい綿飴をつくるかを競うもの。うまく丸いフォルムに仕立てたニーバリが一番ということに。
最後のゲームは例年爆笑の「お絵かき」だ。提示された絵のテーマは「自転車に乗った自分」を描くこと。結論から先に言えば、壇上の4人皆がとんでもなく絵が下手だということが判った(笑)。
スマホで自分のレース中の写真を検索してカンニング(?)したニーバリが描いたのは、2014年ツールで優勝したときに両手を挙げることなくフィニッシュし、マイヨジョーヌを決めたシーン。
バルベルデも勝利したレースのイメージを表現し、フルームの絵はどこか抽象的で、栗村さん曰く「ピカソの絵のよう」。そしてヴィンゲゴーの絵は歯を食いしばって苦しんでいる自分。「レースを走っているときは、こうして苦しんでいるんだ」と話すが、「絵の才能はゼロ」だと公言したことに納得するだけの絵だった。
判定は観客の拍手により。そして総合結果では「チームマイヨジョーヌ」の4ポイントに対し、「チームレジェンド」が13ポイントで、ニーバリとバルベルデの圧勝ということに。「大変な闘いだった。ヤツらは猛烈なスタートダッシュをかけてきたけど、結局は経験豊富な僕らが勝てたね!」とニーバリ。笑ったあとは浴衣姿で観覧した選手たちも登壇しての記念撮影でお開きに。
text&photo:Makoto AYANO
新型コロナの影響で2019年を最後に途絶えていたツール・ド・フランスさいたまクリテリウムが帰ってきた。3年ぶりとなる大会は2019年と同じ会場・同じコースで開催される。大会前日となる11月5日(土)は、メイン会場のさいたまスーパーアリーナで記者会見や前夜祭イベントが開催。
まずはツール・ド・フランス2022覇者ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ)と弱虫ペダル作者の渡辺航先生の対談が実現した。今年のツールをTVで観戦して、ヴィンゲゴーの走りに感銘を受けた渡辺先生がまずその名場面を熱く語り、ファンになったことを告白。そこから「マンガ」をテーマに話が広がった。
渡辺先生が「マンガのキャラクターにするならどの選手?」と問えば、ヴィンゲゴーは「何でもできてナイスガイのポガチャルがいいと思う。そしてファンアールトもいいんじゃないかな」と答えた。対談後には渡辺先生が色紙に描いたヴィンゲゴーの似顔絵をプレゼント。ヴィンゲゴーはその絵に見入りながら、何度も「ナイス、サンキュー」を繰り返していた。
続いては有力選手の記者会見。このさいたまクリテを最後に引退するアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)とヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ・カザフスタン)、そしてヴィンゲゴーとクリストファー・フルーム(イギリス・イスラエル・プレミアテック)、新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス)が順に記者たちの質問に答えた。
記者会見のあとはアリーナを会場とするJSPORTSの公開番組収録が開催。「前夜祭王決定戦」と題するステージは、もはやさいたまクリテの名物イベントとしておなじみ。ヴィンゲゴーとフルームが「チームマイヨジョーヌ」、ニーバリとバルベルデが「チームレジェンド」としてチームで対決することに。
まずは早押しクイズ。国の地図状のシルエットからツール・ド・フランスの来年のグランデパール(開幕スタート地点)を当てるクイズでは、ヴィンゲゴーがいち早く「ビルバオ」を回答し、来年のツールの予習がバッチリであることを披露。拍手喝采を浴びた。いっぽうスペイン人のバルベルデは先を越されたことに質問が及ぶと「僕は歳だからボタンを押すのに時間かかるんだ」とおどける。そして「僕は居ないが、バスクは自転車熱が高く、素晴らしいものになるだろう」と。
次いで2022年のマイヨジーヌの写真を当てるクイズでも一番回答はヴィンゲゴー。自身の表彰台の写真を当てた。マイヨジョーヌの着心地を訊かれると「信じられない素晴らしいもの」と表現した。
次いでツールの映像から、それが第何ステージかを当てるクイズ。ピドコックがハイスピードダウンヒルを披露するシーンから正解したのはフルーム。「これは僕も逃げたラルプデュエスだから、12? 」と、自分が逃げて3位になったことで判ったものの、ステージ数では覚えていないもの。しかしフルームにとって大怪我から復帰して再びツールの最前線で戦えたステージ。観客からも暖かな拍手が送られた。
次に流れたのはマイヨジョーヌを着たポガチャルに次々と襲いかかるユンボ・ヴィスマのアタックのシーン。すぐさま「第11ステージ」と答えたのはヴィンゲゴー。言うまでもなくグラノン峠頂上で初のステージ優勝とマイヨジョーヌを獲得した日だ。栗村さんに「この日のステージ優勝は作戦どおりだった?」と訊かれたヴィンゲゴーは「そう。あの日のチームの作戦はポガチャルに対して順番にアタックを仕掛けようというものだった。それが上手く行ったんだ」と答える。
早押しクイズは前夜祭王決定戦初出場のヴィンゲゴーが3勝と、勢いが際立つものになった。次のゲームは浴衣に似合う「綿飴(わたあめ)」づくり体験。誰が形のいい綿飴をつくるかを競うもの。うまく丸いフォルムに仕立てたニーバリが一番ということに。
最後のゲームは例年爆笑の「お絵かき」だ。提示された絵のテーマは「自転車に乗った自分」を描くこと。結論から先に言えば、壇上の4人皆がとんでもなく絵が下手だということが判った(笑)。
スマホで自分のレース中の写真を検索してカンニング(?)したニーバリが描いたのは、2014年ツールで優勝したときに両手を挙げることなくフィニッシュし、マイヨジョーヌを決めたシーン。
バルベルデも勝利したレースのイメージを表現し、フルームの絵はどこか抽象的で、栗村さん曰く「ピカソの絵のよう」。そしてヴィンゲゴーの絵は歯を食いしばって苦しんでいる自分。「レースを走っているときは、こうして苦しんでいるんだ」と話すが、「絵の才能はゼロ」だと公言したことに納得するだけの絵だった。
判定は観客の拍手により。そして総合結果では「チームマイヨジョーヌ」の4ポイントに対し、「チームレジェンド」が13ポイントで、ニーバリとバルベルデの圧勝ということに。「大変な闘いだった。ヤツらは猛烈なスタートダッシュをかけてきたけど、結局は経験豊富な僕らが勝てたね!」とニーバリ。笑ったあとは浴衣姿で観覧した選手たちも登壇しての記念撮影でお開きに。
text&photo:Makoto AYANO
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